| 【発明の名称】 |
塩化リゾチームを含む粘性化粧料又は薬剤の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】河北 龍志
【氏名】高島 良江
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| 【要約】 |
【課題】塩化リゾチームの活性を維持し、且つジェル、乳液又はクリームの形態を長期間安定に保持し、使用時や保存時における粘性低下を容易に抑制しうる粘性化粧料又は薬剤の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の製造方法は、油相と水相とを混合・乳化してジェル状、乳液状又はクリーム状の粘性化粧料又は薬剤を製造する方法であって、混合前の油相及び/又は水相に、カチオン及び/又はノニオン界面活性剤と、増粘剤としての無機系増粘剤とを含有させ、ジェルの場合には更にキレート剤と、抗酸化剤とを含有させ、水相及び油相を混合して乳化させる際、若しくは乳化させた後にpHを3.5〜6.5に制御し、次いで塩化リゾチームを混合することを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 油相と水相とを混合・乳化してジェル状の粘性化粧料又は薬剤を製造する方法であって、混合前の油相及び/又は水相に、キレート剤と、抗酸化剤と、カチオン及び/又はノニオン界面活性剤と、増粘剤としての無機系増粘剤とを含有させ、水相及び油相を混合して乳化させる際、若しくは乳化させた後にpHを3.5〜6.5に制御し、次いで塩化リゾチームを混合することを特徴とするジェルの形態を有する塩化リゾチームを含む粘性化粧料又は薬剤の製造方法。 【請求項2】 油相と水相とを混合・乳化して乳液状又はクリーム状の粘性化粧料又は薬剤を製造する方法であって、混合前の油相及び/又は水相に、カチオン及び/又はノニオン界面活性剤と、増粘剤としての無機系増粘剤とを含有させ、水相及び油相を混合して乳化させる際、若しくは乳化させた後にpHを3.5〜6.5に制御し、次いで塩化リゾチームを混合することを特徴とする乳液又はクリームの形態を有する塩化リゾチームを含む粘性化粧料又は薬剤の製造方法。 【請求項3】 無機系増粘剤が、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸アルミニウム、モンモリロン石、マグネシアンモンモリロン石、テツモンモリロン石、テツマグネシアンモンモリロン石、バイデライト、アルミニアンバイデライト、サポー石、アルミニアンサポー石、ベントナイト、ラポナイト、微粒子酸化ケイ素及びコロイダルアルミナからなる群より選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。 【請求項4】 混合前の油相及び/又は水相に、キレート剤及び/又は抗酸化剤を更に含有させることを特徴とする請求項2記載の製造方法。 【請求項5】 キレート剤が、エデト酸、エデト酸塩及びグルコン酸ナトリウムからなる群より選択される1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1又は4記載の製造方法。 【請求項6】 混合前の油相及び/又は水相に、増粘剤としてのカチオン性又はノニオン性高分子を更に含有させることを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ジェル、乳液又はクリームの形態を有する塩化リゾチーム配合の粘性化粧料又は薬剤の製造方法に関し、更に詳細には、塩化リゾチームの活性を維持し、且つジェル、乳液又はクリームの形態を長期間安定に保持し、保存時における粘性低下を抑制しうる粘性化粧料又は薬剤の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】塩化リゾチームの薬理作用としては、ウイルス性疾患に対する抗ウイルス作用、細菌等に対する抗感染作用、止血作用、抗腫瘍、抗炎症作用、組織修復作用等が知られており、従来から各種化粧料や薬剤等に配合されている。一方、塩化リゾチームは、水系に配合したり、また光の影響によりその活性が低下することが知られているため、従来よりその安定化方法が種々検討されている。