| 【発明の名称】 |
歯牙漂白材の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】角田 稔
【氏名】染谷 昌男
【氏名】小笠原 益美
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| 【要約】 |
【課題】光触媒作用を有する二酸化チタンと無機増粘剤を主成分とする歯牙漂白材を攪拌むらや粘度むらのない均一な分散体に製造する方法を提供する。
【解決手段】光触媒作用を有する二酸化チタンと無機増粘剤を分散・混練させて歯牙漂白材を製造する方法において、高速攪拌翼と溶液全体を攪拌する機構を組み合わせた混練装置を用いる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光触媒作用を有する二酸化チタンと無機増粘剤を分散・混練させて歯牙漂白材を製造する方法において、高速攪拌翼と溶液全体を攪拌する機構を組み合わせた混練装置を用いることを特徴とする歯牙漂白材の製造方法。 【請求項2】 無機増粘剤が合成ケイ酸マグネシウムナトリウムリチウムである請求項1記載の製造方法。 【請求項3】 全体を攪拌する機構が攪拌ブレードを副回転軸により回転させつつ副回転軸を主回転軸により回転させる方式である請求項1又は2記載の製造方法。 【請求項4】 全体を攪拌する機構がアンカー型翼である請求項1又は2記載の方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒作用を有する二酸化チタンと無機増粘剤を主成分とする歯牙漂白材を攪拌むらや粘度むらのない均一な分散体に製造する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、歯科診療において、審美性の改善として歯牙漂白の需要が高まっている。本発明者らは、光触媒作用を有する二酸化チタンと低濃度過酸化水素水を併用する漂白材が有効であり(特開平11−92351号公報)、さらに二酸化チタンと無機増粘剤の水系分散液が有効であることを見出している。 【0003】ところで、現在、多くの化粧品、医薬品、食品、塗料等において、チキソトロピー性溶液に粉体を分散させたものが用いられている。チキソトロピーとは、力を加えると流動するが、力が加わっていないと固体のように流れない性質であり、例えば、塗り薬、クリーム、塗料、マヨネーズ等にその性質が利用されている。特に、医薬品の分野においては、その有効成分の均一分散性が要求され、また、分散体の取り出し時には、溶液全体の粘度の均一性が要求される。 【0004】本発明者らは、二酸化チタンと無機増粘剤の水系分散液の製造を検討したところ、通常の分散・混練では、そのチキソトロピー性のため、攪拌混合時に攪拌流のおよばない部分のみが高粘度化、しいてはゲル化して流動性を失ってしまう問題や、分散液全体の均一な攪拌が阻害され、成分や粘度が不均一になってしまい、さらに、ゲル化した部分が取り出せないといった問題を見出した。また、溶液全体を攪拌する低速回転翼を有する混練槽を用いて混合分散を行ったところ、増粘剤の分散が不十分となり溶解しきれず、だまになってしまう問題も見出した。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、チキソトロピー性を有する歯牙漂白材用の無機増粘剤と二酸化チタンの水系分散液を均一に混合分散させることを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題について鋭意研究した結果、高速攪拌翼と全体を攪拌する機構を組み合わせた混練装置を用いることにより、攪拌むらや粘度むらのない均一な分散液が製造できることを見出し本発明に到達した。即ち、本発明は、光触媒作用を有する二酸化チタンと無機増粘剤を分散・混練させて歯牙漂白材を製造する方法において、高速攪拌翼と溶液全体を攪拌する機構を組み合わせた混練装置を用いることを特徴とする歯牙漂白材の製造方法に関するものである。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明で使用される無機増粘剤として無機粘土鉱物が、より好ましくは層状構造型無機粘土鉱物が用いられる。一般に、無機粘土鉱物は、繊維状構造型(例えば、セピオライト、アパタルジャイト等)、非晶質構造型(例えば、アロフェン等)、混合層構造型(例えば、カオリナイト、モンモリロナイト等)及び上記層状構造型に大別される。層状構造型無機粘土鉱物は、その構造中の単位層間に水分子を膨潤する性質を利用する。 【0008】無機粘土鉱物は繊維状構造型、非晶質構造型の粘土鉱物であっても、水の添加後に高速攪拌装置によって攪拌を行うことによって膨潤状態を実現させることが可能であるが、層状構造型粘土鉱物はそのような特別な装置を必要としない利点がある。 