| 【発明の名称】 |
熱−架橋性化粧品組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】ベルナール パスカル
【氏名】ラマン ローラン
【氏名】モンド ジャン
|
| 【要約】 |
【課題】熱−架橋性化粧品組成物、特に熱−架橋性のマニキュア液を提供すること。
【解決手段】本発明は熱−架橋性化粧品組成物に関し、該組成物は、化粧品として受容可能な媒体中に、(a)不安定な水素を含む少なくとも二つの官能基を含む少なくとも一つの化合物、及び(b)熱によってブロックの解除が可能な、少なくとも二つのブロックされたイソシアナート官能基を含む少なくとも一つの化合物を含み、システムの平均官能性、すなわち不安定な水素を含む官能基とブロックされたイソシアナート官能基の総数が、化合物(a)及び(b)の分子の総数に対して、厳密に2より大きい。本発明の組成物では、反応する可能性のある試薬を同一の容器に保存し、適用時に架橋反応させることが可能である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 化粧品として受容可能な媒体中に、(a) 不安定な水素を含む少なくとも二つの官能基を含む少なくとも一つの化合物、及び(b) 熱によってブロックの解除が可能な、少なくとも二つのブロックされたイソシアナート官能基を含む少なくとも一つの化合物、を含む熱−架橋性化粧品組成物であって、システムの平均官能性、すなわち不安定な水素を含む官能基とブロックされたイソシアナート官能基の総数が、化合物(a)及び(b)の分子の総数に対して、厳密に2より大きい組成物。 【請求項2】 化合物(a)の一部又は全部がさらに一又は複数のブロックされたイソシアナート官能基を有すること及び/又は化合物(b)の一部又は全部がさらに一又は複数の不安定な水素を含む官能基を有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧品組成物。 【請求項3】 化合物(a)が有する不安定な水素を含む官能基を、第1アミン(−NH2)、第2アミン(>NH)、ヒドロキシル(−OH)、カルボン酸(−COOH)及びチオール(−SH)官能基から選択することを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱−架橋性化粧品組成物。 【請求項4】 化合物(b)のブロックされたイソシアナート官能基が以下の式に対応することを特徴とする、請求項1ないし3に記載の熱−架橋性化粧品組成物:−NH−C(=O)−B式中、Bはブロック剤BHから誘導した基を表し、BHを一又は複数の、好ましくはただ一つの不安定な水素原子を含む有機化合物から選択する。 【請求項5】 ブロック剤BHを以下から選択することを特徴とする、請求項4に記載の熱−架橋性化粧品組成物:モノアルコール、モノフェノール、アミド、オキシム、β−ジカルボニル化合物、ピラゾール、ヒドロキサム酸とC1-6アルコールのエステル、トリアゾール、イミダゾリン、テトラヒドロピリミジン及びイミダゾール。 【請求項6】 ブロック剤BHの沸点が45℃より高くかつ100℃以下、好ましくは45℃〜80℃であることを特徴とする、請求項4又は5に記載の熱−架橋性化粧品組成物。 【請求項7】 少なくとも二つのブロックされたイソシアナート官能基を有する化合物(b)を、請求項4ないし6に規定するブロック剤BHと少なくとも二つのイソシアナート官能基を含む以下から選択する化合物とを反応させて得ることを特徴とする、先の請求項1ないし6のいずれか1項に記載の熱−架橋性化粧品組成物:a)特に4〜50、好ましくは4〜30の炭素原子を含む脂肪族、脂環式及び/又は芳香族ジイソシアナート、例えばヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、トルエンジイソシアナート及びジフェニルメタンジイソシアナート、b)特に4〜100、好ましくは4〜30の炭素原子を含む脂肪族、脂環式及び/又は芳香族トリイソシアナート、例えば以下の式のもの:
式中、各R'は独立して直鎖、分岐した又は環式の2〜30の炭素原子を含む炭化水素をベースとする基を表す、c)末端又は側部イソシアナート基を含む重縮合物、例えばポリウレタン、ポリ尿素、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド及びペルフルオロポリエーテル、d)ビニル、アリル及び/又は(メタ)アクリル系モノマーと遊離のイソシアナート基を含むエチレン系不飽和コモノマーの共重合から得られたポリマー、e)イソシアナート基を含むシリコーン。 【請求項8】 化合物(a)を、ジオール及びポリオール、第1及び/又は第2ジアミン及びポリアミン、アミノアルコール及び不安定な水素を含む少なくとも二つの官能基を含むポリマーから選択することを特徴とする、先の請求項1ないし7のいずれか1項に記載の熱−架橋性化粧品組成物。 【請求項9】 化合物(a)を以下から選択することを特徴とする、請求項8に記載の熱−架橋性化粧品組成物:C1-4アルキレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリ(C1-4アルキレン)グリコール、例えばポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール又はこれらのコポリマー、ポリプロピレングリコールとトリメチロールプロパンの縮合生成物、ヒマシ油、フィタントリオール、糖及び炭化水素、例えばスクロース又はセルロース、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、リジン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ポリ(アルキレンオキシ)ジアミン、ニトロセルロース、セルロースエステル、セルロースエーテル、ポリエステル樹脂、シリコーン、ペルフルオロポリエーテル、ヒドロキシル化した末端基を有するアルキッド及びポリケトン、ポリ(ビニルアルコール)及びビニルアルコールをベースとするコポリマー、アリルアルコールのコポリマー、C2-10ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートをベースとするコポリマー、ビニルアミン又はアリルアミンをベースとするコポリマー、第1又は第2アミン末端基を有するシリコーン及びペルフルオロエーテル、ヒドロキシル又は第1アミン末端基を有するデンドリマー又は超分岐ポリマー。 【請求項10】 化合物(a)及び(b)が化粧品組成物の1質量%〜50質量%存在することを特徴とする、先の請求項1ないし9のいずれか1項に記載の熱−架橋性化粧品組成物。 【請求項11】 遊離の水素を含む官能基とブロックされたイソシアナート官能基の総数が、化合物(a)及び(b)の分子の総数に対して、2.2より大きく、好ましくは2.5〜100であることを特徴とする、先の請求項1ないし10の1項に記載された熱−架橋性化粧品組成物。 【請求項12】 化合物(b)のイソシアナート官能基の熱によるブロック解除反応を触媒する、以下から選択する一又は複数の化合物を組成物がさらに含むことを特徴とする、先の請求項1ないし11のいずれか1項に記載の熱−架橋性化粧品組成物:第3アミン、例えばジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、キヌクリジン及び3,3,6,9,9−ペンタメチル−2,10−ジアザビシクロ[4.4.0]デ−1−セン、塩化スズ、有機金属化合物、例えば金属アセトニルアセテート、有機金属スズ化合物、カルシウムヘキサノエート、カルシウム2−エチルヘキサノエート、カルシウムオクタノエート及びカルシウムリノレート、ジブチルスズジラウレート、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)及び亜鉛ビス(2−エチルヘキサノエート)。 【請求項13】 化合物(b)のイソシアナート官能基の熱によるブロック解除反応を触媒する化合物の濃度が、存在する化合物(b)の全質量に対して0.1質量%〜5質量%、好ましくは0.2質量%〜3質量%であることを特徴とする、請求項12に記載の熱−架橋性化粧品組成物。 【請求項14】 以下から成る過程を含むケラチン物質の被覆方法:− 先の請求項1ないし13の1項に記載した化粧品組成物の被覆をケラチン物質に適用する過程、− 沈着した化粧品組成物を任意に乾燥させる過程、− 沈着した化粧品組成物を、任意に乾燥した後、化合物(a)が有するブロックされたイソシアナート官能基の一部又は全部のブロックを解除するのに十分な温度まで、かつ十分な時間加熱して、沈着物の架橋が可能となるようにする過程。 