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【発明の名称】 ウドからの抽出物を含む化粧料
【発明者】 【氏名】八木 年晴

【氏名】中澤 治雄

【氏名】森田 友岳

【要約】 【課題】環境汚染や毒性等が少なく安全に使用できる天然由来の物質を用いた肌荒れやアレルギーなどの発症がない上、皮膚在住菌に対する抗菌活性を有する化粧料を提供する。

【解決手段】ウド(学名:Aralia cordata)からの抽出物を抗菌成分として含有する化粧料を用いる。中性〜酸性であることが好ましく、ビタミンCおよび/または食用有機酸を添加してpH4〜5に調整することがより好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ウド(学名:Aralia cordata)からの抽出物を抗菌成分として含有することを特徴とする化粧料。
【請求項2】 中性〜酸性であることを特徴とする請求項1記載の化粧料。
【請求項3】 ビタミンCおよび/または食用有機酸を添加してpH4〜5に調整したことを特徴とする請求項1記載の化粧料。
【請求項4】 接触法によるブドウ状球菌に対する活性が化粧料1g当たり1ユニット以上となるように抽出物を添加することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の化粧料。
【請求項5】 にきびの改善用に使用することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウドからの抽出物を含む化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、食用としているウドの茎や葉からエタノール等により抽出した抽出物を生鮮牛肉、生鮮レタスなどの匂い、味などを長期に維持するために食品保存剤として使用する提案(特開平5−123140号公報)や、ウドの茎や葉からエタノール等により抽出した抽出物をヘルペスなどウィルスによる治療薬に用いる提案(特開平6−219959号公報)や、ウドの茎や葉からエタノール等により抽出した抽出物を入浴剤に用いる提案(特開平10−7546号公報)がなされている。従来のウドの茎や葉からエタノール等により抽出した抽出物は、食品保存剤や治療薬として抗菌性が必ずしも十分なものとは言えず、エタノール可溶性の有効成分と共に微生物の栄養分となる水溶性栄養成分を包含しているため、抽出物を水で希釈して有効成分の濃度が薄くなると保存中に微生物が増殖して変質するという問題があった。この問題を解決するために、本出願人は、先に、保存中に微生物が増殖して変質することがなく、安定性に優れる上、環境汚染や毒性などの恐れがなく、安全に使用できるウドの抽出物およびその製造方法(特願2001−9818)を提案した。
【0003】一方、化粧料にフェノール、クレゾールなどのフェノール類およびその誘導体、パラクロロフェノール、オルトベンジルパラクロロフェノールなどのハロゲン化フェノール類およびその誘導体などを配合したものが従来使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、フェノール、クレゾールなどのフェノール類およびその誘導体、パラクロロフェノール、オルトベンジルパラクロロフェノールなどのハロゲン化フェノール類およびその誘導体などの化学合成品は、肌に直接接触させて使用するため、肌荒れやアレルギーなどの発症が問題となっている。そのため天然由来の物質を使用し皮膚在住菌に対する抗菌活性を有する化粧料が強く求められている。本発明の目的は、従来の化学物質を主成分とする製品と異なり、環境汚染や毒性等が少なく安全に使用できる天然由来の物質を利用した化粧料であって、肌荒れやアレルギーなどの発症がない上、皮膚在住菌に対する抗菌活性を有する新規な化粧料を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は課題を解決するために鋭意研究した結果、本出願人が先に提案した天然由来の物質であるウドの抽出物が化粧料の抗菌成分として有効であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】本発明の請求項1は、ウド(学名:Aralia cordata)からの抽出物を抗菌成分として含有することを特徴とする化粧料である。
【0007】本発明の請求項2は、請求項1記載の化粧料において、中性〜酸性であることを特徴とする。
【0008】本発明の請求項3は、請求項1記載の化粧料において、ビタミンCおよび/または食用有機酸を添加してpH4〜5に調整したことを特徴とする。
