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【発明の名称】 制汗性化粧品及び制汗剤
【発明者】 【氏名】川中 聡

【氏名】中井 美穂

【氏名】内藤 宣博

【氏名】和田 里子

【氏名】吉野 剛正

【要約】 【課題】構成素材が無機物及び生分解性を有する素材から成り、吸水性能が汗中のナトリウムイオン濃度に影響を受け難い生分解性吸水材を用いることにより、安定した制汗作用を発揮できる制汗性化粧品及び制汗剤を安全に安価に提供する。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 生分解性を有しかつ0.9質量%塩化ナトリウム水溶液を自重の10倍以上吸水可能な吸水材を含有することを特徴とする制汗性化粧品。
【請求項2】 吸水材が、ガラクトマンナンをホウ素及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンにより架橋してなる吸水材であることを特徴とする請求項1記載の制汗性化粧品。
【請求項3】 ホウ素以外の三価以上の多価金属イオンが、チタン、ジルコニウム、セリウム及びイットリウムからなる群から選ばれる1種以上のイオンであることを特徴とする請求項2記載の制汗性化粧品。
【請求項4】 生分解性を有しかつ0.9質量%塩化ナトリウム水溶液を自重の10倍以上吸水可能な吸水材を含有することを特徴とする制汗剤。
【請求項5】 吸水材が、ガラクトマンナンをホウ素及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンにより架橋してなる吸水材であることを特徴とする請求項4記載の制汗剤。
【請求項6】 ホウ素以外の三価以上の多価金属イオンが、チタン、ジルコニウム、セリウム及びイットリウムからなる群から選ばれる1種以上のイオンであることを特徴とする請求項5記載の制汗剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナトリウムイオンを含有する液体の吸水性に優れ、かつ生分解性を有する吸水材を含有してなる制汗性化粧品及び制汗剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来制汗剤は、例えばエアゾール式のものでは制汗性薬剤としてのクロル水酸化アルミニウム粉末と皮膚のサラサラ感を得るためにタルクなどの無機系パウダー粒子、さらにこれらの粉末を皮膚に付着しやすくするためのオイルなどを加え、噴射剤としてフロンガスやLPGガスなどが用いられている。このような制汗剤にはエアゾール式、スティック式、ロールオン式など様々なタイプのものが市販されている。中でもエアゾール式は噴射剤が気化する際の冷感により使用感に優れること、使用方法が簡便であることなどにより近年では制汗剤の主流となっている。また前述の制汗剤を既存の化粧品、例えばファウンデーションを配合した制汗性化粧品も開発されている。ここで、本発明で述べる制汗性薬剤とは薬理効果により皮膚からの発汗作用を抑制することができる薬品成分であり、制汗剤とは該制汗性薬剤を皮膚に噴霧、塗布、付着することが容易にできるように開発された製品を示すものである。さらに本発明で述べる制汗性化粧品とは該制汗剤に加え、制汗目的以外の化粧品成分(顔料や色素など)を配合し、制汗効果と化粧効果を同時に兼ね備えた製品を示す物である。
【0003】しかし最近では特に女性を中心として発汗による皮膚のベタツキを嫌う傾向がより高くなり、従来の制汗性薬剤と無機系パウダー粒子の配合だけでは十分な爽快感が得られなくなってきた。このため皮膚の水分(汗)を効率よく吸収させることを目的として、ポリアクリル酸ナトリウムのような合成高分子吸水材の微粒子を配合した制汗性化粧品(特開昭60−81120号、特開平3−109316号)、α,β−不飽和カルボン酸を逆相懸濁重合した吸水性ポリマーを配合した制汗性化粧品(特開平5−222107号)が開発されている。