【請求項15】 ケラチン物質が爪、毛髪、まつげ及び眉毛であることを特徴とする、請求項14に記載の方法。 【請求項16】 化粧品組成物を15℃〜150℃、好ましくは50℃〜100℃の温度で加熱することを特徴とする、請求項14又は15のいずれかに記載の方法。 【請求項17】 加熱期間が2分〜1時間、好ましくは5分〜15分であることを特徴とする、請求項14ないし16の1項に記載の方法。 【請求項18】 以下から選択する熱源を使用して加熱を行うことを特徴とする、請求項14ないし17の1項に記載の方法:加熱室、熱を照射する装置、例えばヘアドライヤー、又は組成物の温度の上昇を可能とする照射源、例えば赤外線ランプ。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、熱−架橋性化粧品組成物、特に熱−架橋性のマニキュアに関し、さらにこれらの組成物を使用するケラチン物質の被覆方法にも関する。 【0002】 【従来の技術】マニキュアの分野では、爪の上に沈着したフィルムは一般に化粧品組成物を、化学反応を含まずに単に乾燥させることによって得られており、該化粧品組成物は、主としてフィルム形成性ポリマーと揮発性有機溶媒を含み、かつ任意に顔料又は着色剤を含む。これらの沈着物は密着力が必ずしも満足すべきものではなく、一定の間隔で新しくする必要があるという欠点を有し、このことはユーザーにとって不都合な制約となっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】出願人は、化粧品組成物、特にその場で架橋可能であり、その結果先行技術に比較して化学的耐性及び機械的強度が良好なフィルムを形成することが可能なマニキュアに開発の目的を集中した。この観点において、出願人が、二つの試薬を分離した容器に入れて保存し、適用の直前に両者を混合するやり方を考慮しなかったのは、このような装置が全く実際的でないためである。使用時に相互に反応する可能性がある二つの試薬を同一の容器で保存することにより、システムの早期架橋という問題が生じ、これはいかなる費用をかけても回避すべきことである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本出願人はこの問題を、架橋反応に含まれる二つの型の反応性官能基の一つをブロック剤で可逆的に不活性化することにより、解決した。化粧品組成物を基体に適用した後、熱の作用でブロック剤を除去し、次いでこのようにして遊離した反応性官能基は組成物中に存在する“共反応性の”官能基と反応することができる。 【0005】 【発明の実施の形態】従って、本発明の一つの主題は、化粧品として受容可能な媒体中に、不安定な水素を含む少なくとも二つの官能基を含む少なくとも一つの第1の化合物(a)、及び熱でブロックの解除が可能な少なくとも二つのブロックされたイソシアナート官能基を含む少なくとも一つの第2の化合物(b)を含む熱−架橋性化粧品組成物であり、システムの平均官能性、すなわち不安定な水素を含む官能基及びブロックされたイソシアナート基の総数が、化合物(a)及び(b)の分子の総数に対して、厳密に2より大きい、組成物である。本発明の主題は、化合物(b)が有するブロックされたイソシアナート基の一部又は全部のブロックが解除されて沈着物が架橋可能となるのに十分な温度で適用した化粧フィルムを加熱することを含む、ケラチン物質を被覆する方法でもある。これらの熱−架橋性化粧品組成物は、室温での長期間にわたる良好な安定性及び加熱後の優れた反応性を結びつけ、適用したフィルムの急速な硬化を可能にする。 【0006】先に示したように、熱−架橋性化粧品組成物は二つの型の化合物を含む:化合物(a)とする第1の化合物は、不安定な水素を含む少なくとも二つの官能基を含み、かつ化合物(b)とする第2の化合物は、ブロック剤の存在により不活性化されており、熱の作用によってブロックの解除が可能な、すなわち活性化が可能な、少なくとも二つのイソシアナート基を含んでいる。化合物(a)及び(b)で形成されるこの反応性のシステムが架橋したネットワークを形成可能となるためには、この平均官能性、すなわち、不安定な水素を含む基とブロックされたイソシアナート官能基の総数が、化合物(a)及び(b)の分子の総数に対して、2より大きくなければならない。