| 【発明の名称】 |
ヘアカラー用前処理剤およびヘアカラー用処理剤並びに毛髪処理方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】上野 知子
【氏名】越後 由起
【氏名】田中 真一
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| 【要約】 |
【課題】ヘアカラー処理における毛髪の損傷を防止し、染料の定着を良くし、ヘアカラー処理後のゴワツキ感を改善することのできるヘアカラー用前処理剤およびヘアカラー用処理剤、並びにこれらを用いた毛髪処理方法を提供する。
【解決手段】本発明のヘアカラー用前処理剤は、ケラチン加水分解物および/またはその誘導体を含有するものであり、この前処理剤はヘアカラー処理の前後に使用する前処理剤と後処理剤からなる処理剤の前処理剤として用いることができ、こうした前処理剤を毛髪に塗布した後、ヘアカラー処理を行い、必要によりその後後処理剤を塗布して毛髪を処理する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ヘアカラー処理の前に使用するヘアカラー用前処理剤であって、ケラチン加水分解物および/またはその誘導体を含有することを特徴とするヘアカラー用前処理剤。 【請求項2】 pHが4〜8の範囲である請求項1に記載のヘアカラー用前処理剤。 【請求項3】 ケラチン加水分解物が、α−ケラトースである請求項1または2に記載のヘアカラー用前処理剤。 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の前処理剤を毛髪に塗布した後、ヘアカラー処理を行うことを特徴とする毛髪処理方法。 【請求項5】 ヘアカラー処理の前後に使用する前処理剤と後処理剤からなるヘアカラー用処理剤であって、前記前処理剤はケラチン加水分解物および/またはその誘導体を含有することを特徴とするヘアカラー用処理剤。 【請求項6】 前処理剤のpHが4〜8の範囲である請求項5に記載のヘアカラー用処理剤。 【請求項7】 前処理剤に含有するケラチン加水分解物が、α−ケラトースである請求項5または6に記載のヘアカラー用処理剤。 【請求項8】 後処理剤が、セラミド、セラミドの誘導体、リン脂質およびリン脂質の誘導体よりなる群から選ばれる1種以上を含有するものである請求項5〜7のいずれかに記載のヘアカラー用処理剤。 【請求項9】 後処理剤が、更に植物由来のタンパク質加水分解物、植物由来のタンパク質加水分解物の誘導体、卵白由来のタンパク質加水分解物および卵白由来のタンパク質加水分解物の誘導体よりなる群から選ばれる1種以上を含有するものである請求項8に記載のヘアカラー用処理剤。 【請求項10】 請求項5〜9のいずれかに記載のヘアカラー処理剤を用いて毛髪を処理するにあたり、前処理剤を毛髪に塗布した後、ヘアカラー処理を行い、その後後処理剤を塗布することを特徴とする毛髪処理方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ヘアカラー処理の前に使用する前処理剤、およびヘアカラー処理の前後に使用する前に使用する前処理剤と後に使用する後処理剤からなるヘアカラー用処理剤、並びにこれらを用いた毛髪処理方法に関するものである。本発明によれば、ヘアカラー処理における毛髪の損傷を防止し、染料の定着を良くし、ヘアカラー処理後のゴワツキ感を改善するのに有効である。 【0002】 【従来の技術】白髪染めやおしゃれ染めなどの目的で、従来から酸化染毛剤や酸性染毛料などが使用されている。このうち一般的に使用されているのは、染毛作用とブリーチ作用を持つ酸化染毛剤であり、この染毛剤では酸化染料と過酸化水素が毛髪内部に浸透し、酸化染料が酸化重合して発色させるものである。また同時に過酸化水素は、アルカリ存在下で毛髪中のメラニン色素を酸化分解する。こうした酸化染毛剤では、毛髪が本来持つ色より明るく染めることができることや色落ちを非常に少なくする点で優れていると言われている。しかしながら、酸化染毛剤では、毛髪のアルカリによる膨潤や過酸化水素による毛髪組織の破壊により、毛髪のダメージが増大して毛髪強度が低下し、毛髪のゴワツキ、パサツキなどを生じさせるという問題があった。 