| 【発明の名称】 |
口腔用組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】遠藤 敏郎
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| 【要約】 |
【課題】従来の公知文献に見られるNAAとAEAの組み合わせでは、口腔用組成物の、デンタル表面への有効な塗布状態が得られず、塗布効果をより好ましい状態に向上させるための抗菌剤と抗菌強化剤とのより好ましい組み合わせを提供すること。
【解決手段】抗菌剤と抗菌強化剤を含む口腔用組成物であり、該抗菌強化剤がマレイン酸又は無水マレイン酸とアルキルビニルエーテルとのコポリマーであり、かつ該コポリマーの比粘度が3.5以上であることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 抗菌剤と抗菌強化剤を含む口腔用組成物であり、該抗菌強化剤がマレイン酸又は無水マレイン酸とアルキルビニルエーテルとのコポリマーであり、かつ該コポリマーの比粘度が3.5以上であることを特徴とする口腔用組成物。 【請求項2】 アルキルビニルエーテルがメチルビニルエーテルである請求項1記載の口腔用組成物。 【請求項3】 マレイン酸又は無水マレイン酸とアルキルビニルエーテルとのコポリマーの比粘度が3.8〜5.2である請求書1記載の口腔用組成物。 【請求項4】 マレイン酸又は無水マレイン酸とアルキルビニルエーテルとのコポリマーの使用量が0.1〜2.5重量%である請求書1記載の口腔用組成物。 【請求項5】 抗菌剤が非カチオン抗菌剤である請求書1記載の口腔用組成物。 【請求項6】 非カチオン抗菌剤がトリクロサンである請求書5記載の口腔用組成物。 【請求項7】 練歯磨き剤、液体歯磨き剤、デンタルゲル、洗口剤用である請求書1〜6のいずれかに記載の口腔用組成物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は口腔用組成物に関する。特に、練歯磨き用等に有用な抗菌抗歯垢性口腔用組成物に関する。更に具体的には、本発明は歯垢を抑制するために有効な抗菌剤とその抗菌強化剤を含む組成物であり、実質的に水に不溶な非カチオン抗菌剤(NAA)と、このNAAの抗菌抗歯垢活性を強化する抗菌強化剤(AEA)としてのマレイン酸又は無水マレイン酸とアルキルビニルエーテルとのコポリマーを含む練歯磨き用組成物等の口腔用組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】歯垢は、特開平6−192060号公報にも記載されているように歯の表面の硬質固化付着物である歯石とは異なり、歯の表面からその隣の軟らかい口腔組織面にわたるあらゆる部分上に、特に歯肉縁に形成される軟質付着物である。該軟質付着物である歯垢は、歯肉炎の発生の原因になるといわれており、しかも、歯垢の付着は対人的には歯の汚れとして見られ、対面会話時に見苦しい不潔感を与える。 【0003】従って、練歯磨き等口腔内で使用される薬品、材料等の組成物である口腔用組成物には、歯垢を減ずることのできる機能を有する抗菌剤、特に例えばトリクロサン(すなわち2,4,4’−トリクロロー2’−ヒドロキシジフェニルエーテル)のような実質的に水に不溶な非カチオン抗菌剤を含めることが非常に望ましい。Vinson等の米国特許第4,022,880号では、抗歯垢剤に関するものではないが、抗歯石剤として亜鉛イオンを放出する化合物を前記同様の抗菌剤と混合しており、しかも、例えばハロゲン化サリチルアニリドとハロゲン化ヒドロキシジフェニルエーテルのような非カチオン化合物を含めた、多様な抗菌剤が開示されている。 【0004】又、非カチオン抗菌抗歯垢性ハロゲン化ポリヒドロキシジフェニルエーテルのトリクロサンとクエン酸亜鉛3水和物との組合せが、Saxton等のヨーロッパ特許(EP)公報第0161,899号に、又その他の多くの刊行物に開示されている。トリクロサンは、Davisのヨーロッパ特許公報第0271,332号に、例えばプロピレングリコールのような可溶化剤を含む練歯磨きの成分としても開示されている。又、ドイツ特許公報第3,532,860号は銅化合物と組み合わせたトリクロサンが開示されている。更に、ヨーロッパ特許第0278,744号には、トリクロサンとカリウム含有歯知覚鈍麻剤との組み合わせが、又同特許第0161,898号には板状液晶界面活性剤相を含むように製造された歯磨き剤中の抗歯剤としてトリクロサンがそれぞれ開示されている。 