特に、平均官能性が2以下であると、直鎖又は分岐したポリマーシステムしか生成しない。十分な架橋効果を得るためには、本発明の化粧品組成物における架橋システムの平均官能性が少なくとも2.2に等しいことが好ましく、2.5〜100であることがより好ましい。 【0007】本発明の化粧品組成物のある態様では、化合物(a)及び/又は(b)の多少とも大きな部分又は全部が、それぞれ、これらが本来有している不安定な水素及び/又はブロックされたイソシアナート基を含む官能基に加えて、一又は複数の“共反応性の”官能基を有していてもよい。換言すれば、化合物(a)のいくらか又は全ては、不安定な水素を含む官能基に加えて、ある程度の数のブロック剤で不活性化したイソシアナート官能基を有することができ、かつ同様に、化合物(b)のいくらか又は全ては、ブロックされたイソシアナート官能基に加えて、ある程度の数の不安定な水素を含む官能基を有することができる。このことは、一つの特定の態様において、架橋システムを形成する全ての化合物が、不安定な水素とブロックされたイソシアナート基の両者を含む組成物も、本発明は含むことを意味している。本発明に従うと、不安定な水素を含む官能基を、好ましくは第1アミン(−NH2)、第2アミン(>NH)、ヒドロキシル(−OH)、カルボン酸(−COOH)及びチオール(−SH)官能基から選択する。 【0008】これらの官能基のうち、第1及び第2アミン官能基及びヒドロキシル官能基が最も好ましい。加熱による活性化の後で不安定な水素を含む官能基と反応することができるブロックされたイソシアナート官能基は、好ましくは以下の式に対応する:−NH−C(=O)−B式中、Bはブロック剤BHから誘導した基を表し、BHを一又は複数の、好ましくはただ一つの不安定な水素原子を含む有機化合物から選択する。ブロック剤は、室温で、より一般的には45℃より低い温度で、不安定な水素原子を含むいかなる他の分子とイソシアナート基とのシークエンス反応を阻止することが可能でなければならず、かつより高い温度、すなわち一般的には50℃より高い温度で、イソシアナート官能基を熱でブロック解除した後に、この反応が可能でなければならない。挙げることができる適切なブロック剤の例は以下を含む:a)アルコール、特に1〜10の炭素原子を含むモノアルコール、好ましくは4〜10の炭素原子、特に4〜6の炭素原子を含む第3モノアルコール、b)フェノール、特にモノフェノール、特に6〜50の炭素原子、好ましくは6〜20の炭素原子を含むモノフェノール、例えばo−クレゾール、p−クレゾール、2,6−ジメチルフェノール、2−t−ブチルフェノール、2−[(ジメチルアミノ)メチル]−フェノール及びサリチル酸メチル、【0009】c)アミド及び特に環状アミド、特に3〜50の炭素原子を含むもの、例えばカプロラクタム、メチルアセタミド、イミド、例えばスクシンイミド及び特に1又は2のC1-6アルキル基で置換したスクシンイミド、d)オキシム、特にC2-5オキシム、例えばアセトン−オキシム、メチルイソプロピルケトン−オキシム、メチルイソブチルケトン−オキシム、ジイソブチルケトン−オキシム及びジイソプロピルケトン−オキシム、e)β−ジカルボニル化合物、特にβ−ジエステル、β−ジケトン及びβ−ケトエステル、例えばC1-6ジアルキルマロネート、例えばジエチルマロネート、C1-6アルキルアセトアセテート、例えばエチルアセトアセテート又はt−ブチルアセトアセテート、又は2,4−ペンタンジオン、f)ピラゾール、特に3−メチルピラゾール及び3,5−ジメチルピラゾール、g)ヒドロキサム酸とC1-6アルコールのエステル、h)トリアゾール、例えばベンゾトリアゾール、i)イミダゾリン、例えば2−フェニルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン及び4−メチルイミダゾリン、j)テトラヒドロピリミジン、及びk)イミダゾール、例えば2−エチル−4−メチルイミダゾール。 【0010】これらのブロック剤と適切な反応条件は例えば以下の文献に記載されている:“Blocked Isocyanates" Zeno W., Progress in Organic Coatings, 3, pages 73-99 (1975) 及び "New Developments in the Field of Blocked Isocyanates"Zeno W., Progress in Organic Coatings, 9, pages 3-28 (1981)。