【0004】このような用途に使用されている吸水材としては、例えば、架橋ポリアクリル酸部分中和物(特開昭55−84304号、米国特許4625001号)、澱粉−アクリロニトリル共重合体の部分加水分解物(特開昭46−43995号)、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体(特開昭51−125468号)、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体の加水分解物(特開昭52−14689号)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸の共重合架橋物(欧州特許0068189号)、カチオン性モノマーの架橋体(米国特許4906717号)、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体(米国特許4389513号)などが知られている。
【0005】合成高分子吸水材であるポリアクリルアミドやポリアクリル酸の安全性については完全に証明されておらず、これらのモノマー(アクリル酸やアクリルアミド)は神経毒性や発癌性、変異原性を有していることが指摘されている。すなわちこれらのポリマー中に未反応のモノマーが残存していないという保証はないことが指摘されている。
【0006】さらに合成高分子系吸水材はその大半がアニオン性ポリマーであり、脱イオン水の吸水能は100〜1000倍と高いが、ナトリウムやカルシウムなどの二価以下のカチオンを含む被吸収液に対しては著しく吸水能が低下し、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液では30〜60倍程度である。汗の場合は水分の揮発により、塩濃度はもっと高くなり場合によっては5質量%以上の濃度になる。このようなアニオン性吸水材を制汗性化粧品及び制汗剤の吸水材として使用した場合、揮発により濃縮された汗を吸水する能力は非常に低く、爽快感を得るためには吸水材の配合量を増加させる必要がある。
【0007】すなわち、これらの合成高分子系吸水性材の吸水能は耐塩性に乏しいので配合量を増加させる必要があり、配合量増加による皮膚への異物感の悪化、未反応物による毒性の危険性も増大する。
【0008】近年、「地球にやさしい素材」として生分解性ポリマーが注目されており、これを吸水材、フィルム、不織布として使用することが提案されている。生分解性を有する吸水材としては、例えばポリエチレンオキシド架橋体(特開平6−157795号等)、ポリビニルアルコール架橋体、カルボキシメチルセルロース架橋体(米国特許4650716号)、アルギン酸架橋体、澱粉架橋体(特開昭55−15634号)、ポリアミノ酸架橋体(特開平7−224163号、特開平7−309943号、特開平8−59820号、特開平8−504219号、特開平9−169840号など)、ガラクトマンナン−金属イオン架橋体(特開平8−59891号、特公平3−66321号、特開昭56−97450号、)などが知られている。
【0009】これらの生分解性吸水材を制汗性化粧品及び制汗剤の吸水材として用いることは可能である。しかしながら、カルボキシメチルセルロース架橋体やアルギン酸架橋体、ポリアミノ酸架橋体のような生分解性吸水材は上述のようにアニオン性であるため耐塩性に乏しく、高濃度の塩を含む汗を吸水する能力は非常に低い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような状況において、汗中の塩濃度に影響されることのない耐塩性吸水性能を有し、皮膚への刺激性、毒性を有さない生分解性吸水材を含む制汗性化粧品及び制汗剤を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、特定の吸水材、特にガラクトマンナンをホウ素及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンからなる生分解性吸水材が被吸収液中のナトリウム濃度に影響を受けずに安定した吸水性能を発揮できることから制汗性化粧品及び制汗剤への吸水材として好適であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、生分解性を有しかつ0.9質量%塩化ナトリウム水溶液を自重の10倍以上吸水可能な吸水材を含有することを特徴とする制汗性化粧品及び制汗剤を要旨とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の制汗性化粧品及び制汗剤は、その形態によってエアゾール式、スティック式、オンロール式など種々のものがあるが、その形態を特に限定するものではない。
