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【発明の名称】 化粧製品の製法
【発明者】 【氏名】佐藤 誠

【氏名】菅野 富美子

【氏名】里見 順子

【氏名】三室 和之

【氏名】青沼 陽平

【氏名】菱沼 廉雄

【要約】 【課題】化粧料の表面に鮮明な凹凸模様を転写形成することができる化粧製品の製法を提供する。

【解決手段】凹凸模様を転写形成するための転写用模様5が表面に形成された弾性型1を準備する工程と、上記弾性型1の表面と筒状の型部材兼用化粧料保持具2の開口部2aとを当接させる工程と、上記弾性型1の表面と上記保持具2の開口部2aの内周面とで囲まれる包囲空間に流動状態の化粧料を充填する工程と、この充填した化粧料の少なくとも外周部を固化させたのちに上記弾性型1の表面から上記化粧料を上記保持具2とともに分離する工程とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 筒状または有底筒状の型部材兼用化粧料保持具に化粧料を充填し、上記保持具の開口部内に位置する化粧料の表面に凹凸模様を転写形成する化粧製品の製法であって、上記凹凸模様を転写形成するための転写用模様が表面に形成された弾性型を準備する工程と、上記弾性型の表面と上記保持具の開口部とを当接させる工程と、上記弾性型の表面と上記保持具の内周面とで囲まれる包囲空間に流動状態の化粧料を充填する工程と、この充填した化粧料の少なくとも外周部を固化させたのちに上記弾性型の表面から上記化粧料を上記保持具とともに分離する工程とを備えていることを特徴とする化粧製品の製法。
【請求項2】 上記弾性型の表面の一部に、上記保持具の筒状または有底筒状の頂面近傍に達する高さの盛り上げ部分を設け、この盛り上げ部分を除いた上記包囲空間に流動状態の化粧料を充填し少なくとも外周部を固化させたのちに、上記盛り上げ部分を除去しその除去跡の空間に流動状態の他の化粧料を充填し固化させる請求項1記載の化粧製品の製法。
【請求項3】 上記弾性型の表面と上記保持具の内周面とで囲まれる包囲空間を仕切り枠または仕切り板で複数の小空間に仕切り、互いに隣接しない上記小空間に流動状態の化粧料を充填し少なくとも外周部を固化させたのちに、上記化粧料を充填した小空間を形成する仕切り枠または仕切り板を除去し、その除去跡の空間およびその除去した仕切り枠または仕切り板が除去前に仕切っていた上記小空間に流動状態の化粧料を充填し固化させる請求項1記載の化粧製品の製法。
【請求項4】 上記弾性型が分割可能になっており、この分割と上記小空間への仕切りとが対応している請求項3記載の化粧製品の製法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧料の表面にロゴマーク等の凹凸模様を転写形成する化粧製品の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ファンデーション等の化粧料と、この化粧料を保持する化粧皿等の保持具とからなる化粧製品には、その見栄えをよくしたり、商品名等を表示したりする目的で、上記化粧料の表面に微細な網目状の絞り目やロゴマーク等の凹凸模様を転写形成することが行なわれている。
【0003】このような凹凸模様の転写形成は、つぎのようにして行なわれている。すなわち、図24に示すように、まず、3重量%〜25重量%の油成分を含む粉末化粧料93を上記保持具92に充填する。ついで、その化粧料93の表面を薄葉紙(可撓性シート)94で覆う。つぎに、上記凹凸模様を転写形成するための転写用模様95が下面に形成されたブレス盤91で上記薄葉紙94の上から上記化粧料93を押圧する。このとき、ブレス盤91の転写用模様95が化粧料93の表面に転写され、化粧料93の表面が凹凸模様に転写形成される。そののち、上記ブレス盤91を持ち上げ、上記薄葉紙94を化粧料93の表面から剥離する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、化粧料に含有される油成分が多い場合、特にその油成分の含有率が50重量%以上である場合には、上記ブレス盤91による凹凸模様の転写形成は、その凹凸模様が不鮮明になることがあり、かえって、見栄えを悪くすることがあった。