| 【発明の名称】 |
固形状化粧料 |
| 【発明者】 |
【氏名】菅原 康夫
【氏名】嶋本 一生
【氏名】金井 浩
【氏名】石沢 京香
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| 【要約】 |
【課題】皮膚清情用の皮膚化粧料として、皮膚を傷つけず使用感も良く、しかも簡便に皮膚の所要部分の汚れ除去に適用できる固形状化粧料を提供することである。
【解決手段】融点が45〜120℃のワックス類5〜50重量%、平均粒径1〜100μmの化粧料用粉体10〜50重量%および常温で液体の油剤3〜85重量%を含有する組成物の棒状成形体などからなる固形状化粧料とする。固形を皮膚の表面に接触させて擦ったときに、皮膚表面の汚れを捕捉し、化粧料用粉体を核として粒子になりやすく、汚れが速やかに除去されるから、皮膚を傷つけず使用感も良い。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 融点が45〜120℃のワックス類、化粧料用粉体および常温で液体の油剤を必須成分とする組成物の成形体からなる固形状化粧料。 【請求項2】 融点が45〜120℃のワックス類5〜50重量%、化粧料用粉体10〜50重量%および常温で液体の油剤3〜85重量%を含有する組成物の成形体からなる固形状化粧料。 【請求項3】 化粧料用粉体が、平均粒径1〜100μmの化粧料用粉体である請求項1または2に記載の固形状化粧料。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、皮膚清淨用の化粧料として簡便に使用できるよう形成された固形状化粧料に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、皮膚に付着しやすい汚れの例として、皮脂、空気中に浮遊していた微粒子、化粧汚れ(化粧料残留物)などがあり、これらは化粧をしても黒ずみとして残る場合があるため、通常、石けんなどの界面活性剤を用いて洗淨して除去している。 【0003】また、化粧料が長時間皮膚に付着していると、皮膚細胞の生理的な活性が低下するので、これを完全に除去するために洗顔用クリームに無機質粒子をスクラブ剤として配合したものもある。 【0004】また、近年開発されたパック剤として、高分子材料を皮膚表面の毛穴に物理的に密着させ、引き剥がした際に接着した皮脂などの汚れを剥離除去するものも知られている。 【0005】さらにまた、揮発性の溶剤を含み粘度調整したクリームを皮膚に塗付した後、所定時間放置してから指などで擦り取る際に、肌上の汚れを一体に混合するか、または包み込んで小さな粒状にまとまるようにした、いわゆるゴマージュ効果を持たせた皮膚用汚れ落とし剤も知られている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来の化粧料のうち、スクラブ剤を配合した洗顔クリームは、皮膚に摩擦されたときに皮膚を過剰に刺激したり、目に入ると角膜などを傷つける可能性があり、安全性や使用感に改善の余地がある。 【0007】また、パック剤は、高分子材料を硬化させるための時間に数分以上を要するため、外出先で簡便に化粧を落としたり、一部だけ局所的に黒ずみを除去して化粧直しすることは容易でなかった。 【0008】さらにまた、ゴマージュ効果を持たせた皮膚用汚れ落とし剤も、擦り取るためには、通常、数分以上のマッサージが必要であり、上記と同様に簡便に使用することが困難なものであった。 【0009】そこで、この発明の課題は、上記の問題を解決して、皮膚清浄用(汚れ落とし用)の化粧料として、皮膚を傷つけず使用感も良く、しかも簡便に皮膚の所要部分の汚れ除去に適用できる固形状化粧料を提供することである。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、この発明では、融点が45〜120℃のワックス類、化粧料用粉体および常温で液体の油剤を必須成分とする組成物からなる固形状化粧料としたのである。 【0011】上記したように構成されるこの発明の固形状化粧料は、固形状のワックス類と常温で液体の油剤を混ぜ合わせたものが、皮膚表面の汚れを粘着して捕捉しやすく、さらにスティック形などの固形物を皮膚の表面に接触させて擦ったときに、粘着し汚れを包み込んだ固形物の一部が本体から破断されて脱落し、これが皮膚と固形物の間で擦られる際に、化粧料用粉体が核となった粒子を形成するため、粒状物が速やかにまとまる。 【0012】このように、皮膚に対して固形状化粧料の先端を押し当て、小さな摩擦力で接触させるだけで皮膚の汚れを捕捉した粒子が形成され、これが皮膚表面から脱落するようにして除去されるから、肌に対する摩擦刺激の小さな汚れ落としができる。 【0013】また、前記同様の課題を解決するため、融点が45〜120℃のワックス類5〜50重量%、化粧料用粉体10〜50重量%および常温で液体の油剤3〜85重量%を含有する組成物の成形体からなる固形状化粧料としたのである。 