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【発明の名称】 ポリシロキサンをグラフトした多糖を含むヘア組成物を含むエアゾール装置
【発明者】 【氏名】フランク・ジロー

【氏名】クリスティーヌ・デュピュイ

【要約】 【課題】散布および液滴サイズ、化粧特性およびパウダリングに関して高品質のスプレーを提供する。

【解決手段】適切な溶媒に少なくとも一つの固定物質を含む液相(または流体)とプロペラントとからなるエアゾール組成物を含む容器、および、前記エアゾール組成物を散布する手段からなるエアゾール装置であって、(i)前記固定物質が、少なくとも一つのポリシロキサンを含む部分がグラフトされた多糖型骨格を備えたポリマーであり、かつ、(ii)前記プロペラントがジメチルエーテルであることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第一に、適切な溶媒に少なくとも一つの固定物質を含む液相(または流体)と、第二に、プロペラントとからなるエアゾール組成物を含む容器、および、前記エアゾール組成物を散布する手段からなるエアゾール装置であって、(i)前記固定物質が、少なくとも一つのポリシロキサンを含む部分がグラフトされた多糖型骨格を備えたポリマーであり、かつ、(ii)前記プロペラントがジメチルエーテルであることを特徴とする装置。
【請求項2】 少なくとも一つのポリシロキサンを含む部分がグラフトされた多糖型骨格を備えたポリマーが、多糖からなる主鎖を有し、そのグラフトされた主鎖に、そして任意にその主鎖の少なくとも一の末端に、ポリシロキサンを含む少なくとも一つの部分をグラフトしていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項3】 少なくとも一つのポリシロキサンを含む部分がグラフトされた多糖型骨格を備えたポリマーが、(a)有機溶媒中に、カルボキシル基を有する多糖と、ポリシロキサンであって、それ自身がエポキシ末端基を含み、以下のポリシロキサンの式(I):【化1】

