| 【発明の名称】 |
化粧料組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】松本 誠
【氏名】清水 郁郎
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| 【要約】 |
【課題】しなやかで、滑らかな感触を与えながら、良好なセット保持力を有する毛髪用化粧料組成物、耐水性・耐油性・耐汗性が良好で、化粧持ちのすぐれた皮膚・メイキャップ化粧料組成物の提供。
【解決手段】(A)コロイダルシリカのコア80〜 5重量%と、(B)平均組成式R1 a SiO (4-a)/2(式中R1 は水素原子または置換もしくは非置換の1価の炭化水素基、aは1.80〜2.20数)で表されるポリオルガノシロキサンのシェル20〜95重量%とから成るコロイダルシリカコア−シリコーンシェル体を被膜形成成分として含有することを特徴とする化粧料組成物である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (A)コロイダルシリカのコア80〜 5重量%と、(B)平均組成式R1aSiO (4-a)/2(式中R1 は水素原子または置換もしくは非置換の1価の炭化水素基、aは1.80〜2.20数)で表されるポリオルガノシロキサンのシェル20〜95重量%とから成るコロイダルシリカコア−シリコーンシェル体を被膜形成成分として含有することを特徴とする化粧料組成物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コロイダルシリカコア−シリコーンシェル体を被膜形成成分として含有する化粧料組成物に係り、さらに詳しくはしなやかで、滑らかな感触を与えながら良好なセット保持力を有する毛髪用化粧料組成物、および耐水性・耐油性・耐汗性が良好で、化粧もちにすぐれた皮膚・メイキャップ用化粧料組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】毛髪用化粧料組成物は、一般的に、毛髪固定用の高分子化合物および毛髪に光沢や滑らかさを付与する油剤を含有した形態を採っている。すなわち、ポリビニルピロリドン系高分子化合物、ポリビニルエーテル系高分子化合物、ポリ酢酸ビニル系高分子化合物、あるいはアクリル系高分子化合物などの高分子化合物を毛髪固定剤として配合する一方、毛髪に光沢や滑らかさなどを付与するために油剤を配合している。 【0003】また、皮膚やメイキャップ用の化粧料組成物は、一般的に、刺激物質からの皮膚の保護、保湿性付与および化粧持続性向上などを目的とする高分子化合物、ならびに使用性および使用の感触性の向上を目的とする油剤を含有した構成を採っている。すなわち、アクリル系高分子化合物、セルロース系高分子化合物などの高分子化合物を被膜形成成分として配合する一方、使用性および使用の感触性の向上のため、シリコーン油などの油剤を配合している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記毛髪固定剤として高分子化合物を、また、毛髪に光沢や滑らかさを付与する油剤をそれぞれ配合して成る毛髪用化粧料組成物は、高いセット保持力を有しながら、しなやかさや滑らかな感触性の点で、なお、十分満足できるものとはいえない。一方、従来の皮膚やメイキャップ用の化粧料組成物の場合は、汗、涙、雨、雪などの水分、あるいは他の化粧料の油剤、皮膚や汗などによって化粧崩れを起こし易い傾向があり、耐水性、耐油性、耐汗性の改善が望まれている。 【0005】本発明者らは、上記事情に対応して鋭意検討を重ねた結果、コロイダルシリカに、ポリオルガノシロキサンをシロキサン結合させて成るシリカコア−シリコーンシェル体を被膜形成成分として含有させた場合、良好なセット保持力を有するだけでなく、しなやかで滑らかな感触を与えられた毛髪用化粧料組成物と成ること、もしくは耐水性・耐油性・耐汗性が良好で、化粧もちのすぐれた皮膚・メイキャップ化粧料組成物と成ることを見出した。 【0006】本発明は、この知見に基づいてなされたもので、しなやかで、滑らかな感触を与えながら、良好なセット保持力を有する毛髪用化粧料組成物、耐水性・耐油性・耐汗性が良好で、化粧もちのすぐれた皮膚・メイキャップ化粧料組成物の提供を目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、(A)コロイダルシリカのコア80〜 5重量%と、(B)平均組成式R1 a SiO (4-a)/2(式中R1 は水素原子または置換もしくは非置換の1価の炭化水素基、aは1.80〜2.20数)で表されるポリオルガノシロキサンのシェル20〜95重量%とから成るコロイダルシリカコア−シリコーンシェル体を被膜形成成分として含有することを特徴とする化粧料組成物である。 【0008】ここで、コロイダルシリカコア−シリコーンシェル体とは、コロイダルシリカをコアとし、少なくともその表面の一部をシリコーン、つまりポリオルガノシロキサンがシェルとして被覆した構成を主体としたものであり、分離したシリコーン粒子を若干含む形態を採ってもよい。