【0014】最も好適に用いられるエアゾール式制汗剤を例にすると、これらはA)制汗効果を有する薬剤粉末及び無機系助剤の粉末、B)実質的に球状の微粉末ポリマー、C)液化ガスから主に構成される。本発明の制汗剤は、前記B)の成分として、生分解性を有しかつ0.9質量%塩化ナトリウム水溶液を自重の10倍以上吸水可能な吸水材を用いることを特徴とするものである。
【0015】ここでいう吸水量は、以下のティーバッグ法により測定された値をいう。すなわち、ナイロン製ティーバッグ(基準目開き寸法 2μm)に吸水材1gを入れ、1Lの0.9質量%塩化ナトリウム水溶液にティーバッグを3時間浸し、ティーバッグを引き上げ、10分間水切りを行った後、その質量を測定した。吸水材の吸水量は、3時間水に浸した吸水材が入っていないティーバッグの質量をブランクとし、吸水して膨潤した吸水材が入ったティーバッグの質量から、膨潤前の吸水材の質量とブランクの質量を減じた値を、膨潤前の吸水材の質量で除した値を吸水量(g/g樹脂)とした。
【0016】このような吸水材としては、ポリエチレンオキシド架橋体(特開平6−157795号等)、ポリビニルアルコール架橋体などの水溶性高分子架橋体類、デンプン架橋体、ガラクトマンナン架橋体又はこれらの誘導体の架橋体のような多糖類架橋体類が挙げられるが、コスト的及び吸水性能的観点からガラクトマンナン又はその誘導体の架橋体が好ましく、ガラクトマンナンの中でも最も安価な未修飾グアガムが最も好ましい。
【0017】以下、ガラクトマンナン又はその誘導体の架橋体について説明する。これは単独でホウ素及びホウ素以外の三価以上の金属イオンと架橋させても良いが、吸水性能を改善でき、便器や配管内で極度な再膨潤を起こさない範囲であれば、2種以上のガラクトマンナン又はその誘導体を混合してから架橋させても良い。この場合、全ガラクトマンナンの50質量%以上がグアガムであればよい。グアガムと混合可能なガラクトマンナン又はその誘導体としては、カルボキシルメチルガラクトマンナン、カルボキシメチルヒドロキシプロピルガラクトマンナンやローカストビーンガムなどが挙げられ、これらのグループから選ばれる1種以上のガラクトマンナン又はその誘導体を全ガラクトマンナンの50質量%以下の範囲で加えてからホウ素及びホウ素以外の三価以上の金属イオンで架橋しても良い。しかしながら、前述のように吸水材の構造中に多量のカルボキシル基を含有すると二価以下のカチオン濃度に対して吸水能が影響を受け、吸水能が低下するおそれもあるので、これらの混合割合は全ガラクトマンナンの10質量%以下が好ましく、さらに好ましくは5質量%以下である。
【0018】ガラクトマンナンの分子量は1万以上が好ましく、より好ましくは5万以上である。分子量が1万以下の場合は金属イオンで架橋してもゲルを形成しないので不適当である。
【0019】ガラクトマンナンを架橋する架橋剤としては、グルタルアルデヒド、グリオキサールなどのアルデヒド化合物、エチレンジアミン、ポリアミドレジンなどのアミン化合物、2,2-ビスヒドロキシメチルブタノールトリ[3-(1-アジリジン)]プロピオン酸などのアジリジン化合物、トリレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、トルエンジイソシアナートなどのイソシアナート化合物、グリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコールなどの多価アルコール、エピクロルヒドリン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物などの有機系架橋剤、ホウ素、チタン、アルミニウム、ニオブ、アンチモン、ジルコニウム、セリウム、ランタン、イットリウム、鉄などの三価以上の多価金属イオンを含む無機系架橋剤が挙げられるが、環境及び人体への影響がほとんどないことから好ましくはホウ素、チタン、ジルコニウム、セリウム、イットリウムを含む架橋剤である。