【0003】一方、酸性染毛料は、酸性下で酸性染料が毛髪ケラチンのアミノ基とイオン結合して染着するメカニズムを利用したものである。この酸性染毛剤では、ブリーチ作用がなく、pHが酸性であることから、酸化染毛剤と比べると毛髪のダメージは少ない。しかしながら酸性染毛料を用いると、施術を繰り返すことで毛髪が収斂して硬くなる傾向にあり、また染料の浸透剤として配合されている溶剤(例えばベンジルアルコールなど)は、毛髪を脱脂するため、毛髪の手触りが悪化するという問題があった。 【0004】上記の問題を解決する毛髪処理剤としては、動植物由来または微生物由来のタンパク質加水分解物またはその誘導体を含有する処理剤(特開平10−226629号)、ケラチン加水分解物またはその誘導体を含有する処理剤(特開平10−291919号)、ケラチン加水分解物またはその誘導体とケラチン以外の動植物由来または微生物由来のタンパク質加水分解物またはその誘導体を含有する処理剤(特開平11−139940号)などが提案されている。しかしながら、これらの処理剤は、ヘアカラー処理における毛髪の損傷はある程度防止できるものの、染料の定着を良くし、ヘアカラー処理後のゴワツキ感を改善するには不十分であった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の様な従来技術における課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ヘアカラー処理における毛髪の損傷を防止し、染料の定着を良くし、ヘアカラー処理後のゴワツキ感を改善することのできるヘアカラー用前処理剤およびヘアカラー用処理剤、並びにこれらを用いた毛髪処理方法を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決し得た本発明のヘアカラー用前処理剤とは、ヘアカラー処理の前後に使用する前処理剤であって、ケラチン加水分解物および/またはその誘導体を含有する点に要旨を有するものである。この前処理剤においては、pHが4〜8の範囲であることが好ましく、前記ケラチン加水分解物としては、α−ケラトースが好ましく用いられる。またこの前処理剤を用いて毛髪を処理するに当たっては、この前処理剤を毛髪に塗布した後、ヘアカラー処理を行う様にすれば良い。 【0007】一方、上記課題を解決し得た本発明のヘアカラー用処理剤とは、ヘアカラー処理の前後に使用する前処理剤と後処理剤からなるヘアカラー用処理剤であって、前記前処理剤はケラチン加水分解物および/またはその誘導体を含有する点に要旨を有するものである。この処理剤においては、前処理剤のpHが4〜8の範囲であることが好ましく、前処理剤に含有するケラチン加水分解物としては、α−ケラトースが好ましく用いられる。 【0008】この処理剤においては、前記後処理剤が、セラミド、セラミドの誘導体、リン脂質およびリン脂質の誘導体よりなる群から選ばれる1種以上を含有するものが好ましく、必要によって、更に植物由来のタンパク質加水分解物、植物由来のタンパク質加水分解物の誘導体、卵白由来のタンパク質加水分解物および卵白由来のタンパク質加水分解物の誘導体よりなる群から選ばれる1種以上を含有することも有効である。 【0009】また、本発明のヘアカラー用処理剤を用いて毛髪を処理するに当たっては、前処理剤を毛髪に塗布した後、ヘアカラー処理を行い、その後後処理剤を塗布する様にすれば良い。尚、この方法におけるより具体的な手順としては、(1)前処理剤を塗布した後、ヘアカラー処理を行い、その後後処理剤を塗布して洗い流す、(2)前処理剤を塗布した後、ヘアカラー処理を行い、その後後処理剤を塗布して洗い流さない、等の構成を挙げることができる。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明は上記の如く構成されるが、要するに、(1)ヘアカラー用前処理剤、または(2)前処理剤と後処理剤からなるヘアカラー用処理剤における前処理剤として、ケラチン加水分解物および/またはその誘導体を含有するものを用いてヘアカラー処理前に毛髪に処理することにより、ケラチンが毛髪に吸着して、ヘアカラーによるダメージを防止するとともに染料の定着を良くすることができたのである。 