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【発明の名称】 過酸化脂質低下剤組成物
【発明者】 【氏名】大澤 常起

【氏名】高木 郁夫

【氏名】清水 一平

【氏名】近藤 達仁

【氏名】中山 正人

【氏名】鳥住 保博

【要約】 【課題】優れた血中過酸化脂質低下剤の提供。

【解決手段】プラバスタチンと、タウリン、パンテチン及びイノシトールヘキサニコチネートからなる群から選択される1種以上の物質を含有する血中過酸化脂質低下剤組成物。プラバスタチン(化学名:(+)−(3R,5R)−3,5−ジヒドロキシ−7−[(1S,2S,6S,8S,8aR)−6−ヒドロキシ−2−メチル−8−[(S)−2−メチルブチリルオキシ]−1,2,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1−ナフチル]ヘブタノン)とは、下記式で表される化合物及びその塩(特に、ナトリウム塩)をいう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】プラバスタチンと、タウリン、パンテチン及びイノシトールヘキサニコチネートからなる群から選択される1種以上の物質とを、含有する血中過酸化脂質低下剤組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、 プラバスタチンと、タウリン、パンテチン及びイノシトールヘキサニコチネートからなる群から選択される1種以上の物質とを、含有する血中過酸化脂質低下剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】過酸化脂質は、その血中濃度が増加すると、動脈硬化の原因となる血管内皮細胞の障害、血小板の凝集亢進、泡沫細胞の形成等の作用を有するため、過酸化脂質低下剤は有用な薬剤である。
【0003】プラバスタチンは、生体において、HMG−CoAリダクターゼを阻害することにより、血中総コレステロール量を低下させる作用を有する薬物であるが、血中過酸化脂質低下作用を有することは知られていない。
【0004】一方、タウリン及びパンテチンは、弱いながらも血中過酸化脂質低下作用を有することが知られている(文献:含硫アミノ酸, Vol.7 No.1 1984 p.201-205 及び Geriatr. Med., Vol.19 No.3 1981 p.415-422)。なお、イノシトールヘキサニコチネートについては血中過酸化脂質低下作用は知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、血中過酸化脂質を低下させる組成物につき、鋭意研究を続けた結果、プラバスタチンと、タウリン、パンテチン又はイノシトールヘキサニコチネートとを併用することにより、顕著に血中過酸化脂質を低下させることができることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、プラバスタチンと、タウリン、パンテチン及びイノシトールヘキサニコチネートからなる群から選択される1種以上の物質とを、含有する血中過酸化脂質低下剤組成物である。
【0007】プラバスタチン(化学名:(+)−(3R,5R)−3,5−ジヒドロキシ−7−[(1S,2S,6S,8S,8aR)−6−ヒドロキシ−2−メチル−8−[(S)−2−メチルブチリルオキシ]−1,2,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1−ナフチル]ヘプタノン)とは、下記式で表される化合物及びその塩(特に、ナトリウム塩)をいい、その製造方法は、特開昭57−2240号等に記載されているが、市販されているので、容易に入手し得る。
【0008】
【化1】

