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【発明の名称】 粉体化粧料
【発明者】 【氏名】秦 文弘

【要約】 【課題】滑らかな伸び広がりを有し、耐水性や耐油性が良好であるため化粧持続性に優れ、肌馴染みが良好であるため肌負担感が無く、更に、固形状の粉体化粧料においては、使用時にケーキングを生じない優れた粉体化粧料を提供する。

【解決手段】成分(a)分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物と炭素数12〜30のアルキル(メタ)アクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーとを共重合して得られるアクリル−シリコーン系グラフト共重合体、成分(b)フッ素系油剤及び/又はフッ素変性シリコーン油、成分(c)粉体を含有する粉体化粧料。また、更に成分(d)として常温固形の高級アルコールを含有する前記粉体化粧料、また更に成分(e)としてパラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルを含有する前記何れかの粉体化粧料。そして、予め成分(c)が、成分(a)により表面処理されている前記何れかの粉体化粧料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 次の成分(a)〜(c);
(a)分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物と炭素数12〜30のアルキル(メタ)アクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーとを共重合して得られるアクリル−シリコーン系グラフト共重合体(b)フッ素系油剤及び/又はフッ素変性シリコーン油(c)粉体を含有することを特徴とする粉体化粧料。
【請求項2】 更に成分(d)として常温固形の高級アルコールを含有することを特徴とする請求項1記載の粉体化粧料。
【請求項3】 更に成分(e)としてパラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の粉体化粧料。
【請求項4】 予め成分(c)が成分(a)により表面処理されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の粉体化粧料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のアクリル−シリコーン系グラフト共重合体、フッ素系油剤及び/又はフッ素変性シリコーン油、粉体を含有する粉体化粧料に関し、更に詳しくは、滑らかな伸び広がりを有し、耐水性や耐油性が良好であるため化粧持続性に優れ、肌馴染みが良好であるため肌負担感が無く、更に、固形状の粉体化粧料においては、使用時にケーキングを生じない優れた粉体化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、粉体化粧料の伸び広がりを滑らかにする方法としては、球状粉体や板状粉体を配合したり、低粘度のシリコーン油を多く用いる方法等があった。また、化粧持続性を向上させる方法としては、固形油や半固形油(ペースト油)、油溶性樹脂を配合し肌への密着性を高める方法、フッ素系化合物で処理した表面粉体を配合したり、フッ素系油剤を配合し化粧膜の耐水性、耐油性を高める方法等があった。更に、化粧膜の肌負担感を低減する方法としては、液体油の配合量を高め、乾き感やツッパリ感、ゴワゴワ感等を減じる方法、固形油や油溶性樹脂の配合量を減じる方法等があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、球状粉体や板状粉体を多く配合すると、化粧膜が粉っぽく乾いた感じになり易く、特に固形状の粉体化粧料においては、プレス成型性が悪くなり、固形強度が低下する場合があった。また、シリコーン油を多く配合すると、化粧膜の密着力が劣り化粧持続性が低下する場合があった。更に、固形油や半固形油(ペースト油)、油溶性樹脂を配合すると密着力が強くなり、化粧膜が硬くなり肌負担感を感じたり、塗布時にムラになり易く、仕上がりが膜厚になり不自然な化粧膜になる場合があった。そして、フッ素系化合物で表面処理した粉体を配合したり、フッ素系油剤を配合すると、他の油剤との相溶性が悪くなり、化粧膜の均一性が低下したり、経時で分泌してくる皮脂が肌と化粧膜の間に入り込み、化粧膜を押し上げるため、化粧持続性が悪くなる場合があった。そして更に、液体油の配合量を高めると、固形状の粉体化粧料においては、繰り返し使用した時にケーキ表面が硬くなり、小道具で取れなくなる現象(ケーキング現象)を生じる場合があった。このため、滑らかな伸び広がりを有し、化粧持続性に優れ、肌負担感が無く、更に、固形状の粉体化粧料においては、使用時にケーキングを生じない優れた粉体化粧料の開発が切望されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本発明者は、鋭意研究した結果、分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物と炭素数12〜30のアルキル(メタ)アクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーとを共重合して得られるアクリル−シリコーン系グラフト共重合体、フッ素系油剤及び/又はフッ素変性シリコーン油、粉体を含有する粉体化粧料が、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
【0005】すなわち本発明は、次の成分(a)〜(c);
(a)分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物と炭素数12〜30のアルキル(メタ)アクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーとを共重合して得られるアクリル−シリコーン系グラフト共重合体(b)フッ素系油剤及び/又はフッ素変性シリコーン油(c)粉体を含有する粉体化粧料を提供するものである。また、更に成分(d)として常温固形の高級アルコールを含有する前記粉体化粧料、また更に成分(e)としてパラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルを含有する前記何れかの粉体化粧料を提供するものである。そして、予め成分(c)が成分(a)により表面処理されている前記何れかの粉体化粧料を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に用いられる成分(a)は、分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物と炭素数12〜30のアルキル(メタ)アクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーとを共重合して得られるアクリル−シリコーン系グラフト共重合体であり、特開平3−162442号公報、特開平4−342513号公報に記載されているもの等が例示される。
【0007】成分(a)に用いられる分子鎖の片末端にラジカル重合性を有するオルガノポリシロキサン化合物は、下記一般式(1)で表される化合物等が例示できる。
【化1】