例えば、光に対するリゾチームの活性低下を抑制するために抗酸化剤を配合することが提案されている(特開昭63−1292号公報)。しかし、塩化リゾチームを配合した化粧料や薬剤がジェル形態の場合等にはその効果が必ずしも十分であるとは言えない。ところで、形態がジェル、乳液又はクリームである粘性を有する化粧料又は薬剤の場合には、その製造において所望の粘性を得るために各種増粘剤が配合されている。そして、塩化リゾチームを配合した化粧料又は薬剤に用いることができる従来提案されている増粘剤としては、そのほとんどがカルボキシメチルセルロース(CMC)等の有機系増粘剤であり、他にカチオン性又はノニオン性の高分子増粘剤が提案されているにすぎない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者らの研究によれば、従来提案されている有機系増粘剤やカチオン性又はノニオン性の高分子増粘剤を用いて塩化リゾチーム配合の粘性化粧料又は薬剤を製造した場合、該化粧料等の使用時や保存時において粘性の低下が生じ、ジェル、乳液又はクリームの形態が保持し難くなる傾向が生じることが判ってきた。また、塩化リゾチームを配合した粘性化粧料又は薬剤の製造において、増粘剤として無機系増粘剤を使用しうることについては従来知られていない。 【0004】従って、本発明の目的は、塩化リゾチームの活性を維持し、且つジェル、乳液又はクリームの形態を長期間安定に保持し、使用時や保存時における粘性低下を容易に抑制しうる粘性化粧料又は薬剤の製造方法を提供することにある。本発明の別の目的は、ジェル形態であっても、塩化リゾチームの活性低下を容易に抑制することができ、使用時や保存時における粘性低下を容易に抑制しうる粘性化粧料又は薬剤の製造方法を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らによれば、上述のとおり、従来提案されている有機系増粘剤やカチオン性又はノニオン性の高分子増粘剤を用いて塩化リゾチーム配合の粘性化粧料又は薬剤を製造した場合、該化粧料等の使用時や保存時において粘性の低下等が生じ、その形態が保持し難くなる傾向が生じることが判ってきた。そして、このような傾向を解決するためにその原因について種々検討した結果、1つの方法として、製造時に配合する増粘剤の種類を無機系増粘剤とすることによりこのような課題が解決しうることを見出し、本発明を完成した。また、ジェル形態の化粧料又は薬剤の製造において、抗酸化剤とキレート剤とを組合せた安定化剤を配合することにより、含有される塩化リゾチームの活性低下を十分に抑制しうることができると共に、経時的な粘度変化による形態保持の低下をも抑制しうることを見出し、本発明を完成した。 【0006】すなわち、本発明によれば、油相と水相とを混合・乳化してジェル状の粘性化粧料又は薬剤を製造する方法であって、混合前の油相及び/又は水相に、キレート剤と、抗酸化剤と、カチオン及び/又はノニオン界面活性剤と、増粘剤としての無機系増粘剤とを含有させ、水相及び油相を混合して乳化させる際、若しくは乳化させた後にpHを3.5〜6.5に制御し、次いで塩化リゾチームを混合することを特徴とするジェルの形態を有する塩化リゾチームを含む粘性化粧料又は薬剤の製造方法が提供される。また本発明によれば、油相と水相とを混合・乳化して乳液状又はクリーム状の粘性化粧料又は薬剤を製造する方法であって、混合前の油相及び/又は水相に、カチオン及び/又はノニオン界面活性剤と、増粘剤としての無機系増粘剤とを含有させ、水相及び油相を混合して乳化させる際、若しくは乳化させた後にpHを3.5〜6.5に制御し、次いで塩化リゾチームを混合することを特徴とする乳液又はクリームの形態を有する塩化リゾチームを含む粘性化粧料又は薬剤の製造方法が提供される。 【0007】 【発明の実施の形態】以下本発明を更に詳細に説明する。本発明の製造方法は、油相と水相とを混合・乳化してジェル状の粘性化粧料又は薬剤を製造する方法(以下、本発明の第1の方法という)、若しくは油相と水相とを混合・乳化して乳液状又はクリーム状の粘性化粧料又は薬剤を製造する方法(以下、本発明の第2の方法という)である。