この理由は、ブレス盤91による押圧の際に、薄葉紙94と化粧料93とが密着して化粧料93が薄葉紙94に付着し、そののちの薄葉紙94の剥離の際に、その薄葉紙94に付着した化粧料93が薄葉紙94とともに持ち上げられるためであると考えられている。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、化粧料の表面に鮮明な凹凸模様を転写形成することができる化粧製品の製法の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の化粧製品の製法は、筒状または有底筒状の型部材兼用化粧料保持具に化粧料を充填し、上記保持具の開口部内に位置する化粧料の表面に凹凸模様を転写形成する化粧製品の製法であって、上記凹凸模様を転写形成するための転写用模様が表面に形成された弾性型を準備する工程と、上記弾性型の表面と上記保持具の開口部とを当接させる工程と、上記弾性型の表面と上記保持具の内周面とで囲まれる包囲空間に流動状態の化粧料を充填する工程と、この充填した化粧料の少なくとも外周部を固化させたのちに上記弾性型の表面から上記化粧料を上記保持具とともに分離する工程とを備えているという構成をとる。
【0007】本発明者らは、化粧料の表面に凹凸模様を転写形成する化粧製品の製法において、上記凹凸模様を鮮明なものにするために、鋭意研究を重ねた。そして、その研究の過程で、プレス盤による凹凸模様の転写形成がその凹凸模様の鮮明さに影響を及ぼしていることを突き止め、さらに鋭意研究を重ねた。その結果、化粧料の表面に凹凸模様を転写形成するための転写用模様が表面に形成された弾性型の表面と筒状または有底筒状の型部材兼用化粧料保持具の開口部とを当接させ、上記弾性型の表面と上記保持具の内周面とで囲まれる包囲空間に流動状態の化粧料を充填し、この充填した化粧料の少なくとも外周部を固化させたのちに上記弾性型の表面から上記化粧料を上記保持具とともに分離すると、上記弾性型が弾性を有するため、上記転写用模様からの脱型が簡単にできるとともに、上記凹凸模様を鮮明なものにすることができることを見いだし、本発明に到達した。
【0008】また、本発明の化粧製品の製法において、上記弾性型の表面の一部に、上記保持具の筒状または有底筒状の頂面近傍に達する高さの盛り上げ部分を設け、この盛り上げ部分を除いた上記包囲空間に流動状態の化粧料を充填し少なくとも外周部を固化させたのちに、上記盛り上げ部分を除去しその除去跡の空間に流動状態の他の化粧料を充填し固化させる場合には、互いに異なる化粧料が仕切りなく隣接し合って上記保持具内に保持されている化粧製品を作製することができる。
【0009】また、本発明の化粧製品の製法において、上記弾性型の表面と上記保持具の内周面とで囲まれる包囲空間を仕切り枠または仕切り板で複数の小空間に仕切り、互いに隣接しない上記小空間に流動状態の化粧料を充填し少なくとも外周部を固化させたのちに、上記化粧料を充填した小空間を形成する仕切り枠または仕切り板を除去し、その除去跡の空間およびその除去した仕切り枠または仕切り板が除去前に仕切っていた上記小空間に流動状態の化粧料を充填し固化させる場合にも、互いに異なる化粧料が仕切りなく隣接し合って上記保持具内に保持されている化粧製品を作製することができる。
【0010】さらに、上記弾性型が分割可能になっており、この分割と上記小空間への仕切りとが対応している場合には、分割された上記弾性型の一部分に代えて、転写用模様が異なる他のものを用いることができ、凹凸模様の組み合わせが異なる化粧製品を簡単に作製することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
【0012】図1〜図5は、本発明の化粧製品の製法の第1の実施の形態を示している。この実施の形態では、化粧製品の製法は、まず、図1に示すように、転写用模様5が表面に形成された円板状の弾性型1を準備する。この弾性型1は、シリコーンゴム,エラストマー(合成ゴム)等の弾性材で形成されており、成形型を用いて成形することにより作製される。また、上記転写用模様5は、化粧料の表面に凹凸模様8(図5参照)を転写形成するためのものであり、図1では、転写用模様5として花模様の凹部が弾性型1の表面の中央部に形成されている。さらに、上記弾性型1の表面には、後述する円筒状の化粧料保持具2の外周面に嵌合する円環状の突条6が突設されている。