【0011】本発明のヘアカラー用前処理剤、またはヘアカラー用処理剤で用いる前処理剤においては、前述の如くケラチン加水分解物やその誘導体を含有する必要がある。毛髪の損傷が特に激しい部分は、親水性の性質が強くなっているため、染料の定着が悪く退色しやすい。このため疎水性の高いケラチン加水分解物またはその誘導体を含有する前処理剤を毛髪に塗布して、毛髪自身の疎水性を高めることは非常に有効である。 【0012】上記ケラチン加水分解物(加水分解ケラチン)としては、α−ケラトース(結晶性ケラチン)とγ−ケラトース(非結晶性ケラチン)があるが、疎水性を高めるにはα−ケラトースがより好ましい。またα−ケラトースは、毛髪のすべりの改善効果にも優れている。平均分子量の大きいケラチン加水分解物だけでは、手触りが硬くなる傾向があるが、これを解消するためには、平均分子量の小さいケラチン加水分解物またはその誘導体と併用すること、或はこうした誘導体単独を使用することで柔軟性を付与することができる。 【0013】前処理剤は通常水溶液として調製されるが、溶媒としてアルコール類(例えばエタノール、プロピレングリコールなど)を配合して疎水的環境を増すことによって、ケラチン加水分解物またはその誘導体は、親水基を内側、疎水基を外側にした構造を増加できるので、毛髪との疎水結合を向上させることができる。 【0014】本発明の前処理剤においては、ヘアカラーによる損傷の防止効果やヘアカラー処理時の変色防止を考慮すると、そのpHは4〜8の範囲であることが好ましい。前処理剤のpHがこの範囲から外れると、十分な損傷防止効果が発揮されず、また次に行うヘアカラーの色味が変化し、予定していた色味と異なる場合がある。尚、前処理剤のpHは,更に好ましい範囲は6〜7程度であり、この範囲内では前処理による処理効果が最も有効に発揮される。 【0015】上記の様なヘアカラー用前処理剤を用い、ヘアカラー処理の前に前処理だけを行っても上記の効果が発揮されるが、こうしたヘアカラー処理後に後処理剤を用いて処理することも更に効果的である。このとき用いる後処理剤としては、一般的に使用されているものでも良いが、セラミド、セラミドの誘導体、リン脂質およびリン脂質の誘導体よりなる群から選ばれる1種以上を含有する後処理剤を用いることが好ましく、こうした後処理剤を用いてヘアカラー処理後に毛髪に処理することにより、毛髪の保湿性を高めて柔軟性を付与し、ヘアカラー処理後のゴワツキ感を改善することができる。またこれらの成分は、保湿性が高いだけでなく、耐シャンプー性にも優れており、手触りの改善効果の持続性にも優れた効果を発揮する。このうち、セラミドまたはその誘導体としては、N−ステアロイルオキシヘプタコサノイルフィトスフィンゴシン、N−ステアロイルスフィンゴシン、N−ステアロイルフィトスフィンゴシン、N−オレオイルフィトスフィンゴシン、N−2−ヒドロキシステアロイルフィトスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、コメヌカスフィンゴ糖脂質(植物セラミド)などが挙げられる。またリン脂質またはその誘導体としては、水素添加大豆リン脂質、水酸化大豆リン脂質、水素添加大豆リゾリン脂質などが挙げられる。 【0016】本発明で用いる後処理剤には、必要により、上記成分に加えて更に、植物由来のタンパク質加水分解物、植物由来のタンパク質加水分解物の誘導体、卵白由来のタンパク質加水分解物および卵白由来のタンパク質加水分解物の誘導体よりなる群から選ばれる1種以上を含有させることも有効である。これらの物質を含有させることによって、毛髪の保湿性を高めるとともに、毛髪への塗布時の引っかかりを改善することができる。植物由来のタンパク質加水分解物またはその誘導体としては、大豆、小麦、トウモロコシ、アーモンド、カラスムギなどを加水分解して得られるタンパク質加水分解物、これらのタンパク加水分解物のエステル、カチオン化物、アシル化物またはその塩、シリル化物などが挙げられる。毛髪への塗布時の引っかかり改善には、特にカチオン化物が有効である。 【0017】本発明の後処理剤は、ヘアカラー処理後の毛髪に残留したアルカリを除去するために酸、塩、あるいは酸と塩を含有することが好ましい。ただし、酸による急激な中和は、逆に毛髪強度の低下を引き起こし、また変色する場合もあることから、塩を含有させて中和することがより好ましい。