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【発明の名称】 油性化粧料
【発明者】 【氏名】江川 裕一郎

【要約】 【課題】塗布時のつや、感触、うるおい感及び化粧持続性に優れ、べたつきの少ない油性化粧料を提供する。

【解決手段】イソパラフィン60〜100質量%及びノルマルパラフィン0〜40質量%を含有する炭化水素からなるワックス組成物と、平均分子量500〜2700のポリブテンを配合した油性化粧料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 イソパラフィン60〜100質量%及びノルマルパラフィン0〜40質量%を含有する炭化水素からなるワックス組成物と、平均分子量500〜2700のポリブテンを配合した油性化粧料。
【請求項2】 上記ワックス組成物の化粧料総量に対する配合比が1〜30質量%、ポリブテンの配合比が5〜60質量%である請求項1記載の油性化粧料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油性化粧料に関するものであり、更に詳細には、塗布時のつや、感触、うるおい感及び化粧持続性に優れ、べたつきの少ない油性化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高粘性の油剤であるポリブテンを配合することにより、塗布時の艶に優れる油性化粧料が得られることは公知である。しかしながら、ポリブテンの配合量が多くなるにしたがってべたつきが増し、感触上好ましい油性化粧料を得ることが難しくなる。このポリブテンの配合によるべたつきを抑制する方法として、ポリブテンとともにメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーン油を配合することが考えられるが、この方法だとべたつきは抑制されるが塗布時の艶が著しく低下してしまい、目的とする油性化粧料を得ることができない。また、ポリブテンとともに通常油性化粧料に用いられるワックスの配合量を増やすことで、べたつきはある程度抑制されるが、塗布時の艶が低下するとともに、肌あたりの柔らかさが損なわれ、感触上好ましくない。以上のように塗布時のつやと感触とうるおい感及び化粧持続性に優れ、べたつきの少ない油性化粧料を得ることは困難であった。
【0003】一方、特開2000−128767号公報には、イソパラフィンを主成分としたワックス組成物をメーキャップ化粧料に配合することによって、油性化粧料の長所である該化粧料の伸展性、付着性を向上させ、油性化粧料の短所であるべたつき、脂ぎった光沢を防止することが記載されている。しかしながら、このイソパラフィンを主成分としたワックス組成物とポリブテンを組み合わせて用いることによる特性については全く知られていなかった。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】斯かる状況下、本発明は、塗布時のつや、感触、うるおい感及び化粧持続性に優れ、べたつきの少ない油性化粧料を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、以上の事情に鑑み鋭意検討した結果、前述したワックス組成物とポリブテンを組み合わせて用いることで、ポリブテンが持つべたつきなど感触上の欠点を解消しながら、ポリブテンの特長である塗布時のつやを損なわず、さらにうるおい感や化粧持続性に優れた油性化粧料が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち本発明は、イソパラフィン60〜100質量%及びノルマルパラフィン0〜40質量%を含有する炭化水素からなるワックス組成物と、平均分子量500〜2700のポリブテンを配合した油性化粧料にある。また該油性化粧料において、前述のワックス組成物の化粧料総量に対する配合比が1〜30質量%、ポリブテンの配合比が5〜60質量%である油性化粧料にある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳説する。
【0008】本発明で用いられるイソパラフィン60〜100質量%及びノルマルパラフィン0〜40質量%を含有する炭化水素からなるワックス組成物(以下、単に本ワックス組成物と記する)は、イソパラフィン及びノルマルパラフィンを該含有量範囲で含有している、炭化水素からなるワックス組成物である。イソパラフィン及びノルマルパラフィン以外の炭化水素を含有していても良い。構成する炭化水素は炭素数20〜45の範囲のものが好ましい。また、融点は30〜55℃であるものが好ましい。この範囲外であると、塗布時の伸展性や肌あたりの柔らかさが失われる等の問題が発生したり、うるおい感が損なわれる場合があり好ましくない。また、25℃における針入度が20〜70のものが好ましい。本ワックス組成物として最も好ましいものとして、例えば「EMW−0003」(日本精鑞社製)等が挙げられる。
【0009】本発明では、上記の本ワックス組成物を油性化粧料中に1〜30質量%配合することが好ましい。1質量%未満では、ポリブテンのべたつきを解消する効果が十分に発揮できない場合があり、また30質量%を超えると、肌での伸展性が損なわれる場合があり好ましくない。
【0010】本発明で用いられるポリブテンは、イソブテンとn−ブテンを共重合して得られる公知の物質であり、安定性向上等を目的として水素添加、蒸留精製などがなされたものが好ましい。このポリブテンの分子量は500〜2700の範囲にあるのが好ましい。分子量が500未満では油性化粧料に塗布時のつやを付与するという点で不十分な場合があり、2700を超えると伸展性、べたつき等感触面で好ましい油性化粧料を得ることが困難となる場合があり好ましくない。さらに油性化粧料を製造する際の取り扱い等を考慮すると800〜1500の範囲がさらに好ましい。
【0011】本発明では上記ポリブテンを5〜60質量%配合することが好ましい。5質量%未満では塗布時のつやを付与するという点で不十分な場合があり、また60質量%を超えると伸展性、べたつき等感触面で好ましい油性化粧料を得ることが困難となる場合があり好ましくない。
【0012】本発明の油性化粧料には上記の必須成分に加え、目的に応じて本発明の効果を損なわない範囲において、化粧料に一般に用いられる成分、例えば油性成分、粉体成分、紫外線吸収剤、保湿剤、酸化防止剤、防腐剤、紫外線散乱剤、界面活性剤、褪色防止剤などを配合することができる。
【0013】本発明で用いる油性成分としては、通常化粧料に用いられる揮発性および不揮発性の、油剤および溶剤並びに樹脂が挙げられ、常温で液体、ペースト、固体であっても構わない。具体的な例としては、例えばセチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の脂肪酸、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ラフィノース等の多価アルコール、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル等のエステル類、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン、パラフィン、セレシン、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリマー等の炭化水素、ラノリン、還元ラノリン、キャンデリラロウ、カルナバロウ等のロウ、ミンク油、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂等が挙げられる。
【0014】また、別の形態の油性成分の例としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アモジメチコーン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等のシリコーン化合物、パーフルオロポリエーテル、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール等のフッ素化合物が挙げられる。
【0015】粉体成分としては、化粧料に一般に配合される成分であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、グンジョウ、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウム、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、水酸化クロム、水酸化アルミニウム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、リン酸カルシウム、窒化ホウ素等の無機紛体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母などの光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、シルクパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、N−アシルリジン、結晶セルロースなどの有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素紛体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素等の複合粉体類等が挙げられる。尚、これらの粉体成分はフッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、水溶性高分子、界面活性剤などにより表面処理を施してあっても良い。
【0016】紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系等が挙げられる。保湿剤としては例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等が挙げられる。防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0017】本発明の油性化粧料としては、例えば口紅、リップグロス、リップクリーム、ファンデーション、アイシャドウ、アイライナー、アイブローなどのメイクアップ化粧料が挙げられる。中でも口紅、リップグロス、アイシャドウ等において本発明の効果が顕著に現れるため好ましい。そして、固形化粧料とすることが効果の面より特に好ましい。
【0018】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。処方は質量%で示す。以下の実施例、比較例で用いた香料は下記のものである。
【0019】
【表1】