【0009】無機粘土鉱物としては、ディッカライト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト、ハロイサイト、メタハロサイト、クリソタイル、リザルダイト、蛇紋石、アンチゴライト、バイデライト、モンモリロナイト、ソーコナイト、スチブンサイト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バーミキュライト、スメクナイト、セピオライト、ネクタイト、イライト、セリサイト、海縁石−モンモリロナイト、ロウ石−モンモリロナイト、緑泥石−バーミキュライト、イライト−モンモリロナイト、ハロイサイト−モンモリロナイト、カオリナイト−モンモリロナイト等が挙げられる。 【0010】上記の無機粘土鉱物のうち、本発明において特に好ましく用いられる層状構造型粘土鉱物として、モンモリロナイト、ソーコナイト、スメクナイト、スチブンサイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バーミキュライト、ネクタイト及びセピオライトなどがあげられる。これらは、天然品であっても合成品であっても良い。合成品としては、合成ケイ酸マグネシウムナトリウムリチウム(ラポナイト)等があげられる。また、これらの2種以上の混合物を用いることもできる。なお、これらの無機粘土鉱物の配合量は、好ましくは0.1〜10重量%であり、より好ましくは0.5〜5重量%である。 【0011】本発明で使用される二酸化チタンとしては、光触媒作用を生じる二酸化チタンであればその形態、性状を問わずいかなるものも使用することができる。好ましくは、アナターゼ型、ルチル型及びブルッカイト型のいずれかであり、特にルチル型が好ましい。また、アナターゼ型、ルチル型あるいはブルッカイト型の二酸化チタンの表面に燐酸カルシウムをコーティングすることによって、歯牙表面との親和性を改良したものを用いることもできる。更に、二酸化チタンに白金を担持させることによって光触媒活性を向上させたもの、あるいは二酸化チタンにプラズマ処理等を行うことによって、可視光領域の光に応答して光触媒作用を示すものも用いることが出来る。 【0012】二酸化チタンは、粉末状態のものでも水などの媒体に分散したゾル状態のものであっても良い。二酸化チタンの粒子径は、1〜500nmのものが好適に用いられ、より好ましくは5〜200nmのものである。また、原料に二次粒子が存在していても、攪拌終了時には分散されるため問題ない。 【0013】二酸化チタンの配合量は、少量であっても十分その効果が得られ、具体的には0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%、より好ましくは、0.01〜0.1重量%である。配合量が余り少ないと歯牙の変色度合いによっては好ましい結果を得るのに長時間を要する場合があり、また、多すぎると二酸化チタン自身の光透過性が良くないために却って漂白効果の低下が生じることがある。 【0014】本発明に使用される高速攪拌翼は、水に無機増粘剤と二酸化チタンを初期分散させるのに有効である。これにより、増粘剤はだまになることがなく均一に分散される。高速攪拌翼の回転速度は、装置の大きさにより最適値が異なるが、通常100〜12000rpmで使用される。 【0015】本発明に使用される溶液全体を攪拌する機構としては、攪拌ブレードを副回転軸により回転させつつ副回転軸を主回転軸により回転させる方式(遊星方式)、アンカー型翼により溶液全体を攪拌する方式、攪拌槽全体を回転させる方式、攪拌槽全体を振動させる方式等があげられる。これにより、溶液のゲル化を防ぎ、またゲル化した部分が生じても解砕されるため、均一な粘度が保たれ、また均一な混合分散が実現される。 【0016】中でも、装置の簡易さや大型化の可能である方式として、攪拌ブレードを副回転軸により回転させつつ副回転軸を主回転軸により回転させる方式(以下遊星方式)あるいはアンカー型翼により溶液全体を攪拌する方式(以下アンカー方式)が好ましい。いずれにしても、翼が攪拌槽内全ての位置を通過する設計が好ましい。 【0017】(1)遊星方式高速攪拌翼と低速のブレード翼の副回転軸がそれぞれ自転し、さらに副回転軸が主回転軸の周囲を公転する方式である。高速攪拌翼およびブレード翼の本数は1本に限らず、2本以上でも良い。ただし、ブレード翼は、攪拌槽内全ての位置を通過する設計が好ましい。このように設けられた攪拌翼は複雑な軌跡で運動するため、混練槽内の流体は均一に混練され、均一な粘度および分散が実現される。 【0018】(2)アンカー方式高速攪拌翼と全体を攪拌し槽内壁面を掻取るアンカー翼からなる。高速攪拌翼は1本に限らず、2本以上でも良い。