| 【発明の名称】 |
アクリルポリマーを含有するマスカラ |
| 【発明者】 |
【氏名】ヴァレリー ドゥ・ラ・ポトリ
|
| 【要約】 |
【課題】一日以上、あるいは二日以上にわたってさえも、経時的に良好に保持される自然なメークアップ効果をもたらすマスカラ組成物を提供する。
【解決手段】水性媒体に分散した固体粒子の形態の皮膜形成アクリルポリマーを化粧品として許容可能な水性媒体中に含んでなるロウを含まないマスカラ組成物において、皮膜形成アクリルポリマーを、25℃で水中に10分間浸漬した後に25%未満の水の取り込みをする皮膜を形成可能なものとし、25℃で200s−1の剪断速度で測定して4Pa.sから18Pa.sの範囲の粘度を有する組成物とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水性媒体に分散した固体粒子の形態の皮膜形成アクリルポリマーを化粧品として許容可能な水性媒体中に含んでなるロウを含まないマスカラ組成物であって、上記皮膜形成アクリルポリマーが、25℃で水中に10分間浸漬した後に25%未満の水の取り込みをする皮膜を形成可能であり、25℃で200s−1の剪断速度で測定して4Pa.sから18Pa.sの範囲の粘度を有する組成物。 【請求項2】 アクリルポリマーが20%未満の水の取り込みをする皮膜を形成可能であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。 【請求項3】 アクリルポリマーが15%未満の水の取り込みをする皮膜を形成可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の組成物。 【請求項4】 アクリルポリマーが、Persoz振り子を使用する規格NF−T−30−016に従って測定して、8から40秒の範囲の硬度を有する皮膜を形成可能であることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の組成物。 【請求項5】 アクリルポリマーが、10から35秒の範囲の硬度を有する皮膜を形成可能であることを特徴とする請求項4に記載の組成物。 【請求項6】 アクリルポリマーが、10から30秒の範囲の硬度を有する皮膜を形成可能であることを特徴とする請求項4又は5に記載の組成物。 【請求項7】 アクリルポリマーが、15から30秒の範囲の硬度を有する皮膜を形成可能であることを特徴とする請求項4ないし6の何れか1項に記載の組成物。 【請求項8】 アクリルポリマー粒子のサイズが10nmから200nmの範囲であることを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載の組成物。 【請求項9】 アクリルポリマー粒子のサイズが20nmから150nmの範囲であることを特徴とする請求項1ないし8の何れか1項に記載の組成物。 【請求項10】 アクリルポリマー粒子のサイズが50nmから100nmの範囲であることを特徴とする請求項1ないし9の何れか1項に記載の組成物。 【請求項11】 アクリルポリマーが、α、β-エチレン性カルボン酸、そのエステル及びそのアミドから選択されるエチレン性不飽和を含む少なくとも1種のモノマーの重合から生じることを特徴とする請求項1ないし10の何れか1項に記載のマスカラ組成物。 【請求項12】 α、β-エチレン性不飽和カルボン酸が、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸及びイタコン酸から選択されることを特徴とする請求項11に記載のマスカラ組成物。 【請求項13】 α、β-エチレン性不飽和カルボン酸が、(メタ)アクリル酸であることを特徴とする請求項11又は12に記載のマスカラ組成物。 【請求項14】 α、β-エチレン性不飽和カルボン酸エステルが、(メタ)アクリル酸エステルから選択されることを特徴とする請求項13に記載のマスカラ組成物。 【請求項15】 上記エステルが、C1−C30アルキル基を持つ(メタ)アクリル酸アルキル、C6−C10アリール基を持つ(メタ)アクリル酸アリール、及びC2−C6ヒドロキシアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルから選択されることを特徴とする請求項14に記載のマスカラ組成物。 【請求項16】 α、β-エチレン性不飽和カルボン酸エステルが、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸ベンジル及びアクリル酸フェニル、及びそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項11ないし15の何れか1項に記載のマスカラ組成物。 