また、上記平均組成式において、R1 はその総量のうち0.01〜25モル%、好ましくは0.05〜 5モル%の範囲で、有機官能基やエチレン性不飽和基で置換した場合は、しなやかさや滑らかな感触性を損なわずに、毛髪や皮膚に対する密着性が向上する。 【0009】本発明において使用するコロイダルシリカコア−シリコーンシェル体は、水分が除去された後に、エラストマー硬化物を形成する成分であり、(a)成分のコロイダルシリカを、(b)成分のポリオルガノシロキサンが覆ったものである。より詳しく説明すると、基本的には、 (1)ポリオルガノシロキサンの片末端がシロキサン結合を介してシリカ表面に結合したもの、 (2)ポリオルガノシロキサンの片末端がシロキサン結合を介してシリカ表面に結合し、他末端が水酸基で封鎖されたもの、 (3)ポリオルガノシロキサンの両末端が水酸基で封鎖され、シリカ表面とのシロキサン結合をもたないものの3種類の形態で構成されている。そして、3,4官能性アルコキシシランやチェーンストッパーの併用によって、前記形態の種類が増加して複雑なものとなる。 【0010】本発明に係るコロイダルシリカコア−シリコ―ンシェル体の(a)成分、すなわちコロイダルシリカとは、SiO2 を基本単位とする水中分散体を指称するものであり、平均粒子径 4〜 300nm、より好ましくは30〜 150nmである。なお、コロイダルシリカは、特性分類から酸性とアルカリ性とに分けられるが、コアシェル体を製造する場合の乳化重合時の条件によって、適宜選択して使用できる。たとえばアニオン系界面活性剤を用いた酸性条件下で、乳化重合を行う場合には、酸性コロイダルシリカの使用が好ましい。 【0011】本発明に係るコロイダルシリカコア−シリコ―ンシェル体の(b)成分、すなわちポリオルガノシロキサンのシェルは、20〜95重量%の範囲で選択される。その理由は、20重量%未満では弾性率などが大幅に低下し、エラストマー的特性に欠ける硬化物が生成し、また、95重量%を超えた場合はコロイダルシリカの補強性が十分でなく機械的な特性に欠けるエラストマー硬化物となる。つまり、前記範囲を外れるといずれの場合も、結果的に、所要のしなやかで、滑らかな感触を与えながら良好なセット保持力を有する毛髪用化粧料組成物、および耐水性・耐油性・耐汗性が良好な皮膚・メイキャップ用化粧料組成物として機能しない。 【0012】また、コアシェル体のポリオルガノシロキサンのシェルを示す前記平均組成式,R1 a SiO (4-a)/2 において、ケイ素原子に結合するR1 は、水素原子または置換もしくは非置換の1価の炭化水素基である。 【0013】ここで、非置換の1価の炭化水素基としては、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などの直鎖または分岐状アルキル基、フェニル基、ナフチル基、キセニル基などのアリール基、ベンジル基、β−フェニルエチル基、メチルベンジル基、ナフチルメチル基などのアラルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基などのシクロアルキル基などが挙げられる。 【0014】一方、置換の1価の炭化水素基としては、一般的に、上記非置換の1価の炭化水素基の水素原子を、フッ素や塩素などのハロゲン原子で置換した基、たとえば3,3,3-トリフルオロプロピル基、3-フルオロプロピル基などが挙げられる。さらに、この置換の1価の炭化水素基の変形として、酸素原子および窒素原子の少なくとも1種を含む有機官能基あるいはエチレン性不飽和基を含む基が挙げられる。特に、有機官能基あるいはエチレン性不飽和基を含むコロイダルシリカコア−シリコーンシェル体を用いた化粧料組成物は、毛髪や皮膚に対する密着性がすぐれている。なお、上記有機官能基としは、次のような有機基が例示される。 【0015】−CH2 CH2 CH2 NH2−CH2 CH2 CH2 NHCH2 CH2 NH2−CH2 CH2 CH2 NHCH2 CH2 NHCH2 CH2 NH2【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
−CH2 CH2 CH2 SHまた、エチレン性不飽和基を含む基としては、次のような有機基が例示される。ただし、式中nは 0〜10の整数である。 【0016】CH2 =CH−O−(CH2 )n −CH2 =CH−(CH2 )n −【化5】
【化6】
