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【発明の名称】 粉末状化粧料
【発明者】 【氏名】岡 隆史

【氏名】古賀 信義

【氏名】高須 恵美子

【氏名】梁木 利男

【要約】 【課題】粉末状形態でありながら、塗擦により液化する粉末状化粧料(ドライウォーター)であって、製剤安定性に極めて優れ、かつ、きしみ感がなく、さっぱりさに優れるとともに、広範囲にわたる種々の油分の配合が可能で、これにより使用性を自在に調節することができ、特に香料、油溶性薬剤成分等を配合した場合、それらの有効成分を塗擦時まで長期間に亘って化粧料中に効果的に保持せしめることでき、使用時、該成分の機能を十分に発揮し得る粉末状化粧料を提供する。

【解決手段】(a)表面積60m2/g以上の疎水化無水ケイ酸と、(b)カプセル化された油相を水相中に分散してなる分散液、とを含有する、塗擦により液化する粉末状化粧料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (a)表面積60m2/g以上の疎水化無水ケイ酸と、(b)カプセル化された油相を水相中に分散してなる分散液、とを含有する、塗擦により液化する粉末状化粧料。
【請求項2】 (b)成分を形成するカプセル化された油相を、化粧料全量に対し0.3〜10重量%の割合で含有する、請求項1記載の粉末状化粧料。
【請求項3】 (b)成分を形成するカプセル化された油相中に、香料、油溶性薬剤成分の中から選ばれる1種または2種以上を含む、請求項1または2記載の粉末状化粧料。
【請求項4】 (a)成分を化粧料全量に対し2〜20重量%の割合で含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉末状化粧料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末状形態をなし、使用時に塗擦すると液化して乳液〜化粧水様の特性が生じる粉末状化粧料(ドライウォーター)に関する。さらに詳しくは、製剤安定性に極めて優れ、かつ、きしみ感がなく、さっぱりさに優れるとともに、広範囲にわたる種々の油分の配合が可能で、これにより使用性を自在に調節することができ、特に香料、油溶性薬剤成分等を配合した場合、それらの有効成分を塗擦時まで長期間に亘って化粧料中に効果的に保持せしめることができ、使用時、該成分の機能を十分に発揮させ得る粉末状化粧料(ドライウォーター)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、いわゆるドライウォーターと称される粉末状化粧料では、水や水性成分を、疎水化処理した粉末等で被覆して粉末状化し、使用時に塗擦すると液化するようになされている。これら粉末状化粧料として、白粉、美白パウダー等が知られているが、仕上がりが粉っぽく、肌が乾燥しやすい等の問題があった。
【0003】また、一般に化粧料には、薬剤など種々の有効成分が配合されているが、この薬剤の肌への浸透性促進、保湿性、エモリエント性の付与等を目的として、粉末状化粧料を水、油、液状化粧料等と混合して使用する方法も行われているが、使用性などの点で問題があった。
【0004】このような問題に対処すべく種々の技術が提案されている。例えば、特開平6−211620号公報には、特定の表面積を有する疎水化無水ケイ酸、フッ素化合物被覆処理化粧料粉体、油性成分、水性成分、および不安定有効成分(水存在下不安定成分)を特定量配合することによって、これら水存在下不安定成分の安定な配合を図った粉末状化粧料が開示されている。
【0005】しかしながら、上記公報に記載の粉末状化粧料においては、油性成分配合のために、該油性成分をあらかじめフッ素化合物被覆処理化粧料粉末で粉末状化処理することが必要となり、製造工程が煩雑となる不具合がある。さらに使用性の点においても、配合されている疎水化無水ケイ酸とフッ素化合物被覆処理化粧料粉体との粉末特性に起因するきしみ感が生じるという問題がある。
【0006】また、粉末状化粧料においては、特に油成分を配合する場合、配合し得る油分に制限があり、幅広い油分の配合が難しく、油分を選択配合して使用性を調節するということができなかった。また、油溶性薬剤成分が、油の存在下で容易に分解、変質するなど不安定で製品の物性に悪影響を及ぼしたりするような場合、その配合は、化粧料の剤型のみならず、容器形態、保存条件、取り扱い等において種々の制約を受ける。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、油性成分を粉末状化処理することなく系中に配合することができ、製剤安定性に極めて優れ、かつ、きしみ感がなく、しっとり感、さっぱり感が得られ、きわめて良好な使用感および仕上がりを得ることができるとともに、広範囲にわたる種々の油分の配合が可能で、これにより使用性を自在に調節することができ、特に香料、油溶性薬剤成分等を配合した場合、それらの有効成分を塗擦時まで長期間に亘って化粧料中に効果的に保持せしめることができ、使用時、該成分の機能を十分に発揮し得る粉末状化粧料(ドライウォーター)を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は、(a)表面積60m2/g以上の疎水化無水ケイ酸と、(b)カプセル化された油相を水相中に分散してなる分散液、とを含有する、塗擦により液化する粉末状化粧料を提供する。
