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【発明の名称】 養毛・育毛,白髪改善化粧料
【発明者】 【氏名】伊原 由佳

【氏名】白井 稔乃

【氏名】中村 徹

【氏名】藤田 真秀

【氏名】松本 雅文

【要約】 【課題】

【解決手段】薄毛および白髪の原因を様々な方向から解決できる効果に、脱毛防止、養毛・育毛効果および白髪改善効果に有効でかつ安全性に優れた養毛・育毛,白髪改善化粧料を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スギナEquisetum arvense Linne(Equisetaceae)、マツPinus sylvestrisLinne(Pinaceae)、ゲンチアナGentiana lutea Linne(Gentianaceae)の抽出物を含有することを特徴とする養毛・育毛,白髪改善化粧料。
【請求項2】 スギナ抽出物の含有量が0.0001〜80重量%、マツ抽出物の含有量が0.0001〜10重量%、ゲンチアナ抽出物の含有量が0.0001〜10重量%である請求項1記載の養毛・育毛,白髪改善化粧料。
【請求項3】 アマチャヅルGynostemma pentaphyllum Makino(Cucurbitaceae)、テンチャRubus suavissimus Shugan Lee.(Rosaceae)の抽出物を含有することを特徴とする請求項1記載の養毛・育毛,白髪改善化粧料【請求項4】 アマチャヅル抽出物の含有量が0.0001〜10重量%、テンチャ抽出物の含有量が0.0001〜10重量%である請求項3記載の養毛・育毛,白髪改善化粧料。
【請求項5】 ボタンPaeonia suffruticosa Andrews (Poeonia montan Sims)(Paeoniaceae)、シナノキTiliacordata Mill., Tilia platyphyllos Scop.,Tilia europaea Linne (Tiliaceae)、ヒキオコシIsodonjaponicus Hara.,Isodontrichocarpus Kubo(Labiatae)の抽出物を含有することを特徴とする請求項1記載の養毛・育毛,白髪改善化粧料。
【請求項6】 ボタン抽出物の含有量が0.0001〜10重量%、シナノキ抽出物の含有量が0.0001〜10重量%、およびヒキオコシ抽出物の含有量が0.0001〜10重量%である請求項1記載の養毛・育毛,白髪改善化粧料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安全性が高い植物抽出物による養毛・育毛効果及び白髪改善効果に優れた養毛・育毛,白髪改善化粧料に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】毛髪は、容姿を大きく左右するもので、美容上非常に重要な位置を占めている。そして脱毛症は大別して、先天性、後天性のものがあり、発症原因、及び発生機序ともに不明な点が多く、今日まで多くの研究がなされてきたが、現在でも確立された治療法はなく、深い悩みの種となっている。それでもなお、養毛剤は市場に多く出回っているが、充分な効果が得られるものが少ないのが現状である。また、脱毛症と同様に、毛髪に関する大きな悩みの種として白髪が挙げられる。そして、脱毛症同様に白髪についてもその発生の原因について解明されていない点が多く、治療法に至っては効果的な方法は殆ど提示されていないのが現状である。
【0003】より詳細に従来の方法を説明すると、育毛・養毛方法としては、卵胞ホルモン(特開昭60−38313号公報)等のホルモン類、ビタミンE、B2、B6、ビオチン、パントテン酸等のビタミン類、ペプチドサブスタンス等のアミノ酸類(特開昭61−7209号公報)、センブリエキス等の生薬エキス、塩酸ジフェンヒドラミン等の消炎剤、グリセリン等の湿潤剤、感光素301号等の頭皮刺激剤、ヒノキチオール等の殺菌剤、エタノール等の清涼剤等にみられる育毛に対する有効成分を配合した製剤を服用させる方法がある。また、男性ホルモン活性化酵素である5α-reductaseの活性阻害物質としてグリチルレチン酸やランジック酸等が、栄養補給作用としてペンタデカン酸等を配合した製剤が市販されている。
【0004】しかし、上記効果物質は充分な育毛効果を示すものは非常に少なく、またある程度の効果を有するものでは皮膚刺激性が強く、配合量に制約が生じたり連続使用では支障をきたすものがあり、問題点が残されているのが現状である。
【0005】また、白髪の防止、改善については、従来は特定核酸関連物質、ペプチド性のホルモン及び細胞増殖因子を有効成分として配合した製剤、及び染毛剤が用いられてきた。しかしながら、従来の方法は何れも有効性、安全性等の点で充分に満足できるものではなかったり、根本的な対処法ではなく、白髪そのものの発生を本質根本的に防止,改善する白髪防止剤の開発が望まれている。
【0006】加えて育毛・養毛と白髪防止の両者に総合的な効果を生じる技術はなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かくのごとく養毛・育毛効果を有する物質として多種多様のものが提案されているが、これらの従来の養毛・育毛剤は副作用が生じたり、また養毛、育毛効果が必ずしも十分ではなく、より効果的な養毛・育毛剤の開発が望まれている。さらに、白髪の発生の防止、改善効果に優れるとともに、安全性にも優れた白髪防止剤の開発も強く望まれている。
【0008】そこで、本発明が解決する課題は、安全性が高く、養毛・育毛効果に優れしかも、優れた白髪改善効果を併せて有することを特徴とする養毛育毛、白髪改善頭髪料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課題の解決に向けて、鋭意検討を行った。その結果、植物の抽出物を特定の組合せで併用して配合することで、養毛・育毛効果及び白髪防止効果が顕著に増大することを発見した。
【0010】そして、本発明者らは、スギナEquisetum arvense Linne(Equisetaceae)、マツPinus sylvestrisLinne(Pinaceae)、ゲンチアナGentiana lutea Linne(Gentianaceae)の抽出物を併用して配合することで本発明の課題である養毛・育毛効果及び白髪改善効果を飛躍的に向上させることを見いだし、本発明を完成するに至ったのである。
