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【発明の名称】 ポリアミノ酸誘導体を含有する抗シワ組成物と皮膚のシワに抗するための該化合物の用途
【発明者】 【氏名】ミシェル フィリップ

【氏名】シルヴィ ベナール

【要約】 【課題】皮膚又は粘膜に適用され、ヒトの皮膚のシワ及び/又はコジワを処置、すなわち低減させ、消失させ及び/又はなめらかにするための組成物を提供する。

【解決手段】次の式(I):【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 次の式(I):【化1】

[上式中:− Xは、-O-、-S-及び-NR-から選択され、Rは水素原子又は直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-C炭化水素ベース基を表し、− Rは:(i)水素原子、(ii)N、O及びSiから選択される少なくとも1つのヘテロ原子が挿入されていてもよく;及び/又はR'及びR''が互いに独立して、水素原子又は直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-C炭化水素ベース基を表す-NR'R''基又はヒドロキシル基の少なくとも1つで置換されていてもよい直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-C40炭化水素ベース基、(iii)次の式:【化2】

(上式中:− mは1、2、3、4又は5であり:− sは0〜4の整数であり;
− Rは水素原子、-NH、-OH、-SH、-CHOHCH、-CONH、次の式:【化3】

の基、-C又は-CpOHを表す)のものから選択される基、から選択され、− Rは水素原子、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-C炭化水素ベース基、又は-CHOH、-CHOH-CH、-CH、-CHp-OH及びtが1、2、3、4又は5である-(CH)-NHから選択される基を表し;
− Rは水素原子、又は直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-C炭化水素ベース基を表し、− nはポリアミノ酸誘導体の分子量が200〜200000になるような1を越える繰り返し単位の平均数であり、繰り返し単位は同じ化合物で同一であるか又は異なっており、R及び/又はRはこれらの基に付与される他の意味の少なくとも1つをとる]の少なくとも1つの化合物又はその無機又は有機塩を、生理学的に許容可能な媒体中に含有してなる抗シワ組成物。
【請求項2】 XがO、S又はN-CHを表す請求項1に記載の組成物。
【請求項3】 Rが水素原子;直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和の、特にC-C20であるC-C22炭化水素ベース基、又は次の式:【化4】

(上式中、m、s及びRは上述した意味を有する)から選択される基を表す請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】 Rが水素原子、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-C炭化水素ベース基、又は-CHp-OH基を表す請求項1ないし3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】 Rが水素原子、又は特にメチル又はエチルである直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-C炭化水素ベース基を表す請求項1ないし4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】 Rが次の式:C1531-CH(OH)-CH(CHOH)-C1021-CH(C17)-CH-C1633-C17-CH=CH-C16-【化5】