【0009】上記において、(b)成分を形成するカプセル化された油相を、化粧料全量に対し0.3〜10重量%の割合で含有するのが好ましい。
【0010】上記において、(b)成分を形成するカプセル化された油相中に、香料、油溶性薬剤成分の中から選ばれる1種または2種以上を含むのが好ましい。
【0011】また上記において、(a)成分を化粧料全量に対し2〜20重量%の割合で含有するのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
【0013】本発明に用いられる(a)成分としての疎水化無水ケイ酸は、微粒子無水ケイ酸表面を疎水化処理したものである。
【0014】疎水化処理の方法としては、無水ケイ酸に撥水性を付与できる方法であればいかなるものでもよく、その方法は問わないが、例えば気相法、液相法、オートクレーブ法、メカノケミカル法等、通常の表面処理方法を用いることができる。
【0015】例えば疎水化処理剤を原料粉末に添加して処理を行う場合、適当な溶媒(ジクロルメタン、クロロホルム、ヘキサン、エタノール、キシレン、揮発性シリコーン等)に希釈して添加してもよく、あるいは直接添加してもよい。粉末と処理剤の混合攪拌には、ボールミル、ホジャーサイトボールミル、振動ボールミル、アトライター、ポットミル、ロッドミル、パンミル、ホモミキサー、ホモディスパー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等も使用することができる。この他にも、粉末表面の活性を利用し、気相反応により100℃以下の低温で環状オルガノシロキサンを粉末表面上で重合させる方法(特公平1−54380号)や、前記方法の後に表面のシリコーンポリマーのSi−H部分にグリセロールモノアリルエーテル等のペンダント基を付加させる方法(特公平1−54381号)等も用いることができる。
【0016】疎水化処理剤としては、特に限定されるものではないが、脂肪酸デキストリン処理粉末、トリメチルシロキシケイ酸処理粉末、フッ素変性トリメチルシロキシケイ酸処理粉末、メチルフェニルシロキシケイ酸処理粉末、フッ素変性メチルフェニルシロキシケイ酸処理粉末、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の低粘度〜高粘度油状ポリシロキサン処理粉末、ガム状ポリシロキサン処理粉末、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理粉末、フッ素変性メチルハイドロジェンポリシロキサン処理粉末、メチルトリクロルシラン、メチルトリアルコキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジアルコキシシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルアルコキシシラン等の有機シリル化合物あるいはそれらのフッ素置換体による処理粉末、エチルトリクロルシラン、エチルトリアルコキシシラン、プロピルトリクロルシラン、プロピルトリアルコキシシラン、ヘキシルトリクロルシラン、ヘキシルトリアルコキシシラン、長鎖アルキルトリクロルシラン、長鎖アルキルトリエトキシシラン等の有機変性シランあるいはそれらのフッ素置換体による処理粉末、アミノ変性ポリシロキサン処理粉末、フッ素変性ポリシロキサン処理粉末、フッ化アルキルリン酸処理粉末等が挙げられる。
【0017】本発明では、例えば微粒子無水ケイ酸の表面をオルガノシラン系化合物、シリコーン化合物等で覆うことにより調製することができる。具体的には、トリメチルシロキシル化無水ケイ酸、ジメチルシロキシル化無水ケイ酸、オクチルシロキシル化無水ケイ酸、シリコーンオイル処理無水ケイ酸、メチルポリシロキサン処理無水ケイ酸等が例示される。
【0018】本発明では、疎水化無水ケイ酸は表面積が60m2/g以上であることが必要であり、表面積がこれより小さいと、疎水化無水ケイ酸の粒径が大きくなり、(b)成分であるカプセル化された油相を分散した水相(カプセル分散液)の表面に多量に配向することができず、(b)成分を安定に粉末状化することが難しくなる。
【0019】(a)成分の配合量は、その上限が好ましくは20重量%であり、特には10重量%である。またその下限が好ましくは2重量%であり、特には5重量%である。(a)成分の配合量が少なすぎると、(b)成分であるカプセル分散液を十分に粉末状化できず、意図する粉末状形態を得ることができなくなるおそれがあり、一方、配合量が多すぎると、多量のカプセル分散液を粉末状化することができるようにはなるが、使用時塗擦しても液化が困難となり、官能上好ましくない。