【請求項17】 α、β-エチレン性不飽和カルボン酸アミドが、N-エチルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、N-t-オクチルアクリルアミド及びN-ウンデシルアクリルアミド等のN-(C2−C12)アルキル(メタ)アクリルアミドから選択されることを特徴とする請求項11ないし16の何れか1項に記載のマスカラ組成物。 【請求項18】 アクリル皮膜形成ポリマーがまたスチレンもしくはα-メチルスチレンのような少なくとも1種のスチレンモノマーの重合から生じることを特徴とする請求項11ないし17の何れか1項に記載のマスカラ組成物。 【請求項19】 アクリルポリマーが、組成物の全重量に対して固形物重量として5重量%から60重量%の範囲の量で存在することを特徴とする請求項1ないし18の何れか1項に記載の組成物。 【請求項20】 アクリルポリマーが、組成物の全重量に対して固形物重量として10重量%から45重量%の範囲の量で存在することを特徴とする請求項1ないし19の何れか1項に記載の組成物。 【請求項21】 アクリルポリマーが、組成物の全重量に対して固形物重量として15重量%から35重量%の範囲の量で存在することを特徴とする請求項1ないし20の何れか1項に記載の組成物。 【請求項22】 組成物の粘度が5Pa.sから15Pa.s、より好ましくは6Pa.sから12Pa.sの範囲であることを特徴とする請求項1ないし21の何れか1項に記載の組成物。 【請求項23】 少なくとも1種の増粘剤を含むことを特徴とする請求項1ないし22の何れか1項に記載の組成物。 【請求項24】 セルロース系増粘剤、グアーガム、キサンタンガム、キャロブガム、スクレログルカンガム、ジェランガム、ラムザンガム、カラヤガム、アルギネート、マルトデキストリン、デンプンとその誘導体、ヒアルロン酸とその塩、クレー、架橋ポリアクリル酸、(メタ)アクリル酸ポリグリセリル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、架橋アクリルアミドポリマー及びコポリマー、架橋メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドのホモポリマー、及び会合性ポリマーから選択される少なくとも1種の増粘剤を有することを特徴とする請求項1ないし23の何れか1項に記載の組成物。 【請求項25】 可塑剤、癒着剤、フィラー、染料、界面活性剤、保存料、油類及び化粧用薬剤からなる群から選択される少なくとも1種の成分を更に含有することを特徴とする請求項1ないし24の何れか1項に記載の組成物。 【請求項26】 ヒュームドシリカ、デンプン、タルク及びポリテトラフルオロエチレンからなる群から選択される少なくとも1種のフィラーを更に含有することを特徴とする請求項1ないし25の何れか1項に記載のマスカラ組成物。 【請求項27】 フィラーが、組成物の全重量に対して0.1重量%から6重量%の範囲の量で存在していることを特徴とする請求項25又は26に記載のマスカラ組成物。 【請求項28】 補助皮膜形成ポリマーを更に含有することを特徴とする請求項1ないし27の何れか1項に記載のマスカラ組成物。 【請求項29】 特に睫毛のための、マスカラ組成物を含むリザーバ(3)と、該リザーバを閉塞する取り外し可能な閉塞手段(12)と、上記繊維に組成物を適用するための部材(10)とを備えたマスカラ製品において、マスカラ組成物が請求項1ないし28の何れか1項に記載のものであることを特徴とするマスカラ製品。 【請求項30】 適用部材が取り外し可能な閉塞手段(12)と一体であることを特徴とする請求項29に記載のマスカラ製品。 【請求項31】 適用部材(10)がマスカラブラシであることを特徴とする請求項29又は30に記載のマスカラ製品。 【請求項32】 拭い取り部材(7)を更に具備することを特徴とする請求項29ないし31の何れか1項に記載のマスカラ製品。 【請求項33】 請求項1ないし28の何れか1項に記載のマスカラ組成物が睫毛及び/又は眉に適用されることを特徴とする睫毛及び/又は眉のためのメークアップ製品。 【請求項34】 一日以上、特に二日以上の間、維持されるメークアップを睫毛及び/又は眉上に得るため、及び/又はナチュラルなメークアップ状態を得るための、請求項1ないし28の何れか1項に記載のメークアップ組成物の使用。 