本発明の第1の方法では、混合前の油相及び/又は水相に、キレート剤と、抗酸化剤と、カチオン及び/又はノニオン界面活性剤と、増粘剤としての無機系増粘剤とを含有させる。一方、本発明の第2の方法では、混合前の油相及び/又は水相に、カチオン及び/又はノニオン界面活性剤と、増粘剤としての無機系増粘剤とを含有させる。該第2の方法においては、混合前の油相及び/又は水相に、必要によりキレート剤及び/又は抗酸化剤を含有させても良い。 【0008】本発明の製造方法において、混合前の油相及び/又は水相に含有させる、若しくは含有させることができるキレート剤は、後述する塩化リゾチームの活性低下を抑制しうる作用等を示すものであって、特に、本発明の第1の製造方法においては、後述する抗酸化剤との組合せにより塩化リゾチームの活性低下を十分に抑制するように作用し、更には形態保持性をも改善するように作用等する成分である。該キレート剤としては、例えば、エデト酸;エデト酸二ナトリウム、エデト酸二ナトリウムカルシウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、エデト酸四ナトリウム四水塩、エデト酸二カリウム二水塩又はこれらの混合物等のエデト酸塩;エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム;ジエチレントリアミン五酢酸;ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム液;エチレンジアミンテトラキス(2−ヒドロキシイソプロピル)ジオレイン酸;ヒドロキシエタンジスルホン酸;ヒドロキシエタンジスルホン酸四ナトリウム;フィチン酸、グルコン酸ナトリウム又はこれらの混合物等が挙げられる。特に、エデト酸、エデト酸塩、グルコン酸ナトリウム又はこれらの混合物の使用が好ましい。 【0009】本発明の製造方法において、混合前の油相及び/又は水相に含有させる、若しくは含有させることができる抗酸化剤は、後述する塩化リゾチームの活性低下を抑制しうる作用等を示すものであって、特に、本発明の第1の製造方法においては、上記キレート剤との組合せにより塩化リゾチームの活性低下を十分に抑制するように作用し、更には形態保持性を改善するように作用等する成分である。該抗酸化剤としては、例えば、ビタミンE(dl−α−トコフェロール)、ノルジヒドログアヤレチン酸、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、チオジプロピオン酸ジラウリン、トリルビグアノイド、オルトトリルビグアノイド、ρ−ヒドロキシアニソール、没食子酸オクチル、無水亜硫酸ナトリウム、茶エキス、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、リンゴエキス又はこれらの混合物等が挙げられる。 【0010】本発明の製造方法において、混合前の油相及び/又は水相に含有させる、カチオン及び/又はノニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩又はこれらの混合物等のカチオン界面活性剤;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類又はこれらの混合物等のノニオン界面活性剤等が挙げられる。 【0011】本発明の製造方法において、混合前の油相及び/又は水相に含有させる無機系増粘剤は、得られる粘性化粧料の使用時や保存時における粘性低下並びに形態保持性の低下を抑制しうる成分であって、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸アルミニウム、モンモリロン石、マグネシアンモンモリロン石、テツモンモリロン石、テツマグネシアンモンモリロン石、バイデライト、アルミニアンバイデライト、サポー石、アルミニアンサポー石、ベントナイト、ラポナイト、微粒子酸化ケイ素、コロイダルアルミナ又はこれらの混合物等が挙げられる。 【0012】本発明の製造方法においては、増粘剤として上記無機系増粘剤に加えて、本発明の所望の効果を損ねない範囲で、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸アミド、アクリル酸アミノアクリル酸共重合体等のカチオン系高分子増粘剤又はノニオン系高分子増粘剤等を配合することもできる。