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【発明の名称】 化粧品用組成物
【発明者】 【氏名】森高 直樹

【氏名】小山 摂司

【氏名】加納 詳子

【要約】 【課題】しっとり感、クリームの伸び等の性能に優れた化粧品用組成物を提供することを目的とする。

【解決手段】トケイソウオイル、チェリーピットオイル、クルミオイルから選択される一種または二種以上の油剤に、アミノ酸類及び/または糖類、更に必要に応じてレシチンを配合してなる化粧品用組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トケイソウオイル、チェリーピットオイル、クルミオイルから選択される一種または二種以上の油剤に、アミノ酸及び/又は糖類を配合してなることを特徴とする化粧品用組成物。
【請求項2】 トケイソウオイル、チェリーピットオイル、クルミオイルから選択される一種または二種以上の油剤に、アミノ酸及び/又は糖類、更にレシチンを配合してなることを特徴とする化粧品用組成物。
【請求項3】 トケイソウオイル、チェリーピットオイル、クルミオイルから選択される一種または二種以上の油剤100重量部に対して、アミノ酸を0.01〜10重量部及び糖類を0.01〜10重量部配合することを特徴とする請求項1あるいは2記載の化粧品用組成物。
【請求項4】 アミノ酸がグリシン、アルギニン、セリンからなる群から選ばれる一種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の化粧品用組成物。
【請求項5】 糖類がトレハロース、ソルビット、マンニトールからなる群から選ばれる一種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の化粧品用組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トケイソウオイル、チェリーピットオイル、クルミオイルから選択される一種または二種以上の油剤を含有し、油うきやしっとり感、クリームの伸びやコク、更には下地クリームとした場合の化粧のりや化粧のくずれにくさに優れた化粧品用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に液体植物油は、流動性、均一性、潤滑性、可食性等の特性を有しており、食品分野に利用されているばかりでなく、化粧品用油脂、薬用油脂、潤滑油、無揮発生溶剤等の基剤としても重要であり、広く利用されている。特に近年においては、動物油が狂牛病等の問題で忌避される傾向にあり、植物油の需要はますます高まっている。
【0003】また、リノール酸は角質層の細胞間間隙に脂質構造を保持しかつ乾燥した皮膚のバリア機能を回復させるのに非常に重要な役割を果たすものである。従って、リノール酸が人体によって合成されない限り、この酸を遊離の酸の形か又はトリグリセリドの形で、局部投与によるか又は経口投与により皮膚組織に供給しなければならないことが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、化粧品として用いた時の油うきやしっとり感、クリームの伸びやコク、化粧くずれ防止等の性能については、まだまだ開発の余地が残されている。本発明は、このような背景下において、上記課題を解決した化粧品としての性能に優れた組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、かかる問題を克服すべく鋭意検討した結果、トケイソウオイル、チェリーピットオイル、クルミオイルから選択される一種または二種以上の油剤に、アミノ酸及び/又は糖類を配合してなる化粧品用組成物が、上記目的と合致することを見いだし、本発明を完成した。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
【0007】トケイソウオイル(passion flower oil)としては、トケイソウの実の種子から得られるものが好適に使用できる。
【0008】チェリーピットオイル(cherry pit oil)としては、チェリーフルーツ(サクランボの果実)の核から得られるものが好適に使用できる。