【0020】(b)成分は、水相(外相)中に、カプセル化された油相(内相)を分散してなるカプセル分散液の1種または2種以上である。これらはきしみ感を解消し良好な使用性を発揮させるための成分である。(b)成分が油相に水相を分散したタイプのものの場合、(a)成分の疎水性が強いため、外相の油性成分に膨潤してしまい粉末状形態をとることができなくなる。
【0021】(b)成分の水相(外相)には、一般に化粧料に用いられ得る水性成分であれば特に限定されるものでなく、例えば精製水等の水、水溶性高分子等が好ましく用いられる。
【0022】水溶性高分子としては、例えば天然の水溶性高分子、半合成の水溶性高分子、合成の水溶性高分子、無機の水溶性高分子等が挙げられる。
【0023】天然の水溶性高分子としては、例えばアラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、ローカストビンガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、マンナン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸等の植物系水溶性高分子;キサンタンガム、ヒアルロン酸またはその塩、アセチル化ヒアルロン酸またはその塩、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、プルラン等の微生物系水溶性高分子;コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系水溶性高分子等が挙げられる。
【0024】半合成の水溶性高分子としては、例えばカルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系水溶性高分子;メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系水溶性高分子;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系水溶性高分子等が挙げられる。
【0025】合成の水溶性高分子としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー(商品名「カーボポール」)等のビニル系水溶性高分子;ポリエチレングリコール(分子量20,000、600,000、4,000,000)等のポリオキシエチレン系水溶性高分子;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系水溶性高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系水溶性高分子;ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等が挙げられる。
【0026】無機の水溶性高分子としては、例えばベントナイト、ケイ酸AlMg(商品名「ビーガム」)、ラポナイト、ヘクトライト等が挙げられる。
【0027】水相には、さらに保湿剤、キレート剤、アルコール、pH調整剤、防腐剤等を配合することができる。
【0028】保湿剤としては1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールが例示される。
【0029】キレート剤としては、メタリン酸塩、エデト酸塩等が例示される。
【0030】なお、この水相には、水の存在下で不安定な成分や、水に溶解した状態で製品の物性に悪影響を及ぼしたりする水溶性成分(以下、「水存在下不安定成分」と総称)を配合してもよい。これら成分は、ドライウォーター化により水存在下でも安定に配合され、該成分の機能を十分に発揮し得る。
【0031】該水存在下不安定成分は、化粧料、医薬品等に薬剤等として配合され、その機能を発揮するためには水の介在が不可欠である水溶性の成分であるが、水との接触、光、熱等の影響により分解、失活、結晶析出、変退色、異臭を生じる等、水の存在下で不安定で、そのまま水性ないし乳化型化粧料に配合すると分離、凝集、増粘等を生じさせるものが含められ、このような成分としては、例えば、美白剤、抗炎症剤、抗菌剤、ホルモン剤、ビタミン類、酵素、抗酸化剤、動植物抽出物などの水溶性薬剤が挙げられる。
【0032】美白剤としては、アルブチン等のハイドロキノン誘導体、コウジ酸、L−アスコルビン酸およびその誘導体、トラネキサム酸およびその誘導体などが例示される。
【0033】L−アスコルビン酸は、一般にビタミンCといわれ、その強い還元作用により細胞呼吸作用、酵素賦活作用、膠原形成作用を有し、かつメラニン還元作用を有する。L−アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルなどのL−アスコルビン酸モノエステル類や、L−アスコルビン酸−2−グルコシドなどのL−アスコルビン酸グルコシド類、あるいはこれらの塩などが挙げられる。
