| 【発明の名称】 |
サーモクロミック歯科材料 |
| 【発明者】 |
【氏名】ペーター ブルチャー
【氏名】アーミン ブルガート
【氏名】ウルリッヒ ザルツ
【氏名】フォルカー ラインベルガー
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| 【要約】 |
【課題】歯科材料を作製することであって、その歯科材料の色が、その材料を天然の歯物質と視覚的に区別し得るように単純な様式で一時的に変化され得、そしてそれがまた、その歯科材料の加工に十分な期間の後にその本来の色を呈する、歯科材料を作製すること。
【解決手段】少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和モノマーおよび少なくとも1つの、低温重合、熱重合および/または光重合用の開始剤を含む歯科材料であって、少なくとも1つのサーモクロミック色素をさらに含むことを特徴とする、歯科材料。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和モノマーおよび少なくとも1つの、低温重合、熱重合および/または光重合用の開始剤を含む歯科材料であって、少なくとも1つのサーモクロミック色素をさらに含むことを特徴とする、歯科材料。 【請求項2】 請求項1に記載の歯科材料であって、モノマーとして、一官能性メタクリレートおよび/または多官能性メタクリレートを含むことを特徴とする、歯科材料。 【請求項3】 請求項1または2に記載の歯科材料であって、10重量%を超えるモノマーを含むことを特徴とする、歯科材料。 【請求項4】 請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の歯科材料であって、0.01〜2重量%のサーモクロミック色素を含むことを特徴とする、歯科材料。 【請求項5】 請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の歯科材料であって、体温では無色でありかつ冷却の際に色の可逆的変化を起こす、サーモクロミック色素を含むことを特徴とする、歯科材料。 【請求項6】 請求項5に記載の歯科材料であって、前記サーモクロミック色素が29℃以下の温度で変色することを特徴とする、歯科材料。 【請求項7】 請求項4に記載の歯科材料であって、前記サーモクロミック色素が40〜60℃の温度で変色することを特徴とする、歯科材料。 【請求項8】 請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載の歯科材料であって、前記サーモクロミック色素が電子供与体および電子受容体を含むことを特徴とする、歯科材料。 【請求項9】 請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載の歯科材料であって、前記サーモクロミック色素が酸応答成分および酸性成分を含むことを特徴とする、歯科材料。 【請求項10】 請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載の歯科材料であって、前記サーモクロミック色素が液晶コレステロール誘導体を含むことを特徴とする、歯科材料。 【請求項11】 請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載の歯科材料であって、有機フィラーおよび/または無機フィラーを含むことを特徴とする、歯科材料。 【請求項12】 請求項11に記載の歯科材料であって、10〜90重量%のフィラーを含むことを特徴とする、歯科材料。 【請求項13】 請求項1〜12のうちのいずれか1項に記載の歯科材料であって、以下:(a)10重量%より多く99.98重量%までの重合可能なモノマー;および/または(b)0.01〜2重量%のサーモクロミック色素;および/または(c)0.01〜5重量%の重合開始剤;および/または(d)0重量%から89.98重量%未満までのフィラーを含むことを特徴とする、歯科材料。 【請求項14】 請求項13に記載の歯科材料であって、0.01〜5重量%のさらなる添加剤を含むことを特徴とする、歯科材料。 【請求項15】 請求項13または14に記載の歯科材料であって、(a)20重量%より多く90重量%までの重合可能なモノマー;および/または(b)0.1〜0.5重量%のサーモクロミック色素;および/または(c)0.1〜3重量%の重合開始剤;および/または(d)10〜80重量%のフィラーを含むことを特徴とする、歯科材料。 【請求項16】 請求項14または15に記載の歯科材料であって、(d)20〜70重量%のフィラーを含むことを特徴とする、歯科材料。 【請求項17】 歯科材料を作製するためのサーモクロミック色素の使用。 【請求項18】 歯科材料を作製する方法であって、サーモクロミック色素を使用する工程を包含する、方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、サーモクロミック(thermochromic)色素を含みかつ温度が変化する場合に色の可逆的変化を示す、歯科材料に関する。 【0002】 【従来の技術】美的理由のため、歯の色をした修復材料が、保存修復学においてますます使用されている。これらの材料は、天然の歯物質と視覚的に区別することが困難であり得るという不利を有し、その結果、過剰な材料の除去および例えば充填剤の再加工および適合もまた困難になっている。