【0014】上記構成の固形状化粧料は、所定融点のワックスと所定融点の油剤を所定量ずつ配合することにより、より確実に皮膚表面の汚れを粘着して捕捉しやすいものとなる。そして、所定量の化粧料用粉体を配合することにより、均一に分散した化粧料用粉体が、効率よく核となって速やかに汚れを包み込んで、粒状物がきわめて短時間にまとまるようになる。 【0015】また、上記した固形状化粧料において、化粧料用粉体が、平均粒径1〜100μmの化粧料用粉体であることが好ましい。 【0016】このように構成される固形状化粧料は、化粧料用粉体が、皮膚に接触した際のざらつき感がなく肌触りのよいものになり、しかも化粧料用粉体が添加効率よく核となって、ワックスと油剤の混合物を速やかに粒状化して汚れを包み込み、きわめて短時間に粒状物を形成する。 【0017】 【発明の実施の形態】この発明に用いるワックス類は、口紅などの化粧料に配合できるワックス(ロウと同じ。)もしくはワックス状物質または両者併用した混合物であり、融点45〜120℃以内のものであればよい。 【0018】上記所定の融点範囲未満の低融点ワックス類は、固形状化粧料を常温で使用する時に過剰に軟らかくなることがあり、皮膚表面で汚れを捕捉した化粧料が粒状にまとまり難くなる。また、所定の融点範囲を超える高融点ワックス類は、分子量が高く、小粒にまとまり難くなって、これを配合した固形状化粧料は皮膚表面に均一に広い範囲で汚れを補足する機能が得られ難いものになる。 【0019】この発明に用いるワックス類の具体例としては、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、モクロウ、コメヌカロウなどの天然系ワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、シリコーンワックスなどの鉱物系ワックス、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸などの飽和脂肪酸、パルミチン酸セチルなどのエステル類、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどの高級アルコールなどが挙げられる。これらは一種以上混合して用いることができるのは勿論である。 【0020】このようなワックス類の配合量は、固形状化粧料中の5〜50重量%であり、好ましくは10〜40重量%である。なぜなら、このような所定範囲の配合量未満では、強度が弱く、例えば、直径5〜15mm程度、通常30〜60mm程度の長さの棒状(スティック)に形成された固形物が折れやすくなる。また、前記所定範囲を超えて多量に配合すると、スティック状化粧料が硬くなりすぎてその皮膚表面に対する展延性が不充分になるからである。 【0021】この発明に用いる化粧料用粉体は、固形ファンデーションや口紅などに配合されているような不活性の粉体を採用することができ、これらは有機物であってもよく、無機物であってもよい。 【0022】粒子形状の例としては、球状、針状、板状が挙げられ、粒子径については煙霧状、微粒子、顔料級などが挙げられる。また、粒子構造は、多孔質、無孔質のいずれであってもよい。 【0023】このような化粧料用粉体の粒径は、好ましくは100μm以下、より好ましくは1〜100μmであり、さらにより好ましくは2〜80μmである。上記所定範囲未満の小粒径の化粧料用粉体では、粒状物の核となるには小さすぎるため、ワックスと油剤の混合物を速やかに粒状化して汚れを包み込むことが困難になる。また、上記所定範囲を超える大粒径のものは、固形状化粧料が皮膚に接触した際にざらつき感を示して使用感が悪化するからである。 【0024】化粧料用粉体の具体例としては、無機質粉体として、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、酸化チタン、酸化亜鉛、ケイ酸、無水ケイ酸、硫酸バリウム、窒化ホウ素、シリカ、セラミックスパウダーなどが挙げられ、また有機質粉体としては、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、シルクパウダー、セルロースなどが挙げられる。 【0025】これらの粉体は、複合化したり、油剤やシリコーンまたはフッ素化合物で表面処理を行なった粉体であってもよく、また一種または二種以上混合して用いることもできる。 【0026】化粧料用粉体の配合割合は、10〜50重量%である。なぜなら、上記所定範囲未満の少量では、固形状化粧料の油性感が強くなり、滑りやすくなりすぎて皮膚との適当な摩擦力が得られないからである。また、上記所定範囲を超えて多量に配合すると、固形としての形態の強度が弱く、折れやすくなり、成形も困難になる。 【0027】また、この発明に用いる常温で液体の油剤は、常温(15〜25℃)以上で液体の油剤であり、例えば天然動植物性油(ヒマシ油、オリーブ油、ホホバ油、スクワランなど)、鉱物油(流動パラフィンなど)、合成油(炭化水素油、シリコーン油)などを種類を限定することなく使用できる。 【0028】このような油剤の配合割合は、3〜85重量%であり、より好ましくは5〜60重量%である。