【0034】トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸の二量体(例えば、塩酸トランス−4−(トランス−アミノメチルシクロヘキサンカルボニル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸、等)、トラネキサム酸とハイドロキノンのエステル体(例えば、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸4’−ヒドロキシフェニルエステル、等)、トラネキサム酸とゲンチシン酸のエステル体(例えば、2−(トランス−4−アミノメチルシクロヘキシルカルボニルオキシ)−5−ヒドロキシ安息香酸およびその塩、等)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸メチルアミドおよびその塩、トランス−4−(P−メトキシベンゾイル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸およびその塩、トランス−4−グアニジノメチルシクロヘキサンカルボン酸およびその塩、等)などが挙げられる。
【0035】抗炎症剤としては、例えばグリチルリチン酸塩(例えばグリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、等)、アラントインなどが挙げられる。
【0036】抗菌剤としては、例えばレゾルシン、イオウ、サリチル酸などが挙げられる。
【0037】ホルモン剤としては、例えばオキシトシン、コルチコトロピン、バソプレッシン、セクレチン、ガストリン、カルシトニンなどが挙げられる。
【0038】ビタミン類としては、例えばビタミンB6、ビタミンB6塩酸塩等のビタミンB6誘導体、ニコチン酸、ニコチン酸アミド等のニコチン酸誘導体、パントテニールエチルエーテルなどが挙げられる。
【0039】酵素としては、例えばトリプシン、塩化リゾチーム、キモトリプシン、セミアルカリプロテナーゼ、セラペプターゼ、リパーゼ、ヒアルロニダーゼなどが挙げられる。
【0040】抗酸化剤としては、チオタウリン、グルタチオン、カテキン、アルブミン、フェリチン、メタロチオネインなどが挙げられる。
【0041】動植物抽出物のうち、植物抽出物としては、例えば茶エキス、イザヨイバラエキス、オウゴンエキス、ドクダミエキス、オウバクエキス、メリロートエキス、オドリコソウエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、キナエキス、ユキノシタエキス、クララエキス、コウホネエキス、ウイキョウエキス、サクラソウエキス、バラエキス、ジオウエキス、レモンエキス、シコンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、スギナエキス、セージエキス、タイムエキス、海藻エキス、キューカンバエキス、チョウジエキス、キイチゴエキス、メリッサエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、モモエキス、桃葉エキス、クワエキス、ヤグルマギクエキス、ハマメリスエキス、カンゾウエキスなどが挙げられる。また、動物抽出物としては、プラセンタエキス、コラーゲンなどが好ましく用いられる。
【0042】これら水溶性薬剤成分を配合する場合、その配合量は、化粧料全量に対し0.001〜10重量%程度が好ましく、より好ましくは0.005〜7重量%程度、特には0.01〜5重量%程度である。配合量が少なすぎると、有効成分たる水溶性薬剤成分の機能を十分に発揮することが難しく、一方、配合量が必要以上に多すぎても、配合量の増加に見合った効果の増強を見込むことが困難となる。本発明粉末状化粧料では、これら水溶性薬剤成分を配合した場合でも、これら成分の安定化を図ることができ、それらの機能を十分に発揮し得る。
【0043】(b)成分の油相(内相)は、カプセル内に油性成分を内包したものである。このように油性成分をカプセル化することにより、(i)多種類の油分を配合して化粧料の使用性を調節、改善することができる、(ii)油溶性薬剤、香料等をカプセル内に包含させることにより、塗擦使用時まで安定して薬剤成分、香料成分を持続させることができる、等の効果がある。
【0044】カプセル化成分としては、具体的にはゼラチン、寒天、アルギン酸ナトリウム、アガロース、ロジン、アラビアゴム、エポキシ、ポリアクリルアミド、シェラック、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ウレア等が好ましいものとして例示される。
【0045】粉末状化粧料全量中における油分内包カプセル成分の配合量(油相とカプセルの総量)は0.3〜10重量%程度が好ましく、より好ましくは0.5〜8重量%程度であり、特には0.8〜5重量%程度である。カプセルの配合量が少なすぎると、使用性を改善する機能を十分に発揮することが難しく、一方、配合量が必要以上に多すぎると、カプセル成分の合一が生じ、粉末形態を長期間保持することが困難となる。例えば、乳化物に油分内包カプセルを高配合した場合など、該カプセル成分と乳化粒子間の合一が生じ、長期保存における製剤安定性が悪くなる傾向がある。しかし、本発明粉末状化粧料では、粉末状態として長期間安定に保つことができ、かつ使用性を改善する機能を十分に発揮し得る。