その結果、しばしば、健康な歯物質が、不必要に除去されるか、または一方では、過剰な歯科材料が見逃され、次いでその過剰な歯科材料は、保持する隙間として、プラークの形成を促進し、そして歯周(parodontal)問題をもたらす。また、歯の色をした充填剤が除去される場合、充填剤と歯物質との間の移行領域がほとんど目に見えないので、多すぎる健康な歯物質が除去されるか、またさもなければ充填剤の残存が見逃されるかのいずれかのことが、しばしば起こる。同様の問題は、歯の色をした修復物の接着のために歯の色をした固定材料を使用する場合に生じる。 【0003】EP 0 610 072 A2は、サーモクロミック材料を含み、かつ使用の間に色を変化することにより清浄時間を示す、歯ブラシに関する。 【0004】US 4,957,949は、ロウおよび中に均一に分散した顆粒状サーモクロミック材料を含むマスターバッチであって、高分子量の親水性物質でコートされたマスターバッチを開示する。このマスターバッチは、高温および高圧においてさえも、そのサーモクロミック特性を失うことなく熱可塑性樹脂に組み込まれることができると言われている。この色素含有熱可塑性樹脂は、歯ブラシの製造に特に適切であると言われる。 【0005】US 5,431,697は、サーモクロミック色素を含む、オレフィンポリマーをベースとする組成物を開示する。この色素は、好ましくは、顆粒状形態で使用され、その顆粒状形態は、ポリマーと色素とを混合し、そしてそのポリマーを架橋することによって得られ得る。得られた顆粒状材料は、熱可塑性樹脂との混合に特に適切であると言われ、次いでその材料は、色が変化する歯ブラシを生じるようにさらに処理され得る。 【0006】US 3,619,254は、多層物品を開示しており、その多層物品は、ベース層および少なくとも1つの保護層に加えて、サーモクロミック層を備え、このサーモクロミック層は、液晶性サーモクロミック色素を含む。この物品は、体温の測定のために、矩形帯状片の形態で適切であると言われる。 【0007】US 4,022,706は、粘性水中油エマルジョンの形態のサーモクロミック液晶プリンティング色素を開示し、それは、フィルムおよびラミネートのインプリンティングに特に適切であると言われる。このプリンティング色素は、フィルム上に沈着され、フィルム中に組み込まれない。 【0008】歯科材料が、US 5,162,130に開示され、その着色は、UV光照射およびその後の加熱によって調節され得る。この材料は、永久的変色を起こし、そして無色の歯科材料または歯の色をした歯科材料の一時的可視化には適切ではない。 【0009】DE 195 02 751 A1は、歯科理工学用のプラスチック模型の製造のためのプロセスを開示し、その模型は、ハイコントラストの有色表面を特徴とする。これは、例えば、その模型の表面にサーモクロミック色素を組み込むことによって達成される。 【0010】サーモクロミック色素を含む歯科材料は、現在公知ではない。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、歯科材料を作製することであって、その歯科材料の色が、その材料を天然の歯物質と視覚的に区別し得るように単純な様式で一時的に変化され得、そしてそれがまた、その歯科材料の加工に十分な期間の後にその本来の色を呈する、歯科材料を作製することである。 【0012】 【課題を解決するための手段】この目的は、歯科材料であって、少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和モノマーおよび少なくとも1つの、低温重合、熱重合および/または光重合用の開始剤に加えて、少なくとも1つのサーモクロミック色素を含む、歯科材料によって達成される。 【0013】本発明は、少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和モノマーおよび少なくとも1つの、低温重合、熱重合および/または光重合用の開始剤を含む歯科材料であって、少なくとも1つのサーモクロミック色素をさらに含むことを特徴とする、歯科材料を提供する。 【0014】1つの実施形態において、モノマーとして、一官能性メタクリレートおよび/または多官能性メタクリレートを含むことを特徴とする歯科材料を提供し得る。 【0015】別の実施形態において、10重量%を超えるモノマーを含むことを特徴とする歯科材料を提供し得る。 【0016】別の実施形態において、0.01〜2重量%のサーモクロミック色素を含むことを特徴とする歯科材料を提供し得る。 【0017】さらに別の実施形態において、体温では無色でありかつ冷却の際に色の可逆的変化を起こす、サーモクロミック色素を含むことを特徴とする歯科材料を提供し得る。 【0018】好ましい実施形態において、上記サーモクロミック色素が29℃以下の温度で変色することを特徴とする歯科材料を提供し得る。 【0019】さらに好ましい実施形態において、上記サーモクロミック色素が40〜60℃の温度で変色することを特徴とする歯科材料を提供し得る。 【0020】別の実施形態において、上記サーモクロミック色素が電子供与体および電子受容体を含むことを特徴とする歯科材料を提供し得る。 【0021】別の実施形態において、上記サーモクロミック色素が酸応答成分および酸性成分を含むことを特徴とする歯科材料を提供し得る。 【0022】別の実施形態において、前記サーモクロミック色素が液晶コレステロール誘導体を含むことを特徴とする歯科材料を提供し得る。 