【0013】ついで、プラスチックや金属等で形成されている円筒状の化粧料保持具2を準備し、図2に示すように、その一方の開口部2aを上記突条6に嵌合させて上記弾性型1の表面に当接させる。後述するように、上記保持具2は、内部の包囲空間に化粧料3(図3参照)が充填されたのちにコンパクト等の容器本体の固定穴(図示せず)に挿入されて固定されるものである。すなわち、上記保持具2は、化粧料3を成形するための型部材も兼用しており、その大きさは、上記固定穴に対応するようになっている。
【0014】つづいて、図3に示すように、上記保持具2の他方の開口部2bから、上記弾性型1の表面と上記保持具2の内周面とで囲まれる包囲空間に、加熱により流動状態にされた化粧料3を充填する。
【0015】つづいて、図4に示すように、上記保持具2の他方の開口部2bを蓋する円板状の蓋体4を準備して蓋したのちに、冷却して流動状態の化粧料3を固化させる。上記蓋体4の下面には、上記保持具2の他方の開口部2bの内周面に嵌合する円環状の突条7が突設されている。
【0016】つづいて、上記充填した化粧料3の少なくとも外周部が固化したのちに、上記弾性型1の表面から上記化粧料3を上記保持具2および蓋体4とともに分離する。このようにして、図5に示すように、化粧料3が保持具2および蓋体4からなる空間内に保持され、上記保持具2の一方の開口部2a内に位置する化粧料3の表面に花模様が凸部(凹凸模様8)に転写形成されている化粧製品が作製される。また、上記転写形成の際には、花模様が脱型されるが、弾性型1が弾性を有するため、その脱型が簡単にできる。
【0017】そして、上記化粧料3が保持された保持具2を、コンパクト等の容器本体の固定穴に挿入して固定する。この固定は、上記花模様の凹凸模様8が転写形成されている化粧料3の表面を上にした状態で(上記蓋体4を上記固定穴の底面に向けた状態で)行なわれる(図示せず)。
【0018】このように、上記第1の実施の形態の化粧製品の製法によれば、弾性を有する弾性型1を用いて、化粧料3の表面に花模様等の凹凸模様8を転写形成しているため、脱型を簡単に行なうことができる。また、弾性型1は、シリコーンゴム等の弾性材で形成されているため、金属製型よりも加工しやすく、安価に製造することができる。さらに、上記弾性型1を用いれば、その弾性型1が弾性を有しているため、アンダーカットがある場合でも、脱型を簡単にすることができる。その結果、上記化粧料3の表面における花模様等の凹凸模様8のデザインの自由度を増すことができ、化粧製品の美的外観を向上させることができる。
【0019】また、流動状態の化粧料3を固化させて上記凹凸模様8を転写形成した場合には、化粧料3に含有される油成分の含有率に関係なく、その凹凸模様8を鮮明なものにすることができる。そして、このように流動状態の化粧料3を固化させた場合には、その流動状態の化粧料3を充填する包囲空間の底面部分すなわち弾性型1の表面部分では、固化した化粧料3に気泡や色むら等がない。したがって、化粧料3の表面では、花模様等の凹凸模様8が鮮明になっているとともに気泡や色むら等がないため、化粧製品の品質を向上させることができる。また、上記第1の実施の形態の化粧製品の製法は、従来のブレス盤91(図24参照)による凹凸模様の転写形成ではその凹凸模様を鮮明なものにすることが困難であった油成分の含有率が50重量%以上である化粧料3に対して、特に有効である。しかも、ブレス機等の大がかりな装置を必要としない。
【0020】さらに、上記弾性型1を剥離性のよいシリコーンゴム等の弾性材で形成すれば、上記脱型がより簡単となり、化粧製品の生産性を向上させることができる。また、上記保持具2は、化粧料3を成形するための型部材も兼用しているため、成形型を別体として設ける必要がなく、この点からも、化粧製品の生産性を向上させることができる。
【0021】そして、上記第1の実施の形態の変形例として、弾性型1の花模様の凹部に充填する化粧料とそれ以外の部分に充填する化粧料とを色や性質等が異なるようにしてもよい。このようにすることにより、化粧料の表面に転写形成される花模様の凸部とそれ以外の部分とが色違い等になり、化粧製品の美的外観を向上させることができる。