【0009】クルミオイル(walnut oil)としては、クルミの実から得られる乾性油が好適に使用できる。
【0010】これら上記の油はリノール酸を含有したものであり、使用に際してはこれを濃縮してリノール酸含有量を高めたもの、あるいはこれらと他の成分を調製した油脂でも差し支えない。
【0011】本発明に用いるアミノ酸類としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、シスチン、プロリン、メチオニン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アルギニン、ヒスチジン、δ−アミノ酪酸、ピロリドンカルボン酸塩、ε−アミノカプロン酸、トリメチルグリシン(ベタイン)等が挙げられるが、グリシン、アルギニン、セリンが好ましく用いられる。
【0012】又、本発明に用いる糖類としては、ソルビット、マンニトール、ブドウ糖、蔗糖、白糖、果糖、キシリトール、乳糖、麦芽糖、トレハロース等が挙げられるが、ソルビット、トレハロース、マンニトールが好ましく用いられる。
【0013】本発明においては、上記トケイソウオイル、チェリーピットオイル、クルミオイルから選択される一種または二種以上の油剤に、アミノ酸類及びまたは糖類を配合することにより、化粧品配合用の組成物として用いたときの油うき、しっとり感、クリームののび、コク、更には化粧の下地クリームとした場合の化粧のりや化粧のくずれにくさといった性能に優れた効果を示す。更に上記トケイソウオイル、チェリーピットオイル、クルミオイルから選択される一種または二種以上の油剤に、アミノ酸類及び/又は糖類に加え、更にレシチンを配合するとき、本発明の効果を顕著に示す。該レシチンとしては、大豆レシチン、卵黄レシチンが好ましく用いられる。
【0014】本発明において上記組成物の配合量は、トケイソウオイル、チェリーピットオイル、クルミオイルから選択される一種または二種以上の油剤100重量部に対して、アミノ酸類を0.01〜10重量部及び糖類を0.01〜10重量部含有することが好ましく、更にはアミノ酸類を1.0〜9重量部及び糖類を0.1〜5重量部である。アミノ酸類あるいは糖類の配合量が10重量部を越えると 油剤への着色やオイルのにごりの原因となり、一方0.01重量部未満では組成物の効果が出ず、油うきや化粧くずれの原因となり好ましくない。
【0015】又、アミノ酸類と糖類を併用する場合、その配合割合は1/2〜10/1〔アミノ酸類/糖類(重量比)〕が好ましく、更には1/2〜5/1である。
【0016】更に、組成物がアミノ酸類や糖類以外にレシチンを含む場合、その配合割合はトケイソウオイル、チェリーピットオイル、クルミオイルから選択される一種または二種以上の油剤100重量部に対して、レシチンが、0.01〜50重量部、好ましくは0.1〜30重量部とすることが有利である。
【0017】
【実施例】以下、本発明について実施例を挙げて更に詳しく説明する。尚、実施例中、「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
実施例1トケイソウオイル100部に対してグリシンを8.3部、トレハロースを4.2部、大豆レシチンを16.7部配合した。得られた組成物から下記の組成のクリームを調製した。
【0018】クリーム組成上記組成物 15.5%ステアリン酸 4.0%セタノール 2.0%パルミチン酸セチル 2.0%1、3−ブチレングリコール 6.0%精製水 70.5%【0019】得られたクリームについて、以下の評価項目についてパネラー10人にて以下のように判定した。
(1) しっとり感○・・・8人以上が良好と認めた△・・・4〜7人が良好と認めた×・・・4人未満が良好と認めた(2) クリームののび○・・・8人以上が良好と認めた△・・・4〜7人が良好と認めた×・・・4人未満が良好と認めた(3)クリームのコク○・・・8人以上が良好と認めた△・・・4〜7人が良好と認めた×・・・4人未満が良好と認めた(4)下地クリームとしたときの化粧のり○・・・8人以上が良好と認めた△・・・4〜7人が良好と認めた×・・・4人未満が良好と認めた(5)下地クリームとしたときの化粧のくずれにくさ○・・・8人以上がくずれにくいことを認めた△・・・4〜7人がくずれにくいことを認めた×・・・4人未満がくずれにくいことを認めた結果を表1に示した。