CH(OH)-CH(OH)-CH(OH)-CH(OH)-CH(OH)-CH-の一つを表す請求項1ないし5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】 nが3〜500、及び/又はポリアミノ酸誘導体の分子量を300〜50000にするものである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】 式(I)の化合物が、組成物の全重量に対して0.001〜30重量%の量、好ましくは組成物の全重量に対して0.01〜15重量%の量で、単独で又は混合物として存在する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】 化粧品的又は製薬的に許容可能な媒体を含有する化粧品用又は製薬用組成物の形態である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】 特にラクトアルブミン等の乳タンパク質、大豆タンパク質及びオート麦誘導体等の植物性タンパク質であるタンパク質又はタンパク質加水分解物;DNA等の核酸のような、張りを付与する薬剤をさらに含有する請求項1ないし9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】 水性、水性-アルコールもしくは油性の溶液;クリーム型のソフトな、半固体状又は固体状のコンシステンシーを有するか、又はミルク型の液体又は半液体状のコンシステンシーを有する水中油型、油中水型又は多相エマルション;水性又は油性のゲル;液状、ペースト状又は固体状の無水製品;ローション又は漿液型で水性もしくは油性の分散液又は溶剤分散液;マイクロエマルション;マイクロカプセル;微小粒子又はイオン性又は非イオン性の小胞分散液;流体、増粘又はゲル化、半固体状又はソフトなペースト状の形態;スティック又はチューブ状等の固体状の形態;白色又は有色のクリーム、軟膏、ミルク、ローション、漿液、ペースト又はムース;エアゾール;棒状の形態等の固体状の形態である請求項1ないし10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】 特に皮膚を輝くように見せるためのシワ又は疲れに抗するための組成物としての、顔、首、手又はボディの皮膚の保護用又は手入れ用製品の形態;又は口紅、ファンデーション、ティントクリーム又は棒状コンシーラ等の、顔又はボディの皮膚のメークアップ用組成物の形態;又は抗日光用組成物又は人工的にサンタン状態にするための組成物である請求項1ないし11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】 顔及び/又は首の皮膚用の抗シワ組成物の形態である請求項1ないし12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】 皮膚のシワ及び/又はコジワを低減させ、消失させ及び/又はなめらかにするための、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の式(I)の少なくとも1つ化合物からなる薬剤。
【請求項15】 皮膚のシワ及び/又はコジワを低減させ、消失させ及び/又はなめらかにするための製薬用組成物の調製に使用される、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の式(I)の少なくとも1つの化合物からなる薬剤。
【請求項16】 皮膚のシワ及び/又はコジワを低減させ、消失させ及び/又はなめらかにするための張りを付与する薬剤としての、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の式(I)の少なくとも1つの化合物からなる薬剤。
【請求項17】 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の式(I)の少なくとも1つの化合物を含有する組成物をシワ及び/又はコジワに適用することからなる、シワのある皮膚の美容処理方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚又は粘膜、特に顔に適用することを意図した組成物、特に化粧品用又は皮膚科用組成物における、ヒトの皮膚のシワ及び/又はコジワを処置する、すなわち低減させ、消失させ及び/又はなめらかにするためのポリアミノ酸誘導体の用途に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】加齢の進行過程においては、特に皮膚構造及び機能の変化に反映される種々の特徴的な兆候が皮膚に現れる。皮膚の加齢の主な臨床的徴候は、特にシワ及び/又はコジワの出現であり、これは年齢と共に増加する。皮膚の「きめ(grain)」の乱れが特に観察され、すなわち微起伏が不均質になり、不均等性(anisotropic)を示すようになる。加齢に抗することができる活性剤、例えばα-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸及びレチノイド類を含有する化粧品用又は皮膚用組成物を使用して、これらの加齢の兆候を処置することが行われている。これらの活性剤はシワに作用し、皮膚から死亡した細胞を除去して、細胞再生プロセスを加速させる。しかしながら、これらの活性剤は、所定の期間適用されるまでは、シワの処置には有効ではないという欠点を有している。しかして、シワ及び/又はコジワをすばやく滑らかにし、一時的であるにせよ、疲れの兆候を消失させるといった即時的効果を得るための試みは、ますます増えつつある。
【0003】しかして、特に、皮膚に張りを付与する薬剤としてポリマー粒子の水性分散液を使用するとことが提案されており、皮膚を滑らかにすることによりシワが隠れる。しかしながら、これらの組成物は常に水性形態であり、第1に細菌学的な問題があり、第2に、水の存在でメークアップがあまりに容易に除去されてしまうというおそれがある。特に、この溶液では水に対する良好な残留性を示す組成物を調製することはできない。
【0004】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本出願人は、驚くべきことにまた予期しないことに、特定のポリマーを使用することで、「覆隠性(camouflaging)」が改善され、及び/又は既に形成されているシワ及び/又はコジワを消失させることができ、この効果が直ぐに得られる、皮膚に適用可能な組成物が得られることを見出した。特に、本発明において使用されるポリマーは、特に有効な張りを付与する薬剤を構成する。「張りを付与する薬剤(tensioning agent)」という用語は、張りを付与する効果を有し得る化合物、すなわち、この張りを付与する効果により、皮膚に張りを与え、皮膚を滑らかにし、皮膚のシワ及びコジワを即座に低減しあるいは消失すらさせる化合物を意味する。よって、本発明の主題の一つは、生理学的に許容可能な媒体中に、以下に定義する式(I)の少なくとも1つの化合物を含有してなる抗シワ組成物にある。本発明の他の主題は、式(I)の少なくとも1つの化合物、又はそれを含有する化粧品用組成物の、皮膚のシワ及び/又はコジワを低減させ、消失させ及び/又はなめらかにするための使用にある。本発明の他の主題は、式(I)の少なくとも1つの化合物の、皮膚のシワ及び/又はコジワを低減させ、消失させ及び/又はなめらかにするための製薬用組成物の製造における使用にある。また本発明の他の主題は、式(I)の少なくとも1つの化合物、又はそれを含有する組成物の、皮膚のシワ及び/又はコジワを低減させ、消失させ及び/又はなめらかにするための張りを付与する薬剤としての使用にある。さらに本発明の他の主題は、式(I)の少なくとも1つの化合物を含有する組成物をシワ及び/又はコジワに適用することからなる、シワのある皮膚の美容処理方法にある。
【0005】本発明に係る化合物は、非常に良好な皮膚に張りを付与する力を有していることが見出された。本発明に係る組成物は適用が容易で、簡単にのばすことができる。また、適用後直ちに、皮膚表面のシワ及びコジワを消失させることができる。本発明の組成物は、特に顔及び/又は首、中でもネックラインに適用することができる。さらに、これらの化合物の合成は非常に早く、容易に工業化できる。これらの化合物は十分に明確になっているアミノ酸から調製され、高度な再現性を有するオリゴマー及びポリマーを生じる。このことは、バッチの定義と再現性を管理することは非常に困難である天然の製品と比較すると大きな利点である。本発明に係る組成物は軽いテクスチャーを示し、一日中つけていても非常に快適である。また、それらにより皮膚上において、ソフトで、しなやかで(supple)、弾性があり、フレキシブルであり、非常に良好な保持力を有し;ひび割れ及び/又は剥離を生じることなく、付着している基体の動きに追随する皮膜を得ることができる。特に、顔の皮膚に完全に付着する。
【0006】よって、本発明に使用される化合物は、次の式(I):【化6】