【0020】ガラクトマンナンをホウ素と三価以上の多価金属イオンで架橋する場合はそれぞれを単独で使用するのではなく、ホウ素とホウ素以外の三価以上の多価金属イオンは共に使用することが好ましい。この場合、■ホウ素とホウ素以外の三価以上の多価金属イオンを含む混合架橋剤液を用いてガラクトマンナンゾルを架橋しても良いし、■ガラクトマンナンゾルをホウ素で架橋後、次いでホウ素以外の三価以上の多価金属イオンで架橋しても良いし、■ガラクトマンナンゾルをホウ素以外の三価以上の多価金属イオンで架橋後、次いでホウ素で架橋しても良く、■ガラクトマンナン−ホウ素−三価以上の多価金属イオン架橋ゲルをホウ素又は/及びホウ素以外の多価金属イオンにより再架橋してもよく、さらには■ガラクトマンナン−三価以上の多価金属イオン架橋ゲルをホウ素とホウ素以外の三価以上の多価金属イオンの混合架橋剤で再架橋してもよい。
【0021】この架橋方法については、目的とする吸水材の形態によって異なるので特に限定しないが、粉末状吸水材の場合は■が好ましい。
【0022】架橋剤に含まれるホウ素及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンの形態としては塩化物、硫酸化物、炭酸化物、酢酸化物、蟻酸化物、乳酸化物、アルコキシドなどが挙げられるが、使用する金属によって好ましい形態が異なるので適宜選択する必要がある。
【0023】例えば、チタンに関しては塩化物又はアルコキシドが好ましく、ジルコニウムに関しては酢酸化物、炭酸化物又はアルコキシドが好ましく、ホウ素に関してはホウ酸アルカリ金属塩の水和物が好ましい。好ましいホウ酸アルカリ金属塩としてはホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウムである。
【0024】また、好ましいチタンの塩化物は四塩化チタンであり、好ましいチタンアルコキシドとしてはチタニウム(IV)ジイソプロポキシド ビスアセチルアセトネート、チタニウム(IV) トリエタノールアミネート イソプロポキシド、チタニウム(IV)テトライソプロポキシド、チタニウム(IV)ジ−n−ブトキシ ビストリエタノールアミネート、チタニウム(IV)イソプロポキシオクチレン グリコネート、Tyzor131(Du pont社)、TyzorGBA(Du pont社)、チタニウム(IV)ビストリエタノールアミネートジイソプロポキシドなどのチタンアルコキシド化合物が挙げられるが、最も好ましいチタンの形態は水溶性でpHが中性以上であり水溶液状態で安定で安価なTyzor131又はアルコール中での安定性に優れたチタニウム(IV)ビストリエタノールアミネートジイソプロポキシドである。
【0025】また、好ましいジルコニウムのアルコキシドとしてはジルコニウム(IV)テトラブトキシド、ジルコニウム(IV)テトラプロポキシド、ジルコニウム(IV)トリブトキシアセチルアセトネートなどが挙げられ、ジルコニル化合物としてはオキシ塩化ジルコニル、酢酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウムなどが挙げられるが、最も好ましいジルコニウムの形態は取り扱いが容易で安価な炭酸ジルコニルアンモニウム又は酢酸ジルコニルである。
【0026】多糖類とホウ素及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンの混合比率は多糖類とホウ素及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンの種類によって異なるので適宜選択する必要がある。例えば、多糖類としてグアガムを用いる場合、グアガム質量1kg当たり、ホウ素は10〜1000ミリモル、ホウ素以外の三価以上の多価金属イオンは1〜300ミリモル添加することが好ましい。
【0027】ガラクトマンナンを水和させてゾル化し、架橋剤を加えてゲル化したあと、乾燥して微破砕すると容易に生分解性を有する粉末状吸水材が作成できる。また必要に応じて、架橋して作成したゲルを1〜6個の炭素から構成されるアルコール類やアセトンなどの親水性溶媒と共に刃付き回転ミキサーで粗破砕したあと、ホモミキサーや超音波分散機などで微粒子まで破砕し、さらに上記で述べたホウ素以外の三価以上の多価金属イオンを加えてゲル粒子表面近傍を架橋して乾燥し、ゲル強度の向上した粉末状吸水材として用いてもよい。