【0020】実施例2実施例1でグリシン8.3部に替えて、アルギニン8.3部を用いた以外は実施例1と同様の実験をした。
【0021】実施例3実施例1でグリシン8.3部に替えて、セリン8.3部を用いた以外は実施例1と同様の実験をした。
【0022】実施例4実施例1でトレハロース4.2部に替えて、ソルビット4.2部を用いた以外は実施例1と同様の実験をした。
【0023】実施例5実施例1でトレハロース4.2部に替えて、マンニトール4.2部を用いた以外は実施例1と同様の実験をした。
【0024】実施例6実施例1でグリシン8.3部に替えて、精製水8.3部を用いた以外は実施例1と同様の実験をした。
【0025】実施例7実施例1でトレハロース4.2部に替えて、精製水4.2部を用いた以外は実施例1と同様の実験をした。
【0026】実施例8実施例1でレシチン16.7部に替えて、精製水16.7部を用いた以外は実施例1と同様の実験をした。
【0027】比較例1実施例1でグリシン、トレハロースの使用を省略した替わりに、精製水12.5部を用いた以外は実施例1と同様の実験を行った。
【0028】比較例2実施例1でトケイソウオイル100部の替わりに、流動パラフィン100部を用いた以外は実施例1と同様の実験をした。
【0029】比較例3実施例1でトケイソウオイル100部の替わりに、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル100部を用いた以外は実施例1と同様の実験をした。
【0030】比較例4実施例1でトケイソウオイル100部の替わりに、月見草油100部を用いた以外は実施例1と同様の実験をした。実施例1〜8、比較例1〜4の結果を表1に示した。
【0031】
【表1】

【0032】アミノ酸、糖類無配合の比較例1、トケイソウオイルとは異なる油剤を配合した比較例2〜4のクリームに比べ、トケイソウオイルとアミノ酸及び/又は糖類を配合した実施例1〜8のクリームの方が、しっとり感、クリームののび、クリームのコク、下地クリームとしたときの化粧のり、下地クリームとしたときの化粧のくずれにくさの点で優れていることが示された。
【0033】実施例9実施例1でトケイソウオイル100部の替わりに、チェリーピットオイル100部を用いた以外は実施例1と同様の実験をした。
【0034】実施例10実施例1でトケイソウオイル100部の替わりに、クルミオイル100部を用いた以外は実施例1と同様の実験をした。
【0035】比較例5実施例9でグリシン、トレハロースの使用を省略した替わりに、精製水12.5部を用いた以外は実施例1と同様の実験を行った。
【0036】比較例6実施例10でグリシン、トレハロースの使用を省略した替わりに、精製水12.5部を用いた以外は実施例1と同様の実験を行った。実施例9〜10、比較例5〜6の結果を表2に示した。
【0037】
【表2】

【0038】チェリーピットオイル、クルミオイルとアミノ酸及び糖類を配合した実施例9〜10のクリームの方が、アミノ酸、糖類無配合の比較例5〜6のクリームに比べ、しっとり感、クリームののび、クリームのコク、下地クリームとしたときの化粧のり、下地クリームとしたときの化粧のくずれにくさの点で優れていることが示された。
【0039】実施例11 エモリエントクリーム次の処方に従い、常法によりエモリエントクリームを製造した。
POE(40)モノステアリン酸 2.0% 自己乳化型モノステアリン酸グリセリル 5.0% ステアリン酸 2.0% セタノール 2.0% スクワラン 10.0% トケイソウオイル 6.0% メチルポリシロキサン(350cSt) 0.2% 防腐剤 適量 1,3−ブチレングリコール 7.0% 水添大豆レシチン 0.5% マンニトール 0.2% グリシン 0.4% 精製水 残余【0040】実施例12 サンスクリーンクリーム次の処方に従い、常法によりサンスクリーンクリームを製造した。
ペンタステアリン酸デカグリセリル 0.95% ステアロイル乳酸ナトリウム 0.3% ベヘニルアルコール 3.75% クルミオイル 4.0% トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 3.0% パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 6.0% オキシベンゾン 2.0% 防腐剤 適量 1,3−ブチレングリコール 5.0% ソルビット 0.2% L−セリン 0.2% キサンタンガム 0.3% 精製水 残余【0041】実施例13 クレンジングクリーム次の処方に従い、常法によりクレンジングクリームを製造した。