【0011】また、上記の抽出物に休止期から成長期への変換効果を有するアマチャヅルGynostemmapentaphyllum Makino(Cucurbitaceae)の抽出物、および活性酸素消去効果を有することで知られているテンチャRubussuavissimus Shugan Lee.(Rosaceae)の抽出物を併用して配合することで絶大な育毛・養毛,白髪改善効果を有することを見出したのである。
【0012】さらに、育毛・養毛,白髪改善効果のあるボタンPaeonia suffruticosa Andrews (Poeonia montan Sims)(Paeoniaceae)、シナノキTiliacordata Mill., Tilia platyphyllos Scop.,Tilia europaea Linne (Tiliaceae)、ヒキオコシIsodonjaponicus Hara.,Isodontrichocarpus Kubo(Labiatae)の各植物抽出物を上記の植物抽出物と併用して配合することでも絶大な育毛・養毛,白髪改善効果を有することを見出したのである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明にかかわる植物のスギナは、トクサ科トクサ属の植物であるスギナEquisetum arvense Linne(Equisetaceae)のことをいい、抽出物を得る際の使用部位としては、花、葉、茎、根又は全草を用いることができる。
【0014】マツは、マツ科マツ属の樹木であるマツPinus sylvestris Linne(Pinaceae)のことをいい、特にセイヨウアカマツPinus sylvestrisLinne(Pinaceae)が好ましく、抽出物を得る際の使用部位としては、球果を用いる。
【0015】ゲンチアナは、リンドウ科リンドウ属の植物であるゲンチアナGentiana lutea Linne(Gentianaceae)の根及び根茎より得られる抽出物を用いる。
【0016】アマチャヅルは、ウリ科アマチャヅル属の植物であるアマチャヅルGynostemma pentaphyllum Makino(Cucurbitaceae)のことをいい、抽出物を得る際の使用部位としては、葉を用いる。
【0017】テンチャは、バラ科の植物であるテンチャRubus suavissimus Shugan Lee.(Rosaceae)のことをいい、抽出物を得る際の使用部位としては、葉を用いる。
【0018】ボタンは、ボタン科ボタン属の植物であるボタンPaeonia suffruticosa Andrews(Poeonia montan Sims)(Paeoniaceae)のことをいい、抽出物を得る際の使用部位としては、根皮を用いる。
【0019】シナノキは、シナノキ科シナノキ属の植物であるシナノキTilia cordata Mill.,Tilia platyphyllos Scop.,Tilia europaea Linne(Tiliaceae)のことをいい、抽出物を得る際の使用部位としては、花又は葉を用いる。
【0020】ヒキオコシは、シソ科ヤマハッカ属の植物で別名エンメイソウとも呼ばれているヒキオコシIsodon japonicus Hara.,Isodontrichocarpus Kubo(Labiatae)のことをいい、抽出物を得る際の使用部位としては、花、葉、茎等の地上部を用いることができる。
【0021】本発明の抽出物は、水または/および有機溶剤を用いて抽出される。そして、溶剤を除去した後の乾燥物の状態でも使用することもでき、溶剤に溶解した状態で使用することもできる。そして、この抽出物を混合して含有させることにより本発明の養毛・育毛,白髪改善剤を調製することができる。
【0022】前記各種植物抽出物は人体に対して毒性を有さず、且つ、肌、頭皮に対しても安全であることから、養毛・育毛,白髪改善剤への配合量は特に限定されずに広範囲で選択することができる。抽出物の配合量は、スギナ抽出物は0.0001〜80重量%の範囲内での使用が望ましく、好ましくは1〜70重量%の範囲内が最適である。また、その他の植物抽出物は0.0001〜10重量%の範囲内での使用が望ましく、好ましくは0.01〜3重量%の範囲内が最適である。
【0023】[植物体からの各種抽出物の調製]前記各種植物体の乾燥物をそれぞれ1部に抽出溶剤50部を加え、常温で約3日抽出する。抽出後、上清を採り濾過を行う。この抽出液を、減圧下において水または/および有機溶剤を留去し、各植物体からの各種溶剤による抽出物を得る。
【0024】前記各種植物体から、有効成分を抽出するために使用される溶剤としては、水、低級1価アルコール類 (例えばメタノール、エタノール、n−ブタノール等) 、低級多価アルコール類 (例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等)、エーテル類 (例えばジエチルエーテル等) 、ケトン類 (例えばアセトン、エチルメチルケトン等) 、エステル類 (例えば酢酸エチル) 、ハロゲン化アルカン類(例えばジクロロメタン、クロロホルム等) 、その他ベンゼン、トルエン等の芳香属炭化水素等からなる群から選ばれる溶剤を用いることができる。
【0025】これら溶剤は単独に使用することができるが、2種以上の混合液、例えば20〜80%エタノール水溶液とベンゼン:酢酸エチル(4:1)混合液、及び1,3−ブチレングリコール水溶液を混合して利用することもできる。
【0026】また、本発明の養毛・育毛,白髪改善剤は、前記植物体から水または/および有機溶剤により抽出される抽出物を各種化粧料基剤などに配合して、ヘアトニック、ヘアクリーム、ヘアリキッド、ヘアジェル、ヘアブロー、ヘアムース、ヘアローション、ポマード、ヘアシャンプー、ヘアリンス、乳液等の化粧料に適用できる。また、前記化粧料の形状は、溶液、ゾル、ゲル、エマルジョン、軟膏、オイル、ワックス、スプレー等の各種化粧品形状において適用することができる。さらに、この発明の養毛・育毛,白髪改善剤は他の公知の養毛・育毛,白髪改善剤と併用できるのは勿論である。また、この発明の養毛・育毛,白髪改善剤は、各種界面活性剤、溶剤、色素、香料、防腐剤、抗酸化剤、保湿剤等その他の各種添加剤に対して安定なことを確認の上、これらの各種添加剤等とともに併用適用することも可能である。
【0027】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例】
【0028】処方例1(ヘアシャンプー)