【請求項35】 一日以上、特に二日以上の間、維持されるメークアップを睫毛及び/又は眉上に得るため、及び/又はナチュラルなメークアップ状態を得るための、水性媒体に分散した固体粒子の形態の皮膜形成アクリルポリマーの使用であって、上記皮膜形成アクリルポリマーが、25℃で200s−1の剪断速度で測定して4Pa.sから18Pa.sの範囲の粘度を有するロウ非含有のマスカラ組成物において、25℃で水中に10分間浸漬した後に25%未満の水の取り込みをする皮膜を形成可能である使用。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アクリルポリマーの水性ディスパージョンを含んでなるヒトの睫毛及び/又は眉をメークアップするためのマスカラ組成物に関する。本発明はまた睫毛及び/又は眉をメークアップするための方法にも関する。 【0002】 【従来の技術と発明が解決しようとする課題】マスカラは通常2つのタイプのロウをベースとする処方物として調製されている:水中ロウのエマルションの形態のクリームマスカラとして知られている水性マスカラと、揮発性有機溶媒中のロウのディスパージョンの形態で耐水性マスカラとして知られている低水分量のマスカラ又は無水マスカラである。仏国特許出願公開第2528699号及び欧州特許出願公開第655234号に特に記載されているように、水性媒体中に溶解又は分散されていてもよい皮膜形成ポリマーをロウと共に使用することもまた従来から行われている。 【0003】しかし、これらのマスカラを適用した後に得られるメークアップ皮膜は、ロウが脆い皮膜をつくりだすので、十分な付着性を示さない。この皮膜は、例えば入浴したりシャワーを浴びたり、又は更に涙や汗を流したりするときに水分に対して、及び/又は、特に指による摩擦に対して十分な耐性を持たない。従って、マスカラは経時的に消えてしまう傾向がある:粒が付着し目の回りに跡が残る。メークアップは十分には耐性がないので、十分に長い時間保持されることはなく、一日を越えて保たれることはない。使用者はよって睫毛上の十分なメークアップ効果を維持するためには、マスカラを毎日適用しなければならない。 【0004】更に、マスカラを厚くしないで十分に着色した睫毛にしたいと思う使用者もいる。染毛施術と同様の着色料を使用する染料を使用して睫毛を着色することができる。しかし、この種の染色は特殊な技術が実施されなければならないので、美容院で一般には実施され、このことが使用者にとってある種の制約になっている。よって、使用者が、染料以外の製品を使用することによって、睫毛を厚くしないで、睫毛を容易に着色できることが望ましい。よって、本発明の目的は、一日より長く、あるいは二日以上にわたってさえも、経時的に良好に保持される自然なメークアップ効果をもたらすマスカラ組成物を提案することである。 【0005】 【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本出願人は、水性ディスパージョン中に特定の皮膜形成アクリルポリマーを含有するロウ非含有の組成物でそのようなマスカラを得ることができることを見いだした。その組成物は容易に適用でき、睫毛を十分に被覆する;乾燥後に、組成物は滑らかで均一な付着物を形成する。そのメークアップは特に重くない、つまり睫毛を厚くしない:よって自然なメークアップ効果が得られる。そのメークアップはまた快適で十分に長い間保持される:皮膜は摩擦で消えてしまうことはなく、睫毛に付着されたメークアップは一日より長く、あるいは二日以上にわたってさえも保持される。 【0006】より詳細には、本発明の一主題は、水性媒体に分散した固体粒子の形態の皮膜形成アクリルポリマーを化粧品として許容可能な水性媒体中に含んでなるロウを含まないマスカラ組成物であって、上記皮膜形成アクリルポリマーが、25℃で水中に10分間浸漬した後に25%未満の水の取り込みをする皮膜を形成可能であり、25℃で200s−1の剪断速度で測定して4Pa.sから18Pa.sの範囲の粘度を有する組成物にある。本発明の主題はまた上述のメークアップ組成物を睫毛及び/又は眉に適用することを特徴とする眉毛及び/又は眉をメークアップするための方法である。本発明の主題はまた一日以上、特に二日以上の間、維持されるメークアップを睫毛及び/又は眉上に得るため、及び/又はナチュラルなメークアップ状態を得るための、上述のメークアップ組成物の使用である。