こうした塩としては、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩などが挙げられる。 【0018】本発明の後処理剤のpHは、ヘアカラーの変色を考慮するとpH4〜9の範囲であることが好ましい。後処理剤のpHが、この範囲から外れると、後処理剤塗布後にヘアカラーの色味を変化させてしまう場合がある。尚、後処理剤のpHは,更に好ましい範囲は5〜8程度であり、この範囲内では後処理による処理効果が最も有効に発揮される。 【0019】後処理剤に塩を含有させて、毛髪に塗布しやすいように増粘させる場合は、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレンステアリルエーテル共重合体エマルションなどにより増粘するのが好ましい。一般的に増粘剤として使用されるカルボキシビニルポリマーなどは、塩やタンパク質加水分解物などを含有すると安定した粘性が得られない。 【0020】本発明の前処理剤と後処理剤からなるヘアカラー用処理剤は、上記成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、各種成分を適宜選択して含有させることができる。即ち、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール、流動パラフィン、ワセリン、スクワランなどの炭化水素、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸デシルなどのエステル油、ツバキ油、ホホバ油、オリーブ油、ミンク油などの動植物油、ミツロウ、キャンデリラロウなどのロウ類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーン油、パルミチン酸、ステアリン酸、べへニン酸などの高級脂肪酸、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ソルビトールなどの多価アルコール、ヒアルロン酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウムなどの保湿剤、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのノニオン性界面活性剤、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、N−アシルグルタミン酸塩などのアニオン性界面活性剤、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、イミダゾリニウムベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤、上記以外のタンパク質加水分解物、グリシン、プロリン、セリンなどのアミノ酸、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの増粘剤、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン液、N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩液などのセット樹脂、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、色素、香料などを必要に応じて適宜配合することができる。 【0021】本発明のヘアカラー用処理剤における前処理剤及び後処理剤の剤型は、液状、ミスト状、クリーム状、ゲル状、泡状、エアゾールなど種々のタイプが可能で、特に限定されるものではない。 【0022】上記の様な本発明のヘアカラー用処理剤を用いて毛髪を処理するにあたり、前処理剤を塗布した後、ヘアカラー処理を行い、その後後処理剤を塗布することによって本発明の効果が達成される。この方法において、前処理剤を塗布した後、乾燥させなくてもよいし、ドライヤー、スチーマーなどで加温し乾燥させてもよい。前処理剤に含有させたケラチン加水分解物またはその誘導体は、毛髪が濡れた状態では浸透し、乾燥させることで疎水結合により毛髪に強く吸着する。