上記、CH2 =CH−O−(CH2 )n −で示される基としては、ビニロキシエチル基、ビニロキシエトキシエチル基、より好ましくはビニロキシプロピル基、ビニロキシエトキシプロピル基などが挙げられる。また、CH2 =CH−(CH2 )n −で示される基としては、ホモアリル基、5-ヘキセニル基、7-オクテニル基、より好ましくはビニル基、アリル基が挙げられる。 【0017】さらに、化5で示される基において、R3 は水素原子または炭素数 1〜 6のアルキル基、このましくは水素原子、メチル基である。なお、化5で示される基としては、(ビニルフェニル)メチル基、イソプロペニルビニルフェニル基、2-(ビニルフェノキシ)エチル基、3-(ビニルベンゾイルオキシ)プロピル基、3-(イソプロペニルベンゾイルオキシ)プロピル基、より好ましくはビニルフェニル基、1-(ビニルフェニル)エチル基、2-(ビニルフェニル)エチル基が挙げられる。 【0018】また、化6で示される基において、R5 は炭素数 1〜 6のアルキレン基、−O−、−S−、−N(R6 )R7 −で表される基であり、R6 は炭素数 1〜 6の炭化水素基もしくは(メタ)アクリロイル基、R7 は炭素数 1〜 6のアルキレン基である。この化6で示される基としては、γ−アクリロキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、 N,N−ビス−(メタクリロイル)−γ−アミノプロピル基、より好ましくはN-メタクリロイル-N- メチル−γ−アミノプロピル基、N-アクリロイル-N- メチル−γ−アミノプロピル基が挙げられる。 【0019】本発明の化粧料組成物は、一般的に、次のようにして製造できる。すなわち、(a)コロイダルシリカ(コア成分)と、(b)R2 n SiO (4-n)/2 (式中R2 は水素原子または置換もしくは非置換の1価の炭化水素基、nは 0〜 3の数)で表される構造単位を有し、かつ水酸基を含有しないケイ素原子数 2〜10のオルガノシロキサンとをそれぞれ用意する。次いで、コロイダルシリカに対して、オルガノシロキサンを水性媒体中、界面活性剤の存在下で重縮合させることによって、コロイダルシリカコア−シリコーンシェル体のエマルジョンを調製する。 【0020】上記コロイダルシリカコア−シリコーンシェル体のエマルジョン調製に当たって、コロイダルシリカを安定な状態に保持するめ、酸性コロイダルシリカ−アニオン系界面活性剤、アルカリ性コロイダルシリカ−カチオン系界面活性剤の組み合わせを選択する。また、この乳化・エマルジョン化での水の使用量は、コロイダルシリカ成分およびオルガノシロキサン類成分の全量、 100重量部当たり50〜500重量部、好ましくは 100〜 300重量部であり、エマルジョン系の固形分濃度が20〜70重量%,好ましくは30〜60重量%である。さらに、コロイダルシリカコア−シリコーンシェル体化(縮合反応など)温度は、 5〜 100℃程度である。なお、シリコーンシェルを成すオルガノシロキサン成分は、シェル部の強度を向上させるため、官能基を有するシラン類などの架橋剤を添加することもできる。 【0021】上記調製されたコロイダルシリカコア−シリコーンシェル体のエマルジョンは、酸性もしくはアルカリ性を呈するので、長期の安定性を保つためにアルカリもしくは酸を添加して中和処理する。ここで、アルカリ性の中和剤としては、水酸化ナトリウム、炭酸トリウム、炭酸水素トリウム、トリエタノールアミンが挙げられ、また、酸性の中和剤としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸などが挙げられる。 【0022】その後、化粧料に使用されている各種の揮発性もしくは不揮発性の油剤、界面活性剤、潤滑剤、防腐剤、酸化防止剤、香料、粉体などの成分を、用途に対応して任意に配合し、所要の化粧料組成物を製造する。すなわち、コロイダルシリカコア−シリコーンシェル体を重量比で、 0.5〜50%程度の範囲に選び、用途に対応して、油剤、界面活性剤、潤滑剤、防腐剤、酸化防止剤、香料、粉体などを適宜選択し、所望の化粧料組成物を調製する。 【0023】本発明で使用するコアシェル体のシェルを形成するポリオルガノシロキサンの原料成分である上記ポリオルガノシロキサンとしては、具体的には次のようなものが例示される。 【0024】ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7-テトラメチル -1,3,5,7-テトラフェニルシクルテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラベンジルテトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-トリス-(3,3,3-トリフルオロプロピル)トリメチルシクロテトラシロキサンなどの環状化合物が挙げられ、これらは単独もしくは2種以上の混合系でもよい。 【0025】有機官能基もしくはエチレン性不飽和基を含む基を導入するために使用するシラン化合物としては、次のようなシラン類が使用される。 【0026】有機官能基を含むシラン化合物としては、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-( 2-アミノエチル) -3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-トリエチレンジアミンプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3,4-エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3-カルボキシプロピルメチルジメトキシシラン、などが挙げられ、これらは単独もしくは2種以上の混合系で使用してもよい。 