本発明の主題はまた一日以上、特に二日以上の間、維持されるメークアップ状態を睫毛又は眉上に得るため、及び/又はナチュラルなメークアップ状態を得るための、25℃で200s−1の剪断速度で測定して4Pa.sから18Pa.sの範囲の粘度を有するロウ非含有マスカラ組成物における、上述の皮膜形成アクリルポリマーの使用である。 【0007】本特許出願において、「ロウ」なる用語は、室温(25℃)と大気圧(760mmHg、つまり105Pa)で固体であり、可逆的な固体/液体状態変化を行う30℃から200℃の範囲の融点を持つ親油性脂肪化合物を意味する。ロウをその融点にすることによって、ロウを油類と混和させ、微視的に均一な混合物を形成することができるが、混合物の温度を室温にすることによって、混合物の油類中においてロウが再結晶化する。融点値は示差走査熱量計(D.S.C.)、例えばMettler社からDSC30なる名称で販売されている熱量計を用いて、1分当たり5又は10℃の温度上昇で、測定した融解ピークに対応する。しかして、本発明に係る組成物は上述のようにロウを含まない。 【0008】本組成物に存在するアクリルポリマーにより、時間が経過しても良好に保持され、特に一日以上で二日から三日まででさえ保持され、良好な耐水性を持つメークアップ製品を得ることが可能になる。本特許出願において、「アクリルポリマーの水の取り込み」という表現は、25℃で水中に10分間浸漬した後にアクリルポリマーによって吸収される水のパーセントを意味する。水の取り込みは、プレート上に付着させられ30℃、相対湿度50%で24時間の間乾燥させられた300μm厚の層に対して測定される;乾燥皮膜から切り取られた約1cm2の小片の重量を量り(質量測定値M1)、ついで10分間水中に浸漬する;浸漬後、皮膜片を拭き取って過剰の表面水を除去し、ついで重量を量る(質量測定値M2)。差M2−M1がポリマーにより吸収された水の量に対応する。水の取り込みは、[(M2−M1)/M1]x100に等しく、ポリマー重量に対する水の重量パーセントとして表される。 【0009】好ましくは、上記アクリル皮膜形成ポリマーは、25℃で水中に10分間浸漬した後に20%未満、より好ましくは15%未満の水の取り込みをする皮膜を形成可能である。好適には、アクリルポリマーは、8から40秒、好ましくは10から35秒、優先的には10から30秒、より好ましくは15から30秒、更に好ましくは20から30秒の範囲の硬度を有する皮膜を形成可能である。ポリマー皮膜の硬度は、フリーラジカルポリマーの上記粒子の固体40%を含む水性ディスパージョンの300μm厚(乾燥前)を、30℃、相対湿度50%で24時間乾燥させた後に得られる皮膜について測定される。皮膜の硬度はASTM規格D−43−66、又はPersoz振り子を使用する規格NF−T−30−016(1981年10月)に従って測定される。 【0010】本発明に係る組成物において使用されるアクリルポリマーは、それ自体で上述の水の取り込み及び/又は硬度特性を示しうる。それはまた当業者によく知られている可塑剤及び/又は癒着剤(coalescers)から選択される補助皮膜形成剤の存在下でもこれらの性質を示しうる。好ましくは、アクリルポリマーはそれ自体がこれらの耐水性及び/又は硬度特性を満たす。組成物の水性媒体中に分散したアクリルポリマーの固体粒子は一般には10nmから200nmの範囲、好ましくは20nmから150nmの範囲、より好ましくは50nmから100nmの範囲をとりうるサイズを有する。 【0011】本発明において使用しうるアクリル皮膜形成ポリマーは、α、β-エチレン性カルボン酸、そのエステル及びそのアミドから選択されるエチレン性不飽和を含む少なくとも1種のモノマーの重合から生じうる。使用されうるα、β-エチレン性不飽和カルボン酸は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸及びイタコン酸を含みうる。(メタ)アクリル酸及びクロトン酸が好適に使用され、より好ましくは(メタ)アクリル酸が使用される。これらのカルボン酸のエステル類は、(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリレートとしても知られている)、特にアルキルの(メタ)アクリレート、特にC1−C30のもの、好ましくはC1−C20アルキルのもの、アリールの(メタ)アクリレート、特にC6−C10アリールのもの、及びヒドロキシアルキルの(メタ)アクリレート、特にC2−C6ヒドロキシアルキルのものから選択されうる。 【0012】(メタ)アクリル酸アルキルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル及びメタクリル酸シクロヘキシルが挙げられる。