[上式において、−nは3から500の間の整数であり、−R1、R2、R3、R4およびR5は、互いに独立に、一価のC1からC10炭化水素および一価のC1からC10ハロ炭化水素から選択され、−Epは2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルである]に対応するポリシロキサンとを溶解する工程、および(b)前記多糖とポリシロキサンの混合物を60から200℃の温度まで熱し、多糖のカルボキシル基をポリシロキサンのエポキシ基と反応させる工程によって得られることを特徴とする、請求項1または2記載の装置。
【請求項4】 工程(a)を実施するために用いられる多糖が、カルボキシル基、ベンゾイル基またはスクシノイル基を含む多糖、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、カルボキシメチルエチルセルロース、および多糖プルランアセタートフタラートであることを特徴とする、請求項3記載の装置。
【請求項5】 R1、R2、R3、R4およびR5が、互いに独立に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、C3−C8シクロアルキル、アリール、C3−C8アラルキル、およびアルケニル基から選択されることを特徴とする、請求項3記載の装置。
【請求項6】 組成物が、組成物の相対的重量パーセントで、ポリシロキサンをグラフトした多糖を0.1%から20%、さらに好ましくはこの多糖を0.5%から10%含むことを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】 組成物の相対的重量パーセントで、ジメチルエーテルを5%から90%、さらに好ましくはこのプロペラントを10%から50%含むことを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】 アニオン性、カチオン性、非イオン性および両性界面活性剤、香料、スクリーニング剤、防腐剤、タンパク質、ビタミン、セラミド、本発明以外のポリマー、特にアニオン性、両性または非イオン性固定ポリマー、植物、鉱物または合成油、および化粧組成物に通常用いられる他のあらゆる添加剤から選択される少なくとも一つの添加剤を含むことを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか一項に記載の装置を用いた美容的ヘア処理方法、特にヘアスタイルを固定および/または保持するための処理方法。
【請求項10】 特にヘアスタイルを保持および/または形成するためのヘア化粧品における、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の装置の使用。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリシロキサンをグラフトした少なくとも一つの多糖を含む美容的ヘア組成物を含むエアゾール装置に関する。また、本発明は、このエアゾール装置を用いた美容的ヘア処理方法、特にヘアスタイルを固定および/または保持するための処理方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】化粧品市場で最も一般的なヘアスタイルの形成および/または保持用ヘア製品としては、本質的に、通常はアルコール性または水性とされる溶液と、毛髪間に接着を形成する機能を有し、固定物質としても知られる、一般にポリマー樹脂とされる一以上の物質とからなり、種々の化粧用アジュバントと混合されたスプレー組成物を挙げることができる。この溶液は、一般に、プロペラントによって加圧された適切なエアゾール容器、またはポンプディスペンサーボトルに収容されている。
【0003】固定物質は、一般に、水またはアルコールに可溶性の固定ポリマー、すなわち被膜形成ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/ビニルアセタートコポリマーであって、特に米国特許第3929735号および米国特許第3770683号に記載されているもの、ビニルアセタート/クロトン酸コポリマー、およびアニオン性または両性アクリル樹脂である。これらの物質は、固定効果を容易に与えるが、ブラッシングまたは櫛ですいた後に、通常のラッカーを塗る条件下で、堅い外観および粗雑な、すなわち粘着性の感触すら有し、また乾燥後には粉末状の外観をも有する。
【0004】さらに、エアゾール装置を用いて得られたスプレーの質は、時として不十分である。一部の美容組成物では、例えば、所望の液滴サイズまたはスプレー流速を調節することが困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの欠点は、いくつかのパラメーターに関連し、その中でも、固定ポリマーの性質、接着の性質、またはプロペラントガスの組成を挙げることができる。かかる欠点を克服するために、所望の固定効果を低減することなくいくつかのパラメーターに影響を与えることが可能である。
【0006】出願人は、固定ポリマーとプロペラントガスの両方を適切に選択することによって、上記種々の問題を克服すること、特に散布および液滴サイズ、化粧特性およびパウダリングに関して高品質のスプレーを得ることが可能であることを見出した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの主題は、第一に、適切な溶媒に少なくとも一つの固定物質を含む液相(または流体)と、第二に、プロペラントとからなるエアゾール組成物を含む容器、および、前記エアゾール組成物を散布する手段からなるエアゾール装置であって、(i)前記固定物質が、少なくとも一つのポリシロキサンを含む部分(基)がグラフトされた多糖型骨格を備えたポリマーであり、かつ、(ii)前記プロペラントがジメチルエーテルであることを特徴とする装置である。
【0008】本発明の他の主題は、前記エアゾール装置を用いた美容的ヘア処理方法、特にヘアスタイルを固定および/または保持するための処理方法に関する。
【0009】本発明のさらに別の主題は、特にヘアスタイルを保持および/または形成するためのヘア化粧品における前記装置の使用に関する。
【0010】本発明にかかる、少なくとも一つのポリシロキサンを含む部分がグラフトされた多糖型骨格を備えたポリマーは、多糖からなる主鎖を含み、そのグラフとされた主鎖に、そして任意にその主鎖の少なくとも一の末端に、ポリシロキサンを含む少なくとも一つの部分がグラフトされている。
【0011】本発明にかかる、少なくとも一つのポリシロキサンを含む部分がグラフトされた多糖型骨格を備えたポリマーは、当業者に周知のあらゆる手段によって得ることができ、特に、(i)ポリシロキサン鎖上で適当に官能化された出発ポリシロキサンマクロマーと、(ii)前記シリコーンが有する官能基と反応して共有結合を形成することができる官能基で適当に官能化された一以上の多糖との間の反応により得ることができる。
【0012】本発明にかかる、少なくとも一つのポリシロキサンを含む部分がグラフトされた多糖骨格を備えたポリマーは、好ましくは、シンエツ(Shin-Etsu)社が出願した米国特許第6066727号に記載されているものから選択される。これらは、カルボキシル基を有する多糖と、エポキシ末端基を有するポリシロキサンとを、有機溶媒中で、任意に触媒の存在下で反応させることにより得られたコポリマーである。
【0013】特に、本発明で好適に用いられる、少なくとも一つのポリシロキサンを含む部分がグラフトされた多糖骨格を備えたポリマーは、米国特許第6066727号に記載されている処理、すなわち、(a)有機溶媒中に、カルボキシル基を有する多糖と、ポリシロキサンであって、それ自身がエポキシ末端基を含み、以下のポリシロキサンの式(I):【化2】