イオン交換水に上記成分を順次混合しシャンプーを得る。
【0029】処方例2(ヘアコンデショナー )

塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、メチルポリシロキサン、セタノールを順次混合し、加熱溶解後油相とする。イオン交換水残りの成分を混合し、加熱溶解後水相する。油相と水相を混合しコンディショナーを得る。
【0030】処方例3(ヘアトニック)

イオン交換水に上記成分を順次混合しヘアトニックを得る。
【0031】処方例4(ヘアエッセンス)

イオン交換水に上記成分を順次混合しヘアエッセンスを得る。
【0032】以下、本発明の育毛効果を具体的に説明する。本発明の効果を確認するため、以下の実験を行った。
【0033】[動物育毛実験法]C3H系マウス(雄、7週齢)の背部の毛(休止期)を電気バリカンで刈った後、除毛フォームを用いて完全に除毛した。次いで、除毛部分に、除毛翌日から、検体を毎日1匹あたり0.1mlずつ塗布した。検体は、50%(w/w)エタノール水溶液で濃度を3(w/w) %に調製した。なお、1試料に対してマウス1群6匹を使用した。毛再生が始まった日より、下記に示す判定基準により、肉眼で評価して、1匹ずつ評価点を付け、6匹分の評価点を合計し、1群あたりの平均評価点を求め、毛再生の速さの比較を行った。塗布開始後、10日目の育毛評価の結果を表2に記載した。コントロールとの評価点の比較にはStudent-Ttestを用いた。
【0034】
【表1】[育毛効果の評価点の判定基準]