[上式中:− Xは、-O-、-S-及び-NR-から選択され、Rは水素原子又は直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-C炭化水素ベース基を表し、− Rは:(i)水素原子、(ii)N、O及びSiから選択される少なくとも1つのヘテロ原子が挿入されていてもよく;及び/又はR'及びR''が互いに独立して、水素原子又は直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-C炭化水素ベース基を表す-NR'R''基又はヒドロキシル基の少なくとも1つで置換されていてもよい直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-C40炭化水素ベース基、(iii)次の式:【化7】

(上式中:− mは1、2、3、4又は5であり:− sは0〜4の整数であり;
− Rは水素原子、-NH、-OH、-SH、-CHOHCH、-CONH、次の式:【化8】

の基、-C又は-CpOHを表す)のものから選択される基、から選択され、− Rは水素原子、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-C炭化水素ベース基、又は-CHOH、-CHOH-CH、-CH、-CHp-OH及びtが1、2、3、4又は5である-(CH)-NHから選択される基を表し;
− Rは水素原子、又は直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-C炭化水素ベース基を表し、− nはポリアミノ酸誘導体の分子量が200〜200000になるような1を越える繰り返し単位の平均数であり、繰り返し単位は同じ化合物で同一であるか又は異なっており、R及び/又はRはこれらの基に付与される他の意味の少なくとも1つをとる]に相当するホモポリマーである。
【0007】また、式(I)の化合物は化粧品又は製薬における使用に適合性のある無機又は有機塩類の形態である。好ましくは、XはO、S又はN-CHである。好ましくは、Rは水素原子;直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-C22、特にC-C20炭化水素ベース基、又は次の式:【化9】