【0009】本発明の請求項4は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の化粧料において、接触法によるブドウ状球菌に対する活性が化粧料1g当たり1ユニット以上となるように抽出物を添加することを特徴とする。
【0010】本発明の請求項5は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の化粧料において、にきびの改善用に使用することを特徴とする。
【0011】本発明の化粧料は、ウドからの抽出物を抗菌成分として含有することにより、化粧料の有する本来の特性を損なうことなく、黄色ブドウ状球菌、大腸菌などの有害細菌に対する高い抗菌性を付与することができ、化粧料として有用である上、ウドからの抽出物中の有効成分が人の皮膚によく付着しかつ馴染み、水で洗っても流出しにくいなどの理由により作用効果が維持・持続するので、例えばにきびの改善効果がある。
【0012】
【発明の実施の形態】次に本発明を詳細に説明する。本発明の化粧料は、ウドからの抽出物を抗菌成分として含有すること以外は特にその成分を指定されるものではない。
【0013】本発明の化粧料には、通常化粧料に用いられる添加剤、例えば、安息香酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル類、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、フェノキシエタノール、トリクロサン、トリクロロカルバニリド、ジンクピリチオン等の防腐・殺菌剤;ラノリン、ミンク油、馬油、アーモンド油、ヒマシ油、ホホバ油、メドフォード油、マンゴウ核油、オリーブ油等の動・植物油脂類;コレステリン、ラノリンアルコール、フィトステロール等の動・植物由来のステロール類、及びそれらの誘導体;固形パラフィン、セレシン、鯨ロウ、ミツロウ、カルナウバロウ等の鉱物、動・植物由来のワックス類;流動パラフィン、スクアラン等の炭化水素油;ラウリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール類;ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸類;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソオクタン酸セトステアリル、イソステアリン酸アルキルエステル等の合成油;ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸塩等の界面活性洗浄剤類、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤類;グリセリン、ソルビット、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール類;エタノール等の低級アルコール類;ヒアルロン酸塩、ピロリドンカルボン酸塩、加水分解コラーゲン液等の保湿剤;カチオン化デキストリン等のカチオンリンス剤類;海藻エキス、カラギーナン、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー等の増粘剤類;アルニカエキス、アロエエキス、海藻エキス、カモミラエキス、カンゾウエキス、キナエキス、ニンニクエキス、メリッサエキス等の植物抽出エキス類;紫外線吸収剤、酸化防止剤、キレート剤、香料、色素等が本発明化粧料の所期の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0014】本発明の化粧料の剤型は、具体的には、例えば、ローション、乳液、クリーム、軟膏、硬膏、固形剤、ゲルなど頭髪及び外皮に適用できる性状のものであれば、ヘアローション、ヘアクリーム、シャンプー、リンス、トリートメント、整髪料及びスキンローション、スキンミルク、エモリエントクリーム、リップクリーム、口紅等に許容される。
【0015】本発明の化粧料はアルカリ性〜中性〜酸性のいずれの範囲においても効果を発揮するので、特に限定されない。しかし、アルカリ性の場合より中性〜酸性の場合の方が抗菌性が高いので好ましく、さらに酸性物質を添加してpH4〜5の範囲に調整するとさらに抗菌性が高いので特に好ましい。