【0035】
【表2】

表内の「×」は「配合していない」、「○」は「配合している」を表す。
【0036】表2の結果から明らかなように、上記植物抽出エキス組み合わせ<実施例5>のみのが、毛再生に顕著な効果を示した。また Student-t検定を用いた統計的結果でも、植物抽出エキス組合わせ<実施例5>には、コントロールに比べ危険率1%以下で、毛再生促進効果が著しいことが認められた。
【0037】[育毛効果試験1]男女薄毛および白髪患者20名(年齢30〜59歳)を被験者として、処方例1で調製したヘアシャンプーの効果成分を組合わせたものを1日1回、頭部の左右で使い分ける方法を用いた。パネラーごとに左頭の使用処方を分けて行った。使用評価は、表3の評価基準に従い、試験期間後6カ月目に、使用部位の毛の状態を観察し、官能評価を行い、その結果を表4に示す。
【0038】
【表3】[人での育毛効果および白髪改善効果の判定基準]

【0039】
【表4】

育毛効果および白髪改善効果について上記の評価方法により下記に示した。ただし、使用していない場合は、「−」と記した。
【0040】上記4表において、植物抽出物の3種混合に明らかに育毛効果および白髪改善効果が、顕著に認められた。また、この試験において丘疹、紅斑等の皮膚の異常は認められなかった。上記の効果はヘアシャンプーをヘアコンディショナーに置き換えても同様の結果が得られている。
【0041】[育毛効果試験2]男女薄毛および白髪患者20名(年齢30〜59歳)を被験者として、処方例3のヘアトニックの効果成分を組合わせたものを1日1回、頭部の左右で使い分ける方法を用いた。パネラーごとに左頭の使用処方を分けて行った。評価は、上記の評価基準に従い、試験期間後6カ月目に、塗布部位の毛の状態を観察し、官能評価を行い、その結果を表5に示す。
【0042】
【表5】

育毛効果および白髪改善効果について上記の評価方法を用いて下記に示した。ただし、使用していない場合は、「−」と記した。
【0043】上記表5において、植物抽出物の3種混合及び4種混合に比べアマチャヅル及びテンチャを組合せたものに育毛効果及び白髪改善効果が、さらに顕著に認められた。また、この試験において丘疹、紅斑等の皮膚の異常は認められなかった。
【0044】[育毛効果試験3]男女薄毛および白髪患者20名(年齢30〜59歳)を被験者として、処方例3のヘアエッセンスの効果成分を組合わせたものを下記の表に1日1回、頭部の左右で使い分ける方法を用いた。パネラーごとに左頭の使用処方を分けて行った。評価は、上記の評価基準に従い、試験期間後6カ月目に、塗布部位の毛の状態を観察し、官能評価を行い、その結果を表6に示す。
【0045】
【表6】

育毛効果および白髪改善効果について上記の評価方法を用いて下記に示した。ただし、使用していない場合は、「−」と記した。
【0046】上記表6において、植物抽出物の3種混合及び5種混合に比べボタン、シナノキ、ヒキオコシを組合せたものに育毛効果及び白髪改善効果が、さらに顕著に認められた。また、この試験において丘疹、紅斑等の皮膚の異常は認められなかった。
【0047】
【発明の効果】本発明のシャンプー、コンディショナー、トニック、及びエッセンス等の頭髪料及び頭髪洗浄料は、優れた養毛・育毛効果及び白髪改善効果を有することが上記実施例において証明された。また、各実施例において、使用中及び使用後において毛髪や皮膚等において一切異常が認められなかったことは高い安全性を示すものである。
【出願人】 【識別番号】591230619
【氏名又は名称】株式会社ナリス化粧品
【出願日】 平成13年4月19日(2001.4.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−316917(P2002−316917A)
【公開日】 平成14年10月31日(2002.10.31)
【出願番号】 特願2001−121088(P2001−121088)