【0005】上記のようにいくつかの既特許出願に係る公知文献には、口腔用組成物の有効な一成分としてのトリクロサンと他の成分の組合わせが開示されているが、更にこれら公知文献の内のいくつかには、口腔用組成物における一成分として例示されているトリクロサンのような抗菌剤の抗歯垢効果が、抗菌強化剤を該組成物に含めさせることにより、口腔表面上への該抗菌剤の好ましい分配及び保持特性を強化する効果のあることが示されている。 【0006】米国特許出願第07/738,766号明細書には、口腔用組成物を線形粘弾性にするために有効な量の合成線形粘弾性架橋ポリマー増粘剤、特にメチルビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマーの架橋物を含む練歯磨き、デンタルゲル等の組成物、及びこの組成物の有効量をデンタル表面に塗布することによる口腔衛生の促進方法が述べられている。一方、前記特開平6−192060号公報には、口腔用組成物中の例えばトリクロサンのようなNAAの抗歯垢効果が、該組成物中にAEAとして前記合成架橋ポリマーの1種又は混合物を含めることによってさらに一層強化され、例えば練歯磨き、デンタルゲル等の組成物のような歯磨き剤へのこのような混入が好ましいものであることが述べられている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の公知文献には、NAAとAEAの組み合わせでは、抗菌抗歯垢性は充分あるものの、デンタル表面へのこれら組成物の有効な塗布状態が得られず、デンタル表面塗布用成分として、又組成物として一層の改良が望まれてきた。従って、本発明の課題は、上記塗布効果をより好ましい状態に向上させることを目的とし、抗菌剤と抗菌強化剤とのより好ましい組み合わせを提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題の解決のため、口腔内表面に弊害のない口腔組成物について鋭意研究をした結果、実質的に水に不溶な非カチオン抗菌剤が抗歯垢有効量使用され、且つ該抗菌剤の口腔内表面への分配と該内表面でのその保持とを強化するための特定の抗菌強化剤がその目的のために有効な量で含まれた口腔用組成物であって、該特定の抗菌強化剤がマレイン酸又は無水マレイン酸とアルキルビニルエーテルとのコポリマーであって、マレイン酸又は無水マレイン酸とアルキルビニルエーテルとのコポリマーの比粘度が3.5以上である合成ポリマーを含む口腔用組成物が有効である知見を得、本発明を完成するに到った。 【0009】以下、本発明の要旨を説明する。第1の発明は、抗菌剤と抗菌強化剤を含む口腔用組成物であり、該抗菌強化剤がマレイン酸又は無水マレイン酸とアルキルビニルエーテルとのコポリマーであり、該コポリマーの比粘度が3.5以上である口腔用組成物に関する。第2の発明は、アルキルビニルエーテルがメチルビニルエーテルである上記第1の発明に記載の口腔用組成物に関する。第3の発明は、マレイン酸又は無水マレイン酸とアルキルビニルエーテルとのコポリマーの比粘度が3.8〜5.2である上記第1の発明に記載の口腔用組成物に関する。第4の発明は、マレイン酸又は無水マレイン酸とアルキルビニルエーテルとのコポリマーの使用量が0.1〜2.5重量%である上記第1の発明に記載の口腔用組成物に関する。第5の発明は、抗菌剤が非カチオン抗菌剤である上記第1の発明に記載の口腔用組成物に関する。第6の発明は、非カチオン抗菌剤がトリクロサンである上記第5の発明に記載の口腔用組成物に関する。第7の発明は、練歯磨き剤、液体歯磨き剤、デンタルゲル、洗口剤用である第1〜6いずれかの発明に記載の口腔用組成物に関する。 【0010】 【発明の実施の形態】前記先行技術文献において開示されている、実質的に水に不溶な全ての非カチオン抗菌剤(NAA)は本発明において有効に使用される。本発明においては、NAAは単独種の使用の他、複数種でも使用でき、更にはNAAの作用効果には影響しない他の成分も併用できるが、NAAの有効な使用割合は、他の必須成分である後述の抗菌強化剤(AEA)とを含む口腔用組成物中に、抗歯垢有効量として通常は約0.01〜5重量%が好ましく、より好ましくは約0.03〜1重量%であり、更に好ましくは約0.25〜0.5重量%であり、最も好ましくは約0.25〜0.35重量%である。例えば、練歯磨き、デンタルゲル等の歯磨き剤中には、約0.3重量%で使用され、洗口液又は液体歯磨き剤中には約0.03〜0.3重量%、より好ましくは約0.03〜0.1重量%で使用される。