(上式中、m、s及びRは上述した意味を有する)から選択される基を表す。好ましくは、Rは水素原子、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-C炭化水素ベース基、又は-CHp-OHを表す。好ましくは、Rは水素原子、又は直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-C炭化水素ベース基、特にメチル又はエチルを表す。
【0008】特に、式(I)の化合物として、Rが次の式:C1531-CH(OH)-CH(CHOH)-C1021-CH(C17)-CH-C1633-C17-CH=CH-C16-【化10】

CH(OH)-CH(OH)-CH(OH)-CH(OH)-CH(OH)-CH-の一つを表すものを挙げることができる。好ましくは、nは3〜500、及び/又はポリアミノ酸誘導体の分子量を300〜50000にするものである。
【0009】式(I)のポリアミノ酸誘導体は当業者によく知られているプロセス、特に、次の式:【化11】

の少なくとも1つのN-カルボキシ無水物と、R、R、R及びXが上述した式(I)と同様の意味を有する式R-XHの求核性化合物との間で重縮合反応させることにより得ることができる。このプロセスは、特に仏国特許出願第2776510号に記載されている。
【0010】ポリアミノ酸誘導体は、組成物の全重量に対して0.001〜30重量%、好ましくは組成物の全重量に対して0.01〜15重量%の量で、単独で又は混合物として使用されうる。本発明の化合物は、様々な用途、特に化粧品用又は製薬用組成物における用途を有しており、よって生理学的に許容可能な媒体、特に化粧品的又は製薬的に許容可能な媒体を含有する。この媒体、その成分、その量、組成物の提供形態及びその調製方法は、組成物の所望されるタイプに応じて、当業者自身の知識に基づいて選択されるであろう。
【0011】一般的に、この媒体は無水又は水性でありうる。組成物が水相を含有する場合、該相は水、花の水及び/又は鉱水を含有してよい。前記相は、アルコール類、例えばC-Cモノアルコール及び/又はポリオール、例えばグリセロール、ブチレングリコール、イソプレングリコール、プロピレングリコール又はポリエチレングリコールをさらに含有することができる。
【0012】また組成物は、特に、25℃で液状である脂肪物質、例えば、揮発性又は非揮発性の動物、植物、鉱物又は合成由来の油;25℃で固体状の脂肪物質、例えば、動物、植物、鉱物又は合成由来のロウ;ペースト状の脂肪物質;ガム類;それらの混合物からなる脂肪相をさらに含有してもよい。揮発性油は、一般的に、25℃で少なくとも0.5ミリバール(すなわち50Pa)の飽和蒸気圧を有する油である。
【0013】脂肪相の成分としては、− 3〜8、好ましくは4〜6のケイ素原子を有する環状揮発性シリコーン類;
− ジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサン型のシクロコポリマー類;
− 2〜9のケイ素原子を有する直鎖状揮発性シリコーン類;
− 炭化水素ベースの揮発性油、例えばイソパラフィン類、特にイソドデカン及びフッ化油;
− ポリ(C-C20)アルキルシロキサン類、特にトリメチルシリル末端基を有するもので、直鎖状のポリジメチルシロキサン類及びアルキルメチルポリシロキサン類、例えばセチルジメチコーン(CTFA名)、− フッ化されていてもよい脂肪族及び/又は芳香族基、又はヒドロキシル、チオール及び/又はアミン基等の官能基で変性されたシリコーン類、− フェニルシリコーン油;