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシエチル及びメタクリル酸2-ヒドロキシプロピルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アリールとしては、アクリル酸ベンジル及びアクリル酸フェニルが挙げられる。言うまでもなく、これらのモノマーの混合物を使用することができる。 【0013】特に好適な(メタ)アクリル酸エステルは(メタ)アクリル酸アルキルである。本発明において、エステル類のアルキル基は、フッ化されていても過フッ化されていてもよい。すなわち、アルキル基の水素原子の幾つか又は全てがフッ素原子で置換される。上記カルボン酸のアミド類としては、例えば、(メタ)アクリルアミド類、特にN-アルキル(メタ)アクリルアミド類、特にC2−C12アルキルのものが挙げられる。N-アルキル(メタ)アクリルアミドとしては、N-エチルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、N-t-オクチルアクリルアミド及びN-ウンデシルアクリルアミドが挙げられる。本発明において使用することができるアクリル皮膜形成ポリマーは、上述のモノマーに加えて、少なくとも1種のスチレンモノマー、例えばスチレン又はα-メチルスチレンを含有しうる。 【0014】使用できるアクリルポリマーには、インターポリマー(Interpolymer)社から「シントラン(Syntran(登録商標))5190」、「シントラン(登録商標)5760」及び「シントラン(登録商標)5009」及びダウ・ケミカル社から「ダウ・ラテックス(Dow Latex)424(登録商標)」なる名称で販売されているものが含まれる。水性ディスパージョンの粒子形態のアクリルポリマーは、本発明に係る製品の組成物中に、組成物の全重量に対して固形物重量で5重量%から60重量%、好ましくは10重量%から45重量%、より良好には15重量%から35重量%、好ましくは20重量%から35重量%の範囲の量で存在する。 【0015】組成物の水性媒体は、本質的には水からなりうる。それはまた水と水混和性溶媒、例えば1から5の炭素原子を含む低級モノアルコール、C3−C4ケトン類又はC3−C4アルデヒド類の混合物を含みうる。好適に使用できる水混和性溶媒はエタノールである。水混和性溶媒の量は組成物の全重量に対して0.1重量%から15重量%、好ましくは1重量%から8重量%の範囲でありうる。有利には、本組成物は5Pa.s(60ポアズ)から15Pa.s(150ポアズ)、より好ましくは6Pa.s(70ポアズ)から12Pa.s(120ポアズ)の範囲の粘度を有しうる。このような粘度により、組成物の速やかで簡単な適用が可能になり、また睫毛の全長にわたって均一な被覆が可能になる。粘度は第4番ローターが嵌められたRheomat RM180粘度計を用いて25℃で測定され、測定は200s−1の剪断速度で10分(その後に粘度とロータースピン速度の安定化が観察される)の間ローターをスピンさせた後になされる。 【0016】ケラチン繊維、特に睫毛への適用に必要とされる粘度を本発明に係る組成物に付与するために、本組成物は所望の粘度に調節するための増粘剤を含みうる。本発明において使用できる増粘剤としては、− 水溶性セルロース系増粘剤、例えばヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルボキシメチルセルロース。これらの増粘剤のなかで、アメルコール(Amerchol)社から「セロサイズ(Cellosize)QP4400H」なる名称で販売されているガムを特に挙げることができる、− グアーガム、特にユニペクチン(Unipectine)社からビドガム(Vidogum)GH175なる名称で、またメイホール(Meyhall)社からジャガー(Jaguar)Cなる名称で販売されているもの、− メイホール社から「ジャガーC−13−S」なる名称で販売されている第4級化グアーガム、− C1−C6ヒドロキシアルキル基を有する非イオン性グアーガム。例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル及びヒドロキシブチル基が挙げられる。このようなグアーガムは、メイホール社からジャガーHP8、ジャガーHP60及びHP120、ジャガーHP105の取引名称で、又はアクアロン(Aqualon)社からガラクタソール(Galactasol)40H4FD2なる名称で特に販売されている。 − キサンタンガム、キャロブガム、スクレログルカンガム、ジェランガム、ラムザンガム(rhamsan gum)又はカラヤガム、− アルギン酸塩、マルトデキストリン、デンプンとその誘導体、ヒアルロン酸とその塩、− クレー類、特にモンモリロナイト、ヘクトライト及びラポナイト、− 架橋ポリアクリル酸、例えばグッドリッチ社の製品「カルボポール(Carbopol)」、− ヒスパノ・キミカ(Hispano Quimica)社又はガーディアン(Guardian)社から「ヒスパゲル(Hispagel)」又は「ルブラゲル(Lubragel)」なる名称で販売されているポリグリセリル(メタ)アクリレートポリマー、− ポリビニルピロリドン、− ポリビニルアルコール、− 架橋アクリルアミドポリマー及びコポリマー、例えばヘキスト社から「PAS5161」又は「ボゼポール(Bozepol)C」なる名称で、セピック(Seppic)社から「セピゲル(Sepigel)305」又はアライドコロイド社から販売されている同様のもの、− アライドコロイド社から「サルケア(Salcare)SC95」の名称で販売されている架橋メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドホモポリマー、及び− 会合性(associative)ポリマー、特に会合性アクリルポリマー、を挙げることができる。 【0017】本発明に係る組成物において、増粘剤は、組成物が上述の粘度を持つために有効な量で存在しうる。増粘剤の量は例えば組成物の全重量に対して0.1重量%から10重量%、好ましくは0.5重量%から5重量%の範囲をとりうる。本組成物はまた化粧品に通常使用される他の成分をまた含みうる。このような成分は特に、可塑剤、癒着剤、フィラー、染料、例えば顔料もしくは着色料、界面活性剤、保存料、油類、化粧用薬剤、例えば保湿剤及び抗UV剤で当該分野でよく知られているものから選択することができる。言うまでもなく、当業者であれば、メークアップ製品の有利な特性が保持されるように留意して、この又はこれらの任意の添加剤及び/又はその量を選択するであろう。 【0018】特に使用できるフィラーはマスカラ組成物において通常使用されるフィラーである。例えば、ヒュームドシリカ、デンプン、例えば米デンプン、タルク又はポリテトラフルオロエチレンを使用することができる。フィラーは、組成物の全重量に対して0.1重量%から6重量%の範囲の量で組成物中に存在しうる。本組成物はまたメークアップの皮膜の化粧的及び物理化学的性質を変化させるために補助的な皮膜形成ポリマーを含有しうる。この補助的な皮膜形成ポリマーは組成物の水性媒体に分散した固形粒子の形態あるいは溶解した形態でありうる。補助的な皮膜形成ポリマーとしては重縮合ポリマー、例えばポリウレタン類、あるいはスルホン酸基を含むポリエステル類のようなポリエステル類が挙げられる。 【0019】本発明の好適な一実施態様では、マスカラ組成物は水性ディスパージョンの形態の皮膜形成ポリマーとして上述の一又は複数のアクリルポリマー(類)を含まない。本発明に係るメークアップ組成物は、リザーバ、該リザーバを、好ましくは密封状態で、閉止するための取り外し可能な手段、及び睫毛及び/又は眉に組成物を適用するための部材を具備するアプリケーター装置に包装されうる。しかして、本発明の主題はまた上述のマスカラ組成物を含むリザーバと、睫毛及び/又は眉に組成物を適用するための部材と、該リザーバを閉止するための取り外し可能な閉塞手段とを具備するマスカラ製品である。 【0020】上記アプリケーター部材(適用部材)により組成物を取り上げ、取り上げた組成物を睫毛に付着させることが可能になる。このアプリケーター部材は好ましくは装置のシール閉塞手段と一体である。アプリケーター部材はまた上記アプリケーター部材のための拭い取り部材(又は水切り)を含み得、拭い取り部材はリザーバと一体とできる。アプリケーター部材は好ましくは当業者によく知られているマスカラブラシとできる。このようなブラシは特に捻れコア、特に金属コアのまわりに放射状に配設された剛毛を含む。ブラシは変化した形状であり得、切り欠き部を有しうる。マスカラブラシは例えば仏国特許出願公開第2607373号、欧州特許出願公開第611170号、欧州特許出願公開第811336号、欧州特許出願公開第811337号及び欧州特許出願公開第842620号の文献に記載されており、この内容は出典明示により本特許出願に取り込まれる。 