【0023】さらに別の実施形態において、有機フィラーおよび/または無機フィラーを含むことを特徴とする歯科材料を提供し得る。 【0024】好ましい実施形態において、10〜90重量%のフィラーを含むことを特徴とする歯科材料を提供し得る。 【0025】別の実施形態において、以下:(a)10重量%より多く99.98重量%までの重合可能なモノマー;および/または(b)0.01〜2重量%のサーモクロミック色素;および/または(c)0.01〜5重量%の重合開始剤;および/または(d)0重量%から89.98重量%未満までのフィラーを含むことを特徴とする歯科材料を提供し得る。 【0026】好ましい実施形態において、0.01〜5重量%のさらなる添加剤を含むことを特徴とする歯科材料を提供し得る。 【0027】さらに好ましい実施形態において、以下:(a)20重量%より多く90重量%までの重合可能なモノマー;および/または(b)0.1〜0.5重量%のサーモクロミック色素;および/または(c)0.1〜3重量%の重合開始剤;および/または(d)10〜80重量%のフィラーを含むことを特徴とする歯科材料を提供し得る。 【0028】なおさらに好ましい実施形態において、以下:(d)20〜70重量%のフィラーを含むことを特徴とする歯科材料を提供し得る。 【0029】本発明はまた、歯科材料を作製するためのサーモクロミック色素の使用を提供する。 【0030】別の局面において、歯科材料を作製する方法であって、サーモクロミック色素を使用する工程を包含する方法が提供される。 【0031】 【発明の実施の形態】歯科材料によって、患者の口における使用に(すなわち、例えば、歯科修復物として、歯科修復物の構成成分として)適切であるか、または患者の口において歯科修復物もしくは整形外科デバイスを固定するように作用する、材料を意味する。 【0032】サーモクロミック色素によって、温度に応じてその色が可逆的に変化する、無機物質または好ましくは有機物質を意味する。本発明に従い、約37℃の温度で無色であり、かつ加熱の際、また好ましくは冷却の際に変色する(すなわち、天然の歯の物質から明確に識別され得る色を呈する)サーモクロミック色素が好ましい。従って、約37℃の温度では、歯科材料の色は、その固有の色により決定される。 【0033】29℃以下、好ましくは5〜29℃、特に12〜29℃、そして非常に特に好ましくは20〜29℃の温度で変色するサーモクロミック色素、または40℃以上、好ましくは40〜60℃、特に45〜55℃の温度で変色する材料が特に好ましい。 【0034】さらに、赤色、青色または黒色を呈し、従って天然の歯の物質から特によく識別され得る色素が好ましい。 【0035】電子供与体および電子受容体を含む色素、または酸反応性成分および酸性成分を含むサーモクロミック色素が好ましい。 【0036】電子放出色原体(電子供与体)および電子受容体の混合物は、電子供与体および電子受容体を基礎とするサーモクロミック色素として特に適切である。好ましい電子供与体は、以下である:置換フェニルメタン、フルオラン類(例えば、3,3’−ジメトキシ−フルオラン、3−クロロ−6−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチル−7,8−ベンゾフルオラン、3,3’,3’’−トリス(p−ジ−メチルアミノフェニル)フタリド、3,3’−ビス(p−ジメチル−アミノフェニル)−7−フェニルアミノフルオランおよび3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノ−フルオラン)、インドリルフタリド類、スピロピラン類およびクマリン類、ならびにこれらの物質の混合物。 【0037】特に適切な電子受容体としては、フェノール類、アゾール類、有機酸および有機酸のエステルならびに有機酸の塩が挙げられる。フェノール類として挙げられ得る例は、フェニルフェノール、ビスフェノールA、クレゾール、レゾルシノール、クロロルシノール(chlorolucinol)、フェノール、フェノールオリゴマー、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、ピロカテコール、ピロガロール、およびp−クロロフェノール ホルムアルデヒド縮合物の三量体である。アゾールとして挙げられ得る例は、ベンゾ−トリアゾール(例えば、5−クロロベンゾトリアゾール、4−ラウリルアミノスルホ−ベンゾトリアゾール、5−ブチルベンゾトリアゾール、ジベンゾベンゾトリアゾール、2−オキシ−ベンゾトリアゾール、5−エトキシ−カルボニルベンゾトリアゾール、5,5’−メチレン−ビスベンゾトリアゾール)、イミダゾール(例えば、オキシベンズイミダゾール)およびテトラゾールである。有機酸は、例えば、芳香族カルボン酸、および脂肪族カルボン酸ならびにその置換された誘導体を含む。芳香族カルボン酸の例は、サリチル酸、メチレンビスサリチル酸、β−レゾルシル酸、没食子酸、安息香酸、p−オキシ安息香酸(p−oxy−benzoic acid)、ピロメリト酸、β−ナフトエ酸、タンニン酸、トルイル酸、トリメリト酸、フタル酸、テレフタル酸およびアントラニル酸(anthranalicacid)である。脂肪族カルボン酸の例は、1〜20個の炭素原子、好ましくは3〜15個の炭素原子を有する酸(例えば、ステアリン酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、およびラウリン酸)である。