【0027】エチレン性不飽和基を含むシラン化合物としては、3-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(ビニロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(ビニロキシエトキシプロピル)メチルジメトキシシラン、P-ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、1-(m-ビニルフェニル)メチルジメチルイソプロポキシシラン、2-(p-ビニルフェニル)エチルジメトキシシラン、3-(p-ビニルフェノキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、1-(p-ビニルフェニル)エチルメチルメトキシシラン、1-(o-ビニルフェニル)-1,1,2- トリメチル-2,2- ジメトキシジシラン、m-ビニルフェニル[(3-トリエトキシシリル)プロピル]ジフェニルシラン、[3-(P-イソプロペニルベンゾイルアミノ)プロピル]ジフェニルジプロポキシシラン、N-メタクリロイル -N-メチル -3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-アクリロイル -N-メチル-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N-ビス(メタクリロイル) -3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N-ビス(アクリロイル) -3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-メタクリロイル -N-メチル -3-アミノプロピルフェニルジエトキシシラン、1-メタクリロキシプロピル-1,1,-3-トリメチル -3,3-ジメトキシジシロキサン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルエチルジイソプロポキシシラン、アリルメチルジメトキシシラン、5-ヘキセニルメチルジエトキシシラン、3-オクテニルエチルジエトキシシランなどが挙げられ、これらは単独もしくは2種以上の混合系で使用してもよい。 【0028】一方、有機官能基を含有したオルガノシロキサンとしては、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、トリス(3,3,3-トリフルオロプロピル)トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7-テトラ(3-アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラ[N-(2-アミノエチル)-3- アミノプロピル]テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラ(3-メルカプトプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラ(3-グリシドキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサンなどの環状シロキサン類が挙げられ、これらは単独もしくは2種以上の混合系で使用してもよい。さらに、エチレン性不飽和基を含有するオルガノシロキサンとしては、1,3,5,7-テトラ(3-メタクリロキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラ(3-アクリロキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラ(3-カルボキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラ(ビニロキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラ(ビニロキシエトキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラ(P-ビニルフェニル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラ[1-(m-ビニルフェニル)メチル]テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラ[2-(p-ビニルフェニル)エチル]テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラ[3-(p-ビニルフェノキシ)プロピル]テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラ[3-(p-ビニルベンゾイロキシ)プロピル]テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラ[3-(p-イソプロペニルベンゾイルアミノ)プロピル]テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラ(N-メタクリロイル -N-メチル -3-アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラ(N-アクリロイル -N-メチル -3-アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラ[N,N-ビス(メタクリロイル) -3-アミノプロピル]テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラ[N,N-ビス(アクリロイル) -3-アミノプロピル]テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5-トリビニルトリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7-テトラアリルテトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラ(5-ヘキセニル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラ(7-オクセニル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1-(p-ビニルフェニル)-1,1- ジフェニル-3- ジエトシジシロキサンなどの環状および直鎖状シロキサン類が挙げられ、これらは単独もしくは2種以上の混合系で使用してもよい。 【0029】なお、上記の有機官能基やエチレン性不飽和基を含有するオルガノシロキサンとしては、その他、直鎖状あるいは分岐状のオルガノシロキサンオリゴマーも使用できる。そして、このオルガノシロキサンオリゴマーの場合、分子鎖末端基は特に限定されないが、取扱い易さや生成するオルガノシロキサンへの有機官能基の導入性の点から、分子鎖末端は水酸基以外の有機基、たとえばアルコキシ基、トリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、メチルフェニルビニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、3,3,3-トリフルオロプロピルジメチルシリル基などで封鎖されたものが好ましい。 【0030】本発明に係るコロイダルシリカコア−シリコーンシェル体のエマルジョン調製において、主として乳化させるための役割を果たす界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤もしくはカチオン系界面活性剤が適宜使用される。上記したように、酸性コロイダルシリカを原料として使用する場合は、アニオン系界面活性剤の使用が好ましく、アルカリ性コロイダルシリカを原料として使用する場合は、カチオン系界面活性剤の使用が好ましい。 【0031】ここで、アニオン系界面活性剤としては、下記一般式でそれぞれ示される脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族水素サルフェート類、不飽和脂肪族スルホン酸と水酸化脂肪族スルホン酸との混合物が好ましい。 【0032】R8 C6 H4 SO3 HR8 OSO3 HR9 CH=CH(CH2 )n SO3 HR9 CH2 CH(OH)(CH2 )n SO3 Hただし、式中、R8 は炭素原子数 6〜30(好ましくは 6〜18)の一価の脂肪族炭化水素基、R9 炭素原子数 1〜30(好ましくは 6〜18)の一価の脂肪族炭化水素基、nは全炭素原子数が 6〜30となる整数である。 【0033】そして、R8 およびR9 としては、たとえばヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、セチル基、ステアリル基、ミリシル基、オレイル基、ノネニル基、オクチニル基、フィチル基、ペンタデカジエニル基などが挙げられる。また、R8 基を有するアニオン系界面活性剤としては、たとえばヘキシルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、セチルベンゼンスルホン酸、オクチルサルフェート、ラウリルサルフェート、オレイルサルフェート、セチルサルフェートが挙げられる。R9 基を有するアニオン系界面活性剤としては、たとえばテトラデセンスルホン酸、ヒドロキシテトラデカンスルホン酸などが挙げられる。 