【0028】ホウ素に関しては環境中の微生物により発汗後の汗から発生するアンモニアの原因である尿素を分解する酵素であるウレアーゼの活性を阻害するとの報告があることから、制汗性化粧品及び制汗剤に使用する吸水材の組成としてはかなり好ましい。(米国特許4949672号、米国特許5176108号など)
【0029】このようにして得られた吸水材の真比重は2.5以下が好ましく、1以下がより好ましい。また、粒径は0.1〜50μmが好ましく、0.1〜30μmの範囲のものがより好ましい。50μm以上ではスプレーノズルの目詰まりを起こしやすく、0.1μm以下では粒子同士が凝集して分散性が悪くなる。また、この吸水材は、実質的に球状であることが好ましい。
【0030】前記のB)実質的に球状の微粉末ポリマーには、上述のガラクトマンナンとホウ素及びホウ素以外の三価以上の多価金属イオンから成る生分解性吸水材に加えて、必要に応じてポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどの非生分解性高分子、ポリビニルアルコールや脂肪族ヒドロキシカルボン酸、脂肪族二価アルコールおよび脂肪族二塩基酸を組み合わせて製造できる生分解性を有する脂肪族ポリエステル系重合体、脂肪族ポリエステル系重合体に一部テレフタル酸および/またはイソフタル酸が共重合された半脂肪族ポリエステル系重合体、上記脂肪族ポリエステルに脂肪族ジアミンや脂肪族アミノカルボン酸、ラクタム類が共重合されたポリエステルアミド系重合体、デンプン系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、セルロースアセテート系重合体などを配合することは可能である。
【0031】脂肪族ポリエステル系重合体に用いられる脂肪族ヒドロキシカルボン酸の具体例としてはグリコール酸、乳酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などが挙げられる。さらに脂肪族ヒドロキシカルボン酸の環状エステル、例えば乳酸の二量体であるラクタイド、グリコール酸の二量体であるグリコライド、6−ヒドロキシカプロン酸の環状エステルであるε−カプロラクトンなどが挙げられる。これらは単独でまたは二種以上併わせて用いることができる。
【0032】脂肪族二価アルコールの具体例としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオールなどが挙げられる。これらは単独でまたは二種以上併せて用いることができる。
【0033】脂肪族二塩基酸の具体例としてはコハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸などが挙げられる。これらの脂肪族二塩基酸は単独でまたは二種以上併せて用いることができる。
【0034】これらの重合体には目的に応じて各種添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、熱安定剤、難燃剤、離型剤、無機添加剤、結晶核剤、耐電防止剤、顔料、アンチブロッキング剤を添加することができる。
【0035】さらに、必要に応じて、pH調整剤、脱臭剤、消臭剤、香料、発泡剤、顔料、染料、抗菌剤、親水性短繊維、可塑剤、粘着剤、界面活性剤、酸化剤、還元剤、塩類等の無機性又は有機性添加物を添加し、これにより吸水材に種々の機能を付与してもよい。
【0036】無機充填材としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、ゼオライト、珪酸白土などが挙げれ、炭酸カルシウム、タルク、クレー、シルカ、珪藻土、チタン、ゼオライトが好ましいが、安価で脱臭能を有するゼオライトが好ましい。
【0037】B)のポリマーと上記した無機性又は有機性添加物との混合比は特に限定されず、場合によってはこれらの添加物を含まなくてもよい。添加物を混合する場合の混合比(添加物/吸水材)は、0/100〜50/50が好ましく、10/80〜40/60がさらに好ましい。
【0038】これら実質的に球状の微粉末ポリマーの使用量は全体に対して0.5〜15質量%添加することが好ましい。