エステルの例は、アルキル基が1〜6個の炭素原子を含む芳香族カルボン酸のアルキルエステル(たとえば、没食子酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチルおよびサリチル酸メチル)である。塩として挙げられ得る例は、上記の酸のアンモニウム塩および金属塩である。金属塩は、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、スズ塩、チタン塩およびニッケル塩を含む。特に好ましい電子受容体は、1,2−ヒドロキシステアリン酸、酒石酸およびクエン酸である。上記の電子受容体は、単独でか、または互いに混合されて使用され得る。さらに、サーモクロミック材料は、それ自体で使用され得るかまたはミクロカプセル化された形態で使用され得る。この型の適切な色素は、米国特許第4,957,949号に記載される。 【0038】酸反応性色原体物質および酸性物質(酸成分)の混合物は、酸反応性成分および酸性成分を基礎とするサーモクロミック色素として好ましい。 【0039】好ましい酸反応性物質は、トリフェニルメタンフタリド類、フタリド類、フタラン類、アシル−ロイコメチレンブルー化合物、フルオラン類、トリフェニルメタン類、ジフェニルメタン類、スピロピラン類およびこれらの物質の誘導体である。例示的な化合物は、3,6−ジメトキシフルオラン、3,6−ジ−ブトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−クロロ−6−フェニルアミノ−フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロ−フルオラン、3−ジエチル−アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノ−フルオラン、3,3’,3’’−トリス(p−ジメチルアミノ−フェニル)フタリド、3,3’−ビス(p−ジメチル−アミノフェニル)フタリド、3−ジエチルアミノ−7−フェニル−アミノフルオラン、3,3−ビス(p−ジエチルアミノ−フェニル)−6−ジメチルアミノ−フタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチル)フェニル−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリドおよび2’−(2−クロラニリノ)−6’−ジブチルアミノ−スピロ−[フタリド−3,9’−キサンテン]である。 【0040】好ましい酸性物質は、1,2,3−ベンゾトリアゾール類、フェノール類、チオウレア類、オキソ芳香族カルボン酸類、およびこれらの物質の誘導体である。例示的な化合物は、5−ブチルベンゾトリアゾール、ビスベンゾトリアゾール−5−メタン、フェノール、ノニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、2,2’−ビフェノール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、アルキル−p−ヒドロキシ安息香酸およびフェノール樹脂オリゴマーである。これらの色素は、同様に、それ自体で使用され得るか、またはミクロカプセル化形態で使用され得る。この型の適切な色素は、米国特許第5,431,697号に記載され、そしてDainichiseika Color&Chemicals Co.,Ltdという業者から、例えばYellow PP−020(登録商標)の商品名で、Hodogaya Chemical Co.,Ltd.またはMatsui Shikiso Chemical Co.,Ltd.から、例えば、Photopia Yellow(登録商標)またはCheomicolor Fast Blue S−17(登録商標)の商品名で入手され得る。 【0041】さらなる好ましいサーモクロミック色素は、液晶性コレステロール誘導体(例えば、コレステロールのアルカン酸(alkanic acid)エステルおよびアラルカン酸(aralkanic acid)エステル、コレステロールカーボメートのアルキルエステル)およびこれらの混合物であり、特に、1〜24個の炭素原子を有するアルキルおよびアルカン酸基を有する誘導体である。9〜22個の炭素原子を有するアルカン酸または安息香酸基およびアルキル部分に1〜3個の炭素原子を有するアラルカン酸基を含むコレステロールエステルおよびその誘導体は、特に好ましい。コレステロールカーボネートエステルの場合、C1〜C20アルキル基を有するコレステロールカーボネートエステルおよびその誘導体が好ましい。この型の適切な化合物は、米国特許第3,619,254号に記載される。 【0042】さらなる好ましい液晶性コレステロール誘導体は、コレステロールクロリド、コレステロールブロミド、コレステロールアセテート、コレステロールオレアート、コレステロールカプリレート、コレステロールオレイルカーボネート、これらの混合物およびこれらの色素と以前に挙げたコレステロール誘導体との混合物である。これらの色素および他の色素は、米国特許第4,022,706号および同第3,600,060号に記載される。適切な色素は、Davis Liquid Crystals,Inc.,USAという業者から、Chromazone(登録商標)という商品名で入手され得る。 【0043】サーモクロミック色素は、好ましくは、歯科材料の全質量に対して、0.01〜2重量%の量で、特に好ましくは0.1〜0.5重量%、そして非常に特に好ましくは約0.2重量%の量で使用される。 