こうした効果を有効に発揮させるためには、前処理剤を塗布後、一定時間加温放置することが好ましい。カラー処理後の後処理剤の塗布後は、洗い流してもよいし洗い流さなくてもよいが、その効果をより向上させるためには後処理剤を塗布後、一定時間加温放置することが好ましい。 【0023】尚、本発明の後処理剤を、ヘアカラー処理前に塗布することも可能であり、こうした使用方法によってもヘアカラーによる損傷を防止することができる。特に油分(例えばシリコーンなど)を含有させた後処理剤を毛髪の傷みの激しい部分に塗布することで、ヘアカラーの染まりを弱めることができるとともに損傷を防止することができる。また本発明のヘアカラー用処理剤によって処理した後は、ヘアトリートメントやヘアクリームなどを使用することで更に毛髪のコンディションを整えることができる。 【0024】次に、実施例によって本発明の詳細を説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは、全て本発明の技術範囲に包含される。 【0025】 【実施例】(実施例1〜5、参考例1)下記表1に示す組成で前処理剤を調製した。尚、表中の各成分の配合量は質量%である。 【0026】 【表1】
【0027】上記前処理剤を用いて下記の通り処理し、染料の定着性を評価した。その結果を表2に示す。 【0028】(染料の定着性) (1)処理方法毛束をハイブリーチ1回処理(ハイブリーチ剤:中野製薬製)し、損傷毛を準備した。ハイブリーチ毛を各前処理剤に40℃、30分浸漬し、脱水、40℃、30分ラップで包み加温した後、すすぎ、自然乾燥させた。前処理剤にて処理した毛束を酸化染毛剤(アッシュ:中野製薬製)で染色し、更に毛束を2%ラウリル硫酸トリエタノールアミン水溶液に60℃、1時間浸漬した。 (2)測色上記処理を行った毛束のL*、a*、b*を色差計にて測定し、b*値を比較することにより、酸化染毛剤(アッシュ)の染料の定着性を評価した。b*値が小さいほど青みが強く、染料の定着性に優れていることを示す。 【0029】 【表2】
【0030】この結果から明らかなように、本発明の前処理剤を使用した実施例1〜5は、b*値が小さく、退色しやすいアッシュの青みが残っており、染料の定着性に優れていることがわかる。特にα−ケラトースを用いた実施例1が、染料の定着性に優れていることがわかる。これに対して本発明の前処理剤を使用していない参考例1では、b*値が大きく、染料の定着が悪いことがわかる。 【0031】(実施例6〜11、参考例2)下記表3に示す組成で前処理剤を調製した。表中の各成分の配合量は質量%である。 【0032】 【表3】
【0033】上記前処理剤の染料の定着性を評価し、その結果を表4に示した。評価方法は、実施例1〜5、参考例1の方法と同様である。 【0034】 【表4】
【0035】この結果から明らかなように、本発明の前処理剤を使用した実施例6〜11は、b*値が小さく、退色しやすいアッシュの青みが残っており、染料の定着性に優れていることがわかる。これに対して本発明の前処理剤を使用していない参考例2では、b*値が大きく、染料の定着が悪いことがわかる。 【0036】(実施例12、13、参考例3)前記表3に示したNo.8の前処理剤に、毛束を浸漬する際の浸漬時間を変えて、染料の定着性を評価した。その結果を下記表5に示す。このときの評価方法は、前記実施例1〜5、参考例1の方法と同様である。 【0037】 【表5】
【0038】この結果から明らかなように、実施例12と13のb*値の比較では、浸漬の時間の長い実施例12のb*値が小さく、退色しやすいアッシュの青みがより残っていることがわかる。これにより、浸漬時間を長くすると染料の定着性を向上させることができることがわかる。 【0039】(実施例14〜18、参考例4〜6)前記表3に示したNo.8のpHを変えた前処理剤を調製して、染料の定着性、損傷防止効果、変色について評価した。その結果を下記表6に示す。このときの評価方法は、下記の通りである。 【0040】(染料の定着性)実施例1〜5、参考例1の方法と同様。 【0041】(損傷防止効果:官能評価)専門パネラー10名により、実施例1〜5、参考例1と同様の方法で処理した毛束の「手触り感」について、良い場合を5点、悪い場合を1点とする5段階で官能評価し、評点の平均値を求め、下記の基準で評価した。 ◎:4点以上○:3点以上4点未満△:2点以上3点未満×:1点以上2点未満【0042】(変色)専門パネラー10名により、実施例1〜5、参考例1と同様の方法で処理した毛束の「変色」について、変色のないものを5点、変色のきついものを1点とする5段階で目視評価し、評点の平均値を求め、下記の基準で評価した。 ◎:4点以上○:3点以上4点未満△:2点以上3点未満×:1点以上2点未満【0043】 【表6】