化合物(a)が有するイソシアナート官能基を不活性化及び活性化する反応、すなわち遊離のイソシアナート官能基とブロック剤BHとの反応は、反応平衡となる。加熱により放出された反応性イソシアナート官能基がブロック剤の不安定な水素と再度反応するのを阻止するために、すなわち、イソシアナート官能基の活性化の方向に反応平衡をシフトさせるために、沈着し加熱した化粧品組成物のフィルムからブロック剤を除去することが望ましい。この除去を、例えばブロック剤の蒸発によって行うことができる。従って、本発明の好ましい態様において、ブロック剤BHの沸点は45℃より高く、かつ100℃以下であり、特に45℃〜80℃である。 【0011】少なくとも二つのブロックされたイソシアナート官能基を有する化合物(b)を、少なくとも二つの遊離イソシアナート官能基を含む化合物と適切なブロック剤BHとを反応させて得る。少なくとも二つの遊離のイソシアナート官能基を含むこれらの化合物は、本技術分野で既知である。これらは低分子量のジイソシアナート又はポリイソシアナート、又は付加重合、重縮合及び/又はグラフト化によって得られた種々の化学的性質を有する合成オリゴマー又はポリマーであることができ、又は任意に化学的に変性され、鎖の末端又は側鎖基のいずれかに2又は3以上のイソシアナート官能基を有する天然起源のポリマーであることができる。 【0012】挙げることができるこれらの化合物の例は以下を含むがこれに限定されない:a)特に4〜100、好ましくは4〜30の炭素原子を含む脂肪族、脂環式及び/又は芳香族ジイソシアナート、例えばヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、トルエンジイソシアナート及びジフェニルメタンジイソシアナート、b)特に4〜50、好ましくは4〜30の炭素原子を含む脂肪族、脂環式及び/又は芳香族トリイソシアナート、例えば・トリオールと過剰のジイソシアナートの反応により得られたトリイソシアナート、特に以下の式のもの: ・以下の式のイソシアナートビウレット: ・以下の式のイソシアヌレート: 式中、各R'は独立して直鎖、分岐した又は環式の2〜30の炭素原子を含む炭化水素をベースとする基を表す。 【0013】このようなブロックされていないトリイソシアナートは市販されており、例えばバイエル(Bayer)社によりDesmodur(登録商標)L及びDesmodur(登録商標)Nの名称で、ローディア(Rhodia)社によりTolonate(登録商標)HDB-LVの名称で市販されている。 c)末端又は側部イソシアナート基を含む重縮合物、例えばポリウレタン、ポリ尿素、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド及びペルフルオロポリエーテル。イソシアナート基を含むこれらの重縮合物は、特に以下の文献に記載されている:US−A−5,281,654、US−A−6,106,578、US−A−6,100,310、WO 99/48942、CN−A−1,093,377、JP−A−04−077581及びFR−A−1 573 596。 d)ビニル、アリル及び/又は(メタ)アクリル系モノマーと遊離のイソシアナート基を含むエチレン系不飽和コモノマー、例えばイソシアナートエチルメタクリレートの共重合から得られたポリマー。 e)イソシアナート基を含むシリコーン、特にイソシアナート基を含むアミノシリコーン、例えばEP−A−814 764に記載されているもの。 【0014】ブロックされたイソシアナート基を含む化合物は、クレアノバ(Creanova)社によりVestanat(登録商標)B1358A、Vestanat(登録商標)B1370、Vestanat(登録商標)B1358/100の名称で、ローディア(Rhodia)社によりTolonate(登録商標)D2又はD2R565の名称で、バイエル(Bayer)社によりDesmodur(登録商標)Z4470の名称で、バクセンデン(Baxenden)社によりTrixene(登録商標)B1 7951及びTrixene(登録商標)B1 7982の名称で市販されている。