これら高分子の分子量は、特に限定されず、その形態に応じて適宜選択して配合することができる。無機系増粘剤以外の増粘剤を配合する場合には、得られる化粧料全量に対して2質量%以下の配合とすることが望ましい。 【0013】本発明の製造方法では、その形態や使用目的等に応じて、混合前の油相及び/又は水相に、上記成分以外の各種成分を適宜配合することができる。このような成分としては、例えば、水溶性保湿剤、油性保湿剤、防腐剤、各種溶剤、動物・植物抽出液、塩化リゾチーム以外の殺菌剤、酵素、紫外線吸収剤、緩衝剤、香料、色素等が挙げられる。これらは、本発明の所望の目的を損なわない範囲で、その種類に応じて適宜、油相及び水相のいずれか若しくは両方に所望量配合することができる。 【0014】本発明の製造方法において、水相の調製は、水溶性成分等を精製水等の水に溶解することにより得ることができる。この際、所望に応じて加熱溶解することも可能である。この水相には、可溶化剤等に溶解させた油成分や、カチオン及び/又はノニオン界面活性剤等が含まれていても良い。一方、油相の調製は、油性成分等を溶解して得ることができる。この際、所望に応じて加熱溶解することも可能である。この油相には、通常、後述する水相との混合・乳化を容易にするために、上記カチオン及び/又はノニオン界面活性剤を含有させることが好ましい。従って、油相は、必ずしも油性成分のみで構成されていなくても良い。 【0015】本発明の第1の製造方法において、油相及び/又は水相に含有させるキレート剤及び抗酸化剤の含有割合は、本発明の所望の効果が得られるように適宜選択して決定することができるが、好ましくは、後述する塩化リゾチームと、キレート剤と、抗酸化剤との含有割合が、質量比で1:0.3〜10:0.01〜1である。本発明の第2の製造方法において、キレート剤及び/又は抗酸化剤を含有させる場合の含有割合は、本発明の所望の効果が得られるように適宜選択して決定することができるが、好ましくは、後述する塩化リゾチームに対して、質量比でキレート剤の場合1:0.3〜10、抗酸化剤の場合1:0.01〜1である。 【0016】本発明の製造方法において、油相及び/又は水相に含有させるカチオン及び/又はノニオン界面活性剤の含有割合は、目的とする形態の乳化状態となるように、界面活性剤の種類や水相及び油相に応じて適宜選択して決定することができる。通常、形態がジェルの場合のカチオン及び/又はノニオン界面活性剤の含有割合は、得られる化粧料又は薬剤全量に対して0.5〜20質量%、形態が乳液の場合の、カチオン及び/又はノニオン界面活性剤の含有割合は、得られる化粧料又は薬剤全量に対して0.5〜10質量%、形態がクリームの場合の、カチオン及び/又はノニオン界面活性剤の含有割合は、得られる化粧料又は薬剤全量に対して0.5〜10質量%であるが、必ずしもこれに限定されない。 【0017】本発明の製造方法において、油相及び/又は水相に含有させる増粘剤としての無機系増粘剤の含有割合は、乳化させた際に目的とする形態の粘度等となるように、無機系増粘剤の種類や水相及び油相に応じて適宜選択して決定することができる。通常、形態がジェルの場合の無機系増粘剤の含有割合は、得られる化粧料又は薬剤全量に対して0.1〜10質量%、形態が乳液の場合の、無機系増粘剤の含有割合は、得られる化粧料又は薬剤全量に対して0.1〜10質量%、形態がクリームの場合の、無機系増粘剤の含有割合は、得られる化粧料又は薬剤全量に対して0.1〜10質量%であるが、必ずしもこれに限定されない。 【0018】本発明の製造方法において、水相及び油相を混合して乳化させる際の水相と油相との割合は、乳化させた際に目的とする形態となるように適宜選択して決定することができる。通常、形態がジェルの場合、水相と油相との割合は質量比で10:90〜95:5、形態が乳液の場合、水相と油相との割合は質量比で20:80〜61:39、形態がクリームの場合、水相と油相との割合は質量比で22:78〜80:20であるが、必ずしもこれに限定されない。