【0044】この結果から明らかなように、本発明の前処理剤を使用した実施例14〜18は染料の定着性、損傷防止効果に優れ、また変色も少ないことがわかる。これに対して、本発明から外れる参考例4、5及び本発明の前処理剤を使用していない参考例6は、全ての項目を満足させることはできなかった。参考例5は、b*値が小さく、染料の染着性が優れているように思えるが、これは色味が濃い方向へ変色しているものであって、設定されていた酸化染毛剤の色味とは異なったものであり好ましい結果ではない。 【0045】(実施例19〜23、参考例7)下記表7に示す組成で前処理剤を調製した。表中の各成分の配合量は質量%である。 【0046】 【表7】
【0047】上記前処理剤を下記の通り処理し、引っ張り強度を測定することにより損傷防止効果を評価した。その結果を図1に示す。 【0048】(損傷防止効果:引っ張り強度の測定) (1)処理方法毛束をハイブリーチ3回処理(ハイブリーチ剤:中野製薬製)し、損傷毛を準備した。ハイブリーチ毛を各前処理剤に10秒浸漬した後、引き上げ、液が垂れない程度まで放置した。40℃、10分ラップで包み加温した後、ドライヤーにて乾燥させた。前処理剤にて処理した毛束を酸化染毛剤(アッシュ:中野製薬製)で染色し、ラウリル硫酸トリエタノーリアミン水溶液で洗浄後、ドライヤーにて乾燥させた。 (2)引っ張り強度測定各毛束を恒温恒湿室(20℃、60%RH)に24時間以上放置した後、テンシロンUTM−11−20(オリエンテック製)を用い、純水中にて引っ張り強度の測定を行った。 【0049】この結果から明らかなように、本発明の前処理剤を使用した実施例19〜23は、酸化染毛剤による引っ張り強度の低下を防止する効果があることがわかる。これに対し、本発明の前処理剤を使用しない参考例7は、酸化染毛剤による引っ張り強度の低下が大きいことがわかる。 【0050】(実施例24〜27、参考例8)下記表8に示す組成で後処理剤を調製した。表中の各成分の配合量は質量%である。 【0051】 【表8】
【0052】前記表7のNo.11の前処理剤及び上記後処理剤を下記の通り処理し、毛髪への塗布性、ヘアカラー処理後のゴワツキ感のなさ、しっとり感の付与、耐シャンプー性を評価した。その結果を、下記表9に示す。 【0053】(毛髪への塗布性)頭髪に前処理剤を塗布し、ドライヤーにて乾燥後、酸化染毛剤(アッシュ:中野製薬製)で染色した。その後後処理剤を塗布する際の「毛髪への塗布性」について、専門パネラー10名により、良い場合を5点、悪い場合を1点とする5段階で官能評価し、評点の平均値を求め、下記の基準で評価した。 ◎:4点以上○:3点以上4点未満△:2点以上3点未満×:1点以上2点未満【0054】(ヘアカラー後のゴワツキ感のなさ)頭髪に前処理剤を塗布し、ドライヤーにて乾燥後、酸化染毛剤(アッシュ:中野製薬製)で染色した。その後後処理剤を塗布し、40℃で5分放置後、洗い流し、ドライヤーで乾燥させて、「ヘアカラー処理後のゴワツキ感のなさ」について専門パネラー10名により、良い場合を5点、悪い場合を1点とする5段階で官能評価し、評点の平均値を求め、下記の基準で評価した。 ◎:4点以上○:3点以上4点未満△:2点以上3点未満×:1点以上2点未満【0055】(しっとり感の付与)頭髪に前処理剤を塗布し、ドライヤーにて乾燥後、酸化染毛剤(アッシュ:中野製薬製)で染色した。その後、後処理剤を塗布し、40°Cで5分放置後、洗い流し、ドライヤーで乾燥させて「しっとり感の付与」について専門パネラー10名により、よい場合を5点、悪い場合を1点とする5段階で官能評価し、評点の平均値を求め、下記の基準で評価した。 ◎:4点以上○:3点以上4点未満△:2点以上3点未満×:1点以上2点未満【0056】(耐シャンプー性)頭髪に前処理剤を塗布し、ドライヤーにて乾燥後、酸化染毛剤(アッシュ:中野製薬製)で染色した。その後後処理剤を塗布し、40℃で5分放置後、洗い流し、ドライヤーで乾燥させた。次にシャンプーを3回行いドライヤーで乾燥させて、「耐シャンプー性」について専門パネラー10名により、良い場合を5点、悪い場合を1点とする5段階で官能評価し、評点の平均値を求め、下記の基準で評価した。 ◎:4点以上○:3点以上4点未満△:2点以上3点未満×:1点以上2点未満【0057】 【表9】