【0008】一方、成分(a)に用いられるアクリレート及び/又はメタクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーは、ラジカル重合性不飽和結合を分子中に1個有する化合物であり、ここで使用される炭素数12〜30のアクリレート及び/又はメタクリレートとしては、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等を例示することができる。また、本発明における炭素数12〜30のアルキル(メタ)アクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーにおいて、前記の炭素数12〜30のアクリレート及び/又はメタクリレート以外にメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、フルオロ炭素鎖1〜10のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート、コレステリル(メタ)アクリレート、アルキルコレステリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アミド、スチレン、置換スチレン、酢酸ビニル、無水マレイン酸、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、ブタジエン、アクリロニトリル、フッ化オレフィン、N−ビニルピロリドン等を必要に応じて使用することができる。
【0009】上記分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するジメチルポリシロキサン化合物(A)とアクリレート及び/又はメタクリレートを主体とするラジカル重合性モノマー(B)との共重合は、重合比率((A)/(B)):1/19〜2/1の範囲内で、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等の通常のラジカル重合開始剤の存在下で行われ、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、バルク重合法の何れの方法の適用も可能である。本発明の成分(a)は、市販品として、KP561、KP562(何れも、信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0010】本発明の粉体化粧料における、成分(a)の含有量は1〜20%が好ましく、更には3〜10%がより好ましい。この範囲で用いると、べたつき感が無く、化粧持続性が良好となる。
【0011】本発明で用いられる成分(b)のフッ素系油剤及び/又はフッ素変性シリコーン油は、本発明の粉体化粧料において、滑らかな伸び広がり、化粧持続性の向上、特に固形状の粉末化粧料においては、ケーキング防止効果等を付与する成分である。尚、成分(b)の油剤は、通常化粧料に配合されている炭化水素油やエステル油等と相溶しないものであると、ケーキング防止効果が特に優れるため好ましい。更に、成分(b)のフッ素系油剤及び/又はフッ素変性シリコーン油は、本発明の効果をより実感する為には、揮発しないものが好ましく、揮発するものを用いる場合は、不揮発のものと併用することにより本発明の効果を得ることができる。
【0012】成分(b)に用いられるフッ素系油剤としては、常温で液状のパーフルオロ有機化合物であり、例えば、パーフルオロアルカン、下記一般式(2)で示されるパーフルオロポリエーテルが挙げられる。
【0013】
【化2】

【0014】上記一般式(2)係るパーフルオロポリエーテルとして、具体的には、下記一般式(3)又は(4)で示されるフッ素系油剤が例示できる。このようなフッ素系油剤は、市販品として、FOMBLIN HC−04、同HC−25、同HC−R(何れも、AUSIMONT社製)、デムナムS−20、同S−65、同S−100、同S−200(何れも、ダイキン工業社製)等が挙げられる。
【0015】
【化3】

【0016】
【化4】

【0017】また、成分(b)に用いられるフッ素変性シリコーン油としては、常温で液状のフッ素原子を導入したシリコーン油であり、直鎖状、環状の何れでも良い。例えば、直鎖状のフッ素変性シリコーン油として、下記一般式(5)で示されるフッ素変性シリコーンが挙げられる。
【0018】
【化5】

【0019】また、例えば、環状のフッ素変性シリコーン油として、特開平9−268110号、特開平10−182330号公報に例示されているもの等であり、下記一般式(6)で示されるフッ素変性シリコーンが挙げられる。
【0020】
【化6】