【0022】また、上記第1の実施の形態の他の変形例として、蓋体4を用いないようにしてもよい。すなわち、化粧料3を保持具2だけで保持するようにしてもよい。また、円筒状の保持具2に代えて有底円筒状の保持具(化粧皿)を用いてもよい。この場合には、流動状態の化粧料3を充填するための貫通孔を保持具(化粧皿)の底部に形成する。そして、化粧料3を充填する際に空気を抜くための貫通孔を別に保持具(化粧皿)の底部に形成してもよい。
【0023】図6〜図12は、本発明の化粧製品の製法の第2の実施の形態を示している。この実施の形態では、化粧製品の製法は、まず、図6に示すように、表面の一部に盛り上げ部分14が形成された略円板状の第1の弾性型11を準備する。上記盛り上げ部分14は、後述する化粧皿12の深みと同じ値の高さを有している。また、化粧料の表面に凹凸模様8を転写形成するための転写用模様5は、その一部が、上記盛り上げ部分14が形成されている部分以外の第1の弾性型11の表面に形成されている。それ以外の部分は、上記第1の実施の形態における弾性型と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0024】ついで、有底円筒状の化粧皿(化粧料保持具)12を準備する。この化粧皿12の底部には、第1の貫通孔15および第2の貫通孔16がそれぞれ1つずつ(合計2つ)形成されており、第1の貫通孔15は、上記盛り上げ部分14以外の部分に対応した位置に形成されており、第2の貫通孔16は、上記盛り上げ部分14に対応した位置に形成されている。そして、図7に示すように、上記第2の貫通孔16が上記盛り上げ部分14の上方に位置するようにして、上記化粧皿12の開口部12aを上記突条6に嵌合させて上記第1の弾性型11の表面に当接させる。
【0025】つづいて、図8に示すように、上記化粧皿12の第1の貫通孔15から、上記第1の弾性型11の表面と上記化粧皿12の内周面と上記盛り上げ部分14の外周面とで囲まれる包囲空間に、加熱により流動状態にされた化粧料13を充填する。
【0026】つづいて、上記充填した化粧料13の少なくとも外周部が固化したのちに、上記第1の弾性型11の表面から上記化粧料13を上記化粧皿12とともに分離する。このようにして、上記化粧料13が化粧皿12内の一部に保持され、上記化粧皿12の開口部12a内に位置する化粧料13の表面に花模様の一部が凸部(図12参照)に転写形成されている中間品A(図9参照)が作製される。
【0027】つづいて、図9に示すように、転写用模様5の全部が表面に形成された円板状の第2の弾性型17を準備する。この第2の弾性型17は、上記第1の実施の形態における弾性型1(図1参照)と同様のものである。そして、図10に示すように、上記中間品Aの花模様の一部の凸部を第2の弾性型17の花模様の一部の凹部に嵌めるようにして、上記化粧皿12の開口部12aを上記第2の弾性型17の表面に当接させる。
【0028】つづいて、図11に示すように、上記第2の弾性型17の表面と上記化粧皿12の内周面と上記固化した化粧料13の外周面とで囲まれる包囲空間(上記盛り上げ部分14を除去した除去跡の空間)に、上記化粧皿12の第2の貫通孔16から、上記化粧料13とは色や性質等が異なる他の化粧料18を加熱により流動状態にして充填する。
【0029】つづいて、上記充填した他の化粧料18の少なくとも外周部が固化したのちに、上記第2の弾性型17の表面から上記2種類の化粧料13,18を上記化粧皿12とともに分離する。このようにして、図12に示すように、上記2種類の化粧料13,18が仕切りなく隣接し合って化粧皿12内に保持され、上記化粧皿12の開口部12a内に位置する化粧料13,18の表面に花模様が凸部(凹凸模様8)に転写形成されている化粧製品が作製される。
【0030】このように、この第2の実施の形態の化粧製品の製法によっても、上記第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏する。また、この第2の実施の形態の化粧製品の製法の場合には、化粧料を充填する際に空気を抜くための貫通孔を別に化粧皿12の底部に形成してもよい。
【0031】そして、この第2の実施の形態の変形例として、上記盛り上げ部分14の形状や配置を変えることにより、上記2種類の化粧料13,18の配置を変えることができる。