化合物(b)として、“自己ブロックされた”イソシアナート官能基を含む化合物、例えば2分子のジイソシアナートの二量化によって得られたウレタン−ジオン、又はトリス((C1-6アルコキシ)−カルボニルアミノ)トリアジン、例えばメラニン、ジメチルカーボネート及びブタノールの縮合生成物も使用することができる。これらの化合物は特にサイテック(Cyteck)社によりCylink(登録商標)2000の名称で市販されている。本発明で使用する、不安定な水素を含む少なくとも二つの官能基を有する化合物(a)も公知である。これらは低分子量の有機化合物又は付加重合、重縮合及び/又はグラフト化によって得られた合成オリゴマー又はポリマー、又は化学変性した天然ポリマーである。挙げることができる化合物の族は、不安定な水素を含む少なくとも二つの官能基を含むジオール及びポリオール、第1及び/又は第2ジアミン及びポリアミン、アミノアルコール及びポリマーである。 【0015】化合物(a)の例は以下のものである:C1-4アルキレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリ(C1-4アルキレン)グリコール、例えばポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール又はこれらのコポリマー、ポリプロピレングリコールとトリメチロールプロパンの縮合生成物、ヒマシ油、フィタントリオール、糖及び炭化水素、例えばスクロース又はセルロース、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、リジン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ポリ(アルキレンオキシ)ジアミン、例えばテキサコ(Texaco)社がJeffamine(登録商標)の名称で市販する製品、ニトロセルロース、セルロースエステル、特に置換度が3より小さいもの、例えばセルロースアセトブチレート及びセルロースアセトプロピオネート、セルロースエーテル、例えばヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース又はエチルセルロース、ポリエステル樹脂、シリコーン、ペルフルオロポリエーテル、ヒドロキシル化した末端基を有するアルキッド及びポリケトン、ポリ(ビニルアルコール)及びビニルアルコールをベースとするコポリマー、アリルアルコールのコポリマー、C2-10ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又は2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートをベースとするコポリマー、特にジョンソンポリマー(Johnson Polymer)社によりJoncryl(登録商標)SCX 910の名称で又はクロダ(Croda)社によりCrodoplast(登録商標)AC 5725の名称で市販されているもの、ビニルアミン又はアリルアミンをベースとするコポリマー、第1又は第2アミン末端基を有するシリコーン及びペルフルオロエーテル、ヒドロキシル又は第1アミン末端基を有するデンドリマー又は超分岐ポリマー、例えばペルストープ(Perstorp)社によりBoltorn(登録商標)H40 TMP Core及びHBP Polyol(登録商標)3G(国際特許出願WO 93/17060及びWO 96/12754に記載されている)、第1アミン末端基を有するポリアミドアミン型のデンドリマー、Tomalia, Angewandte Chemie, Int. Engl. Ed., Vol. 29, No. 2, pages 138-175の文献に記載されているもの。 【0016】本発明の化粧品組成物における化合物(a)及び(b)の濃度は、好ましくは1質量%〜50質量%、より好ましくは2質量%〜40質量%である。さらに、化合物(a)及び(b)は、不安定な水素を含む官能基の数のブロックされたイソシアナート官能基の数に対する比率が1以上、特に1〜1.5となるような量で存在する。上記した化合物(a)及び(b)を含む化学架橋システムは、室温で安定で、温度の上昇によって活性化することができる。ブロックされたイソシアナート官能基の活性化に必要な温度は、当然のことながら、ブロック剤の化学的性質に依存し、かつジ−又はポリイソシアナートの性質に依存する。ある型のブロックされた官能基の活性化最低温度が高すぎる場合、すなわち生物基体が受容できない場合、適切な触媒を添加して活性化温度を低下させることができる。