【0016】本発明で用いる酸性物質は安全性の高いものであれば有機酸でも塩酸のような無機酸でもよく特に限定されるものではない。中でも、ビタミンCなどのビタミンや、グルコノデルタラクトン、食用として認められている食用酸は好ましく使用できる。食用有機酸としては、具体的には例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、アジピン酸、フィチン酸、アスコルビン酸あるいはこれらの2種以上の混合物などを挙げることができる。
【0017】本発明の化粧料において、ウドからの抽出物の添加量はウドからの抽出物の殺菌効果などの作用効果が安定的に発揮され維持される範囲であればよく特に限定されない。しかしウドからの抽出物を化粧料全体に対して約1容量%添加して、接触法によるブドウ状球菌に対する活性が化粧料1g当たり1ユニット以上となるようにすることが好ましい。1ユニット未満ではウドからの抽出物の殺菌効果などの作用効果が安定的に発揮されない恐れがあり、また安定的に維持されない恐れがある。ウドからの抽出物の添加量の上限は、化粧料の種類によっても異なるが、あまり多量に添加すると本発明の化粧料の作用効果を損うなどの恐れがあるので、化粧料の作用効果全体を考えて選定される。なお、1ユニットとは、試料1ml当たり黄色ブドウ状菌を20万個添加し30℃、30分間加温した時、全ての黄色ブドウ状菌を殺菌できる活性と定義する。
【0018】本発明の化粧料に含有するウドからの抽出物中の有効成分は人の皮膚によく付着しかつ馴染み、水で洗っても流出しにくい特性がある。したがって、作用効果が長期わたって維持・持続するという効果がある。本発明の化粧料は有効成分は人の皮膚によく付着しかつ馴染み、水で洗っても流出しにくいなどの効果、殺菌効果、その他各種効果の相乗作用によって例えばにきびに対して優れた改善効果がある。なお本発明の化粧料がにきびに対して優れた改善効果がある理由は上記の理由に限定されず、他の理由の存在も否定できない。
【0019】次に本発明において用いるウドからの抽出物について述べる。本発明者等はウドの各部から抽出した抽出物について抗菌性に差異があることを見出した。それによると、ウドの茎部からの抽出物よりも根部、葉部、小枝部、花部等からの抽出物の方が抗菌性が優れていることが判明した。そこで、本発明で用いるウドからの抽出物の一実施形態であるウドの根部を用いた例について説明する。この場合、ウドの根部とは根系全般であって、地上部以外の全ての部分を含む。周知のように、ウドは日本全土の山地で自生し畑で栽培もされる多年草であり、茎は太く円柱形で高さは1.5m内外、葉は柄があり互生で毛があり、夏に茎の上部に円錐形の散形花序をなし、淡緑色の小花をつける。本発明では、天然物でも、栽培物でも、これらの混合物でもいずれも用いることができる。ウドは栽培による多量生産が可能であり、2〜3年肥培管理した根系を用いることが好ましい。更に、株分けした根株を春から秋まで畑で肥培管理し、充実した根系を用いることもできる。
【0020】ウド根部からの抽出物は、黄色ブドウ状球菌、大腸菌等の細菌に対する高い抗菌性を有することから、ウドの茎や葉などに含まれる有効成分[(−)−ピラマ−8(14)15−ジエン−19酸、ファルカリンジオール、ジヒドロファルカリンジオール、アグノロール(IUPACC名:5,5’ジアリル−2,2’−ジヒドロキシビフェニル)]以外に、ウド根部特有の有効成分を含むものと考えられる。しかし、ウド根部の有効成分は、日常食用としているウドから抽出されるものであるため、毒性は認めることができず安全性が高いものである。
【0021】次に、ウド根部から有効成分を含む抽出物を製造する方法について説明する。工程(1)において、ウド根部を細断及び/又は粉砕し、それを乾燥して乾燥断片(例えば、約2mm幅の断片)及び/又は粉末(以下、まとめて断片と称すことがある)を作る。この断片を更に粉砕した粉末を用いることもできる。粉砕の程度は特に限定されない。乾燥の程度も特に限定されないが、含有水分が5質量%以下、好ましくは1質量%以下になるように乾燥するのが好ましい。
【0022】工程(2)において、ウド根部の乾燥断片を水により煮出して微生物の栄養分となるグルコース、アミノ酸、蛋白質、炭水化物などの水溶性栄養成分を除去する。使用する水の量は、ウド根部乾燥断片に対して3〜25質量倍の水を使用することが好ましく、更に好ましくはウド根部乾燥断片に対して5〜20質量倍、特に好ましくは8〜15質量倍の水を使用することが望ましい。3質量倍未満の水の使用量では、水が馴染まず現実的に調製が困難であり、25質量倍を超える水を使用すると、不経済となる。ウド根部の乾燥断片を水により煮出す条件は、グルコース、アミノ酸、蛋白質、炭水化物等の水溶性栄養成分を水中に抽出して除去できるような条件であれば特に限定されないが、約80〜100℃で約30分〜2時間程度処理することにより、これらの水溶性栄養成分をほぼ完全に水中に抽出して除去することができる。