【0046】なお、油相を包含するカプセルは薄膜で形成され、通常、油相:カプセル=98:2〜50:50(重量比)程度である。
【0047】カプセル内に包含される油成分としては、化粧品に配合可能な油分であれば特に限定されることなく用いることができるが、ビタミンA(=レチノール)、ビタミンD、ビタミンE等の油溶性ビタミン類およびその塩やエステル、酢酸トコフェロール、l−メントール、ヒノキチオール、エチニルエストラジオール、オリーブ油、グリチルレチン酸等の油溶性薬剤成分や、香料等を配合することにより、その有効成分を塗擦使用時まで安定的に保持することができ、使用時、それらの機能を十分に発揮せしめることができる。油溶性薬剤成分、香料は1種または2種以上を用いることができる。
【0048】油溶性薬剤成分、香料の配合量は、そこに含まれる有効成分の効果が十分に発揮し得る程度配合されていればよく、特に限定されるものでないが、化粧料全量に対し0.001〜10重量%程度が好ましい。
【0049】油溶性薬剤成分、香料を油相に配合する場合、化粧料等に通常用いられる油分中に溶解させて用いるのが好ましい。
【0050】このような油分としては、一般に化粧料に用いられ得る油性成分であれば特に限定されるものでなく、例えばアボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、テトラオクタン酸ペンタエリスリット、トリイソパルミチン酸グリセリン等の液体油脂;カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ核油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油等の固体油脂;ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等のロウ類;流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素油;ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタエリスリトール、トリー2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、エチルラウレート、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル等の合成エステル油;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状シリコーン等が挙げられるが、これら例示に限定されるものでない。かかる油性成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0051】油相にはさらに、有機変性粘土鉱物、デンプン脂肪酸エステル、ジメチルポリシロキサン重合物等の油性ゲル化剤等を併用してもよい。さらに油性成分として、マイクロクリスタリンワックス等の高融点ワックスを微粉末状化したものや、炭酸マグネシウム等の多孔質粉体、アクリレートコポリマー等の高凝集性ポリマー等に油性成分を担持吸収させ、粉末状化したもの等を用いることもできる。
【0052】(b)成分であるカプセル分散液の調製方法は、特に限定されるものでない。油相のカプセル化(=マイクロカプセル化)は、コアセルベーション法など、公知の方法を用いて行うことができる(特開平1−266846号、等)。
【0053】(b)成分の調製は、具体的には、例えば油溶性薬剤成分や香料を炭化水素油等の油分に溶解させ、これを親水性高分子(ゼラチン、寒天など)水溶液中に分散させて所望の粒子径になった後、電解質や貧溶媒、あるいは上記親水性高分子と反対電荷の親水性高分子を添加した後、放冷し、カプセル膜を硬化してマイクロカプセル化を行う。あるいは、あらかじめ正および負の反対電荷をもつ高分子同士の水溶液を加熱、混合してコンプレックスコアセルベートを形成させた後、異なる数種の油溶性薬剤成分や香料をそれぞれ油分に溶解させたものを順次添加した後、放冷してカプセル膜をゲル化した後、一般に用いられている硬化剤により硬化した水やその他の溶媒に溶解しない物質に変性することによって、数種類の油溶性薬剤成分や香料をそれぞれマイクロカプセル化してもよい。
【0054】本発明の粉末状化粧料は、このようにマイクロカプセル化された内油相を水相中に分散した分散液である(b)成分を、(a)成分により粉末状化するものであれば、特にその製造方法は限定されるものでない。例えば、(b)成分と(a)成分を混合、攪拌する、等の製造方法が挙げられるが、これら例示に限定されるものではない。
【0055】(b)成分において、水相は30〜98重量%程度とするのが好ましく、特には60〜90重量%程度である。配合量が少なすぎると塗擦した時に液化が困難となり、一方、配合量が多すぎると粉末状化が難しくなり、官能上好ましくない。