【0044】本発明に従う歯科材料は、体温(すなわち、約37℃)で無色(すなわち、着色していない)であり、そして加熱また好ましくは冷却により変色し得る。これは、例えば、患者を、冷たい液体または温かい液体で、歯科医による処置の前または処置の間にリンスすることにより、または問題の歯を歯科医にエアジェットで冷却させることにより起こり得る。次いで着色した歯科材料は、天然の歯物質から十分に認識され得、従って標的として(in a targeted way)歯科医により作業され得る。 【0045】サーモクロミック材料に加えて、本発明に従う歯科材料は、結合剤として少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーおよび熱(hot)重合、低温(cold)重合または好ましくは光重合の少なくとも1つの開始剤を含む。さらに、歯科材料はまた、好ましくは有機フィラーおよび/または無機フィラーを含む。 【0046】歯科材料に使用され得る全ての結合剤(特に、単独でかまたは混合物で使用され得る単官能性メタクリレートまたは多官能性メタクリレート)は、重合性有機結合剤として適切である。例示的な結合剤としては、メチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタ−アクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、デカンジオールジメタクリレート、ドデカンジオールジメタクリレート、ビスフェノール−A−ジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス−[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロポキシ)−フェニル]−プロパン(ビス−GMA)、ならびにイソシアネート類の反応生成物、特にジイソシアネート類および/またはトリイソシアネートならびにOH基含有メタクリレートである。これらの例は、1molのヘキサメチレンジイソシアネートと2molの2−ヒドロキシエチレンメタクリレートとの反応生成物、1molのトリ−(6−イソシアナトヘキシル)ビウレットと3molの2−ヒドロキシエチルメタクリレートとの反応生成物、および1molの2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネートと2molの2−ヒドロキシ−エチルメタクリレートとの反応生成物であり、これらを、以下でウレタンジメタクリレートと呼ぶ。歯科材料中のこれらの大部分の長鎖の化合物の割合は、10重量%と80重量%との間で変化する。 【0047】2,2−ビス−[4−(2−ヒドロキシ−3−メタ−アクリルオキシプロポキシ)−フェニル]−プロパン(ビスフェノール−A−ジグリシジルジメタ−アクリレート、ビス−GMA)、7,7,9−トリメチル−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジオキシ−ジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレートおよびこれらのモノマーの混合物は、特に好ましい。 【0048】ペルオキシド類(特に、t−ブチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルオクトアートおよびtert−ブチルペルベンゾアート)は、熱硬化系のための開始剤として好ましい。さらに、2,2’−アゾイソブチロニトリル(AIBN)、ベンゾピナコールおよび2,2’−ジアルキルベンゾピナコールもまた適切である。熱硬化歯科材料は、インレー(inlay)およびアンレーの作製のために特に適切である。 【0049】ラジカル供給系(例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、または好ましくは過酸化ジベンゾイル)が、アミン(例えば、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジンまたは他の構造的に関連するアミン)と共に、低温重合のための開始剤として使用される。 【0050】アミンおよび過酸化物は、通常、歯科材料の異なる2つの成分にわたって分配される。アミン含有ベースペーストと過酸化物含有開始剤ペーストとの混合の際に、アミンと過酸化物との反応によってラジカル重合が開始される。 【0051】例えば、ベンゾフェノンおよびその誘導体、ならびにベンゾインおよびその誘導体が、光重合のための開始剤として使用され得る。さらに好ましい光開始剤は、α−ジケトン(例えば、9,10−フェナントレンキノン、ジアセチル、フリル、アニシル(anisil)、4,4’−ジクロロベンジル、4,4’−ジアルコキシベンジル、フェニルプロパンジオンおよびアシルホスフィンオキシド)である。カンファーキノンが、特に好ましく使用される。光重合は、好ましくは、400〜500nmの範囲の波長の光を照射することによって開始される。 【0052】低温開始剤および光開始剤の組み合わせは、二重硬化(dual−curable)系のための開始剤として適切である。例として、ベースペーストはさらに光開始剤を含み得、その結果ベースペーストは、光硬化歯科材料として単独で、または光硬化歯科材料および自己硬化(self−curing)歯科材料として開始剤ペーストと共に、のいずれかで使用され得る。カンファーキノンおよび過酸化ジベンゾイルを、上記のアミンと組み合わせて使用することが好ましい。 