【0009】血中過酸化脂質とは、血中に存在する過酸化脂質であり、例えば、過酸化LDL(低密度リポ蛋白質)等が含まれる。
【0010】血中過酸化脂質低下剤の「低下」とは、臨床上意義のある程度に下げることをいう。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の血中過酸化脂質低下剤組成物が固形製剤の場合において含有される、プラバスタチンの重量%は通常、0.01乃至5%であり、好適には、0.05乃至0.03%であり、また、タウリンの重量%は、通常、0.3乃至50%であり、好適には、1乃至25%であり、さらに、パンテチンの重量%は、通常、1.3乃至50%であり、好適には、2.7乃至20%であり、またさらに、イノシトールヘキサニコチネートの重量%は、通常、0.05乃至50%であり、好適には、0.5乃至25%である。
【0012】本発明の血中過酸化脂質低下剤組成物が液剤の場合において含有される、プラバスタチンの含有量は通常、1乃至100mg/mLであり、好適には、3乃至7mg/mLであり、また、タウリンの含有量は、通常、2.5乃至50mg/mLであり、好適には、8乃至35mg/mLであり、さらに、パンテチンの含有量は、通常、1乃至200mg/mLであり、好適には、5乃至100mg/mLであり、またさらに、イノシトールヘキサニコチネートの含有量は、通常、1乃至40mg/mLであり、好適には、2乃至20mg/mLである。
【0013】本発明の血中過酸化脂質低下剤組成物の具体的な剤形としては、例えば、錠剤、細粒剤(散剤を含む)、カプセル、液剤等をあげることができ、各剤形に適した添加剤や基材を適宜使用し、日本薬局方等に記載された通常の方法に従い、製造することができる。
【0014】上記各剤形において、その剤形に応じ、通常使用される各種添加剤を使用することもできる。
【0015】例えば、錠剤の場合、乳糖、結晶セルロース等を賦形剤として、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等を安定化剤として、ヒドロキシプロピルセルロース等を結合剤として、ステアリン酸マグネシウム等を滑沢剤として、使用することができ、細粒剤及びカプセル剤の場合、乳糖、精製白糖等を賦形剤として、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等を安定化剤として、トウモロコシデンプン等を吸着剤として、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリソルベート等を結合剤として、使用することができ、液剤の場合、D−ソルビトール液、ハチミツ等を甘味剤として、dl−リンゴ酸等を矯味剤として、エデト酸ナトリウム等を安定化剤として、エタノール等を溶解補助剤として、ステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60等を可溶化剤として、使用することができる。
【0016】上記各剤形において、必要に応じ、クロスポピドン等の崩壊剤;ケイ酸カルシウム等の吸着剤;三二酸化鉄、カラメル等の着色剤;安息香酸ナトリウム等のpH調節剤;香料;を添加することもできる。
【0017】
【実施例】(実施例1)錠剤(1)成分【0018】
【表1】
――――――――――――――――――――――――――――――――――― <タウリン> <パンテチン> <イノシトール ヘキサニコチネート> 4錠中 4錠中 4錠中 (680mg)(1440mg)(1400mg)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――プラバスタチンナトリウム 20mg 20mg 20mgタウリン 500mg − −パンテチン − 500mg −イノシトールヘキサ − − 500mgニコチネート結晶セルロース 120mg 12mg 12mgメタケイ酸アルミン酸 144mg − −マグネシウム蔗糖脂肪酸エステル − 140mg 140mgヒドロキシプロピル 96mg 48mg 96mgセルロースステリン酸マグネシウム 24mg 24mg 24mgクロスポピドン 100mg 48mg 100mg乳糖 適量 適量 適量―――――――――――――――――――――――――――――――――――(2)製法表1に記載した成分及び分量をとり日局製剤総則錠剤の項に準じて錠剤を製する【0019】(実施例2)細粒剤(1)成分【0020】
【表2】
――――――――――――――――――――――――――――――――――― <タウリン> <パンテチン> <イノシトール ヘキサニコチネート> 4包中 4包中 4包中 (4g) (5.2g) (5g)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――プラバスタチンナトリウム 20mg 20mg 20mgタウリン 500mg − −パンテチン − 1000mg −イノシトールヘキサ − − 1000mgニコチネート精製白糖 1400mg 1600mg 1400mgステビア抽出生成物 − 16mg 16mgトウモロコシデンプン 1200mg 1200mg 1200mgポリソルベート80 80mg 48mg 80mgメタケイ酸アルミン酸 144mg − 144mgマグネシウムステリン酸マグネシウム 24mg 24mg 24mg乳糖 適量 適量 適量―――――――――――――――――――――――――――――――――――(2)製法表2に記載した成分及び分量をとり、日局製剤総則「顆粒剤」の項に準じて細粒剤を製する。
【0021】実施例(3)カプセル剤(1)成分【0022】
【表3】