本発明の製造方法において、上記油相及び水相は各々分割して調製されていても良く、最終的に後述する油相と水相を混合して乳化する際に全てが混合されれば良い。 【0019】本発明の製造方法において、水相及び油相を混合して乳化させるには、各相を公知の方法により十分混合することにより行うことができる。この際、各相の温度は目的とする形態、配合成分等に応じて適宜決定することができる。本発明の製造方法においては、上記乳化させる際、若しくは乳化させた後にpHを3.5〜6.5、好ましくは4〜6に制御する。この制御は、後述する塩化リゾチームの活性安定化を良好にしうるものであって、例えば、pHを測定し、pHが3.5〜6.5の範囲にある場合には、そのまま次工程に進み、pHが3.5〜6.5の範囲でない場合には、通常のpH調整剤等を用いてpH調整することにより行うことができる。 【0020】本発明の製造方法では、次いで、塩化リゾチームを得られた乳化物に添加混合する。塩化リゾチームの添加混合は、塩化リゾチームをそのまま、若しくは水溶液の状態として行うことができる。前記塩化リゾチームの配合割合は、その形態や塩化リゾチームにより期待する効果等に応じて適宜選択して決定できるが、通常、得られる化粧料又は薬剤全量に対して、0.01〜10.0質量%、好ましくは0.1〜5.0質量%であり、特に化粧料の場合には0.1〜2.0質量%が望ましい。 【0021】本発明の製造方法においては、上記塩化リゾチームの添加混合により所望形態の粘性化粧料又は薬剤を製造することができる。また本発明の製造方法では、本発明の所望の目的を損なわない範囲で、且つ塩化リゾチーム添加後の乳化物のpHが3.5〜6.5の範囲外とならないのであれば、必要に応じて、塩化リゾチーム添加混合の際、若しくは添加混合後に、他の成分を添加する工程を設けても良いし、油相及び水相を混合乳化させた後に、塩化リゾチームを添加する前に、他の成分を添加する工程を設けても良い。 【0022】 【発明の効果】本発明の製造方法では、油相と水相とを混合・乳化して粘性化粧料又は薬剤を製造する際に、特に、増粘剤として無機系増粘剤を用い、且つ水相及び油相を混合して乳化させる際、若しくは後にpHを3.5〜6.5に制御し、次いで塩化リゾチームを混合する方法を採用するので塩化リゾチームの活性が維持され、且つジェル、乳液又はクリームの形態を長期間安定に保持し、使用時や保存時における粘性低下を抑制しうる粘性化粧料又は薬剤を容易に得ることができる。更に、混合前の油相及び/又は水相に、キレート剤と、抗酸化剤とを含有させる方法を採用することにより、ジェル形態であっても、塩化リゾチームの活性低下を抑制でき、形態保持制が改善された粘性化粧料又は薬剤を容易に得ることができる。従って、本発明の製造方法は、塩化リゾチームを配合した、形態がジェル、乳液又はクリーム(軟膏を含む)の広範囲に及ぶ粘性化粧料又は薬剤の製造に極めて有用である。 【0023】 【実施例】以下実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1エデト酸2ナトリウム0.1質量部、精製水80質量部及び防腐剤0.3質量部を80℃で加熱溶解した後、室温に冷却し水相を調製した。次いで、ジブチルヒドロキシトルエン0.02質量部、グリセリン3.0重量部及び香料0.05質量部を混合した油相溶液を添加混合した。続いて、ポリオキシエチレンラウリルエーテル1.0質量部、流動パラフィン2.0質量部及び無機系増粘剤としてのケイ酸アルミニウムマグネシウム2.0質量部を混合した油相溶液を添加し、全体を撹拌した後pH調整剤でpHを4〜6に調製した。次いで、塩化リゾチーム0.15質量部を加えて均一に混合し、ジェルを調製した。得られた化粧水について、以下に示す粘度変化試験及び塩化リゾチームの経時安定化試験を行った。結果を表1に示す。 【0024】<粘度変化試験>製造直後の製品の粘度をBL型デジタル粘度計により測定した後、透明なビンに充填し、40℃、75%湿度で3ヶ月間保存した後、製品の粘度を再度同様に測定し、製造直後の粘度と比較した。評価は、製造直後の粘度を100%とし、80〜120%の粘度のものを3点、80%未満のものを2点、0%のものを1点とした。 <塩化リゾチームの経時安定化試験>製造直後の製品を、透明なビンに充填し、40℃、75%湿度で3ヶ月間保存した後、配合された塩化リゾチームの力価を吸光度計(溶菌酵素活性法)により測定した。評価は、塩化リゾチームの活性が95%以上残存しているものを4点、50〜95%未満のものを3点、1〜50%未満のものを2点、0%のものを1点とした。 【0025】比較例1及び2表1に示す各成分を用いた以外は、実施例1と同様にジェルを調製し、各試験を行った。結果を表1に示す。なお、比較例1はキレート剤及び抗酸化剤を含有させない例であり、比較例2は、無機系増粘剤の代わりに有機系増粘剤であるカルボキシビニルポリマーを含有させて製造した例である。 【0026】 【表1】
【0027】実施例2グリセリン脂肪酸エステル2.0質量部、ポリオキシエチレンセチルエーテル3.0質量部、スクワラン15.0質量部、2−エチルヘキサン酸グリセリン5.0質量部及び天然ビタミンE0.05質量部を80℃で加熱溶解し油相を調製した。一方、グリセリン5.0質量部、エデト酸2ナトリウム0.1質量部、無機系増粘剤としてのケイ酸アルミニウムマグネシウム0.1質量部、精製水75質量部及び防腐剤0.3質量部を80℃で加熱溶解し水相を調製した。続いて、得られた油相及び水相を混合して乳化させた後、室温まで冷却し、更に香料0.05質量部を加えた。次いで、得られた乳化物のpHを、pH調整剤を用いて4〜6に調整した後、塩化リゾチーム0.15質量部を加えて均一に混合し、乳液を調製した。得られた乳液について実施例1と同様に各試験を行った。結果を表2に示す。 【0028】比較例3及び4表2に示す各成分を用いた以外は、実施例2と同様に乳液を調製し、各試験を行った。結果を表2に示す。なお、比較例3は無機系増粘剤の代わりに有機系増粘剤であるカルボキシビニルポリマーを含有させて製造した例であり、比較例4は増粘剤を配合しなかった例である。 【0029】 【表2】
【0030】実施例3セタノール2.0質量部、ステアリルアルコール2.0質量部、ステアリン酸3.0質量部、スクワラン4.0質量部、2−エチルヘキサン酸グリセリン10.0質量部、ポリオキシエチレンセチルエーテル2.0質量部、モノステアリン酸グリセリン2.0質量部、グリセリン5.0質量部及び天然ビタミンE0.05質量部を80℃で加熱溶解し、油相を調製した。一方、エデト酸2ナトリウム0.1質量部、無機系増粘剤としてのケイ酸アルミニウムマグネシウム0.2質量部、精製水50質量部、防腐剤0.3質量部及び香料0.05質量部を80℃で加熱溶解し水相を調製した。得られた油相及び水相を80℃で混合し乳化させた後、室温まで冷却した。得られた乳化物のpHを、pH調整剤を用いて4〜6に調整した後、塩化リゾチーム0.15質量部を加えて均一に混合し、クリームを調製した。得られたクリームについて実施例1と同様な各試験を行った。結果を表3に示す。 【0031】比較例5及び6表3に示す各成分を用いた以外は、実施例3と同様にクリームを調製し、各試験を行った。結果を表3に示す。なお、比較例5は無機系増粘剤の代わりに有機系増粘剤であるキサンタンガムを含有させて製造した例であり、比較例6は増粘剤を配合しなかった例である。 【0032】 【表3】
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| 【出願人】 |
【識別番号】591267785 【氏名又は名称】関西酵素株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年2月27日(2001.2.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081514 【弁理士】 【氏名又は名称】酒井 一 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−255723(P2002−255723A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月11日(2002.9.11) |
| 【出願番号】 |
特願2001−52961(P2001−52961) |
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