【0039】エアゾール式制汗剤におけるB)以外の成分、すなわち、A)の制汗効果を有する薬剤粉末及び、C)の液化ガスについては従来知られているものが同様に使用できる。
【0040】A)の制汗効果を有する薬剤としてはアルミニウム、ジルコニウム、亜鉛などの硫酸塩、臭化物、塩化物、クロル水酸化物又はトリメチルアセチルスコパラミン塩酸塩のようなコリン抑制性剤などの制汗効果を有する粉末であれば限定される物ではないが、代表的にはクロル水酸化アルミニウム、フェノールスルホン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、フェノールスルホン酸亜鉛などを挙げることができる。
【0041】これらの薬剤粉末はスプレーノズルの目詰まり防止のため、通常50μm以下、好ましくは20μm以下の粒径のものが用いられる。これらは通常0.15〜15質量%添加される。また通常、皮膚にサラサラ感を与え、使用感をよくするために、タルク、カオリン、ベントナイトなどの無機系助剤が配合される。これら無形助剤の全体に占める割合は通常0.5〜15質量%であり、好ましくは3〜12質量%である。薬剤の量がこれより少なければ制汗効果が得られず、多すぎると薬剤粉末が飛散したり、分散性が悪くなるなどの問題が生じるので好ましくない。
【0042】C)の液化ガスとしては、可燃性液化ガス、不燃性液化ガスのいずれでも良く特に限定しない。可燃性液化ガスとしてはプロパン、n-ブタン、イソブタン、ジメチルエーテルなどを単独でまたはこれらの混合物が用いられる。不燃性液化ガスとしてはフロン11やフロン12、フロン114などのフロン系のものが用いられるが近年の地球温暖化現象の促進やオゾン層の破壊促進の観点から、フロン系不燃性液化ガスの使用は好ましくない。これらは通常99〜70質量%含有される。
【0043】上記以外の成分としては殺菌剤として例えばトリクロルカルブアニリド、トリフルオロメチルカルブアニリド、トリブロモサリチルブニリド及び2,4,4'-トリクロル-2-ヒドロキシジフェニルエーテルなどを添加しても良い。また安定剤、分散剤、香料、抗菌剤なども必要に応じて配合される。制汗性化粧品及び制汗剤がエアゾール式或いはオンロール式などの液状の場合には、粉末状吸水材と皮膚との接着性を向上させるためのオイル成分として、ミリスチン酸イソプロピル、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、エタノール或いはその他のアルコール類、エステル類などを配合することが好ましい。またスティック式などの固形である場合には、ステアリン酸、及びグリセリンを配合することにより接着性を向上させることができる。
【0044】また前記の制汗剤などを制汗性化粧品とする場合には、制汗剤成分に加えて無機顔料としてベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、グンジョウ、コンジョウ、酸化クロムなどや、有機顔料としてコチニール、カーサミン、β―カロチンなどや、白色顔料としては酸化チタン、酸化亜鉛などを、体質顔料としてはタルク、マイカ、セリサイト、カオリン、硫酸バリウム、無水珪酸、炭酸カルシウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウムなどや、パール顔料としては雲母チタン、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマスなどや、金属石鹸としてはステアリン酸のマグネシウム塩、カルシウム塩及びアルミニウム塩、パルミチン酸やミリスチン酸の亜鉛塩などや、高分子粉末としてはナイロンパウダーやポリエチレン粉末などが好適に用いられ、これらを目的に応じて適宜配合すればよい。
【0045】
【実施例】以下、実施例で生分解性吸水材の製造及び制汗性化粧品及び制汗剤の製造方法の一例を述べるが、本発明は下記実施例に限定される物ではない。
