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【発明の名称】 化粧料
【発明者】 【氏名】人見 高正

【氏名】及川 憲之

【氏名】田中 一昭

【要約】 【課題】マスティックを均一に分散した化粧料を提供すること。

【解決手段】マスティックと非イオン界面活性剤とを含有する化粧料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 マスティックと非イオン界面活性剤とを含有する化粧料。
【請求項2】 非イオン界面活性剤がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はその脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選択される1種又は2種以上である、請求項1記載の化粧料。
【請求項3】 口腔用組成物である、請求項1又は2に記載された化粧料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、均一に分散したマスティックを含有する化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】地中海沿岸からモロッコ、カナリー地方まで分布し、アルゼリアで盛んに栽培されているウルシ科の常緑高木であるマスティックノキ(Pistacia Lentiscus L.)の樹皮を傷つけ流出してくる樹脂を採取したものをマスティックと呼んでいる。この樹液は時間が経つにつれて固くなる。古くから抗ピロリ菌等の殺菌抗菌効果を有することから、ガム等の食品などに配合されてきたマスティックは、ウルシ科ヨウニュウコウやそれらの変種の幹及び枝から得られる分泌物であって、粘性のある天然ガム質である。チューインガムの他、食品、歯磨き、香水などの様々な目的に使用されている。しかし、特に水性化粧料においては、マスティックを均一に分散するための満足すべき技術は、未だ見当たらない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、マスティックを含有する化粧料において、非イオン界面活性剤を配合し、マスティックを均一に分散する技術を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的を達成するため、マスティックの分散法について鋭意検討した。その結果、非イオン性界面活性剤を配合することにより、その目的を達成することができることを見出し、本発明を完成した。詳細には、マスティックと非イオン界面活性剤、より詳細には、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はその脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上を含有する化粧料であって、マスティックを均一に分散してなることを特徴とする化粧料である。
【0005】すなわち、本発明は、1.マスティックと非イオン界面活性剤とを含有する化粧料、2.非イオン界面活性剤がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はその脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選択される1種又は2種以上である、1記載の化粧料、及び3.口腔用組成物である、1又は2記載の化粧料、に関する。
【0006】かくして、本発明によれば、マスティックを0.001〜10質量%と比較的高濃度で均一に分散でき、かつ、マスティックの有する優れた効果と、非イオン性界面活性剤の効果を十分に発揮し得る化粧料で、例えば口腔用組成物を提供できる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、マスティックとしては、例えばギリシャやフランスで採れるウルシ科ヨウニュウコウやそれらの変種の幹及び枝から得られる分泌物を使用することができる。ここで、マスティックの配合量は特に限定されないが、通常全体の0.001〜10%(質量%、以下同様)、特に0.01〜5%が好適である。
【0008】また、非イオン界面活性剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はその脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルを挙げることができる。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油又はその脂肪酸エステルは、例えば、ラウリン酸ポリオキシエチレン(以後POEとする)硬化ヒマシ油、イソステアリン酸POE硬化ヒマシ油、トリイソステアリン酸POE硬化ヒマシ油等であり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、モノステアリン酸POEソルビタン、モノイソステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノオレイン酸POEソルビタン、モノヤシ油脂肪酸POEソルビタン等である。
【0009】また、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸ヘキサグリセリル等であり、ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖混合脂肪酸エステル等である。更に、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルは、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール等であり、プロピレングリコール脂肪酸エステルは、モノステアリン酸プロピレングリコール、ジステアリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール等である。これら非イオン界面活性剤は、1種または2種以上を組み合わせて配合できる。
【0010】非イオン界面活性剤の配合量は、化粧料全体の0.5〜20%、より好ましくは1〜10%である。上記範囲とすることで確実にマスティックを均一に分散した化粧料を得ることができる。
【0011】本発明の化粧料は、水性のものであっても、マスティックが均一に分散し、析出や、濁りが生じない。また、高分子を含む化粧料においても、優れた分散性を示し、安定である。
【0012】本発明の化粧料は、下記成分とともに通常の製法に従い配合し、液状、乳液状、ジェル状、ペースト状、クリーム状などの様々な形態にすることができ、マスティックを均一に分散し、かつ、非イオン界面活性剤を含む、口腔、皮膚、毛髪、爪などに適用する様々の化粧料が得られる。本発明においては、所望の組成物の形態に応じて、適宜、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、上記以外の非イオン界面活性剤などの界面活性剤、高級アルコール、高級脂肪酸、パラフィンワックス、エステル油、シリコーン油等の油剤、グリセリン、プロピレングリコール等の保湿剤、増粘剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、研磨剤、甘味剤、金属キレート剤、酵素、種々の薬効剤、植物抽出物および香料などを配合できる。
【0013】上記のように、本発明の化粧料では、マスティックを比較的高濃度に含有するものであっても、それを均一に分散させることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の化粧料を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0015】[実施例1〜8及び比較例1〜3]表1に実施例1〜8及び比較例1〜3を示す。A成分を混合溶解し、予め混合溶解したB成分に攪拌しながら添加した。得られた均一分散した組成物を、以下の評価法及び評価基準により評価した。その結果を表1に示す。
【0016】(経時安定性)均一に分散した組成物を所定温度で7日間保管し、外観を観察して以下の基準で評価した。
◎:濁りがなく、マスティックの析出もない状態○:若干の濁りがあるが、マスティックの析出はない状態△:濁りがあり、マスティックが若干析出した状態×:濁りがあり、マスティックが析出した状態評価結果を表1に示す。
【0017】
【表1】