【0023】工程(3)において、微生物の栄養分となる水溶性栄養成分を除去したウド根部の断片を、次の工程(4)において低級アルコール或は低級アルコール以外の有機溶媒による抽出処理を容易に効率よく行うために、乾燥する。乾燥の程度は特に限定されないが、含有水分が5質量%、好ましくは1質量%以下になるように乾燥するのが好ましい。
【0024】工程(4)において、乾燥したウド根部の断片からエタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール等の毒性がなく安全性の高い炭素数2〜10程度の低級アルコールや、これらの低級アルコールを含む水溶液(例えば、低級アルコール80%の水溶液)、或はこれらの低級アルコール以外のヘキサン、ジエチルエーテル等のエーテル、酢酸エチル等のエステルなどの毒性がなく安全性の高い有機溶媒により有効成分を抽出して有効成分を含む低級アルコール或は低級アルコール以外の有機溶媒の溶液を作る。
【0025】低級アルコール以外の有機溶媒を用いた場合は、前記抽出溶液から減圧蒸留等により低級アルコール以外の有機溶媒溶液を取り除き、得られた有効成分を低級アルコールに溶かし有効成分を含む低級アルコール溶液を作る。
【0026】これらの低級アルコール或は低級アルコール以外の有機溶媒による抽出は、公知の方法で行うことができる。好ましい方法としては、ソックレー抽出器等を用いて使用する低級アルコール或は低級アルコール以外の有機溶媒の沸点下で還流させて抽出する方法を挙げることができる。
【0027】使用する低級アルコール或は低級アルコール以外の有機溶媒の量は、乾燥したウド根部の断片に対して3〜25質量倍が好ましく、更に好ましくは5〜20質量倍、特に好ましくは8〜15質量倍が望ましい。
【0028】3質量倍未満では、黄色ブドウ状球菌、大腸菌などの細菌に対する高い抗菌性を有する有効成分を完全に低級アルコール或は低級アルコール以外の有機溶媒中に抽出できない恐れがあり、25質量倍を超える低級アルコール或は低級アルコール以外の有機溶媒を使用すると、前記有効成分以外の雑成分が抽出されて効能が低下する恐れがあると共に不経済となる。
【0029】次に、工程(5)において、低級アルコールを用いて抽出した場合であっても、必要に応じて前記抽出溶液から低級アルコールを減圧蒸留等により取り除き、得られた有効成分を含む混合物(例えば、水中に有効成分が懸濁した混合物)から再度低級アルコール以外の有機溶媒により有効成分を抽出して有効成分を含む低級アルコール以外の有機溶媒の溶液を作り、次いでこの抽出溶液から減圧蒸留等により低級アルコール以外の有機溶媒溶液を取り除き、得られた有効成分を低級アルコールに溶かし有効成分を含む低級アルコール溶液を作る。工程(5)は例えば、有効成分の濃度の高い低級アルコール溶液を作る場合などに用いられる。
【0030】更に、工程(6)において、工程(4)或は工程(5)で得られた前記有効成分を含む低級アルコール溶液を水で希釈する。前記有効成分を含む低級アルコール溶液はそのまま使用することもできるが、通常は水で希釈して使用に供する。希釈する水としては、有効成分を含む低級アルコール溶液に対して5〜500質量倍の水を使用することが好ましく、更に好ましくは6〜200質量倍、特に好ましくは10〜100質量倍の水を使用することが望ましい。5質量倍未満の水の使用量では、有効成分の濃度が高すぎる場合があり、500質量倍を超える水を使用すると、有効成分の濃度が低くすぎて効果が発揮できない恐れがある。
【0031】本発明で用いるウド根部からの抽出物は、通常、食用に供されているウドから抽出されたものであって、従来の化学物質を主成分とする製品と異なり、環境汚染や毒性等が少なく安全に使用できる。このウド根部からの抽出物には、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、酸化防止剤、粘度調整剤、顔料、色素、香料等の添加剤を添加することができる。
【0032】前記有効成分を含む低級アルコール溶液或は前記有効成分を含む低級アルコール溶液を適量の水で水で希釈したウド根部からの抽出物は、そのまま或は、濾過や遠心分離にかけ、固形のゴミ等の不溶物や不純物を取り除いた後、使用することが好ましい。
【0033】