【0056】なお、(b)成分の水相(外相)を、水中油型の乳化タイプのものとするよりは、水系タイプ(水、水性成分)とするほうが、油相(内相)であるカプセル化油性成分の効果をより有効に発揮せしめることができ、また製剤安定性に極めて優れるので、好ましい。
【0057】上記(a)、(b)成分を必須成分として含有する本発明粉末状化粧料は、従来、粉末状化粧料に特有の不具合とされていたきしみ感を軽減させ、使用性の点においてさっぱり感、しっとり感等の優れた効果が得られる。また粉末状化が良好で、塗擦時に容易に液化し、みずみずしい使用感を与える。さらに、油相をカプセル化して配合することにより、従来粉末状化粧料に配合するのが難しかった油分(例えばシリコーン系油分等)を配合することができるようになった。このように配合する油分を適宜選択することにより、使用性を自在に調節することができる。また、油溶性薬剤成分、香料等を安定に配合することができる。
【0058】本発明の粉末状化粧料には、上記成分以外に、通常の化粧料に用いられる各種の任意成分、例えば、防腐剤、各種粉末等を、本発明の効果を妨げない範囲で配合することができる。
【0059】本発明の粉末状化粧料は、(a)成分により、(b)成分の周りに吸着した状態となって、該(b)成分を粉末状化したものであり、塗擦により力を加えると、この吸着状態が破壊され、粉末状化されていた(b)成分がにじみ出て液化するものであり、特に(b)成分内のカプセル(油相を内包)が破壊され、中に含まれている油溶性薬剤成分、香料等の有効成分の効果や、多種類の油性成分による使用感触の調節が発揮されるものである。
【0060】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、配合量はすべて重量%で示す。
【0061】実施例に先立ち、本発明で用いた試験法および評価法を説明する。
【0062】[使用性(きしみ感)試験]各実施例品、比較例品の使用性(きしみ感)をパネル(50名)の実使用試験によって下記基準により判定、評価した。
(判定基準)
著効: きしまない有効: わずかにきしむが、使用上問題のない程度であるやや有効: きしむ無効: 著しくきしむ(評価)
◎: 著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が80%以上○: 著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が50〜80%未満△: 著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が30〜50%未満×: 著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が30%未満【0063】[使用性(しっとりさ)試験]各実施例品、比較例品の使用性(しっとりさ)をパネル(50名)の実使用試験によって下記基準により判定、評価した。
(判定基準)
著効: 極めてしっとりする有効: しっとりするやや有効: 若干しっとりする無効: しっとりする(評価)
◎: 著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が80%以上○: 著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が50〜80%未満△: 著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が30〜50%未満×: 著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が30%未満【0064】[使用性(さっぱりさ)試験]各実施例品、比較例品の使用性(さっぱりさ)をパネル(50名)の実使用試験によって下記基準により判定、評価した。
(判定基準)
著効: 極めてさっぱりしている有効: さっぱりしているやや有効: 若干さっぱりしている無効: さっぱりしていない(評価)
◎: 著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が80%以上○: 著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が50〜80%未満△: 著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が30〜50%未満×: 著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が30%未満【0065】[使用性(つるつる感)試験]各実施例品、比較例品の使用性(つるつる感)をパネル(50名)の実使用試験によって下記基準により判定、評価した。
(判定基準)
著効: 極めてつるつるしている有効: つるつるしているやや有効: 若干つるつるしている無効: つるつるしていない(評価)