− 動物、植物又は鉱物由来の油、特に、ポリオールの脂肪酸エステル類から形成される動物性又は植物性油、特に、流動トリグリセリド類、例えばヒマワリ油、コーン油、大豆油、ゼニアオイ油(marrow oil)、グレープシード油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アプリコット油、アルモンド油又はアボカド油;魚油、トリカプロカプリル酸グリセリル、又はRが7〜19の炭素原子を有する高級脂肪酸残基を表し、Rが3〜20の炭素原子を有する分枝状の炭化水素ベース鎖を表す式RCOORの植物性又は動物性油、例えばプルセリン(purcellin)油;流動パラフィン、流動ワセリン、ペルヒドロスクワレン、小麦胚芽油、美葉油(beauty-leaf oil)、ゴマ油、マカダミア油、グレープシード油、菜種油、ヤシ油、グランドナッツ油、パーム油、ヒマシ油、ホホバ油、オリブ油又は穀物胚芽油;脂肪酸エステル類;アルコール類;アセチルグリセリド類;オクタン酸、デカン酸又はリシノール酸のアルコール又はポリアルコール;脂肪酸トリグリセリド類;グリセリド類;
− フッ化油及び過フッ化油:− シリコーンガム類;
− 動物、植物、鉱物又は合成由来のロウ類、例えばマイクロクリスタリンワックス、パラフィン、ペトロラタム、ワセリン(petroleum jelly)、オゾケライト又はモンタンロウ;ミツロウ、ラノリン及びその誘導体;キャンデリラロウ、オーリクリーロウ、カルナウバロウ、モクロウ、ココアバター、コルク繊維ロウ又はサトウキビロウ;25℃で固体状の硬化油、オゾケライト、25℃で固体状のグリセリド類及び脂肪エステル類;ポリエチレンロウ及びフィッシャー-トロプシュ合成法により得られるロウ;25℃で固体状の硬化油;ラノリン;25℃で固体状の脂肪エステル類;シリコーンロウ;又はフッ化ロウ;を挙げることができる。
【0014】またさらに、組成物は、考慮される適用分野で通常使用されている任意の添加剤、例えば界面活性剤、酸化防止剤、香料、精油、防腐剤、化粧品用又は製薬用活性剤、ビタミン類、必須脂肪酸、スフィンゴ脂質、自己サンタン剤、サンスクリーン剤、皮膜形成ポリマー、増粘剤、ゲル化剤、着色料、顔料、フィラー及び真珠母をさらに含有してもよい。言うまでもなく、当業者であれば、考慮される添加により、本発明の組成物の有利な特性が悪影響を受けないか、実質的に受けないように留意して、任意の付加的な化合物及び/又はその量を選択するであろう。
【0015】本発明の組成物は、局所適用に通常使用される任意の製薬的形態、特に、水性、水性-アルコールもしくは油性の溶液;クリーム型のソフトな、半固体状又は固体状のコンシステンシーを有するか、又はミルク型の液体又は半液体状のコンシステンシーを有する水中油型、油中水型又は多相エマルション;水性又は油性のゲル;液状、ペースト状又は固体状の無水製品;ローション又は漿液型で水性もしくは油性の分散液又は溶剤分散液;マイクロエマルション;マイクロカプセル;微小粒子又はイオン性又は非イオン性の小胞分散液;流体、増粘又はゲル化、半固体状又は柔軟なペースト状の形態;固体状の形態、例えばスティック又はチューブ状の形態であってよい。この組成物は、多かれ少なかれ流動的であってよく、白色又は有色のクリーム、軟膏、ミルク、ローション、漿液、ペースト又はムースの外観を有するものであってよい。それらは、場合によってはエアゾールの形態で皮膚に適用することもできる。またそれらは固体状の形態、例えば棒状の形態にすることもできる。さらに、皮膚のメークアップ用製品として、及び/又は手入れ用製品として使用することもできる。