【0058】この結果から明らかなように、本発明の前処理剤で処理し、その後本発明の後処理剤で処理した実施例24〜30は、ヘアカラー後のゴワツキ感が改善され、耐シャンプー性に優れていることがわかる。また植物由来のタンパク質加水分解物および卵白由来のタンパク質加水分解物を含有している実施例27〜29はしっとり感が付与され、植物由来のタンパク質加水分解物のカチオン化物を含有している実施例27は毛髪への塗布性が改善されることがわかる。尚、実施例30は、液状のためトリガーに充填し、ミスト状に噴霧して使用した。これに対して前処理剤のみで仕上げた参考例8は、ヘアカラー後のゴワツキ感が改善されていないことがわかる。 【0059】(実施例31、32、参考例9)前記表7のNo.11の前処理剤及び表8のNo.7の後処理剤を前処理剤として下記の通り処理し、引っ張り強度を測定することにより損傷防止効果を評価した。その結果を図2に示す。 【0060】(損傷防止効果:引っ張り強度の測定) (1)処理方法毛束をハイブリーチ1回処理(ハイブリーチ剤:中野製薬製)し、次にパーマ1回処理(チオ系パーマ剤:中野製薬製)し、損傷毛を準備した。損傷毛を各処理剤に10秒浸漬した後、引き上げ、液が垂れない程度まで放置した。40℃、10分ラップで包み加温した後、ドライヤーにて乾燥させた。処理剤にて処理した毛束を酸化染毛剤(アッシュ:中野製薬製)で染色し、ラウリル硫酸トリエタノールアミン水溶液で洗浄後、ドライヤーにて乾燥させた。尚、このテストでは、後処理剤No.7を前処理剤として使用している。 (2)引っ張り強度測定各毛束を恒温恒湿室(20℃、60%RH)に24時間以上放置した後、テンシロンUTM−11−20(オリエンテック製)を用い、純水中にて引っ張り強度の測定を行った。 【0061】この結果から明らかなように、本発明の前処理剤No.11を使用した実施例31は、酸化染毛剤による引っ張り強度の低下を防止する効果があることがわかる。また後処理剤No.7を前処理剤として使用した実施例32も同様の効果があることがわかる。これにより、本発明の後処理剤は、前処理剤としても使用でき、ヘアカラー処理における毛髪の損傷を防止する効果を有することがわかる。これに対して本発明の前処理剤を使用しない参考例9は、酸化染毛剤による引っ張り強度の低下が大きいことがわかる。 【0062】(実施例33、参考例10)前記表7のNo.11の前処理剤を用いて下記の通り処理し、染料の定着性を評価した。その結果を、下記表10に示す。尚、実施例1〜32は、酸化染毛剤に対する効果を評価したものであったが、本実施例以降は、酸性染毛料に対する効果を評価したものである。 【0063】(染料の定着性) (1)処理方法毛束をハイブリーチ3回処理(ハイブリーチ剤:中野製薬製)し、損傷毛を準備した。ハイブリーチ毛を前処理剤に10秒浸漬し、脱水後、ドライヤーで乾燥させた。前処理剤にて処理した毛束を酸性染毛料(ブルー:中野製薬製)で染色し、更に毛束を2%ラウリル硫酸トリエタノールアミン水溶液に50℃、30分浸漬した。 (2)測色上記処理を行った毛束のL*、a*、b*を色差計にて測定し、b*値を比較することにより、酸性染毛料(ブルー)の染料の定着性を評価した。b*値が小さいほど青みが強く、染料の定着性に優れていることを示す。 【0064】 【表10】