◎: 著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が80%以上○: 著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が50〜80%未満△: 著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が30〜50%未満×: 著効、有効、およびやや有効の判定をした被験者が30%未満【0066】[製剤安定性(長期安定性)試験]各実施例品を、0℃、室温、40℃、露光条件(日光照射)下で6ヵ月間保存したサンプルについて下記基準により評価した。
(評価)
◎: 化粧料は変化しなかった○: 容器に粉末または水滴が若干付着した△: 若干離水を起こした×: 離水が著しく製剤破壊が起こった【0067】(実施例1〜3、比較例1〜3)下記表3に示す組成で粉末状化粧料を調製した。上記試験方法により、実施例1〜3、および比較例1〜3で得られた粉末状化粧料の使用性(きしみ感、しっとりさ、さっぱりさ、つるつる感)、製剤安定性(長期安定性)を評価した。なお、表3中、カプセル分散液(A相)(*)、カプセル分散液(B相)(**)は、それぞれ下記表1、2に示す組成の、油相/カプセル(硬化ゼラチン)/水相からなる分散液である。また、表3中、ジメチルシリコーンオイル処理無水ケイ酸(***)は、「アエロジルRY200S」(日本アエロジル(株)社製;表面積80m2/g)を用いた。結果を表3に示す。
【0068】
【表1】

【0069】(製法)コアセルベーション法により、香料をスクワランに溶解した油相を内包するカプセルを、水相中に分散した、油相/カプセル(硬化ゼラチン)/水相からなる分散液(カプセル分散液。A相)を得た。
【0070】
【表2】

【0071】(製法)コアセルベーション法により、β−グリチルレチン酸をデカメチルペンタシロキサンに溶解した油相を内包するカプセルを、水相中に分散した、油相/カプセル(硬化ゼラチン)/水相からなる分散液(カプセル分散液。B相)を得た。
【0072】
【表3】

【0073】(製法)実施例1〜3では、(3)〜(10)を混合、溶解した後、(1)、(2)を分散した。これに(11)を混合、攪拌して粉末状化粧料を調製し、容器に充填した。
【0074】比較例1〜3では、(3)〜(10)を混合、溶解した後、(1)、(2)を分散した(水相)。一方、これとは別に、(12)〜(17)を混合、溶解した(油相)。次いで、この油相に水相を徐々に添加しながらO/W型乳化物を調製した。得られた乳化物と(11)を混合、攪拌して粉末状化粧料を調製し、容器に充填した。
【0075】表3の結果より明らかなように、実施例1〜3および比較例1〜3の粉末状化粧料は、いずれも良好な使用性を有し、また、カプセル分散液A相、B相の配合量を変化させることにより、使用性を自在に調節することが可能であったが、さらに、実施例1〜3の粉末状化粧料においては、上記使用性に加えて保存安定性にも優れ、各保存条件下で6ヶ月経過後も製剤の形態がほとんど変化なく、比較例1〜3に比べ、経時の製剤安定性において極めて優れることがわかった。
【0076】(実施例4〜6、比較例4〜6)下記表6に示す組成で粉末状化粧料を調製した。上記試験方法により、実施例4〜6、比較例4〜6で得られた粉末状化粧料の使用性(きしみ感、しっとりさ、さっぱりさ、つるつる感)、製剤安定性(長期安定性)を評価した。なお、表6中、カプセル成分(C相)(*)、カプセル成分(D相)(**)は、それぞれ下記表4、5に示す組成の、内油相/水相(寒天カプセル)/外油相からなる分散液から外油相成分を除いた部分である。また、表6中、ジメチルシリコーンオイル処理無水ケイ酸(***)は、「アエロジルR202」(日本アエロジル(株)社製;表面積100m2/g)を用いた。結果を表6に示す。
【0077】
【表4】

【0078】(製法)(1)と(2)とを混合して内油相とした。(3)、(4)、および(6)(一部)の混合物に、上記内油相を徐添して、水溶性溶媒中油型エマルションを得た。他方、(5)を(6)(残部)に90℃で加熱溶解して寒天水溶液を調製し、50℃まで冷却した。
【0079】前述した水溶性溶媒中油型エマルションを50℃まで加熱し、ここに上記寒天水溶液(50℃)を攪拌しながら添加して、O/W型エマルションを得た。該O/W型エマルションを所定の温度を維持しながら(7)と(8)の混合物を添加して乳化し、O/W/O型エマルションを調製した。これを徐々に室温まで冷却し、水相の寒天を固化させることにより、マイクロカプセル油性分散液を得た。さらに該マイクロカプセル油性分散液より、油相内包カプセル(カプセル成分)(C相)のみを回収した。
【0080】
【表5】

【0081】(製法)(1)と(2)とを混合して内油相とした。(3)、(4)、および(6)(一部)の混合物に、上記内油相を徐添して、水溶性溶媒中油型エマルションを得た。他方、(5)を(6)(残部)に90℃で加熱溶解して寒天水溶液を調製し、50℃まで冷却した。