なお、NAAは実質的に水に不溶性のものが使用されるが、ここに言う水に不溶性とはNAAの溶解度が25℃の水中で約1重量%未満であることを意味し、現実的には約0.1%未満であることさえある。 【0011】本発明に係るNAAとしては、フェノール系化合物のチモール、オイゲノール、ヘキシルレゾルシノール及び2,2−メチレンビス(4−クロロー6−ブロモフェノール)、トリクロサン等が例示されるが、中でもトリクロサンが好ましい。 【0012】本発明の口腔用組成物において他の必須成分AEAは、マレイン酸又は無水マレイン酸とアルキルビニルエーテルとのコポリマーであり、本発明に係る口腔用組成物には好ましくは約0.02〜5重量%、より好ましくは約0.1〜約2.5重量%使用されるが、該コポリマーとしては従来使用されてきたものよりも高分子量のものが用いられ、その比粘度が3.5以上のものが使用され、特に好ましくは3.8〜5.2のものが使用される。 【0013】上記高比粘度のコポリマーとしては、例えばダイセル化学工業(株)の無水マレイン酸とメチルビニルエーテルとのコポリマーであるVEMA A106H(比粘度:4.0)又は同VEMA A106H5(比粘度:4.5)が好適なものとして例示でき、入手容易である。因みに、従来使用されてきた低比粘度のものの例としては、比粘度:1.0のもの(Gantrez社製無水マレイン酸とメチルビニルエーテルとのコポリマーであるAN139)、比粘度:0.3のもの(Gantrez社製無水マレイン酸とメチルビニルエーテルとのコポリマーであるAN119;ダイセル化学工業(社)製同VEMA A101)、比粘度:1.0のもの(ダイセル化学工業(社)製同VEMA A103)、比粘度:3.0のもの(GA1コーポレーション社製無水マレイン酸とメチルビニルエーテルとのコポリマーであるS−97;ダイセル化学工業(社)製同VEMA A106)が該当する。本発明に係る高比粘度を有する無水マレイン酸とアルキルビニルエーテルの場合は、前記のように好ましくは0.02〜5重量%、より好ましくは0.1〜約2.5重量%の範囲で使用される。このような使用で所望の効果、即ち好適な口腔内表面上のトリクロサンの分配と保持が得られ、AEAの比粘度の高低の効果差が大きいことがわかる。 【0014】本発明による口腔用組成物は相分離もしくは離液、貯蔵中の粘度変化及び高温と低温条件下での溶解粒子、分散粒子もしくは懸濁粒子の沈降の対する優れた安定性、フィッシュアイの無いこと、優れたテクスチャーその他のコスメチック的性質、分配チューブ、ポンプ等からの押出し易さ(容易な剪断減粘性)、押出し後の良好なスタンドーアップ(standing−up)(構造の良好な回復)、改良された抗齲蝕効果を生ずる歯エナメル質へのフッ化物イオン有用性を有する。 【0015】上記本発明に係る口腔用組成物は、少なくとも、例えば練歯磨きチューブ又はポンプから絞り出されるときにこの種の製品に加えられると予想される程度を越えて応力又は圧力が加えられるときにも、それに対抗する充分なエネルギーを保有し、その応力又は圧力が除去されたときにその以前の状態に回復し、優れたスタンドーアップを示す。なお、本発明でいう比粘度の値は同一構造単位を有する高分子については分子量が増すほど高くなるので、一般的に高分子の分子量を相対的にあらわす基準として広く利用されており、本発明において使用されている比粘度は分子量と同義である。比粘度の測定方法は以下の通りである。測定対象の共重合体を溶媒メチルエチルケトンに溶解して1%(重量/容量%、25℃)濃度の溶液を調製し、JIS K6726で規定された毛細管粘度計を用いて、25℃における落下時間を測定し、計算式:比粘度=(A−B)/Bにより算出する。上記の計算式において、A=共重合体溶液の落下時間測定値、B=溶媒のみの落下時間測定値である。 【0016】本発明に係る口腔剤としての練歯磨き等は、上記抗歯垢性に加え、抗歯石性を有していてもよいことは当然であり、抗歯石有効量の抗歯石剤をこれらの口腔用組成物中に含ませることが好ましい。ここに言う抗歯石剤としては、代表的には分子的に脱水された線状(一般に水溶性の、又合成された)ポリホスフェートを挙げることができ、ヘキサメタホスフェート、トリポリホスフェート、ピロホスフェートが好ましい例である。 【0017】前記特開平6−192060号にも記載されているように、Parran等の米国特許第4,515,772号は、フッ化物イオン供給源と単独の又はピロリン酸四アルカリ金属塩を組合せた溶解性ピロリン酸二アルカリ金属塩を含む口腔抗歯石組成物を開示し、Gaffar等の米国特許第4,627,977号は上記の好ましいポリホスフェート抗歯石剤として、フッ化物と唾液中のポリホスフェートの酵素加水分解を抑制するためのポリカルボキシレートを組合せて含む口腔用組成物を開示する。