【0021】更に、環状のフッ素変性シリコーンは、具体的には、下記化学式(7)〜(14)で表わされる化合物が例示される。
【0022】
【化7】

【0023】
【化8】

【0024】
【化9】

【0025】
【化10】

【0026】
【化11】

【0027】
【化12】

【0028】
【化13】

【0029】
【化14】

【0030】本発明の粉体化粧料における成分(b)の含有量は、0.1〜20%が好ましく、0.5〜10%が特に好ましい。この範囲で用いると、滑らかな伸び広がり、化粧持続性の向上、固形状においてはケーキング防止等の効果が、特に優れる。
【0031】本発明で用いられる成分(c)の粉体は、肌を着色、隠蔽したり、肌の質感補正、紫外線防御等の目的で含有されるものであり、通常化粧料に使用されるものであれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に制限はない。具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛等の白色顔料、微粒子酸化チタン、針状酸化チタン、紡錘状酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、薄片状酸化亜鉛等の紫外線遮断粉体、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、タール色素等の着色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、合成マイカ、カオリン、シリカ、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、オキシ塩化ビスマス等の体質顔料、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、タール色素被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、ナイロン粉末、ポリスチレン粉末、PMMA粉末、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、カルバミン酸エチルパウダー、ポリエチレンパウダー、窒化ホウ素、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、炭化珪素、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、スメクタイト、オルガノポリシロキサンエラストマー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダーやポリメチルシルセスキオキサンパウダーといった有機シリコーン樹脂粉末、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−ラウロイルリジン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を複合化したものを用いてもよい。また、成分(c)の粉体は、通常公知の方法、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジエンポリシロキサン、トリメチルメトキシケイ酸等のシリコーン化合物による処理、パーフルオロポリエーテルリン酸やパーフルオロアルキルリン酸等の化合物による処理、ラウリン酸亜鉛等の金属石鹸処理、レシチン等の両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤等の界面活性剤による処理、N−長鎖アシルアミノ酸等のアミノ酸処理、コラーゲン等の保湿剤処理、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス等の油処理等をして用いてもよい。
【0032】本発明の粉体化粧料における成分(c)の含有量は、60〜99.8%が好ましく、70〜95%が特に好ましい。この範囲で用いると、化粧持続性に優れ、肌負担感の無さ等の効果が特に優れる。
【0033】本発明の粉体化粧料へ、成分(a)及び成分(c)を含有させる方法としては、単純に混合分散する方法以外に、予め成分(c)の粉体を成分(a)で表面処理した後、含有させる方法を採ると、化粧持続性及び肌負担感の無さ等の効果がより優れる。ここで、予め成分(c)を成分(a)で表面処理する方法は、ヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の揮発性溶剤中に成分(a)を加熱溶解し、これに成分(c)を添加、分散し、減圧乾燥により該溶剤を除去後、粉砕する方法等が挙げられる。尚、成分(a)と共に、その他の油剤を添加して、成分(c)を表面処理しても良い。
【0034】本発明の粉体化粧料には、上記必須成分に加えて、成分(d)として常温固形の高級アルコールを含有すると、伸び広がり性が更に良好になる。成分(d)は、常温で固形の高級アルコールであり、炭素数14〜30の高級アルコールが挙げられる。具体的には、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、バチルアルコール等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。
【0035】本発明の粉体化粧料に成分(d)を含有する場合の含有量は、0.05〜5%が好ましく、0.1〜2%が特に好ましい。この範囲であれば、滑らかな伸び広がり性がより優れる。
【0036】また、本発明の粉体化粧料に成分(d)を含有する場合は、成分(d)の経時的な結晶析出を防止するために、その溶剤的役割で成分(e)としてパラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルを更に含有することが好ましい。成分(e)は、通常化粧料において、紫外線吸収剤として用いられるものであるが、本発明では併せて、成分(d)の溶剤的な役割として用いるものである。
【0037】本発明の粉体化粧料に成分(e)を含有する場合の含有量は、0.1〜15%が好ましく、0.5〜5%が特に好ましい。この範囲であれば、成分(d)の結晶析出を防止する効果に優れ、滑らかな伸び広がり性が良好となる。
【0038】本発明の粉体化粧料には、上記成分の他、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、成分(b)、(d)、(e)以外の油剤、界面活性剤、ベンゾフェノン系,PABA系,ケイ皮酸系,サリチル酸系,4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン,オキシベンゾン等の紫外線吸収剤、グリセリン,タンパク質,ムコ多糖,コラーゲン,エラスチン等の保湿剤、α−トコフェロール,アスコルビン酸等の酸化防止剤、ビタミン類,消炎剤,生薬等の美容成分、パラオキシ安息香酸エステル,フェノキシエタノール等の防腐剤、トリメチルメトキシケイ酸,アクリル変性シリコーン等の被膜形成剤、メチルセルロース,ヒドロキシメチルセルロース,カルボキシビニルポリマー,アルキル変性カルボキシビニルポリマー,キサンタンガム,カラギーナン,グアーガム,寒天,ペクチン等の水溶性高分子、水、香料等を適宜配合することができる。
【0039】本発明の粉体化粧料において、成分(b)、(d)、(e)以外の油剤を配合することにより、エモリエント感を付与したり、粉っぽさを低減することができる。ここで用いられる油剤としては、成分(b)、(d)、(e)以外の油剤であって、通常化粧料に用いられる油剤であれば特に限定されず、動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等の油剤が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、α−オレフィンオリゴマー、スクワラン、ワセリン等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル等のエステル類、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステアリル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)等のアミノ酸系油剤、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン等のシリコーン類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。本発明の粉体化粧料における、これら油剤の配合量は、概ね0.1〜40%である。
【0040】本発明の粉体化粧料において、分散剤、湿潤剤等の目的で、界面活性剤を配合することができる。ここで用いられる界面活性剤としては、通常化粧料に用いられている界面活性剤であれば、何れでも良く、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。具体的には、非イオン界面活性剤として、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸の無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、N−アルキル−N,N−ジメチル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。本発明の粉体化粧料における、界面活性剤の配合量は、界面活性剤の配合目的により異なるが、概ね0.01〜10%である。
【0041】本発明の粉体化粧料は、ファンデーション、白粉、アイカラー、頬紅、アイブロウ、美白パウダー等に適用できる。また、その形態としては固形状、粉末状等が挙げられるが、固形状であると本発明の効果が特に発揮されやすい。
【0042】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0043】製造例1:アクリル−シリコーン系グラフト共重合体下記一般式(15)で示される片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン50g、メチルメタクリレート10g、ステアリルメタクリレート40g、トルエン100gを混合し、続いてアゾビスイソブチロニトリル1.5gを添加、溶解させた後、攪拌下に80〜90℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘ちょうな溶液を得た。この溶液をメタノール中に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出せしめた。この沈殿物を濾別し、乾燥させてアクリル−シリコーン系グラフト共重合体を得た。
【0044】
【化15】