実施例1〔生分解性吸水材の作成〕グアガム(三栄薬品貿易社製)4gを50℃に加温した純水200ml(固形分濃度2質量%)に攪拌しながら添加し、溶解・膨潤させゾル液を作成した。1時間膨潤後、そのゾル液200mlに炭酸ジルコニルアンモニウム溶液を最終的なジルコニウム含有量がグアガム質量1kg当たり50ミリモル、0.5Mの四ホウ酸ナトリウム十水和物水溶液を最終的なホウ素含有量が250ミリモルになるようにそれぞれ添加し、ブレンダーで破砕混合しながら充分に架橋させた。これらのゲルのpHは9.0±0.1になるよう調製した。このゲルを同量のエタノールと共に刃付きブレンダーで粗破砕し、次いでホモミキサー(1万rpm、10分間)で微破砕した。これにグアガム1kg当たり1100ミリモルとなるように炭酸ジルコニルアンモニウム溶液を加えて10分間混合した。この混合物を濾過して固液分離し、固相ゲル粒子を50℃で熱風乾燥した。得られた粒子乾燥物をさらに篩により分級し、5〜20μmのものを得た。得られた粒子の比重は0.21g/cm3であった。前記したティーバック法により吸水量及び以下の方法により吸水速度の測定を行った。
【0046】吸水速度の測定は50mlの0.9%質量塩化ナトリウム水溶液又は5質量%塩化ナトリウム水溶液を100mlビーカーに導入して長さ30mmのマグネチックスターラーで600回転/分の回転させ、渦を作成した。ここに2gの上記吸水材を導入して渦が消滅するまでの時間を測定し、吸水速度とした。その結果、本実施例の吸水材は0.9質量%塩化ナトリウム水溶液吸水量が45g/g、吸水速度が45秒であった。また5質量%塩化ナトリウム水溶液吸水量は42g/g、吸水速度が57秒であった。
【0047】〔制汗性エアゾールの製造〕クロル水酸化アルミニウム40質量%、タルク30質量%、イソプロピルミリステート30質量%の混合物を3.3質量%、上記で作成した粉末状吸水材を1.7質量%、ジメチルエーテル(噴射剤)を95質量%混合した懸濁液100mlを内径30mm、内容積80mlの透明ガラス製耐圧容器に充填し、本発明品ある生分解性吸水材を含有したエアゾール式の制汗剤を得た。
【0048】比較例1実施例1における生分解性吸水材の代わりにポリアクリル酸ナトリウム吸水材を用い、上記方法と同様にしてエアゾール式制汗剤を作成した。
【0049】試験例130人の男女を被験者として30℃、湿度70%の室内で1時間発汗後、この実施例1と比較例1のエアゾール式制汗性剤をそれぞれ使用して貰って爽快感やサラサラ感についてアンケート調査したところ、実施例1の方が優れているという回答が23人、比較例1が優れているという回答が3人、同レベルであるという回答が4人であり、本発明の制汗剤が優れていることが明らかになった。
【0050】実施例2〔制汗性化粧品の製造〕実施例1で製造した粉末状吸水材30質量%、マイカ40質量%、タルク2.8質量%、酸化チタン10質量%、酸化鉄赤1質量%、酸化鉄黄3質量%、酸化鉄黒0.2質量%をブレンダーで混合する(粉末相)。またスクワラン8質量%、2−エチルヘキサン酸エチル4質量%、防腐剤0.5質量%、香料0.5質量%を混合して加熱溶解(油相)し、粉末相の混合を続けながら油相を噴霧誌、粉砕、篩通し後、容器に充填成形して本発明の生分解性吸水材を含有した制汗性パウダーファウンデーションを得た。
【0051】比較例2実施例2における生分解性吸水材の代わりにポリアクリル酸ナトリウム吸水材を用い、上記方法に従って制汗性パウダーファウンデーションを作成した。
【0052】試験例2試験例1と同様に被験者を用いて化粧崩れの度合いやサラサラ感についてアンケート調査した所、実施例2の方が優れているという回答が18人、比較例2が優れているという回答が4人、同レベルであるという回答が8人であり、本発明のパウダーファウンデーションの制汗性が優れていることが明らかになった。
【0053】
【発明の効果】本発明の制汗性化粧品及び制汗剤は耐塩性に優れた生分解性吸水材を含有しているので、汗中のナトリウム濃度に影響を受け難く、安定した制汗効果を発揮できる。
【出願人】 【識別番号】000004503
【氏名又は名称】ユニチカ株式会社
【出願日】 平成13年2月22日(2001.2.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−249421(P2002−249421A)
【公開日】 平成14年9月6日(2002.9.6)
【出願番号】 特願2001−46667(P2001−46667)