【0018】表1の結果より、マスティックと非イオン界面活性剤を含有することにより、マスティックを均一に分散することができる。特に、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルを含有する実施例1〜8のものは、分散性がよい。これらのものは、さらに、45℃で7日間保管しても、マスティックの析出がなく、経時安定性に優れる。以下に処方例を示す。
【0019】
[処方例1] 化粧水(液状)
エタノール 3質量% グリセリン 5 1,3−ブチレングリコール 2 マスティック 0.25 モノステアリン酸POEソルビタン 3 精製水 残 100.0質量%上記処方にて常法により、化粧水を製造した。得られた化粧水の安定性は良好であった。
[処方例2] クレンジング(ジェル状)
流動パラフィン 40質量% ク゛リセロールトリ2−エチルヘキサンエステル 30 ソルビトール 5 グリセリン 5 マスティック 3 POE硬化ヒマシ油 10 精製水 残 100.0質量%上記処方にて常法により、クレンジングを製造した。得られたクレンジングの安定性は良好であった。
【0020】
[処方例3] 乳液 スクワラン 6質量% セチルアルコール 1 オリーブ油 1.5 マカデミアナッツ油 1.5 グリセリン 3 1,3−ブチレングリコール 3 カルボキシビニルポリマー 0.5 水酸化ナトリウム 0.15 マスティック 1.5 モノステアリン酸デカグリセリル 2 精製水 残 100.0質量%上記処方にて常法により、乳液を製造した。得られた乳液の安定性は良好であった。
【0021】
[処方例4] クリーム スクワラン 10質量% オクチルドデカノール 5 ク゛リセロールトリ2−エチルヘキサンエステル 30 ミツロウ 3 ワセリン 2 1,3−ブチレングリコール 4 マスティック 1 モノステアリン酸プロピレングリコール 5 精製水 残 100.0質量%上記処方にて常法により、クリームを製造した。得られたクリームの安定性は良好であった。
【0022】
[処方例5] 染毛剤(ジェル状)
酸性染料 1質量% ベンジルアルコール 5 イソプロピルアルコール 20 マスティック 0.1 モノステアリン酸ポリエチレングリコール 5 キサンタンガム 1 精製水 残 100.0質量%上記処方にて常法により、染毛剤を製造した。得られた染毛剤の安定性は良好であった。
【0023】
[処方例6] 歯磨剤(ジェル状)
無水ケイ酸 40質量% グリセリン 7 ソルビット液 10 キサンタンガム 1 ラウリル硫酸ナトリウム 1 サッカリンナトリウム 0.1 マスティック 0.5 イソステアリン酸POE硬化ヒマシ油 3 香料 0.5 精製水 残 100.0質量%上記処方にて常法により、歯磨剤を製造した。得られた歯磨剤の安定性は良好であった。
【0024】
[処方例7] 洗口剤(液体状)
エタノール 10質量% サッカリンナトリウム 0.1 マスティック 0.25 POE硬化ヒマシ油 5 l−メントール 0.5 カルボン 0.3 精製水 残 100.0質量%上記処方にて常法により、洗口剤を製造した。得られた洗口剤の安定性は良好であった。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、マスティックを均一に分散し、マスティックが有する優れた効果を十分に発揮し得る化粧料組成物を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】593106918
【氏名又は名称】株式会社ファンケル
【出願日】 平成13年4月23日(2001.4.23)
【代理人】 【識別番号】100108590
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 とも子
【公開番号】 特開2002−322021(P2002−322021A)
【公開日】 平成14年11月8日(2002.11.8)
【出願番号】 特願2001−124935(P2001−124935)