【0016】本発明の組成物がエマルションである場合、脂肪相の割合は、組成物の全重量に対して5〜80重量%、好ましくは5〜50重量%の範囲である。エマルションの形態の組成物に使用される脂肪物質、乳化剤及び共乳化剤は、従来より考慮される分野で使用されているものから選択される。乳化剤と共乳化剤は、組成物の全重量に対して0.3〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%の範囲の割合で組成物中に存在する。さらに、本発明において使用される張りを付与する薬剤は、本発明で使用される薬剤とは異なる特性を有する張りを付与する薬剤として当業者に知られている他の化合物、特にタンパク質及びその加水分解物と組合せることができる。この種の化合物としては、例えば乳タンパク質、例えばラクトアルブミン、植物性タンパク質、例えばLSN社からエレセリル(Eleseryl)の名称で販売されている大豆タンパク質、又はシラブ社(Silab)からレダクチン(Reductine)の名称で販売されているオート麦誘導体、及び核酸、例えばDNAを挙げることができる。
【0017】本発明の組成物は、特に皮膚、粘膜及び/又は半粘膜用の、化粧品用又は製薬用組成物としての用途を有している。それらは、特に顔、首、手又はボディの皮膚の保護用又は手入れ用製品、特に皮膚を輝くように見せるためのシワ又は疲れに抗するための組成物としての用途が知見されている。また顔又はボディの皮膚のメークアップ用組成物、例えば口紅、ファンデーション、ティントクリーム(tinted cream)又は棒状コンシーラ;又は抗日光用組成物又は人工的にサンタン状態にするための組成物における使用も考慮されている。本発明の組成物は、特に顔及び/又は首の皮膚用の抗シワ組成物を構成する。
【0018】
【実施例】以下の実施例により、本発明をより詳細に例証する。
実施例1R=CH、X=O、R=-CH-C-pOH、R=H及びn=100(理論的指標)である式(I)の化合物の調製20g(0.096mol)のチロシン-N-カルボキシ無水物、0.51g(0.003mol)のメタノールにナトリウムメトキシドが入ったもの、及び200mlの無水テトラヒドロフランを、撹拌しながら500mlの丸底フラスコに入れた。混合物を60℃で6時間、激しく撹拌した。かなりのCOが放散した。反応の終わりに、10mlの水を添加した。溶媒を減圧下で蒸発させた。15gの黄色いパウダーが、収率96%で得られた。
【0019】実施例2R=H、X=O、R=H、R=CH、R'=-CH-C-pOH、及びR'=Hである式(I)の化合物の調製1.34g(6.5mmol)のチロシン-N-カルボキシ無水物、0.083g(0.72mmol)のサルコシン-N-カルボキシ無水物、10mlの無水ジオキサン及び0.043mlの0.03%のトリエタノールアミンジオキサン溶液を、撹拌しながら25mlの丸底フラスコに入れた。混合物を37℃で24時間加熱した。かなりのCOが放散した。溶媒を減圧下で蒸発させた。1.3gの黄色いパウダーが得られた。チロシン単位に対するサルコシン単位の理論比は9である。
【0020】実施例3R=-(CH)-CH(NH)-COOH、X=NH、R=H、R=CH、R'=-CH-C-pOH、及びR'=Hである式(I)の化合物の調製4.5g(22.7mmol)のチロシン-N-カルボキシ無水物、0.5g(4.5mmol)のサルコシン-N-カルボキシ無水物、50mlの無水テトラヒドロフラン、及び1.5ml(0.21mmol)の1%のL-リジンジオキサン溶液を、激しく撹拌しながら、コンデンサー及びバブラーを具備する100mlの丸底フラスコに入れた。混合物をTHFの還流点で6時間加熱した。かなりのCOが放散した。20℃まで冷却した後、全体を撹拌しつつ50mlの酢酸エチルで沈殿させ、3番の焼結漏斗で濾過し、真空下、40℃で乾燥させた。3.7gの白色パウダーが得られた。サルコシン単位に対するチロシン単位の理論比は5である。