【0034】なお、前記一般式で示されるアニオン系界面活性剤のうち、触媒作用の弱いアニオン系界面活性剤、たとえばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ナトリウムラウリルサルフェート、アンモニウムラウリルサルフェート、トリエタノールアミンラウリルサルフェート、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシテトラデセンスルホン酸ナトリウムなどは、重合触媒と併用することで使用できる。 【0035】ここで、併用する重合触媒は、通常、低分子量のオルガノシロキサンの重合に使用されている触媒、たとえば脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族水素サルフェート類、不飽和脂肪族スルホン酸と水酸化脂肪族スルホン酸との混合物、塩酸、硫酸、リン酸などが挙げられ、これら酸性触媒が好ましいけれども、これらに限定されない。すなわち、水の存在下で、低分子量のオルガノシロキサンを重合させることができる触媒ならば、いずれの触媒も併用できる。 【0036】また、アニオン系界面活性剤は、前記一般式で示されるものに限定されない。たとえばポリオキシエチレン (4)ラウリルエーテル硫酸、ポリオキシエチレン(13)セチルエーテル硫酸、ポリオキシエチレン (6)ステアリルエーテル硫酸、ポリオキシエチレン (4)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン (4)オクチルフェニルエーテル硫酸アンモニウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルもしくはその塩、ポリオキシエチレン (3)ラウリルエーテルカルボン酸、ポリオキシエチレン (3)ステアリルエーテルカルボン酸、ポリオキシエチレン (6)ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(6)オクチルエーテルカルボン酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸エステルもしくはその塩など1種もしくは2種以上の混合物を使用することもできる。 【0037】アニオン系界面活性剤の使用量は、乳化・エマルジョン化するコアを成すコロイダルシリカおよびシェルを成すオルガノシロキサンの合計量、たとえば 100重量部に対して 0.5〜20重量部(好ましくは 0.5〜10重量部)である。ここで、 0.5重量部未満では生成するエマルジョンの安定性が劣り分離する恐れが認められ、また、20重量部を超えると生成するエマルジョンが増粘し、流動性が低下する恐れがある。なお、重合触媒を併用する場合、重合触媒の併用量は、前記コアを成すコロイダルシリカおよびシェルを成すオルガノシロキサンの合計量、たとえば 100重量部に対して0.05〜10重量部程度が好ましい。 【0038】一方、カチオン系界面活性剤としては、一般式【化7】
(ただし、式中R10は炭素原子数 6以上、好ましくは炭素原子数 8〜18の脂肪族一価炭化水素基、R11,R12,R13はそれぞれ一価の有機基,Xは水酸基、塩素原子もしくは臭素原子である)で示される第四アンモニウム系界面活性剤が挙げられる。 【0039】ここで、R10としては、たとえばヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、セチル基、ステアリル基、ミリシル基、オレイル基、ノネニル基、オクチニル基、フィチル基、ペンタデカジエニル基などが挙げられる。また、R11,R12,R13は同種もしくは異種の一価有機基であり、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、フェニル基、キセニル基、ナフチル基などのアリール基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基などである。 【0040】上記第四アンモニウム系界面活性剤としては、たとえばラウリルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ステアリルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジオクチルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジステアリルジメチルアンモニウムヒドロキシド、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウムなどが挙げられ、これらは1種もしくは2種以上の混合物で使用できる。 【0041】なお、カチオン系界面活性剤は、触媒作用が弱いので重合触媒、たとえば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウムなどアルカリ金属水酸化物を併用することが好ましい。 【0042】また、カチオン系界面活性剤の使用量は、乳化・エマルジョン化するコアを成すコロイダルシリカおよびシェルを成すオルガノシロキサンの合計量、たとえば100重量部に対して 0.5〜50重量部(好ましくは 0.5〜20重量部)である。