【0053】低温重合、特に光重合のための開始剤を含む歯科材料が好ましい。フィラー成分としては、特に、0.005〜2.0μm、好ましくは0.1〜1μmの平均粒子径を有する、SiO2、ZrO2および/またはTiO2の混合酸化物に基づく非晶質球状の材料(例えば、DE−PS 32 47 800において開示されるような)、超微細フィラー(例えば、火成シリカ(pyrogenic silica)または沈殿シリカ)、ならびに0.01〜20μm、好ましくは0.5〜5μmの平均粒子径を有するマクロフィラーまたはミニフィラー(例えば、石英、ガラスセラミックもしくはガラス粉末、ケイ酸バリウムガラス、フッ化ケイ酸バリウムガラスおよびケイ酸Li/Alガラス、バリウムガラス、アルミニウムまたはケイ素の酸化物)、ならびにX線不透過フィラーが適切である。ミニフィラーによって、0.5〜1.5μmの粒子径を有するフィラーが意味され、そしてマクロフィラーによって、10〜20μmの粒子径を有するフィラーが意味される。 【0054】適切なX線不透過フィラー(その平均粒子径は、5.0μmを超えるべきではない)は、DE−OS 35 02 594に記載される。三フッ化イッテルビウムが特に好ましい。 【0055】(A)二酸化ケイ素と、20モル%までのI族、II族、III族およびIV族の周期系の少なくとも1つの元素の酸化物との非晶質球状粒子であって、そして1.50〜1.58の屈折率を有し、かつ0.1〜1.0μmの平均一次粒子径を有する非晶質球状粒子と、(B)1.50〜1.58の屈折率を有し、かつ0.5〜5.0μmの平均粒子径を有する、石英、ガラスセラミックもしくはガラス粉末またはそれらの混合物との混合物が、フィラーとして好ましく使用される。 【0056】無機フィラー(A)は、好ましくは、酸化ストロンチウムおよび/または酸化ジルコニウムを、I族、II族、III族およびIV族の周期系の金属の酸化物として含む。平均一次粒子径は、好ましくは、0.15〜0.5μmの範囲にあり、そして無機フィラー(A)の屈折率は、好ましくは1.52と1.56との間である。特に好ましい値は、1.53±0.01である。(A)型のフィラーは、DE−PS 32 47 800に記載される。(A)型のフィラーはまた、1〜30μmの平均粒子径を有する凝塊の混合物として焼結されて存在し得る。 【0057】無機フィラー(B)の平均一次粒子径は、好ましくは、1.0μmと2.0μmとの間にあり、そして特に好ましくは、1.0μmと1.5μmの間にあるが、屈折率は、好ましくは、1.52と1.56との間の値を示す。フィラー混合物はまた、使用され得る。1.1〜1.3μmの範囲の平均粒径を有するケイ酸Baガラス、ならびに1.1〜1.3μmの範囲の平均粒径を有するケイ酸Srガラス、および1.0〜1.6μmの平均粒径を有するケイ酸Li/Alガラスもまた、本発明に従って好ましい。このような粉末は、例えば、Reimbold&Strich,Cologne社からのRS超微細ミルを用いて微粉砕することによって得られ得る。 【0058】必要に応じて、フィラー(A)とフィラー(B)との混合物はまた、増加したX線耐久性を達成するためのさらなるフィラー(C)および/または粘度を調節するためのフィラー(D)を含み得る。超微細シリカ、火成シリカまたは湿式沈殿シリカが、フィラー(D)として好ましい。フィラー(D)の量は、この歯科材料に対して最大5重量%である。 【0059】さらに好ましいフィラーは、DE 40 29 230に記載される。 【0060】無機フィラーは、好ましくはシラン処理される。特に、α−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランおよびγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランならびにそれ自体公知の類似の物質は、接着促進剤として好ましい。 【0061】さらに、微粒子化スプリッター(splitter)またはビーズ重合体(これは、既に記載されたモノマーのホモポリマーまたはコポリマーであり得る)が、この歯科材料中に組み込まれ得る。これらのホモポリマーまたはコポリマーは、それらの部分について、記載された無機フィラー(X線不透過体を含む)で充填され得る。さらに、この歯科材料は、通常の着色剤および安定剤を含み得る。 【0062】本発明に従う好ましいサーモクロミック(thermochromic)色素は、最も変化に富む歯科材料に適合性であり、そして特に無色または歯の色をした歯科材料に組み込まれる際に有利であることが判る。なぜならこれらは、本質的に、この材料の色における目に見える変化を引き起こさないからである。この歯科材料は、色の変化の持続的な可逆性によって特徴付けられ、これは、この材料の硬化によって悪影響を受けない。さらに、色の変化は、早期の硬化の危険性なく誘導され得る。 【0063】本発明の意味における歯科材料は、特に、シーラー、持続性充填材料および一時的充填材料、インレーのためのセメント、アンレー、クラウンならびにブリッジであり、特に歯科矯正のためのセメント(KFOセメント)(すなわち、ブラケットおよび歯の装具を固定するためのセメント)、バーニッシュ(例えば、フッ化バーニッシュなど)、スタンプ構築材料、プラーク指示薬ならびに接着剤である。接着剤は、一般的に充填されていないが、セメントは、一般的にフィラーを含む。接着剤は、象牙質と修復物との間の結合促進剤として作用し、セメントと組み合わせて使用され得る。無水歯科材料、特に溶媒を含まない歯科材料が好ましい。 