【0020】下記表2に示す処方の固形口紅を調製し、感触(のびの軽さ、べたつきのなさ)、塗布時のつや、うるおい感、3時間経過後の化粧持続性について専門パネラー20名により下記の評価基準で官能評価を行った。その結果を表2に併せて示す。
【0021】

【0022】
【表2】

【0023】(製造方法)
A.成分1〜14を均一に混合溶解し、成分15〜19を加え均一に混合分散する。
B.Aを脱気し、型に流し込み、冷却固化、容器にセットして製品とする。
【0024】表2の結果から明らかなように、本発明品である実施例1〜4の口紅は、塗布時のつや、感触、うるおい感及び化粧持続性に優れたものであった。
【0025】表3に示す処方の固形リップグロスを調製し、口紅の場合と同様に評価を行った。その結果を併せて表3に示す。
【0026】
【表3】

【0027】(製造方法)
A.成分1〜14を均一に混合溶解し、成分15〜19を加え均一に混合分散する。
B.Aを脱気し、皿に流し込み、冷却固化、容器にセットして製品とする。
【0028】表3の結果から明らかなように、本発明品である実施例5〜7のリップグロスは、塗布時のつや、感触、うるおい感及び化粧持続性に優れたものであった。
【0029】実施例8(液状リップグロス)
成分1〜7を均一に溶解混合し、それに成分8を加え均一に混合後、更に成分9、10を加え均一に分散する。脱気後、ボトル容器に充填し製品とした。
処方1.本発明のワックス組成物 2 (日本精蝋社製 EMW−0003) 2.パルミチン酸デキストリン 4 3.水素添加ポリブテン(平均分子量約1000) 50 4.リンゴ酸ジイソステアリル 20 5.流動パラフィン 5 6.ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル 残量 7.天然ビタミンE 0.1 8.フッ素処理赤色226号 0.019.酸化チタン被覆ガラス末 2 (日本板硝子社製 メタシャイン1080RC−R) 10.香料 0.1 のびの軽さ ◎ べたつきのなさ ○ 塗布時のつや ◎ うるおい感 ◎ 塗布2時間後の化粧持続性 ◎【0030】
【発明の効果】以上のことから、イソパラフィンを主成分とするワックス組成物とポリブテンを組み合わせて用いることで、ポリブテンが持つべたつきなど感触上の欠点を解消しながら、ポリブテンの特長である塗布時のつやを損なわず、さらにうるおい感や化粧持続性に優れた油性化粧料が得られることは明らかである。
【出願人】 【識別番号】000000952
【氏名又は名称】カネボウ株式会社
【出願日】 平成13年4月19日(2001.4.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−316910(P2002−316910A)
【公開日】 平成14年10月31日(2002.10.31)
【出願番号】 特願2001−120676(P2001−120676)