ここで、 0.5重量部未満ではカチオン性が不十分で、かつ生成するエマルジョンの安定性が劣り分離する恐れが認められる。また、50重量部を超えると生成するエマルジョンが増粘し、流動性が低下する恐れがある。なお、重合触媒を併用する場合、重合触媒の併用量は、前記コアを成すコロイダルシリカおよびシェルを成すオルガノシロキサンの合計量、たとえば 100重量部に対して0.05〜10重量部程度が好ましい。 【0043】本発明に係る化粧料組成物は、上記コロイダルシリカコア−シリコーンシェル体エマルジョン、各種の揮発性もしくは不揮発性油剤、界面活性剤、潤滑剤、防腐剤、酸化防止剤、香料、粉体などの成分を配合して調製される。 【0044】前記揮発性もしくは不揮発性の油剤としては、直鎖あるいは分岐鎖の炭化水素、直鎖、分岐鎖あるいは環状のポリジメチルシロキサン、高級アルコール、高級脂肪酸、アルコールと脂肪酸との合成エステル油、ショ糖エステル、ワックス類、ロウ類などが挙げられる。 【0045】界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどが挙げられる。 【0046】潤滑剤としては、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、マルチトール、乳酸、乳酸ナトリウム、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。また、防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノールなどが挙げられる。さらに、酸化防止剤としては、トコフェロール、レシチンなどが、粉体としては、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、酸化クロム、酸化鉄、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、有機顔料、ポリメチルシルセスキオキサンなどが挙げられる。 【0047】また、前記化粧料組成物の調製に当たって、化粧料組成物の安定性を向上させるため、コアを成すコロイダルシリカとシェルを成すオルガノシロキサンとの乳化・エマルジョン化前もしくは乳化・エマルジョン化後に、ノニオン系界面活性剤を添加併用してもよい。なお、乳化・エマルジョン化前に添加する場合は、上記アニオン系もしくはカチオン系の界面活性剤の触媒作用を損なう恐れがあるので、アニオン系やカチオン系の界面活性剤 100重量部当たり 0〜 500重量部の範囲で併用することが好ましい。 【0048】ここで、ノニオン系界面活性剤としては、たとえばポリオキシエチレン (6)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン (7)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20) ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン (3)オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(18)ノニルフェニルエーテル、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(EO14)、ジステアリン酸ポリエチレングリコール(EO80)、ポリオキシエチレン (20) ソルビタン、ポリオキシエチレン (20) 硬化ヒマシ油、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノバルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン (6)ソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(40)ソルビット、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(15)グリセリル、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(15)グリセリル、モノバルミチン酸ソルビタン、ポリオキシエチレン(10)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(10)フィトステロール、ポリオキシエチレン(10)ポリオキシプロピレン (4)セチルエーテル、ポリオキシエチレン (5)ステアリルアミン、ポリオキシエチレン (8)ステアリルプロピレンジアミン、ポリオキシエチレン (5)セチルエーテルリン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらノニオン系界面活性剤のなかでも、得られるコアシェル体のエマルジョンの安定性が良好なことから、 HLBが 6〜20の物を併用することが好ましい。 