【0045】製造例2:アクリル−シリコーン系グラフト共重合体下記一般式(16)で示される片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン60g、n−ブチルメタクリレート5g、ステアリルメタクリレート25g、ベヘニルメタクリレート10g、トルエン100gを混合し、続いてアゾビスイソブチロニトリル1.5gを添加、溶解させた後、攪拌下に80〜90℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘ちょうな溶液を得た。この溶液をメタノール中に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出せしめた。この沈殿物を濾別し、乾燥させてアクリル−シリコーン系グラフト共重合体を得た。
【0046】
【化16】

【0047】実施例1〜8及び比較例1〜3:固形状ファンデーション表1及び表2に示す組成のファンデーションを下記製造方法に準じて調製し、「滑らかな伸び広がり」、「肌負担感の無さ」、「化粧持続性」、「ケーキングの無さ」の各項目を以下の評価方法により評価して、その結果を合わせて、表1及び表2に記した。
【0048】
【表1】

【0049】
【表2】

【0050】製造方法1:実施例1〜7及び比較例1〜3A:成分1〜11をスーパーミキサーにて混合する。
B:成分12〜14、17〜22を加熱混合し、成分23〜26を添加する。
C:AにBを加えて、混合分散し、成分15、16を添加し、混合分散する。
D:Cを粉砕後、金皿に圧縮成型して固形状ファンデーションを得た。
製造方法:実施例8A:成分12、13、18〜22を2−プロパノール100部に加熱溶解する。
B:Aに成分1〜11を添加し、混合分散する。
C:Bを100℃で減圧し、2−プロパノールを除去する。
D:Cをハンマーミルにて粉砕する。
E:Dに成分15、23〜26を添加し、均一分散する。
F:Eを金皿に圧縮成型して固形状ファンデーションを得た。
【0051】評価方法1:「滑らかな伸び広がり」、「肌負担感の無さ」、「化粧持続性」
化粧歴10年以上の女性40人を評価パネルとし、上記実施例及び比較例の固形状ファンデーションを使用してもらい、塗布した際の「滑らかな伸び広がり」、「肌負担感の無さ」、「化粧持続性」について、良好であると感じたパネル人数より、以下の判定基準で判定した。