【0065】この結果から明らかなように、本発明の前処理剤を使用した実施例33は、b*値が小さく、酸性染毛料(ブルー)の青みが残っており、染料の定着性に優れていることがわかる。これに対して本発明の前処理剤を使用していない参考例10では、b*値が大きく、染料の定着が悪いことがわかる。実施例1〜32は、酸化染毛剤に対する効果であったが、今回の結果から酸性染毛料に対しても有効であることがわかる。 【0066】(実施例34、参考例11)前記表7のNo.11の前処理剤を用いて下記の通り処理し、染料の定着性を評価した。その結果を、表11に示す。 【0067】(染料の定着性) (1)処理方法毛束をハイブリーチ3回処理(ハイブリーチ剤:中野製薬製)し、損傷毛を準備した。ハイブリーチ毛を前処理剤に10秒浸漬し、脱水後、ドライヤーで乾燥させた。前処理剤にて処理した毛束を酸性染毛料(レッド:中野製薬製)で染色し、更に毛束を2%ラウリル硫酸トリエタノールアミン水溶液に50℃、1時間浸漬した。 (2)測色上記処理を行った毛束のL*、a*、b*を色差計にて測定し、a*値を比較することにより、酸性染毛料(レッド)の染料の定着性を評価した。a*値が大きいほど赤みが強く、染料の定着性に優れていることを示す。 【0068】 【表11】
【0069】この結果から明らかなように、本発明の前処理剤を使用した実施例34は、a*値が大きく、酸性染毛料(レッド)の赤みが残っており、染料の定着性に優れていることがわかる。これに対して本発明の前処理剤を使用していない参考例11では、a*値が小さく、染料の定着が悪いことがわかる。 【0070】(実施例35、参考例12)前記表7のNo.11の前処理剤及び表8のNo.4の後処理剤を下記の通り処理し、ヘアカラー処理後のゴワツキ感のなさ、耐シャンプー性を評価した。その結果を、表12に示す。 【0071】(ヘアカラー後のゴワツキ感のなさ)頭髪に前処理剤を塗布し、ドライヤーにて乾燥後、酸性染毛料(ブルー:中野製薬製)で染色した。その後後処理剤を塗布し、40℃で5分放置後、洗い流し、ドライヤーで乾燥させて、「ヘアカラー処理後のゴワツキ感のなさ」について専門パネラー10名により、良い場合を5点、悪い場合を1点とする5段階で官能評価し、評点の平均値を求め、下記の基準で評価した。 ◎:4点以上○:3点以上4点未満△:2点以上3点未満×:1点以上2点未満【0072】(耐シャンプー性)頭髪に前処理剤を塗布し、ドライヤーにて乾燥後、酸性染毛料(ブルー:中野製薬製)で染色した。その後後処理剤を塗布し、40℃で5分放置後、洗い流し、ドライヤーで乾燥させた。次にシャンプーを3回行いドライヤーで乾燥させて、「耐シャンプー性」について専門パネラー10名により、良い場合を5点、悪い場合を1点とする5段階で官能評価し、評点の平均値を求め、下記の基準で評価した。 ◎:4点以上○:3点以上4点未満△:2点以上3点未満×:1点以上2点未満【0073】 【表12】
【0074】この結果から明らかなように、本発明の前処理剤で処理し、その後本発明の後処理剤で処理した実施例35は、ヘアカラー後のゴワツキ感はなく、耐シャンプー性に優れていることがわかる。これに対して前処理剤のみで仕上げた参考例12は、やや硬さがあり、手触りが良好ではなかった。 【0075】 【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、ヘアカラー処理における毛髪の損傷を防止し、染料の定着を良くし、ヘアカラー処理後のゴワツキ感を改善するのに有効であるため、損傷の激しい毛髪に対してもヘアカラー処理後の手触りが良く、美しい色を長持ちさせることが可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000213482 【氏名又は名称】中野製薬株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年9月26日(2001.9.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067828 【弁理士】 【氏名又は名称】小谷 悦司 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−322035(P2002−322035A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月8日(2002.11.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−294049(P2001−294049) |
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