フィルムを硬化するのに使用する温度の範囲は、45℃〜150℃、特に50℃〜100℃である。 【0017】従って、本発明の熱−架橋性化粧品組成物は、好ましくはブロックされたイソシアナート官能基の熱によるブロック解除反応を促進することができる一又は複数の触媒を含む。これらの触媒を特に以下から選択する:第3アミン、例えばジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、キヌクリジン及び3,3,6,9,9−ペンタメチル−2,10−ジアザビシクロ[4.4.0]デ−1−セン、塩化スズ、有機金属化合物、例えば金属アセトニルアセテート、有機金属スズ化合物、カルシウムヘキサノエート、カルシウム2−エチルヘキサノエート、カルシウムオクタノエート及びカルシウムリノレート、ジブチルスズジラウレート、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)及び亜鉛ビス(2−エチルヘキサノエート)。これらの触媒及びその使用条件は、“Blocked Isocyanates”Zeno W., Progress in Organic Coatings, 3, pages 73-99 (1975)にも記載されている。本発明に従うと、触媒の濃度は、ブロックされたイソシアナート基を有する化合物(b)の全質量に対して、好ましくは0.1質量%〜5質量%、より特定的には、0.2質量%〜3質量%である。 【0018】本発明の熱−架橋性化粧品組成物は、一又は複数の溶媒を含むことができ、これらは好ましくは揮発性で、水及び生理学的に受容可能な有機溶媒から選択し、溶媒のうち以下のものを挙げることができる:・室温で液状のケトン、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン及びアセトン、・室温で液状のアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、ジアセトンアルコール、2−ブトキシエタノール又はシクロヘキサノール、・室温で液状のグリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ペンチレングリコール及びグリセリン、・室温で液状のプロピレングリコールエーテル、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、【0019】・短鎖エステル(全部で3〜8の炭素原子を含む)、例えば酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸n−ブチル及び酢酸イソペンチル、・室温で液状のアルカン、例えばデカン、ヘプタン、ドデカン及びシクロヘキサン、・室温で液状の芳香族炭化水素、例えばトルエン及びキシレン、・室温で液状のシリコーン、及び・これらの混合物。 組成物中の溶媒の含量は、組成物の全質量に対して、0.1質量%〜80質量%、好ましくは1質量%〜60質量%の範囲であることができる。本発明に従う組成物の特定の態様に従うと、組成物は溶媒を含まない。 【0020】本発明の光−架橋性化粧品組成物は、マニキュアで通常使用される補助剤及び添加剤も含むことができ、これらを特に以下から選択する:顔料及び着色剤、可塑剤、合一剤、保存剤、ワックス、増粘剤、芳香剤、UV遮蔽剤、ネイルケア化粧活性剤、拡散剤、消泡剤、界面活性剤及び分散剤。いうまでもなく、当業者はこれらの任意の補助剤及び添加剤を注意して選択し、意図する添加によって本発明に従う組成物の有利な性質が悪影響を受けないか又は実質的に受けないように注意して選択するであろう。本発明の主題は、ケラチン物質を被覆する方法でもある。本方法は一般に以下から成る過程を含む:− 上記した熱−架橋性化粧品組成物の被覆をケラチン物質に適用する過程、− 沈着した化粧品組成物を任意に乾燥させる過程、− 沈着した化粧品組成物を、任意に乾燥した後、化合物(a)が有するブロックされたイソシアナート官能基の一部又は全部のブロックを解除するのに十分な温度まで、かつ十分な時間加熱して、沈着物の一部又は全部の架橋が可能となるようにする過程。 【0021】本発明に従って熱−架橋性の被覆をすることができるケラチン物質は、特に爪、毛髪、まつげ及び眉毛であるが、メーキャップ用品、例えば付けまつげ、付け爪又はカツラも被覆することができる。