このようなポリカルボキシレートは高分子量化した場合に、AEAとしてここに重大に関係する。 【0018】分子的に脱水された線状ポリホスフェートは、それらの完全に又は部分的に中和された水溶性又は容易に水に分散するアルカリ金属(例えばナトリウムもしくはカリウム)塩又はアンモニウム塩又はこれらの混合物として一般に用いられる。代表的な例としては、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、二酸二ナトリウム、一酸三ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、これらの対応カリウム塩等があるが、ピロリン酸四ナトリウム(TSPP)、ピロリン酸四カリウム(TKPP)又はこれらの混合物、特にTKPPが相対的に多い混合物ピロリン酸四アルカリ金属塩が特に好ましい。これらのポリホスフェート抗歯石剤は、本発明の口腔用組成物中に用いる場合にはおよそ0.1〜7重量%であるが、典型的には0.1〜3重量%であり、通常は2重量%である。 【0019】フッ化物イオンの供給源即ちフッ化物イオン放出化合物は、ポリホスフェート抗歯石剤の酵素加水分解の抑制剤として、及び/又は抗齲蝕剤としてここに用いる場合に周知である。これらの化合物は弱水溶性又は完全に水溶性である。これらは水中にフッ化物イオンを放出する能力と、口腔製剤の他の化合物との好ましくない反応が無いことを特徴とする。これらの化合物としては、例えばフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化カルシウムがあり、又フッ化第1銅のようなフッ化銅、フッ化亜鉛、フッ化バリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フルオロジルコン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノ−又はジ−フルオロリン酸アルミニウム、フッ素化ピロリン酸カルシウムナトリウムのような溶解性アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩のような無機フッ化物塩がある。これらの内、フッ化ナトリウム、フッ化第1スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)及びこれらの混合物のような、アルカリ金属とスズのフッ化物が好ましい。 【0020】フッ化物イオン放出化合物の使用量はある程度、化合物の種類、その溶解度、口腔製剤の種類等に依存するが、一般に製剤中に約0.005〜約3.0重量%でなければならないと言われている。もっとも非毒性の量でなければならないことは当然である。例えば、デンタルゲル、練歯磨き(クリームを含む)、歯磨き粉又はデンタル錠剤のような歯磨き剤製剤では、製剤の重量を基準にしてFイオン約5,000ppmまでを放出する量のこのような化合物が好ましいと見なされている。このような化合物は適当な最低量が用いられるが、約300〜2,000ppm、より好ましくは約800〜約1,500ppmのフッ化物イオンを放出するために充分な化合物の量を用いることが好ましい。典型例としてフッ化アルカリ金属とフッ化第1スズの場合には、この化合物は製剤の重量を基準にして約2重量%までの量で存在し、好ましくは約0.05〜1重量%の範囲内で存在する。化合物はモノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)として約0.1〜3重量%が好ましいが、典型的には約0.76%の量であり、フッ化ナトリウム(NaF)としては約0.005〜1重量%であり、典型的には約0.243重量%の量で存在する。 【0021】本発明に係る口腔組成物の他のある種の好ましい形式としては、例えば歯磨き粉、デンタル錠剤、練歯磨き、デンタルゲル又はクリームのような、実質的に固体又は練り粉(pasty)がある。このような固体又は練り粉の口腔製剤のビヒクルは一般に研磨剤を含む。研磨剤の例としては、水に不溶なメタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、リン酸三カルシウム、リン酸カルシウム二水和物、無水リン酸二カルシウム、リン酸カルシウム二水和物、無水ピロリン酸塩、オルトリン酸マグネシウム、リン酸三マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、シリカ、ベントナイト、これらの混合物を挙げることができる。