【実施例】次に、実施例および比較例によって本発明を説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(ウドからの抽出物の調製例)ウド根部をカッターで約2mm幅程度に細断し、それを通風下、常温で約24時間乾燥した乾燥断片100gを水1kgに浸し、2時間煮沸して、微生物の栄養分となるグルコース、アミノ酸、蛋白質、炭水化物などの水溶性栄養成分を水中に抽出して除去した後、水切り袋に入れ、大気中、室温下で24時間乾燥させた。乾燥したウド根部の断片に対して20質量倍の80%エタノールを添加し、2時間還流した。得られた有効成分を含むエタノール溶液に対して10質量倍の水により希釈してウド根部からの抽出物を得た。
【0034】ウド根部からの抽出物を食品分析した結果、グルコース、アミノ酸、蛋白質、炭水化物などの水溶性栄養成分は含まれていなかった。このようにして得られたウド根部からの抽出物の大腸菌、黄色ブドウ状球菌等の細菌に対する抗菌性を試験した結果を次に示す。
【0035】(抗菌性試験1)ウド根部からの抽出物1mlに大腸菌(Escherichia coliK12及びEscherichia coli B)を約104 個添加し、室温で30分〜24時間放置した。放置した菌体液をLB倍地に植菌したところ、個体・液体倍地ともに大腸菌の増殖は全く認められなかった。
【0036】(抗菌性試験2)ウド根部からの抽出物1mlに黄色ブドウ状球菌(Staphylococcu aureus)を約106 個添加し、すぐに菌体液を20μlLB倍地に植菌したところ、個体・液体倍地ともに黄色ブドウ状球菌の増殖は全く認められなかった。
【0037】(抗菌性試験3)ウド根部からの抽出物を更に水で5〜10質量倍希釈し、黄色ブドウ状球菌(taphylococcus aureus)を約106 個添加し、室温で30分〜24時間放置した。放置した菌体液をLB倍地に植菌したところ、個体・液体倍地ともに黄色ブドウ状球菌の増殖は全く認められなかった。
【0038】(実施例1)上記ウドからの抽出物を用いて下記の組成のスキンローション(本発明の化粧料)を作った。なお%は質量%を示す。
ピロリドンカルボン酸Na 6%クエン酸 0.01%クエン酸Na 0.05%乳酸Na50% 0.01%絹シルク1%水溶液 0.1%1,3−ブチレングリコール 4%八アセ変性アルコール 3%ウドからの抽出物 化粧料全体に対して2%カンゾウエキス 0.3%ジュ抽出エキス 0.3%ローズウオータ 0.01%ラベンダー残部 精製水ビタミンCを適量添加して全体のpHを4.0に調整した。
【0039】上記の例では、ビタミンCを添加する前はpHが6程度であったものをビタミンCを適量添加して全体のpHを4.0に調整したウドからの抽出物を含有する化粧料を作ったが、1N塩酸、1N酢酸を用いて同様にして全体のpHを4.0に調整したウドからの抽出物を含有する化粧料を作った。そして、pHを4.0に調整する前のウドからの抽出物を含有する化粧料(pH6程度)と比較して抗菌性をテストした。化粧料試料を30℃、30分間処理後、5μlをLB寒天培地に塗布しコロニーの発生を観察した。テストの結果、ビタミンCを添加する前のpH6程度の化粧料はコロニーが約300以上発生したが、ビタミンC、1N塩酸、1N酢酸を用いて全体のpHを4.0に調整したウドからの抽出物を含有する化粧料の場合はいずれもコロニーが発生しなかった。
【0040】パネルメンバー(女子大生)10人(A〜J)にこのビタミンCを用いて全体のpHを4.0に調整したウドからの抽出物を含有するスキンローション(本発明の化粧料)を用いて1日に1〜2回洗顔後の肌にコットンで十分なじませるのを1週間続けるテストを行ってもらい、下記の評価基準により■.肌へのなじみ、■.使用後、肌のしっとり感、■.さっぱり感、■.香り、■.肌荒れ、にきびなどの改善および■.総合評価を行った。パネルメンバー各人(A〜J)の各評価項目毎の評価結果を表1および図1に示す。
【0041】評価基準:■ 肌へのなじみ1 悪い2 少し悪い3 普通4 まあまあよい5 非常によい【0042】■ 使用後、肌のしっとり感1 きしむ2 少しきしむ3 普通4 まあまあしっとりする5 しっとりする【0043】■ さっぱり感1 べたつく2 少しべたつく3 普通4 ままさっぱりする5 さっりする【0044】■ 香り1 変な香り2 少し気になる3 普通4 よい香り5 強い香り【0045】■ 肌荒れ、にきびなどの改善1 悪くなった2 少し悪くなった3 変化なし4 少し改善された5 改善された【0046】■ 総合評価1 悪い2 少し気になる3 普通4 よい5 非常によい【0047】
【表1】