本発明に従う化粧用被覆の架橋の程度は、温度のみに依存するのではなく、当然のことながら、加熱期間にも依存する。加熱期間が長いと、架橋に必要な最低温度は低下する。加熱温度、すなわち適用した化粧品組成物の被覆のその場において得られた局所的な温度は、45℃〜150℃、特に50℃〜100℃であり、この温度を好ましくは2分〜1時間、さらには5分〜15分保持する。 【0022】化粧品組成物の被覆の加熱を全ての適切な熱源を使用して行うことができる。挙げることができるこれらの熱源の例は、加熱室、熱を照射する装置、例えばヘアドライヤー、又は組成物の温度の上昇を可能とする照射源、例えば赤外線ランプである。赤外線ランプの使用は、本発明の好ましい態様を表しており、それは、適用したマニキュアの被覆において局所的な高い温度を得ることが可能であり、化粧支持体、すなわち爪又は毛髪に過剰の加熱を生じることがないからである。赤外線ランプを使用することにより、適用した被覆の区別を付けた架橋、すなわち深部より表面がより架橋した沈着物を得ることが可能となり、このことにより被覆物の機械的強度及び支持体への接着性が良好となり、かつ標準的な除去剤での除去が容易になる。本発明が以下の実施例によってより詳細に記載される。 【0023】 【実施例】 実施例1 以下の成分からマニキュア組成物を製造する:Joncryl(登録商標)SCX 910 (Johnson Polymer) 21 g(ヒドロキシル基を含むアクリルポリマー)Tolonate(登録商標)D2 (Rhodia) 9 g(メチルエチルケトンでブロックされたポリイソシアナート)Aerosil(登録商標)R972 (Degussa) 0.5 g(フュームシリカ)Byk(登録商標)162 (Byk) (界面活性剤) 1 gModaflow(登録商標) (Monsanto) (界面活性剤) 0.1 g顔料 3 g酢酸ブチル 20 g酢酸エチル 適量で 100 gこの組成物のフィルムを爪に適用し、5分間おいて乾燥して溶媒を蒸発させる。次いでフィルムの温度をヘアドライヤーを使用して65℃まで3分間上昇させる。得られたフィルムは手触りが乾燥し、粘着性でなく、光沢がありかつ基体への接着特性が良好でかつ長時間にわたる密着性が良好である。 【0024】 実施例2 以下の成分からマニキュア組成物を製造する:Crodopast(登録商標)AC 5725 (Croda) 16.4 g(ヒドロキシル基を含むアクリルポリマー)Trixene(登録商標)B1 7951 (Baxenden) 7.1 g(3,5−ジメチルピラゾールでブロックされたイソホロンジイソシアナート)Trixene(登録商標)B1 7982 (Baxenden) 6.5 g(3,5−ジメチルピラゾールでブロックされたヘキサメチレンジイソシアナート)ジブチルスズジラウレート 0.01 gAerosil(登録商標)R972 (Degussa) 0.5 g(フュームシリカ)顔料 3 gModaflow(登録商標) (Monsanto) (界面活性剤) 0.1 gヘプタン 25 g酢酸エチル 適量で 100 gこの組成物のフィルムを爪に適用し、約5分間おいて乾燥させて溶媒を蒸発させる。次いでフィルムの表面の温度を赤外線照射を使用して上昇させ、この照射が数秒間少なくとも80℃の温度の規則的なパルスを与えてイソシアナート官能基のブロック解除を開始させる。得られたフィルムは、実施例1で得られたフィルムの性質と同一の性質を有している。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】391023932 【氏名又は名称】ロレアル 【氏名又は名称原語表記】LOREAL
|
| 【出願日】 |
平成14年4月8日(2002.4.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100059959 【弁理士】 【氏名又は名称】中村 稔 (外9名)
|
| 【公開番号】 |
特開2002−322017(P2002−322017A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月8日(2002.11.8) |
| 【出願番号】 |
特願2002−104811(P2002−104811) |
|