なぜなら、このような所定範囲の配合量未満では、スティック状などに形成された固形物が硬くて折れやすくなり、また汚れの捕捉機能が充分に発揮されないからであり、また前記所定範囲を超えて多量に配合すると、固形状化粧料が柔らかくなりすぎて、皮膚との摩擦で粒状にまとまり難くなるからである。 【0029】以上のような原材料を混合し、成形して固形状化粧料を調製するには、予備混合された原材料を3本ロールなどを用いて均質になるように練り合わせ、これをモールド成形などの注型成形によって成形することが一般的である。なお、成形方法は、特に限定することなく、型内で圧縮または加圧をしても良く、もしくは押出成形であってもよい。 【0030】固形状化粧料の形状や大きさは、使用し易く携帯に便利であるように設ければよく、角柱または円柱などの棒状、球、楕円球、多面体などの周知の立体形状などであってもよいが、ステイック状の口紅によく採用されているような棒状が好ましい。所要径の棒状に成形した固形状化粧料は、筒状のホルダー内に螺子などの簡易な押出し機構でもって出し入れ可能に収容すれば、一端から無駄なく使用できる。 【0031】 【実施例および比較例】〔実施例1〜3、比較例1〜5〕表1に示す組成の配合割合で原材料を予備混合し、3本ロールなどを用いて均質になるように練り合わせ、得られた組成物を注型成形して口紅状のスティック状化粧料(直径10mm、長さ30mm)を製造した。 【0032】得られたスティック状化粧料を以下の試験方法および評価基準(表1および表2に示す。)によって、(1)折れやすさ、(2)伸び、(3)汚れの落ちやすさ、(4)充填性(粘度)を調べ、この結果を表3中に記号で併記した。 [試験方法および評価基準]スティック状化粧料を健康な成人女性20人(19〜55歳)のパネラーに使用させ、(1)折れやすさ、(2)伸び、(3)汚れの落ちやすさ、について、下記の表1または表2に示す評価基準に従って評価した。 【0033】 【表1】
【0034】(4)充填性、すなわち、注型成形形時の型への充填性については、下記の表2に示す評価基準に従って実施例と比較例の各10本ずつについて評価した。 【0035】 【表2】
【0036】以上の表1と表2の評価基準に基づく評価結果は、試験結果の平均値に基づいて以下の記号によって表3中に示した。 【0037】 ◎ 4.5以上 5.0まで○ 3.5以上 4.5未満△ 2.5以上 3.5まで× 1.5以上 2.5未満×× 1.0以上 1.5未満【0038】 【表3】
【0039】表3の結果からも明らかなように、ワックスが過少量の比較例1は、スティックが折れやすく、汚れの落ち具合の評価も低い。また、ワックスが過量の比較例2は、伸びがなく、汚れが落ち難く、粘度不良という結果であった。また、粉体が過少量の比較例3は、汚れの落ち具合の評価が低かった。また、粉体が過量の比較例4は、伸びがなく、粘度不良との評価であった。油剤が過少量の比較例5は、伸びがなく、汚れが落ち難く、粘度不良であった。 【0040】これに対して、全ての条件を満足する実施例1〜3は、伸びが適当にあり、汚れが落ち易く、粘度良好であるという優れた結果であった。 【0041】 【発明の効果】この発明は、以上説明したように、所定融点のワックス類、化粧料用粉体および常温で液体の油剤を必須成分とする組成物からなる固形状化粧料としたので、固形を皮膚の表面に接触させて擦ったときに、皮膚表面の汚れを捕捉した粒子が、化粧料用粉体を核として粒子になりやすく、これは皮膚表面から速やかに脱落して除去されるから、汚れ落とし用の皮膚化粧料として、皮膚を傷つけず使用感も良く、しかも簡便に皮膚の所要部分の汚れ除去に適用できる固形状化粧料になる。 【0042】また、所定融点のワックスと油剤および化粧料用粉体を所定量ずつ配合した固形状化粧料は、上記の効果をより確実に奏するものになる。 【0043】また、化粧料用粉体が、平均粒径1〜100μmの化粧料用粉体である上記の固形状化粧料は、皮膚に接触した際のざらつき感をなくすことができ、使用感のより良いものになる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】593084649 【氏名又は名称】日本コルマー株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年4月26日(2001.4.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074206 【弁理士】 【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−322029(P2002−322029A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月8日(2002.11.8) |
| 【出願番号】 |
特願2001−129081(P2001−129081) |
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