[上式において、−nは3から500の間の整数であり、−R1、R2、R3、R4およびR5は、互いに独立に、一価のC1からC10炭化水素および一価のC1からC10ハロ炭化水素から選択され、−Epは2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルである]に対応するポリシロキサンとを溶解する工程、および(b)前記多糖とポリシロキサンの混合物を60から200℃の温度まで熱し、多糖のカルボキシル基をポリシロキサンのエポキシ基と反応させる工程に従って得ることができる。
【0014】この処理の工程(a)を実施するのに特に適している多糖の中では、カルボキシル基、ベンゾイル基またはスクシノイル基を含む多糖、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、カルボキシメチルエチルセルロース、および多糖プルランアセタートフタラートを挙げることができる。ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラートおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナートが特に好ましい。
【0015】有利に、R1、R2、R3、R4およびR5は、互いに独立に、メチル、エチル、プロピル、およびブチル基、C3−C8シクロアルキル基、例えばシクロペンチルまたはシクロヘキシル基、アリール基、例えばフェニルおよびトリル基、C3−C8アラルキル基、例えばベンジルおよびフェネチル基、およびアルケニル基、例えばビニルおよびアリル基から選択される。これらの一価の炭化水素基は、特にハロゲン原子で、全体的または部分的に任意に置換することができ、例えばクロロメチル、および3,3,3-トリフルオロプロピル基であってもよい。
【0016】この処理の工程(a)を実施するのに特に適した有機溶媒としては、ケトン、例えばアセトンまたはシクロヘキサノンを挙げることができる。
【0017】工程(b)は、一般に、任意に不活性雰囲気下で、攪拌しながら実施される。
【0018】この組成物は、有利に、組成物の相対的重量パーセントで、ポリシロキサンをグラフトした多糖を0.1%から20%、さらに好ましくは多糖を0.5%から10%含む。
【0019】この組成物は、有利に、組成物の相対的重量パーセントで、ジメチルエーテルを5%から90%、さらに好ましくはこのプロペラントを10%から50%含む。
【0020】化粧的に許容できる媒体は、好ましくは水または一以上の化粧的に許容できる溶媒、もしくは水−溶媒混合物からなる。これらの溶媒は、好ましくはC1−C4アルコールであり、エタノールが特に好ましい。
【0021】本発明の組成物は、アニオン性、カチオン性、非イオン性および両性界面活性剤、香料、スクリーニング剤、防腐剤、タンパク質、ビタミン、セラミド、本発明以外のポリマー、特にアニオン性、両性または非イオン性固定ポリマー、植物、鉱物または合成油、および化粧組成物に通常用いられる他のあらゆる添加剤から選択される少なくとも一つの添加剤も含むことができる。
【0022】言うまでもなく、当業者であれば、本発明にかかる組成物に本来的に関連する有利な特性が、企図された添加により不利な影響を受けないように、あるいは実質的に不利な影響を受けないように、本発明にかかる組成物に添加すべき任意の化合物を選択するのに注意を払うであろう。
【0023】本発明にかかる組成物は、スタイリング製品として、濡れた髪または乾燥した髪に特に適している。
【0024】本発明にかかる組成物は、皮膚、爪、唇、髪、眉毛および睫毛に適用することができる。
【0025】本発明を、以下の非限定的な例を用いてより完全に例示する。
【0026】全てのパーセントは、組成物の全重量に対して相対的な重量パーセントであり、a.m.は活性物質を意味する。
【0027】
【実施例】以下の組成を含む本発明にかかるエアゾール装置を調製した: シリコーングラフトを有するセルロース[1] 3%am 水 17% エタノール 45% ジメチルエーテル 35%[1]シンエツ(Shin Etsu)社の米国特許第6066727号の実施例2において合成される、ポリジメチルシロキサングラフトを含むヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート。
【0028】この組成物を、欧州系の栗-褐色の髪にスプレーした。この髪は、いずれの場合も、乾燥後に良好な化粧特性を示し、かつ、ほとんどパウダリングを示さなかった。
【出願人】 【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】LOREAL
【出願日】 平成14年3月6日(2002.3.6)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外7名)
【公開番号】 特開2002−322036(P2002−322036A)
【公開日】 平成14年11月8日(2002.11.8)
【出願番号】 特願2002−61076(P2002−61076)