【0032】例えば、平面視で、図13(a)に示すように、中央部分と両端部分とで化粧料13,18の種類を変える場合には、中央部分または左右両端部分に上記盛り上げ部分を配置させる。そして、流動状態の化粧料13,18を充填するために形成される化粧皿12の底部の貫通孔は、上記中央部分,左端部分,右端部分のそれぞれに対応する部分に1つずつ(合計3つ)形成される。また、図13(b)に示すように、種類の異なる化粧料13,18を3か所に点在させる場合には、3か所の点在部分またはそれ以外の部分に上記盛り上げ部分を配置させる。そして、上記化粧皿12の底部の貫通孔は、点在させる3か所とそれ以外の部分のそれぞれに対応する部分に1つずつ(合計4つ)形成される。
【0033】また、この第2の実施の形態の他の変形例として、上記盛り上げ部分を2段階以上に分けて除去し、各段階でその除去跡の空間にそれぞれ異なる化粧料を充填することにより、3種類以上の化粧料が仕切りなく化粧皿12内に保持された化粧製品を作製してもよい。
【0034】また、この第2の実施の形態のさらに他の変形例として、有底円筒状の化粧皿12に代えて上記第1の実施の形態における円筒状の保持具2(図1参照)を用いてもよい。この場合には、盛り上げ部分14に相当する部分を別体として設けるとともに、第1の弾性型11に代えて、第2の弾性型17を用いてもよい。
【0035】図14〜図18は、本発明の化粧製品の製法の第3の実施の形態を示している。この実施の形態では、化粧製品の製法は、まず、図14に示すように、上記第1の実施の形態と同様の弾性型1と保持具2と蓋体4(図17参照)とを準備するとともに、略有天筒状の仕切り枠31を準備する。この仕切り枠31は、弾性型1の表面と保持具2の内周面とで囲まれる包囲空間を、上記転写用模様5の上部空間とそれ以外の空間とに仕切るためのものである。また、仕切り枠31の天井部には貫通孔32が形成されている。
【0036】ついで、図15に示すように、上記仕切り枠31の開口部31aを、転写用模様5が隠れるように、弾性型1の表面に当接させる。そして、上記仕切り枠31の天井部の貫通孔32から、弾性型1の表面と仕切り枠31の内周面とで囲まれる包囲空間に、加熱により流動状態にされた化粧料33(図16参照)を充填する。
【0037】つづいて、上記充填した化粧料33の少なくとも外周部が固化したのちに、上記弾性型1の表面から仕切り枠31を分離する。このようにして、図16に示すように、転写用模様5の上部空間に化粧料33からなる台状部34が形成される。
【0038】つづいて、上記保持具2の一方の開口部2aを上記突条6に嵌合させて上記弾性型1の表面に当接させる。そして、図17に示すように、弾性型1の表面と台状部34の外周面と保持具2の内周面とで囲まれる包囲空間に、保持具2の他方の開口部2bから、上記化粧料33とは色や性質等が異なる他の化粧料35を加熱により流動状態にして充填する。そして、保持具2の他方の開口部2bを上記蓋体4で蓋したのちに、冷却して流動状態の他の化粧料35を固化させる。
【0039】つづいて、上記充填した他の化粧料35の少なくとも外周部が固化したのちに、上記弾性型1の表面から上記2種類の化粧料33,35を上記保持具2および蓋体4とともに分離する。このようにして、図18に示すように、上記2種類の化粧料33,35が仕切りなく隣接し合って保持具2および蓋体4からなる空間内に保持され、上記保持具2の一方の開口部2a内に位置する化粧料33,35の表面に花模様が凸部(凹凸模様8)に転写形成されている化粧製品が作製される。
【0040】このように、この第3の実施の形態の化粧製品の製法によっても、上記第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏する。また、弾性型1は、シリコーンゴム等の弾性材で形成されているため、仕切り枠31の開口部31aを弾性型1の表面に当接させる際に圧接するようにすれば、その当接部分から流動状態の化粧料が漏れないようにすることができ、化粧製品の化粧料33,35の表面の仕上がりが綺麗になる。