【0052】評価方法2:ケーキング上記実施例及び比較例の固形状ファンデーションをNBR製マットにて、同一マット部分で20回擦った後、別のマット部分で再び20回擦る。これを繰り返して、150回、200回擦った後に、ファンデーション表面を観察し、以下の基準で判定した。
(判定基準)
[判定] :[ファンデーション表面の状態]
○ : 200回擦った後でも問題無し △ : 150回擦までは問題無いが200回ではケーキングを生じる × : 150回擦ったところでケーキングを生じる【0053】表1及び表2より明らかなように、本発明に係わる実施例1〜8の固形状ファンデーションは、滑らかな伸び広がり、肌負担感の無さ、化粧持続性の各項目に優れ、且つケーキングを生じない優れた固形状ファンデーションであった。これに対し、比較例1〜3の固形状ファンデーションは、全ての項目を満足するものは得られなかった。
【0054】
実施例9:固形状白粉(成分) (質量%)
1.合成マイカ(注5) 残量 2.タルク(平均粒子径20μm) 5 3.タルク(平均粒子径5μm) 10 4.球状ポリスチレン末(平均粒子径6μm) 5 5.窒化硼素 5 6.板状硫酸バリウム(注6) 5 7.赤色202号 0.05 8.黄色4号 0.1 9.製造例1のアクリル−シリコーン共重合体 110.パーフルオロポリエーテル(注7) 311.イソノナン酸イソトリデシル 112.ステアリルアルコール 0.513.グリセリン 0.514.パラオキシ安息香酸メチル 適量15.アロエエキス 適量(注5)PDM−8W(トピー工業社製)
(注6)板状硫酸バリウム・HL(堺化学社製)
(注7)FOMBLIN HC−25(AUSIMONT社製)
【0055】(製造方法)
A:成分1〜8を混合分散する。
B:成分1〜14と同量の2−プロパノールに、成分9、11、12を加え90℃で均一に溶解する。
C:ヘンシェルミキサー中にて、BにAを添加し、混合分散後、減圧乾燥、粉砕する。
D:Cに成分10、13〜15を添加し、混合分散し、粉砕する。
E:Dを金皿に圧縮成型し固形状白粉を得た。
実施例9は、滑らかな伸び広がり、肌負担感の無さ、化粧持続性の各項目に優れ、且つケーキングを生じない優れた固形状白粉であった。
【0056】
実施例10:固形状アイカラー(成分) (質量%)
1.セリサイト 40 2.タルク 残量 3.酸化チタン 2 4.球状シリカ(平均粒子径3μm) 5 5.板状アルミナ粉末(注8) 5 6.板状シリカ(注9) 5 7.ベンガラ 0.5 8.群青 1 9.黒色酸化鉄 0.510.紺青被覆雲母チタン 511.製造例2のアクリル−シリコーン共重合体 312.パーフルオロポリエーテル(注3) 413.ワセリン 214.流動パラフィン 515.セチルアルコール 0.516.パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 217.パラオキシ安息香酸メチル 0.118.パラオキシ安息香酸ブチル 0.1(注8)セラフ YFA02025(YKK社製)
(注9)SGフレーク(日本板硝子社製)
【0057】(製造方法)
A:成分11、13〜16を90℃で均一に混合する。
B:Aに成分1〜18と同量の酢酸エチルを添加混合する。
C:Bをヘンシェルミキサーに投入し、成分1〜10を添加、混合分散後、減圧乾燥する。
D:Cを粉砕する。
E:Dに成分12、17、18を添加し、混合分散後、粉砕する。
F:Eを金皿に圧縮成型し固形状アイカラーを得た。
実施例10は、滑らかな伸び広がり、肌負担感の無さ、化粧持続性の各項目に優れ、且つケーキングを生じない優れた固形状アイカラーであった。
【0058】
実施例11:粉末状白粉(成分) (質量%)
1.タルク 85 2.オクテニルコハク酸トウモロコシデンプン エステルアルミニウム(注10) 5 3.球状ナイロン末(平均粒子径15μm) 2 4.ベンガラ被覆雲母チタン(注11) 2 5.セリサイト 残量 6.製造例2のアクリル−シリコーン共重合体 0.2 7.フッ素変性シリコーン(注4) 1 8.ステアリルアルコール 0.5 9.パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 0.510.ジメチルポリシロキサン(6Pa・s) 111.エラスチン 適量12.防腐剤 適量(注10)DRY FLO−PC(NSC社製)