【0048】表1および図1から、ビタミンCを用いて全体のpHを4.0に調整したウドからの抽出物を含有するスキンローション(本発明の化粧料)は、各評価項目(■.肌へのなじみ、■.使用後、肌のしっとり感、■.さっぱり感、■.香り、■.肌荒れ、にきびなどの改善)に優れており、■.総合評価も高いことが判る。
【0049】(実施例2)上記ウドからの抽出物を含有する下記の組成の本発明の化粧料を作り、実施例1とほぼ同様にして評価を行った。いずれもウドからの抽出物を化粧料全体に対して1%添加し、ビタミンCを適量添加して全体のpHを4.0に調整した。
【0050】
ヘアシャンプー(1)
ラウリル硫酸ナトリム 5.0g ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン 3.0g ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0g ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 2.0g 黄色4号(1%液) 1.0ml 香料 0.2g 精製水を加えて 全量100.0ml【0051】
ヘアシャンプー(2)
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミントリエタノールアミン 15.0g ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム 2.0g ラウリル酸アミドプロピルベタイン 1.0g ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0g キチン末 1.0g カチオン化加水分解コラーゲン 0.5g 黄色4号(1%液) 2.0ml 香料 0.5g 精製水を加えて 全量100.0ml【0052】
ヘアリンス ジメチルポリシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体 0.5g 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.0g ポリオキシエチレンセチルエーテル(40EO) 1.0g カチオン化デキストラン 0.5g 青色1号(1%液) 2.0ml 香料 0.3g 精製水を加えて 全量100.0ml上記の処方の成分を秤取し、攪拌混合し、溶解しヘアリンスを製造した。
【0053】
ヘアローション(A)
酢酸dl−α−トコフェロール 0.2g ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50EO) 8.0g(B)
1,3−ブチレングリコール 5.0g グリセリン 5.0g 精製水 約50.0ml(C)
エタノール 50.0ml 青色203号(1%液) 2.0ml 香料 0.5g 精製水を加えて 全量100.0ml先ず、上記の処方の(A)成分相を60〜70℃に加温、均一に融解し、攪拌しながら、これに80〜90℃に加温溶解した(B)成分相を徐々に加えて乳化し、室温まで冷却する。次いで(C)成分相を加えて100mlとした。
【0054】
ヘアトリートメント ステアリルアルコール 3.0g ポリオキシエチレンオレイルエーテル(5EO) 1.0g ヒアルロン酸ナトリウム液 2.0g 青色1号(1%液) 2.0ml 香料 0.3g 精製水を加えて 100.0g上記の処方の成分を秤取し、攪拌混合、溶解しヘアリンスを製造した。
【0055】ヘアオイルδ−トコフェロール 0.05g香料 1.00g上記の処方の成分を室温で攪拌混合し、均一溶液とし、ヘアーオイルを製造した。
【0056】
ヘアクリーム(A)
ミツロウ 2.5g ステアリン酸 0.3g フィトステロール 0.5g ポリオキシエチレンステアリルエーテル(4EO) 2.0g ポリオキシエチレンステアリルエーテル(20EO) 5.0g δ−トコフェロール 0.02g(B)
1,3−ブチレングリコール 5.0g 水酸化カリウム 0.5g エデト酸四ナトリウム 0.05g 精製水 約50.0ml(C)
香料 0.2g 精製水を加えて 全量100.0g先ず、上記の処方の(A)成分相を60〜70℃に加温、均一に融解し、攪拌しながら、これに、80〜90℃に加温溶解した(B)成分相を徐々に加えて乳化し、室温まで冷却する。次いで(C)成分相を加えて100gとした。
【0057】植物性ポマードモクロウ 7.0gモノステアリン酸ソルビタン 1.0gδ−トコフェロール 0.05g黄色204号 0.02g香料 0.3g先ず、上記処方の中で、香料、及びδ−トコフェロール以外の全油脂成分を、約70℃に加温、攪拌しながら均一に融解し、室温まで急冷却する。次いで、これに香料、およびδ−トコフェロールを混合してポマードを製造した。