これにより、高速攪拌翼のみでは攪拌流が及ばずゲル化しやすい壁面部分をアンカー翼で掻取り、高速攪拌翼周辺へ送り込むため、混練槽内の流体は均一に混練され、均一な粘度および分散が実現される。 【0019】上記の要請を満たす遊星方式の混練機としては、例えば、下記の名称で提供されている混練機が挙げられる。例えば、万能混合攪拌機(ダルトン(株)製)、ユニバーサルミキサー((株)パウレック製)、プラネタリーニーダーミキサー(アシザワ(株)製)、T.K.コンビミックス、T.K.ハイビスディスパーミックス(特殊機化工業(株)製)、プラネタリーディスパー(浅田鉄工(株))等である。特に、自転・公転運動を行う攪拌ブレードと高速回転翼(ディスパー)を組み合わせた装置であるプラネタリーディスパーや、T.K.ハイビスディスパーミックスが、多量の粉体を比較的少量の液体中に短時間で均一化に分散させ得るため、好ましい。 【0020】本分散液の製造方法は、通常二酸化チタンを水に十分分散させた後に、攪拌しながら無機増粘剤を加えるという順序が好ましいが、これに限定されることはない。本分散液に使用される無機増粘剤の濃度は、通常0.5〜10重量%、好ましくは1.5〜5重量%である。0.5重量%未満であると、十分な粘度が得られず、二酸化チタンが沈降してしまう。また、10重量%以上であると、無機増粘剤のゲル化速度が速く、二酸化チタンとの均一な分散体の製造が困難になる。 【0021】 【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何らの制限を受けるものではない。 【0022】実施例1蒸留水4805g、二酸化チタン粉末7.5gを攪拌釜(容量7L)に入れ、3軸遊星方式の分散・混合・混練機T.K.ハイビスディスパーミックス(特殊機化工業(株)製)で、ホモディスパー7000rpm、公転速度40rpmとして5分間攪拌した。なお、本装置でひねりブレード翼の回転数は、公転速度のおよそ2.3倍となる。一旦攪拌を停止した後、当スラリーにラポナイト187.5gを添加し、4.0kPaに脱気後、同条件で25分間攪拌した。その結果、溶液の粘度は均一であり、だまやゲル化および沈殿生成物はまったく認められなかった。 【0023】実施例2蒸留水4805g、二酸化チタン粉末7.5gを攪拌釜(容量7L)に入れ、アンカー方式の分散・混合・混練機T.K.コンビミックス(特殊機化工業(株)製)で、ディスパー6000rpm、アンカー翼60rpmとして5分間攪拌した。一旦攪拌を停止した後、当スラリーにラポナイト187.5gを添加し、4.0kPaに脱気後、同条件で25分間攪拌した。その結果、溶液の粘度は均一であり、だまやゲル化および沈殿生成物はまったく認められなかった。 【0024】比較例1蒸留水4805g、二酸化チタン粉末7.5gを攪拌釜(容量7L)に入れ、ディスパーのみで回転数6000rpmとして5分間攪拌した。一旦攪拌を停止した後、当スラリーにラポナイト187.5gを添加し、4.0kPaに脱気後、同条件で25分間攪拌した。その結果、攪拌槽の壁面上部にゲル化物が蓄積し、また、ディスパーの下に二酸化チタンが滞留していた。 【0025】比較例2蒸留水4805g、酸化チタン粉末7.5gを攪拌釜(容量7L)に入れ、アンカー翼のみで回転数60rpmとして5分間攪拌した。続いて攪拌を継続しながらラポナイト187.5gを徐々に添加し、4.0kPaに脱気後、同条件で25分間攪拌した。その結果、攪拌翼上にだまが大量に蓄積し、その後攪拌を継続しても溶け落ちることはなかった。 【0026】 【発明の効果】本発明によれば、チキソトロピー性を有する歯牙漂白材用の無機増粘剤と二酸化チタンの水系分散液の製造において、攪拌むらや粘度むらのない均一な分散体を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004466 【氏名又は名称】三菱瓦斯化学株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年4月24日(2001.4.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100117891 【弁理士】 【氏名又は名称】永井 隆
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| 【公開番号】 |
特開2002−322041(P2002−322041A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月8日(2002.11.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−125313(P2001−125313) |
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