他の適当な研磨剤としては、例えばメラミンホルムアルデヒド、フェノールホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒド、架橋ポリエポキシドとポリエステルのような、1962年12月15日の米国特許第3,070,510号に述べられている粒状熱硬化性樹脂がある。これらのうち好ましい研磨剤としては、約5μm以下の粒度、約1.1μm以下の平均粒度、約50,000cm2/g以下の表面積を有する結晶質シリカ、シリカゲル又はコロイド状シリカ、非晶質のアルミノケイ酸アルカリ金属錯体が挙げられる。 【0022】視覚的に透明なゲルを用いる場合には、コロイド状シリカ及びアルミノケイ酸アルカリ金属錯体の研磨剤であって、例えば市販のSyloid72とSyloid74(商標SYLOID)、又はSantcel 100(商標SANTCEL)が、歯磨き剤に一般に用いられるゲル化剤−液体(水及び/又は保湿剤を含む)系の屈折率に近い屈折率を有するので特に有用である。 【0023】いわゆる“水に不溶な”研磨剤の多くはアニオンの性質であり、少量の溶解性物質も含む。不溶なメタリン酸ナトリウムはThorpeのDictionary of Applied Chemistry、9巻、第4版、510−51、1頁によって説明されるように、適当な方法で形成される。Madrell塩及びKurrol塩として公知の形式の不溶なメタリン酸ナトリウムは更に適当な物質の例である。これらのメタリン酸塩は水中でのごく僅かな溶解度を示し、そのため一般に不溶性メタリン酸塩(IMP)と呼ばれる。これには少量の溶解性物質が不純物として、通常は4重量%までのような数重量%の少量含まれる。不溶なメタリン酸塩の場合に、溶解性トリメタリン酸ナトリウムを含むと考えられる溶解性リン酸塩物質は水での洗浄によって減少又は除去されるべきである。不溶性メタリン酸アルカリ金属は典型的にはその約1重量%以下が約37μmより大きいような粒度の粉末形で用いられる。 【0024】研磨剤は一般に固体又は練り粉組成物中に約10〜約99重量%の重量濃度で存在し、好ましくは、練歯磨き中に約10〜約75重量%の範囲内の量で、歯磨き粉中に約70〜約99重量%の量で存在する。 【0025】練歯磨きでは、典型的には液体ビヒクルは水と保湿剤を製剤の約10〜約90重量%の範囲内で含む。適当な保湿剤/キャリヤーの具体例としては、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば重合度400〜600)等を挙げることができる。水、グリセリン及びソルビトールの液体混合物も使用でき、屈折率が重要な問題である透明ゲルでは、水約3〜30重量%、グリセリン0〜約80重量%及びソルビトール約20〜80重量%の混合物が好ましく用いられる。 【0026】他の通常の増粘剤(結合剤、ゲル化剤)がこれらの歯磨き剤組成物中に、定義した高分子ポリマー増粘剤1重量部につき約0.1〜約4重量部の範囲内の量で用いられる。このような他の増粘剤としては、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロールの他、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースのようなセルロースエーテルの水溶性塩をも含む。又、カラゲーニン(トチャカ、Viscarin)、カラヤガム、アラビヤゴム及びトラガカントガムのような天然ガムも使用可能である。その他、コロイド状ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ヴィーガム(Veegum)又は微粉状シリカも増粘剤系の一部として使用可能であるが、好ましい増粘剤はキサンタンガム、カラゲーニン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロースを含み、好ましくは架橋ポリマー増粘剤1部につき約0.4〜約3部の範囲内の量で用いられる。その他、例えばLaporte Industries Limitedによって販売されているLaponite(例えば、CP,SP2002,D)として入手可能である合成コロイド状ケイ酸アルカリ金属マグネシウム錯体粘土合成ヘクトライトも有用である。