【0021】実施例4:抗シワクリーム次のものを含有する(重量%)油中水型エマルションを調製した:A相− 水素化ポリイソブテン 5.5%− ネオペンタン酸イソステアリル 3.5%− PEG-20ステアラート 1%− ステアリン酸グリセリル+PEG-100ステアラート 2%− セチルアルコール 0.5%− ステアリルアルコール 0.5%− ステアリン酸 1%B相− シクロメチコーン 11%C相− ポリアクリルアミド+C13-C14イソパラフィン+ ラウレス(Laureth)-7 1%D相− 実施例1の化合物 7%− 水 25%E相− 防腐剤 適量− トリエタノールアミン 0.03%− 脱塩水 全体を100%にする量A相を均質になるまで撹拌しつつ加熱した。冷却後、B相を添加した。E相を撹拌しつつ加熱し、ついでEを撹拌し続けながらAに注いだ。50℃まで冷却した後、C相、続いてD相をエマルションに入れた。抗シワクリームとして使用可能な油中水型エマルションが得られた。
【0022】実施例5:抗加齢漿液次のもの(重量%)を互いに混合することにより、漿液を調製した:− ポリアクリルアミド+C13-C14イソパラフィン+ ラウレス-7 1%− キサンタンガム 0.2%− PVM/MAデカジエン架橋ポリマー 0.2%− トリエタノールアミン 0.2%− 実施例1の化合物 3.5%− 防腐剤 適量− 水 全体を100%にする量【0023】実施例6:皮膚抵抗測定器を使用して測定することによる張りを付与する効果についての評価本発明の化合物の「張りを付与する」効果を、皮膚抵抗測定器を使用して測定することにより評価した。この装置は、L. Rasseneurらにより、Influence desDifferents Constituants de la Couche Cornee sur la Mesure de son Elasticite[角質層の弾力測定における種々の角質層成分の影響]、International Journal of Cosmetic Science、4、247-260(1982)に記載されている。原理は、処理前及び処理後に、単離された角質層のテスト用サンプルの長さを測定し、テスト用サンプルの収縮率のパーセンテージを決定することからなる。10〜20μmの範囲の厚みを有する0.6cmx0.4cmの角質層のテスト用サンプルを使用し、ダイアストロン社(Diastron)から販売されているMTT610伸び計の上に配した。テスト用サンプルを2つの顎部に載せ、1気圧、30℃、相対湿度40%で12時間放置した。次に、これらの顎部を皮膚抵抗測定器に取り付けた。
【0024】テスト用サンプルを、当初の長さの5〜10%の長さだけ1mm/分の速度で引っ張り、装置により検出される顎部上において、テスト用サンプルに力が作用し始めた際の長さLを測定した。角質層に2mgのテスト溶液を適用させた後、テスト用サンプルを弛緩させた。これらの組成物を調製するために、化合物を温(60℃)DMFに、7重量%濃度になるまで溶解させ;完全に溶解するまで溶液を60℃に維持した。使用前に30℃まで冷却した。ついで、組成物をテスト用サンプルに適用した。組成物を完全に蒸発させた後(約30分の乾燥)、上述したものと同一の条件でテスト用サンプルを引っ張り、処理されたテスト用サンプルの長さLを測定した。収縮率のパーセンテージは、比率:100x(L-L)/Lにより決定した。
【0025】張りを付与する効果を特徴付けるためには、このパーセンテージは負でなければならず、張りを付与する効果は収縮率のパーセンテージの絶対値が大きくなればなる程、比例して大きくなる。次の結果が得られた(7つのサンプルの平均及び標準偏差):角質層サンプルの長さの%変動及び動力学的効果【表1】

【出願人】 【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】LOREAL
【出願日】 平成14年3月5日(2002.3.5)
【代理人】 【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆 (外1名)
【公開番号】 特開2002−255732(P2002−255732A)
【公開日】 平成14年9月11日(2002.9.11)
【出願番号】 特願2002−59518(P2002−59518)