【0041】図19および図20は、本発明の化粧製品の製法の第4の実施の形態を示している。この実施の形態は、図20に示すように、左端部分と中央部分と右端部分とで化粧料41,42,43の種類および化粧料の表面の凹凸模様44,45,46が異なるようにする化粧製品の製法である。すなわち、図19に示すように、まず、各凹凸模様44,45,46(図20参照)を転写形成するための各転写用模様47,48,49が表面に形成された弾性型51と、流動状態の各化粧料41,42,43(図20参照)を充填するための各貫通孔53,54,55が上記左端部分,中央部分,右端部分のそれぞれに対応する部分の底部に形成された有底円筒状の化粧皿52とを準備するとともに、上記中央部分に対応する部分に配置される別体盛り上げ部分56(上記第2の実施の形態における盛り上げ部分14を別体としたもの)を準備する。
【0042】ついで、上記弾性型51の表面のうち上記中央部分に対応する部分に別体盛り上げ部分56を配置したのち、上記化粧皿52の開口部52aを上記弾性型51の表面に当接させる。
【0043】つづいて、上記弾性型51の表面と上記化粧皿52の内周面と上記別体盛り上げ部分56の外周面とで囲まれる包囲空間(小空間)に、上記左端部分,右端部分に対応する化粧皿52の各貫通孔53,55から、それぞれ色や性質等が異なる化粧料41,43を加熱により流動状態にして充填する。
【0044】つづいて、上記充填した各化粧料41,43の少なくとも外周部が固化したのちに、上記弾性型51の表面から上記化粧料41,43を上記化粧皿52および別体盛り上げ部分56とともに分離する。そして、上記別体盛り上げ部分56を化粧皿52から除去したのち、再び、その化粧皿52の開口部52aを上記弾性型51の表面に当接させる。このとき、上記別体盛り上げ部分56の除去跡に上記中央部分に対応する転写用模様48が位置するように位置決めする。
【0045】つづいて、上記弾性型51の表面と上記化粧皿52の内周面と上記左右両端部分の外周面とで囲まれる包囲空間(小空間)に、上記中央部分に対応する化粧皿52の貫通孔54から、左右両端部分の化粧料41,43とは色や性質等が異なる化粧料42を加熱により流動状態にして充填する。
【0046】つづいて、上記充填した中央部分の化粧料42の少なくとも外周部が固化したのちに、上記弾性型51の表面から上記3種類の化粧料41,42,43を上記化粧皿52とともに分離する。このようにして、図20に示すように、上記3種類の化粧料41,42,43が仕切りなく隣接し合って化粧皿52内に保持され、各種類の化粧料41,42,43の表面の凹凸模様44,45,46が異なる化粧製品が作製される。
【0047】このように、この第4の実施の形態の化粧製品の製法によっても、上記第2の実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0048】図21は、本発明の化粧製品の製法の第5の実施の形態を示している。この実施の形態も、上記第4の実施の形態と同様に、図20に示すように、左端部分と中央部分と右端部分とで化粧料41,42,43の種類および化粧料41,42,43の表面の凹凸模様44,45,46が異なるようにする化粧製品の製法である。すなわち、図21に示すように、まず、上記第4の実施の形態と同様の弾性型51と、四角筒状の化粧料保持具62とを準備するとともに、上記左端部分と中央部分と右端部分とに仕切る仕切り板63,64を2枚準備する。
【0049】ついで、上記保持具62の一方の開口部62aを上記弾性型51の表面に当接させる。また、上記仕切り板63,64を上記左端部分と中央部分と右端部分とに仕切るように上記弾性型51の表面に当接させる。
【0050】つづいて、上記弾性型51の表面と上記保持具62の内周面と上記仕切り板63,64とで囲まれる上記左右両端部分に対応する包囲空間(小空間)に、それぞれ色や性質等が異なる化粧料41,43を加熱により流動状態にして充填する。
【0051】つづいて、上記充填した各化粧料41,43の少なくとも外周部が固化したのちに、上記弾性型51の表面から上記仕切り板63,64を除去する。
【0052】つづいて、上記弾性型51の表面と上記保持具62の内周面と上記左右両端部分の化粧料41,43の外周面とで囲まれる上記中央部分に対応する包囲空間(小空間)に、左右両端部分の化粧料とは色や性質等が異なる化粧料42を加熱により流動状態にして充填する。そして、上記保持具62の他方の開口部62bを四角板状の蓋体(図示せず)で蓋する。