【0082】前述した水溶性溶媒中油型エマルションを50℃まで加熱し、ここに上記寒天水溶液(50℃)を攪拌しながら添加して、O/W型エマルションを得た。該O/W型エマルションを所定の温度を維持しながら(7)と(8)の混合物を添加して乳化し、O/W/O型エマルションを調製した。これを徐々に室温まで冷却し、水相の寒天を固化させることにより、マイクロカプセル油性分散液を得た。さらに該マイクロカプセル油性分散液より、油相内包カプセル(カプセル成分)(D相)のみを回収した。
【0083】
【表6】

【0084】(製法)実施例4〜6では、(3)〜(8)を混合、溶解した後、(1)、(2)を分散した。これに(9)を混合、攪拌して粉末状化粧料を調製し、容器に充填した。
【0085】比較例4〜6では、(3)〜(8)を混合、溶解した後、(1)、(2)を分散した(水相)。一方、これとは別に、(10)〜(13)を混合、溶解した(油相)。次いで、この油相に水相を徐々に添加しながらO/W型乳化物を調製した。得られた乳化物と(9)を混合、攪拌して粉末状化粧料を調製し、容器に充填した。
【0086】表6の結果より明らかなように、実施例4〜6および比較例4〜6の粉末状化粧料は、いずれも良好な使用性を有し、また、カプセル成分C相、D相の配合量を変化させることにより、使用性を自在に調節することが可能であったが、さらに、実施例4〜6の粉末状化粧料においては、上記使用性に加えて保存安定性にも優れ、各保存条件下で6ヶ月経過後も製剤の形態がほとんど変化なく、比較例4〜6に比べ、経時の製剤安定性において極めて優れることがわかった。
【0087】(実施例7〜9、比較例7〜9)下記表9に示す組成で粉末状化粧料を調製した。上記試験方法により、実施例7〜9、および比較例7〜9で得られた粉末状化粧料の使用性(きしみ感、しっとりさ、さっぱりさ、つるつる感)、製剤安定性(長期安定性)を評価した。なお、表9中、カプセル分散液(E相)(*)、カプセル分散液(F相)(**)は、それぞれ下記表7、8に示す組成の、油相/カプセル(硬化ゼラチン)/水相からなる分散液である。また、表9中、トリメチルシリル基処理無水ケイ酸は(***)は、「アエロジルR812S」(日本アエロジル(株)社製;表面積100m2/g)を用いた。結果を表9に示す。
【0088】
【表7】

【0089】(製法)コアセルベーション法により、ビタミンEアセテートを流動パラフィンに溶解した油相を内包するカプセルを、水相中に分散した、油相/カプセル(硬化ゼラチン)/水相からなる分散液(カプセル分散液。E相)を得た。
【0090】
【表8】

【0091】(製法)コアセルベーション法により、パラメトキシケイ皮酸をデカメチルシクロペンタシロキサンに溶解した油相を内包するカプセルを、水相中に分散した、油相/カプセル(硬化ゼラチン)/水相からなる分散液(カプセル分散液。F相)を得た。
【0092】
【表9】

【0093】(製法)実施例7〜9では、(3)〜(9)を混合、溶解した後、(1)、(2)を分散した。これに(10)を混合、攪拌して粉末状化粧料を調製し、容器に充填した。
【0094】比較例7〜9では、(3)〜(9)を混合、溶解した後、(1)、(2)を分散した(水相)。一方、これとは別に、(11)〜(16)を混合、溶解した(油相)。次いで、この油相に水相を徐々に添加しながらO/W型乳化物を調製した。得られた乳化物と(10)を混合、攪拌して粉末状化粧料を調製し、容器に充填した。
【0095】表9の結果より明らかなように、実施例7〜9および比較例7〜9の粉末状化粧料は、いずれも良好な使用性を有し、また、カプセル分散液E相、F相の配合量を変化させることにより、使用性を自在に調節することが可能であったが、さらに、実施例7〜9の粉末状化粧料においては、上記使用性に加えて保存安定性にも優れ、各保存条件下で6ヶ月経過後も製剤の形態がほとんど変化なく、比較例7〜9に比べ、経時の製剤安定性において極めて優れることがわかった。
【0096】
【発明の効果】本発明の粉末状化粧料(ドライウォーター)は、粉末状形態でありながら、使用時塗擦によって液化し、使用中にさっぱり感、しっとり感を与えるとともに、きしみ感の全くないきわめて良好な使用感および仕上がりを得ることができる。また製剤安定性に極めて優れる。さらに、広範囲にわたる種々の油分の配合が可能で、これにより使用性を自在に調節することができ、香料、油溶性薬剤成分等を配合した場合、それらの有効成分を塗擦時まで長期間に亘って化粧料中に効果的に保持せしめることでき、使用時、該成分の機能を十分に発揮することができるので、新しいタイプの化粧料として広く利用が可能である。
【出願人】 【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社資生堂
【出願日】 平成13年5月8日(2001.5.8)
【代理人】 【識別番号】100098800
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 洋子
【公開番号】 特開2002−326904(P2002−326904A)
【公開日】 平成14年11月15日(2002.11.15)
【出願番号】 特願2001−136963(P2001−136963)