【0058】
エモリエントクリーム(A)
スクアラン 3.0g フィトステロール 0.5g モノステアリン酸ソルビタン 2.0g ポリオキシエチレンステアリルエーテル(20EO) 2.0g 自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 8.0g 自己乳化型モノステアリン酸プロピレングリコール 7.0g 酢酸dl−α−トコフェロール 0.2g δ−トコフェロール 0.02g(B)
1,3−ブチレングリコール 8.0g 精製水 約90.0ml(C)
香料 0.2g 精製水を加えて 全量100.0g先ず、上記の処方の(A)成分相を60〜70℃に加温、均一に融解し、攪拌しながら、これに、80〜90℃に加温溶解した(B)成分相を徐々に加えて乳化し、室温まで冷却する。次いで(C)成分相を加えて100gとした。
【0059】
リップクリーム スクアラン 8.0g オクチルドデカノール 10.0g フィトステロール 1.5g モノステアリン酸ソルビタン 0.5g ミツロウ 5.0g カルナウバロウ 4.0g セレシンワックス 5.0g 酢酸dl−α−トコフェロール 0.1g δ−トコフェロール 0.03g 香料 0.1g上記処方の成分を80〜90℃に加温、均一に融解し、常法により成型してリップクリームを製造した。また、本実施例の処方に、更に適当な色素、顔料等を適量配合することにより、使用感に優れた口紅の製造も可能である。
【0060】これらのビタミンCを用いて全体のpHを4.0に調整したウドからの抽出物を含有する本発明の化粧料は、各評価項目(■.肌へのなじみ、■.使用後、肌のしっとり感、■.さっぱり感、■.香り、■.肌荒れ、にきびなどの改善)に優れており、■.総合評価も高かった。また、これらの化粧料は、実施例1の化粧料の結果と同様の優れた殺菌効果を示した。
【0061】上記の実施例1〜2ではいずれもウドの根部からの抽出物であったが、ウドの他の部分例えば葉部、小枝部、花部から下記のようにして調製した抽出物についても実施例1〜2と同様の実験をしてみたが各評価項目に優れており、■.総合評価も高く、実施例1の結果と同様の優れた殺菌効果を示した。
【0062】(ウド抽出物の調製)試料を包丁で細かく切断して80℃で乾燥した。十分量の蒸留水で1時間水煮出しした。煮汁を捨てて試料を水道水で洗った後80℃で乾燥した。10倍量(50g当たり500ml)の80%エタノールで乾留抽出した。得られた有効成分を含むエタノール溶液に対して10質量倍の水により希釈してウド葉部、小枝部、花部からの抽出物をそれぞれ調製した。
【0063】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の化粧料は、従来の化学物質を主成分とする製品と異なり、環境汚染や毒性等が少なく安全に使用できる天然由来の物質であるウドの抽出物を抗菌成分として含有するので、化粧料として有用である上、肌荒れやアレルギーなどの発症がなく、皮膚在住菌に対する抗菌活性を有するという顕著な効果を奏する。
【0064】本発明の請求項2記載の化粧料は、中性〜酸性であるので、請求項1記載の化粧料と同じ効果を奏するとともにさらに高い抗菌活性を有するという顕著な効果を奏する。
【0065】本発明の請求項3記載の化粧料は、ビタミンCおよび/または食用有機酸を添加してpH4〜5に調整したので、請求項1記載の化粧料と同じ効果を奏するとともに安定してさらに高い抗菌活性を有するという顕著な効果を奏する。
【0066】本発明の請求項4記載の化粧料は、接触法によるブドウ状球菌に対する活性が化粧料1g当たり1ユニット以上となるように抽出物を添加するので、請求項1記載の化粧料と同じ効果を奏するとともに安定した高抗菌活性を有するという顕著な効果を奏する。
【0067】本発明の請求項5記載の化粧料は、請求項1記載の化粧料と同じ効果を奏するとともににきびの改善用に好適であるという顕著な効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】500030758
【氏名又は名称】株式会社マグノール
【出願日】 平成13年4月24日(2001.4.24)
【代理人】 【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
【公開番号】 特開2002−322024(P2002−322024A)
【公開日】 平成14年11月8日(2002.11.8)
【出願番号】 特願2001−126163(P2001−126163)