モノステアリン酸POE(20)ソルビタン 2.0% テトラオレイン酸POE(40)ソルビトール 1.0% 自己乳化型モノステアリン酸グリセリル 2.0% ステアリン酸 4.0% セタノール 2.0% パルミチン酸セチル 2.0% パラフィン(135°F) 2.0% 流動パラフィン 30.0% パルミチン酸イソプロピル 10.0% チェリーピットオイル 10.0% 防腐剤 適量 1,3−ブチレングリコール 5.0% L−アルギニン 0.5% トレハロース 0.3% 精製水 残余【0042】実施例14 乳液次の処方に従い、常法により乳液を製造した。
モノステアリン酸POE(20)ソルビタン 1.0% テトラオレイン酸POE(40)ソルビトール 1.5% 親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0% ステアリン酸 0.5% ベヘニルアルコール 1.5% パルミチン酸セチル 0.5% トケイソウオイル 5.0% 2−エチルヘキサン酸セチル 5.0% メチルポリシロキサン(100cSt) 0.5% 防腐剤 適量 水添大豆レシチン 0.1% 1,3−ブチレングリコール 7.0% グリシン 0.4% トレハロース 0.25% キサンタンガム 0.1% 精製水 残余【0043】実施例15 ピールオフパック次の処方に従い、常法によりピールオフパックを製造した。
POE(50)硬化ヒマシ油 2.0% 酸化チタン 6.0% カオリン 3.0% 濃グリセリン 2.8% 水添大豆レシチン 0.1% L−セリン 0.3% トレハロース 0.2% トケイソウオイル 4.0% ポリビニルアルコール 12.0% エタノール 12.0% ホエイ 0.1% 酢酸dl−α−トコフェロール 0.01% パルミチン酸レチノール 0.01% リン酸L−アスコルビルマグネシウム 0.01% クマコケモモエキス 0.02% 香料 適量 防腐剤 適量 精製水 残余【0044】実施例16 クリームファンデーション次の処方に従い、常法によりクリームファンデーションを製造した。
親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0% ステアリン酸 4.0% ベヘニルアルコール 1.0% セタノール 0.5% 液状ラノリン 2.5% トケイソウオイル 4.0% α−オレフィンオリゴマー 4.0% 顔料 10.0% 水添大豆レシチン 0.3% パーフルオロポリエーテル 0.2% 防腐剤 適量 1,3−ブチレングリコール 8.0% ソルビット 0.2% グリシン 0.3% トリエタノールアミン 1.5% 精製水 残余【0045】実施例17 クリームリンス次の処方に従い、常法によりクリームリンスを製造した。
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 4.0% モノステアリン酸グリセリル 1.0% セタノール 2.5% チェリーピットオイル 2.0% プロピレングリコール 5.0% 防腐剤 適量 加水分解コラーゲン末 0.5% グリシン 0.1% マンニトール 0.1% 精製水 残余【0046】
【発明の効果】本発明は、トケイソウオイル、チェリーピットオイル、クルミオイルから選択される一種または二種以上の油剤に、アミノ酸類及び/または糖類、更に必要に応じレシチンを配合した化粧品用組成物で、化粧品に用いられたときには、油うきやしっとり感、クリームの伸びやコク、更には下地クリームとした場合の化粧のりやくずれにくさといった点に非常に優れた効果を示す。
【出願人】 【識別番号】595048544
【氏名又は名称】株式会社ちふれ化粧品
【出願日】 平成13年4月11日(2001.4.11)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−308718(P2002−308718A)
【公開日】 平成14年10月23日(2002.10.23)
【出願番号】 特願2001−112353(P2001−112353)