【0021】一実施態様では、アプリケーター部材は、首部とアプリケーターが備えられた、上述のマスカラ組成物を含むリザーバを具備しうる。アプリケーターは、第一の端部がアプリケーター部材に嵌め込まれ、アプリケーター装置を閉止するための手段を構成する取っ手部材の第二の端部と一体の軸部を有しうる。アプリケーターはまたリザーバの首部に嵌入され上記軸部が挿通される環状の拭い取り部材を具備し得、この拭い取り部材はこの軸部及び/又はアプリケーター部材を拭い取ることが可能である。有利には、この拭い取り部材は、場合によってはフロック加工が施されていてもよい中央貫通孔を備えた指袋の形状である。このような装置は仏国特許出願公開第2705876号に記載されている。 【0022】本発明は以下の実施例において更に詳細に説明する。図1には、実施例1の組成物を有するマスカラ組成物6を含む、密封性シール5が上部に取り付けられたネジ付き首部4に取り付けられたアプリケーター2とリザーバ3を具備するマスカラアプリケーター装置1が示されている。リザーバ3はその首部4に、該首部4にまた収容された凹所9に係合するフランジ8によって所定位置に保持された拭い取り部材7を有している。拭い取り部材は、既知の方法で可撓性の弾性材料から製作される。アプリケーター2は軸部11の一端11aに固定されたアプリケーター部材10を有している。取っ手手段12はアプリケーター部材10とは反対側の軸部11の端部と一体である。アプリケーター10は既知の形式で捻りコアの周りに螺旋帯状に放射状に分散させられた剛毛を有するマスカラブラシである。蓋部を形成する取っ手手段12はリザーバ3の首部4のネジ部4aと係合するネジ部12aを有している。リザーバ3のシール状態での閉止は、シール5を備えたリザーバの首部4に取っ手手段12を螺合させることによって得られる。 【0023】上述のアプリケーター装置に包装されうるマスカラ組成物の例を以下に付与する。 組成物の実施例:実施例1:以下の組成を有するマスカラを調製した。 − 40%の固形物を含むアクリルポリマー水性ディスパージョン(インターポリマー社のSyntran(登録商標)5190) 20.5gAM− ヒドロキシエチルセルロース(Amerchol社のCellosize QP4400H) 1.9g− フュームドシリカ(デガッサ社のアエロジル200) 1g− エタノール 5g− プロピレングリコール 5g− 顔料 5g− 防腐剤 適量− 水 全体を100gにする量【0024】アクリルポリマー水性ディスパージョン「Syntran(登録商標)」5190」は水に10分間浸漬後に25℃での水の取り込みが8%である皮膜を形成した。測定は既に記載した方法によって実施された。マスカラは睫毛に容易に適用され、少なくとも一日又は二日から四日の間さえ良好に保持され、指での摩擦に耐性があるメークアップ効果を付与する。 【0025】実施例2:以下の組成を有するマスカラを調製した。 − 40%の固形物を含むアクリルポリマー水性ディスパージョン(インターポリマー社のSyntran(登録商標)5760) 30gAM− ヒドロキシエチルセルロース(Amerchol社のCellosize QP4400H) 1.9g− エタノール 5g− プロピレングリコール 5g− 顔料 5g− 防腐剤 適量− 水 全体を100gにする量【0026】アクリルポリマー水性ディスパージョン「Syntran(登録商標)」5760」は水に10分間浸漬後に25℃での水の取り込みが10%である皮膜を形成した。測定は既に記載した方法によって実施された。マスカラは睫毛に容易に適用され、良好に付着する。メークアップ皮膜は睫毛をその全長にわたって良好に被覆し、二日以上の間、経時的に良好に保持される。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】391023932 【氏名又は名称】ロレアル 【氏名又は名称原語表記】LOREAL
|
| 【出願日】 |
平成14年4月10日(2002.4.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100109726 【弁理士】 【氏名又は名称】園田 吉隆 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2002−322032(P2002−322032A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月8日(2002.11.8) |
| 【出願番号】 |
特願2002−107799(P2002−107799) |
|