Laponite Dの分析結果によればSiO258.00重量%、MgO 25.40重量%、Na2O 3.05重量%、Li2O 0.98重量%、若干の水及び痕跡量の金属を示す。この物質の比重は2.53であり、見かけのかさ密度(g/ml,8%水分)は1.0である。 【0027】更に他の適当な増粘剤には、澱粉、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギネート、グァッチガム(gum ghatti)、イナゴマメガム、ペクチン、タマリンドガム等がある。 【0028】口腔製剤は通常、適当な標識パッケージに入れられ、又はその他の態様で販売される。従って、洗口液のジャーは実質的にマウスリンス又は洗口液としてそれを説明し、その使用方法を指示するラベルを有し、練歯磨き、クリーム又はゲルは通常、実質的に練歯磨き、ゲル、デンタルクリームとしてそれを説明するラベルを有する、典型的にはアルミニウム、ライナー付き(lined)鉛又はプラスチックの折り畳み可能なチューブ、又は内容物を押し出すための他のスクィーズ、ポンプ又は加圧ディスペンサーに入れられる。 【0029】本発明に係る組成物は、大きな予防作用を有し、抗歯石剤の口腔全体にわたる徹底的でかつ完全な分散を容易にし、本発明の組成物をコスメチックとしてより受容され易くするために、組成物成分として有機界面活性剤が用いられる。この有機界面活性剤物質は好ましくはアニオン、非イオン又は両性の性質を有し、界面活性剤として組成物に洗浄性と起泡性を与える洗浄性物質であることが好ましい。アニオン界面活性剤の適当な例を挙げる。水素化ヤシ油脂肪酸のモノスルフェーティッド(monosulfated)モノグリセリドのナトリウム塩のような高級脂肪酸モノグリセリドモノスルフェートの水溶性塩、ラウリル硫酸ナトリウムのような高級アルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩のようなアルキルアリールスルホン酸塩、高級アルキルスルホ酢酸塩、1,2−ジヒドロキシプロパンスルホネートの高級脂肪酸エステル、及び脂肪酸、アルキル又はアリールラジカルに炭素数12〜16を有する低級脂肪族アミノカルボン酸化合物の実質的に飽和の高級脂肪族アシルアミド等である。最後に挙げたアミドの例はN−ラウロイルサルコシン、セッケン又は同様な高級脂肪酸物質を実質的に含まないN−ラウロイル、N−ミリストイル又はN−パルミトイルサルコシンのナトリウム塩、カリウム塩及びエタノールアミン塩である。本発明に係る口腔用組成物にこれらのサルコシネート化合物を用いることは、これらの物質は酸溶液中の歯エナメル質の溶解を減少させる他に、炭水化物分解による口腔での酸形成の抑制に持続的でかつ顕著な効果を示すので特に有利である。 【0030】水溶性非イオン界面活性剤の例は、エチレンオキシドと、これと反応する長い疎水性鎖(例えば、炭素数約12〜20の脂肪族鎖)を有する種々な水素含有化合物との縮合生成物であり、この縮合生成物(“エトキサマー”)は、例えばポリ(エチレンオキシド)と脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪アミド、多価アルコール(例えば、ソルビタンモノステアレート)及びポリプロピレンオキシド(例えば、BASF社のPluronic PE6100等)との縮合生成物のように、親水性ポリオキシエチレン部分を有する。 【0031】本発明にかかる口腔用組成物には、例えば白化剤、防腐剤、シリコーン、クロロフィル化合物、他の抗歯石剤及び/又は、例えば尿素、リン酸二アンモニウム等のアンモニア化物質のような、他の物質を補助剤として配合することができる。これらの補助剤を添加する場合は、所望の性質と特徴に実質的に不利な影響を与えない量で製剤に配合される。 【0032】又、適当な風味剤又は甘味剤も用いることができる。適当な風味剤としては、例えばオランダハッカ油、ハッカ油、冬緑油、サッサフラス油、クローブ油、セージ油、ユーカリ油、マヨラナ油、シナモン油、レモン油、オレンジ油のような風味油、メチルサリチレートである。適当な甘味剤には、スクロース、ラクトース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、シクラミン酸ナトリウム、ペリラルチン、APM(アスパルチル フェニルアラニン メチルエステル)、サッカリン等がある。使用される場合は風味剤と甘味剤とは単独に又は一緒に合わせて、製剤の約0.1〜5重量%程度までを占めるように添加される。 