【0064】サーモクロミック色素の存在のために、シーラー、接着剤およびバーニッシュの場合、歯科医師は、表面全体にわたる付着を確実にし得、そして充填材料およびセメントの場合、残留材料を目に見えるようにし、そして歯科材料と天然の歯の物質とを確実に区別する。 【0065】本発明に従う歯科材料は、好ましくは、10重量%より多い、特に好ましくは20重量%よりも多い、重合可能なモノマーを含む。フィラー含量は、好ましくは10〜90重量%の範囲にある。この歯科材料は、色素、重合開始剤、ならびに必要に応じてフィラーおよび添加物を、成分の均一な混合物が得られるまでバインダー中で作用させることによって作製される。 【0066】以下の組成の材料が、非常に特に好ましい:(a)>10〜99.98重量%、好ましくは、>20〜90重量%の重合可能なモノマー;および/または(b)0.01〜2重量%、好ましくは、0.1〜0.5重量%のサーモクロミック色素;および/または(c)0.01〜5重量%、好ましくは、0.1〜3重量%の重合開始剤;および/または(d)0〜<89.98重量%、好ましくは、10〜80重量%、そして非常に特に好ましくは、20〜70重量%のフィラー;および/または(e)必要に応じて、0.01〜5重量%のさらなる添加物。 【0067】添加物によって、慣習的に添加される物質(例えば、安定剤、UV吸収剤、重合抑制剤、色素、顔料および潤滑剤)が意味される。 【0068】フィラー含有量は、歯科材料の所望の使用によって確固として決定される。接着剤としての使用のためには、フィラーを含まない材料が好ましく、充填材料は、好ましくは、60〜85重量%のフィラーを含み、そしてセメントは、好ましくは、50〜80重量%のフィラーを含む。 【0069】本発明は、実施例を参照して以下により詳細に説明される。実施例において使用される色素は、サーモクロミック色素として、酸反応性成分と酸性成分または電子供与体と電子受容体のいずれかを含む。実施例において引用される量は、他に記載しない限り重量パーセンテージである。 【0070】 【実施例】(実施例1) (光硬化充填材料)光硬化充填材料を作製するために、0.2%(この割合および以下の割合は、他で述べない限り、歯科材料の総質量に関係する)のChromazone Red(登録商標)(サーモクロミック色素;Davis Liquid Crystals;この色素の発色特性は、電子供与体/電子受容体相互作用に基づく)を、以下に定める組成の21.1%のモノマー混合物の中に分散剤により分散させた。次いで、この混合物を、51.7%のケイ酸バリウムガラス粉末、5%のフルオロケイ酸バリウムガラス粉末、5%の火成シリカおよび17%の三フッ化イッテルビウムを用いて処理して、均質なコンポジットを作製した。これを、400〜500nmの波長の光を用いる3分間の照射により硬化させた。硬化した材料は、29℃にて色の変化を示した。この材料は29℃未満の温度で赤に着色されており、そして温度を29℃よりも上昇させた後には、この赤い発色は消失し、そしてこの材料は、再びその固有の色を示した。この手順は、所望される回数、繰り返され得る。 【0071】 (モノマー混合物) Bis−GMA 42.1%7,7,9−トリメチル−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジオキシ−ジメタクリレート(ジウレタンジメタクリレート) 37%トリエチレングリコールジメタクリレート 20%カンファーキノン 0.3%ヒドロキノンモノエチルエーテル 0.1%エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート 0.5%この割合は、モノマー混合物の質量に関係する。 【0072】(実施例2) (光硬化充填材料)実施例1を、サーモクロミック色素であるChromazone Blue(登録商標)(Davis Liquid Crystals)を用いて繰り返した。この成分を、ロールミル(roll mill)でお互いに混合し、そしてこのコンポジットを、実施例1に記載されるように硬化させた。硬化した材料は、29℃にて色の可逆的変化を示した。この材料は、29℃未満の温度で青に着色されており、そして29℃を超える温度では、この材料は、歯の色に着色された。 【0073】(実施例3) (二重硬化充填材料)開始剤およびベースペースト(base paste)から構成される二重硬化コンポジットを作製するために、0.05%PSD−O(Shin−Nisso Kako K.K.製のOrange顔料)を、以下に定める組成の26.45%のモノマー混合物の中に始めに分散させた。次いで、43.5%のシラン処理したケイ酸バリウムガラス粉末、5%のフルオロケイ酸バリウムガラス粉末および25%の三フッ化イッテルビウムを、この分散物に入れ込み、そして均質なペーストを作製した。 【0074】 (ベースペーストのモノマー混合物) Bis−GMA 49.2%7,7,9−トリメチル−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジオキシ−ジメタクリレート(ジウレタンジメタクリレート) 24.8%トリエチレングリコールジメタクリレート 24.7%カンファーキノン 0.3%エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート 0.4%2,6−ジ−tert.−ブチル−p−クレゾール 0.1%N,N−3,5−ジ−tert.