(注11)FLAMENCO SATIN VIOLET(エンゲルハード社製)
【0059】(製造方法)
A:成分6、8〜10を90℃にて混合する。
B:成分1〜5をスーパーミキサーにて混合分散し、A、成分7、11、12を添加し混合分散する。
C:Bを粉砕し、ガラス瓶に充填し、粉末状白粉を得た。
実施例11は、滑らかな伸び広がり、肌負担感の無さ、化粧持続性の各項目に優れた粉末状白粉であった。
【0060】
実施例12:固形状頬紅(成分) (質量%)
1.パーフルオロポリエーテル(注3) 5 2.製造例1のアクリル−シリコーン共重合体 1 3.ジメチルポリシロキサン(20Pa・s) 2 4.メトキシフェニルポリシロキサン 5 5.パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 3 6.フッ素化合物処理タルク(注12) 残量 7.フッ素化合物処理マイカ(注12) 45 8.フッ素化合物処理酸化チタン(注12) 3 9.フッ素化合物処理ベンガラ(注12) 0.510.フッ素化合物処理黄色酸化鉄(注12) 111.フッ素化合物処理雲母チタン(注12) 1012.黄色4号 213.パーフルオロポリエーテル化合物 処理球状シリカ(注12) 514.ステアリン酸マグネシウム 515.香料 適量16.防腐剤 適量(注12)パーフルオロポリエーテルアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩(アサヒガードAG530:旭硝子社製)を用いて、各種粉体に対して、5%樹脂分になるように表面処理し、各種フッ素化合物処理粉体を得た。
【0061】(製造方法)
A:成分2〜5を90℃にて混合する。
B:成分6〜14をスーパーミキサーにて混合し、A、成分1、15、16を添加し混合分散する。
C:Bを粉砕し、金皿に圧縮成型し、固形状頬紅を得た。
実施例12は、滑らかな伸び広がり、肌負担感の無さ、化粧持続性の各項目に優れ、且つケーキングを生じない優れた固形状頬紅であった。
【0062】
実施例13:粉末状美白パウダー(成分) (質量%)
1.シリコーン化合物処理無水ケイ酸(注13) 5 2.リン酸L−アスコルビルマグネシウム 1 3.クエン酸ソーダ 1 4.1,3−ブチレングリコール 5 5.グリセリン 5 6.パラオキシ安息香酸メチル 0.2 7.蒸留水 65 8.フッ素化合物処理タルク(注12) 残量 9.ジメチルポリシロキサン(50Pa・s) 210.部分架橋型オルガノポリシロキサン(注14) 111.マイカ 512.製造例1のアクリル−シリコーン共重合体 0.213.パーフルオロポリエーテル(注3) 0.5(注13)キャボジルTS−530(キャボット社製)
(注14)KSG−16(信越化学工業社製)
【0063】(製造方法)
A:成分11〜13と同量の酢酸エチルに、成分12を加え90℃に加温する。
B:Aに成分11を添加し、混合分散後、減圧乾燥する。
C:Bに成分13を添加し、ヘンシェルミキサーにて混合分散後、粉砕する。
D:Cに成分10を添加し、成分8、9を加え、更に成分1を添加し、混合する。
E:成分2〜7を混合する。
F:CとDを混合し、容器に充填し粉末状美白パウダーを得た。
実施例13の粉末状美白パウダーは、きしみ感も無く、滑らかな伸び広がり、肌負担感の無さの各項目に優れた粉末状美白パウダーであった。
【0064】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の粉体化粧料は、滑らかな伸び広がりを有し、耐水性や耐油性が良好であるため化粧持続性に優れ、肌馴染みが良好であるため肌負担感が無く、更に、固形状の粉体化粧料においては、使用時にケーキングを生じない優れた粉体化粧料に関するものである。
【出願人】 【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
【出願日】 平成13年8月7日(2001.8.7)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−255731(P2002−255731A)
【公開日】 平成14年9月11日(2002.9.11)
【出願番号】 特願2001−239503(P2001−239503)