――――――――――――――――――――――――――――――――――― <タウリン> <パンテチン> <イノシトール ヘキサニコチネート> 4カプセル中 8カプセル中 8カプセル中――――――――――――――――――――――――――――――――――――プラバスタチンナトリウム 20mg 20mg 20mgタウリン 500mg − −パンテチン − 500mg −イノシトールヘキサ − − 500mgニコチネートトウモロコシデンプン 960mg 960mg 960mgポリソルベート80 80mg 48mg 80mgメタケイ酸アルミン酸 144mg − 144mgマグネシウムステリン酸マグネシウム 24mg 24mg 24mg乳糖 適量 適量 適量―――――――――――――――――――――――――――――――――――小計 1520mg 1940mg 2000mgカプセル 320mg 640mg 640mg合計 1840mg 2580mg 2640mg―――――――――――――――――――――――――――――――――――(2)製法表3に記載した成分及び分量をとり日局製剤総則顆粒剤の項に準じて細粒剤を製した後カプセルに充てんして硬カプセル剤を製する【0023】(実施例4)液剤(1)成分【0024】
【表4】
――――――――――――――――――――――――――――――――――― <タウリン> <パンテチン> <イノシトール ヘキサニコチネート> 100mL中 100mL中 100mL中―――――――――――――――――――――――――――――――――――プラバスタチンナトリウム 20mg 20mg 20mgタウリン 500mg − −パンテチン − 500mg −イノシトールヘキサ − − 500mgニコチネートD−ソルビトール液 4g 6g 4g(70%)
ハチミツ 7g 8g 7gdl−リンゴ酸 200mg − 200mgエデト酸ナトリウム 20mg 20mg 20mgエタノール 2mL 2mL 2mLステアリン酸ポリオキシ 100mg 100mg 100mgエチレン硬化ヒマシ油60安息香酸ナトリウム 60mg 60mg 60mg香料 微量 微量 微量精製水 適量 適量 適量―――――――――――――――――――――――――――――――――――(2)製法表4に記載した成分及び分量をとり、日局製剤総則「液剤」の項に準じて液剤を製する。
【0025】<試験方法>(1)被験物質プラバスタチンは、三共株式会社の純度99.4%のものを使用した。
【0026】タウリン、パンテチン及びイノシトールヘキサニコチネートは、それぞれ、ナカライテスク、第一製薬製、白鳥製薬製のものを購入し、使用した。
(2)試験動物試験動物としては、Covance Research Products Inc.からビーグル犬雄を5箇月齢で購入し、約1箇月間の検疫及び馴化飼育後に使用した。
(3)投与剤形、製剤の調整方法及び製剤の保存方法TORPAC社から購入したゼラチンカプセル(1/2オンス)に、プラバスタチン又は各配合剤について各試験動物ごとの体重をもとに算出した必要量を充填した。なお、プラバスタチン充填済カプセルは冷蔵で、配合剤充填カプセルは室温で、投与直前まで保存した。
【0027】なお、配合剤の場合は、同一のゼラチンカプセルに充填した。
(4)投与経路及び投与期間プラバスタチン又は配合剤を充填したカプセルは、1日1回9:00〜12:30の間に、試験動物に強制経口投与した。なお、試験動物は投与前2乃至3時間絶食させた。投与期間は、11日間とした。
(5)被験試料の調製及び試験方法カプセル投与前−3又は−4日(投与開始前第1週)、投与4日及び8日に、橈側皮静脈から約10mL採血した。なお、採血前約18時間、試験動物は絶食させた。得られた血液を試験管にとり、室温で30分から1時間放置後、遠心分離し(3000rpm、10分間)て得られた血清を用い、血中過酸化脂質量を、八木法で、測定した。なお、過酸化脂質量の測定には、日立製作所社の蛍光光度計F3000を使用した。
【0028】<試験結果>プラバスタチンと、タウリン、パンテチン及びイノシトールヘキサニコチネートそれぞれの各投与量における単剤及び配合剤における血中過酸化脂質量を、投与2週間及び1週間前の血中過酸化脂質量の平均を100として換算して求めた(表5〜表7)。各値は、一群5匹の平均値である。
【0029】
【表5】
(プラバスタチンとタウリンの併用効果)
――――――――――――――――――――――――――――被験物質 血中過酸化脂質量(mg/kg) 投与後4日 投与後8日――――――――――――――――――――――――――――プラバスタチン単剤 110.8 116.2(2)
タウリン単剤 95.8 93.8(1000)
プラバスタチン 89.9 77.5(2)
+タウリン(1000)
――――――――――――――――――――――――――――【0030】
【表6】
(プラバスタチンとパンテチンの併用効果)
――――――――――――――――――――――――――――被験物質 血中過酸化脂質量(mg/kg) 投与後4日 投与後8日――――――――――――――――――――――――――――プラバスタチン単剤 110.8 116.2(2)
パンテチン単剤 82.5 105.0(300)
プラバスタチン 83.6 75.4(2)
+パンテチン(300)
――――――――――――――――――――――――――――【0031】
【表7】
(プラバスタチンとイノシトールヘキサニコチネートの併用効果)
――――――――――――――――――――――――――――――被験物質 血中過酸化脂質量(mg/kg) 投与後4日 投与後8日――――――――――――――――――――――――――――――プラバスタチン単剤 110.8 116.2(2)
イノシトールヘキサニコチネート単剤 98.5 96.5(400)
プラバスタチン 83.8 81.3(2)
+イノシトールヘキサニコチネート(400)
――――――――――――――――――――――――――――――【0032】
【発明の効果】本発明のプラバスタチンと、タウリン、パンテチン又はイノシトールヘキサニコチネートの組合せに係る組成物は、優れた血中過酸化脂質低下作用を有するので、血中過酸化脂質低下剤として有用である。
【出願人】 【識別番号】000001856
【氏名又は名称】三共株式会社
【出願日】 平成13年11月1日(2001.11.1)
【代理人】 【識別番号】100081400
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 彰夫 (外3名)
【公開番号】 特開2002−249428(P2002−249428A)
【公開日】 平成14年9月6日(2002.9.6)
【出願番号】 特願2001−336106(P2001−336106)