−ブチルアニリン 0.5%この割合は、モノマー混合物の質量に関係する。 【0075】開始剤ペーストを作製するために、0.05PSD−Oを、以下に定める組成の28.75%のモノマー混合物に分散させた。次いで、この分散物を、46.2%のシラン処理したケイ酸バリウムガラス粉末および25%の三フッ化イッテルビウムを用いて処理して、均質なペーストを作製した。 【0076】 (開始剤ペーストのモノマー混合物) ビスフェノール−A−ジグリシジルジ−メタクリレート(bis−GMA) 50.0%7,7,9−トリメチル−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジオキシ−ジメタクリレート(ジウレタンジメタクリレート) 24.2%トリエチレングリコールジメタクリレート 24.2%過酸化ベンゾイル 1.5%2,6−ジ−tert.−ブチル−p−クレゾール 0.1%この割合は、モノマー混合物の質量に関係する。 【0077】ベースペーストと開始剤ペーストとの等比率の混合後、混合物を、室温にて3分以内に完全に硬化させた。硬化した材料は、30℃にて色の可逆的変化を示した。この材料は、この温度未満で、オレンジに着色されており、そしてより高い温度では、この材料は、そのやや白い固有の色を示した。 【0078】(実施例4) (歯科用シーリング(sealing)材料)シーリング材料を作製するために、0.8%マイクロカプセル型サーモクロミック色素である、Chromicolor(登録商標)Fast Blue S−17(酸反応性発色物質およびフェノール酸の混合物;Matsui Shikiso Chemical Co.製)を、59.2%のビスフェノール−A−ジグリシジルジメタクリレート(bis−GMA)、39.2%のトリエチレングリコールジメタクリレート、0.3%のカンファーキノン、0.1%のヒドロキノンモノ−エチルエーテルおよび0.4%のエチル−(4−ジメチルアミノ)−ベンゾエートの混合物中で分散剤により分散させた。400〜500nmの波長範囲内にある青色の光を用いる3分間の照射により硬化を行った。この材料は、25℃にて色の可逆的変化を示した。この温度未満では、この材料は青に着色されており、そしてより高い温度では、この材料は実質的に無色である。この材料は,クラックシーラー(crack sealer)としての用途に特に適している。 【0079】(実施例5) (歯科用KFOセメント)KFOセメントを調製するために、1.0%のマイクロカプセル型サーモクロミック色素である、Chromicolor Yellow S−17(フェノール酸成分を有するサーモクロミック酸反応性発色成分;Matsui Shikiso Chemical Co.製)を、ロールミルで、以下により詳細に記載される、87.8%のモノマー混合物の中へと入れ込んだ。次いで、この混合物を、11.2%のシラン処理したバリウムガラス粉末と反応させた。 【0080】 (モノマー混合物) Bis−GMA 64.9%7,7,9−トリメチル−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジオキシ−ジメタクリレート(ジウレタンジメタクリレート) 19.8%1,10−デカンジオールジメタクリレート 14.9%カンファーキノン 0.3%2,6−ジ−tert.−ブチル−p−クレゾール 0.1%この割合は、モノマー混合物の質量に関係する。 【0081】セメントの硬化を、470nmでの青色光による40秒間の照射により行った。このセメントを、ブラケットの固定のために歯の上に沈着させ、そして400〜500nmの範囲の波長の青色光の40秒間の照射により硬化させた。この材料は、20℃にて色の可逆的変化を示した。この温度未満では、この材料は黄色に着色されており、そしてこの温度を超えると、この材料はその固有色を示す。 【0082】本発明は、歯科材料であって、サーモクロミック色素を含み、かつ温度が変化する場合に色の可逆的変化を示し、その結果、天然の象牙質と区別され得る、歯科材料に関する。 【0083】 【発明の効果】本発明は、歯科材料であって、その歯科材料の色が、その材料を天然の歯物質と視覚的に区別し得るように単純な様式で一時的に変化され得、そしてそれがまた、その歯科材料の加工に十分な期間の後にその本来の色を呈する、歯科材料を提供し得る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】596032878 【氏名又は名称】イボクラール ビバデント アクチェンゲゼルシャフト
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| 【出願日】 |
平成14年2月8日(2002.2.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078282 【弁理士】 【氏名又は名称】山本 秀策
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| 【公開番号】 |
特開2002−322014(P2002−322014A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月8日(2002.11.8) |
| 【出願番号】 |
特願2002−33033(P2002−33033) |
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