【0053】つづいて、上記充填した中央部分の化粧料42の少なくとも外周部が固化したのちに、上記弾性型51の表面から上記3種類の化粧料41,42,43を上記保持具62とともに分離する。このようにしても、図20に示すような化粧製品が作製される。
【0054】そして、この第5の実施の形態では、上記第3の実施の形態と同様に、弾性型51がシリコーンゴム等の弾性材で形成されているため、仕切り板63,64を弾性型51の表面に当接させる際に圧接するようにすれば、その当接部分から流動状態の化粧料41,43が漏れないようにすることができ、化粧製品の化粧料41,42,43の表面の仕上がりが綺麗になる。
【0055】図22は、本発明の化粧製品の製法の第6の実施の形態を示している。この実施の形態では、上記第4および第5の実施の形態における弾性型51(図19,21参照)が、左端部分および中央部分対応する転写用模様47,48が形成された第1の弾性型51aと、右端部分に対応する転写用模様49が形成された第2の弾性型51bとに分割可能になっている。そして、上記第1の弾性型51aと第2の弾性型51bとを用い、上記第4および第5の実施の形態と同様にして(図22では、第5の実施の形態に対応したものを図示している。)、図20に示すような化粧製品を作製することができる。
【0056】さらに、この第6の実施の形態の変形例として、上記転写用模様49とは異なる転写用模様を形成した他の弾性型を、上記第2の弾性型51bに代えて準備して用いれば、図23に示すように、図20に示す化粧製品とは凹凸模様の組み合わせが異なる化粧製品を簡単に作製することができる。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明の化粧製品の製法によれば、化粧料の表面に凹凸模様を転写形成するための転写用模様が表面に形成された弾性型の表面と筒状または有底筒状の型部材兼用化粧料保持具の開口部とを当接させ、上記弾性型の表面と上記保持具の内周面とで囲まれる包囲空間に流動状態の化粧料を充填し、この充填した化粧料の少なくとも外周部を固化させたのちに上記弾性型の表面から上記化粧料を上記保持具とともに分離している。このため、上記弾性型の弾性により、上記転写用模様からの脱型が簡単にできるとともに、上記凹凸模様を鮮明なものにすることができる。
【0058】また、本発明の化粧製品の製法において、上記弾性型の表面の一部に、上記保持具の筒状または有底筒状の頂面近傍に達する高さの盛り上げ部分を設け、この盛り上げ部分を除いた上記包囲空間に流動状態の化粧料を充填し少なくとも外周部を固化させたのちに、上記盛り上げ部分を除去しその除去跡の空間に流動状態の他の化粧料を充填し固化させる場合には、互いに異なる化粧料が仕切りなく隣接し合って上記保持具内に保持されている化粧製品を作製することができる。
【0059】また、本発明の化粧製品の製法において、上記弾性型の表面と上記保持具の内周面とで囲まれる包囲空間を仕切り枠または仕切り板で複数の小空間に仕切り、互いに隣接しない上記小空間に流動状態の化粧料を充填し少なくとも外周部を固化させたのちに、上記化粧料を充填した小空間を形成する仕切り枠または仕切り板を除去し、その除去跡の空間およびその除去した仕切り枠または仕切り板が除去前に仕切っていた上記小空間に流動状態の化粧料を充填し固化させる場合にも、互いに異なる化粧料が仕切りなく隣接し合って上記保持具内に保持されている化粧製品を作製することができる。
【0060】さらに、上記弾性型が分割可能になっており、この分割と上記小空間への仕切りとが対応している場合には、分割された上記弾性型の一部分に代えて、転写用模様が異なる他のものを用いることができ、凹凸模様の組み合わせが異なる化粧製品を簡単に作製することができる。
【出願人】 【識別番号】000000952
【氏名又は名称】カネボウ株式会社
【識別番号】000158781
【氏名又は名称】紀伊産業株式会社
【出願日】 平成13年5月2日(2001.5.2)
【代理人】 【識別番号】100079382
【弁理士】
【氏名又は名称】西藤 征彦
【公開番号】 特開2002−326908(P2002−326908A)
【公開日】 平成14年11月15日(2002.11.15)
【出願番号】 特願2001−135457(P2001−135457)