【0033】本発明に係る口腔組成物、例えば洗口液又は歯磨き剤の使用態様において、約4.5から約10までのpH、一般には約5.5〜約9のpH、好ましくは約6〜8のpHにおいて、例えば二日おき、三日おきに、好ましくは一日に1回〜3回のように規則的に、少なくとも2週間から8週間以上、寿命までデンタル表面を“swishing又はbrushing"することによって口腔表面に供給される。組成物は典型的に、供給後に水によってすすぎ洗いすることによって除去される。 【0034】 【実施例】(実施例1−1〜1−8、比較例1−1〜1−3)本発明に係る組成物を用いた各種の実施例を示す。約5〜10重量%の範囲内のコポリマー含量の適当な固体濃度において2〜3日間、水中で加水分解し、pH7に中和し、混合物を保湿剤系に分散させ、得られた約pH7の分散液において他の歯磨き剤成分を混合する。公知の科学的に認められた方法に従って、ヒト歯のインビトロ実験モデルとしてヒドロキシアパタイト(HA)、歯エナメル質の無機相を用いて、歯表面へのトリクロサンの分配と保持とに対する架橋ポリマーの効果を評価した。HAディスクを唾液で覆って、ディスク上に唾液薄膜を形成する。このディスクは、非常に高い表面積を有しインビボの表面積対容積比をシミュレートしないHA粉末の代わりに用いた。抗菌強化剤を含む場合及び含まない場合について、トリクロサン含有歯磨き剤液相溶液(口腔剤組成物の内容を表1に示した)を、研磨剤は使用することなく、全ての歯磨き剤成分の使用によって製造し、実施例及び比較例に供した。なお、表1においては抗菌強化剤の使用量についてはXで示したが、該Xは表2のXと同じである。ここに表2は、トリクロサン吸収結果(トリクロサンの吸収重量μg/ディスク、但し、n=3の平均値で示した)を示す。表2において、抗菌強化剤としてのポリマーであるVEMA A106H及びVEMA A106H5は、それぞれ比粘度4.5及び4.0の無水マレイン酸とメチルビニルエーテルとの共重合体に相当する。比較例における無水マレイン酸とメチルビニルエーテルとの共重合体であるGantrezS−97(比粘度:3.0)は2重量部、又、VEMA A106(比粘度:3.0)も同様に2重量部使用したものである。 【0035】 【表1】
【0036】 【表2】
【0037】表2の結果から、唾液被覆HAディスクへの歯磨き剤液相溶液からのトリクロサン吸収性が高分子量化した無水マレイン酸とアルキルビニルエーテルとの共重合体では0.1重量部の場合でも、抗菌強化剤を含まない場合に比べて、3.5〜3.8倍強化され、また、高分子量化されていないGantrezS−97又はVEMA A106のそれぞれ2重量部使用の場合に比べて1.3〜1.4倍強化されることを実証していることが分かる。表2の結果は更に、唾液被覆HAディスクへのトリクロサン吸収性が高分子量化VEMAの濃度上昇によって一層強化されることを実証している。 【0038】(実施例2〜7)本発明に係る口腔用組成物からなる他の組成物例である歯磨き剤組成物(表3)及び洗口液組成物(表4)を挙げる。 【0039】 【表3】
【0040】 【表4】
【0041】 【発明の効果】以上の説明から、抗菌剤とマレイン酸又は無水マレイン酸等とアルキルビニルエーテルとのコポリマーである抗菌強化剤との配合において、比粘度が3.5以上という高いコポリマーの抗菌強化剤を使用することにより、歯への抗菌剤の作用が向上し、軟質付着物の付着防止等の効果が高いことが分かる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002901 【氏名又は名称】ダイセル化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成14年2月14日(2002.2.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090491 【弁理士】 【氏名又は名称】三浦 良和
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| 【公開番号】 |
特開2002−316920(P2002−316920A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月31日(2002.10.31) |
| 【出願番号】 |
特願2002−37003(P2002−37003) |
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