【0049】本発明に係る化粧料組成物は、コロイダルシリカをコアとし、このコアをシリコ―ンのシェルがシロキサン結合を介して覆ったシェル体を必須成分としている。したがって、化粧対象に対して良好な密着性によって、べたつきがなく、しなやかで滑らかな感触を呈する一方、強度、耐油性、耐汗性、耐水性、柔軟性などにすぐれた被膜を容易に形成する。たとえば毛髪用化粧料組成物の場合は、コロイダルシリカコア−シリコーンシェル体が良好な調髪を容易にし、乾燥した髪にしなやかさで滑らかな感触を付与する。また、皮膚およびメイキャップ用化粧料組成物の場合は、コロイダルシリカコア−シリコーンシェル体が皮膚に快い肌触りを付与するだけでなく、良好な耐油性、耐汗性、耐水性などによって、すぐれた化粧持ちを呈する。 【0050】本発明に係る化粧料組成物としては、具体的には化粧水・美容液・整髪液などの液状化粧料、乳液・クリーム・ヘアクリーム・リキッドファンデーションなどの乳化化粧料、口紅・ファンデーション・アイライナー・マスカラ・固形お白い・ほほ紅などの練状もしくは固形化粧料、シャンプー・リンス・コンディショナーなどの洗浄剤などが挙げられる。 【0051】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を説明する。 【0052】実施例中の部および%は、特に断らない限り重量部および重量%である。 【0053】原料として使用するコロイダルシリカおよびコロイダルシリカコア−シリコーンシェル体の平均粒径は、動的光散乱法を採用したレーザ粒径解析システムLPA-3000S/3100(大塚電子(株)製)で測定した。 【0054】また、コロイダルシリカコア−シリコーンシェル体をグラフト重合体と見なした場合、換言すると、コロイダルシリカコアを幹ポリマー、シリコーンシェルを枝ポリマーとしたときのグラフト率およびグラフト効率を以下の方法で求めた。すなわち、コロイダルシリカコア−シリコーンシェル体を含有するエマルジョンを40℃/ 0.5mmHg、 5時間減圧乾燥して得たコロイダルシリカコア−シリコーンシェル体(乾燥物)の一定量(Y)をシクロヘキサン中に投入し、振とう機にセットして24時間振とうを行う。この振とうによって、遊離のポリオルガノシロキサンをシクロヘキサンで溶解させ、遠心分離器を使用し、回転数23000rpmで30分間遠心分離して不溶分を採取する。次に、真空乾燥機で 120℃, 1時間乾燥して得た不溶分の重量(M)を測定し、次式によって、グラフト率およびグラフト効率をそれぞれ算出した。 【0055】 【数1】
【数2】
また、コロイダルシリカコア−シリコーンシェル体のシェル部割合は、以下の手順で算出した。なお、不揮発分[%]は、 2 g単位の試料3個を、それぞれ 105℃で 3時間加熱した場合の値の平均値である。 【0056】■ コロイダルシリカ有効量[部]の算出コロイダルシリカ分散液使用量[部]×コロイダルシリカ有効成分[%]で求める。 ■ 理論不揮発分[%]の算出{(コロイダルシリカ有効量[部]+オルガノシロキサンの使用量[部]+乳化剤量[部])/全使用原料部[部]}× 100■ 未重合オルガノシロキサン量[部]の算出(全使用原料部[部]×理論不揮発分[%]−不揮発分[%])/ 100■ 重合オルガノシロキサン量[部]の算出オルガノシロキサンの使用量[部]−未重合オルガノシロキサン量[部] ■ 重合率の算出重合オルガノシロキサン量[部]/オルガノシロキサンの使用量[部] ■ シェル部割合の算出重合オルガノシロキサン量[部]/(重合オルガノシロキサン量[部]+コロイダルシリカ有効量[部])× 100【0057】参考例1(ポリオルガノシロキサン系エマルジョン (E-1)の調製)酸性コロイダルシリカ,スノーテックス OL-40(日産化学工業(株)製,平均粒子径84nm, SiO2 40.8%,Na2 O 0.0049%,pH 2.3;シリカ−1と略記) 500部、イオン交換水 500部、n-ドデシルベンゼンスルホン酸(日産化学工業(株)製,ソフト王洗5S;乳化剤1と略記) 8.2部との混合系に、オクタメチルシクロテトラシロキサン(b−1と略記) 204部を加え、ホモミキサーによって予備撹拌を行った。その後、ホモジナイザーに 300 kgf/cm2 の圧力で 2回通して、乳化・分散させた。 【0058】次いで、コンデンサー、窒素ガス導入口および撹拌機を備えたセパラブルフラスコ内に、前記乳化・分散液を移し、撹拌混合しながら85℃で 5時間加熱した後、 5℃で48時間冷却して重合を行った。次に、セパラブルフラスコ内に炭酸ナトリウム水溶液を加え、ポリオルガノシロキサン系エマルジョンをpH 7に中和した。こうした得たポリオルガノシロキサン系エマルジョン (E-1)の 105℃× 3時間での不揮発分は34.2%であり、また、オクタメチルシクロテトラシロキサンの重合率は99.4%であった。 【0059】さらに、レーザ粒径解析システムにより粒径解析を行ったところ、素材のコロイダルシリカの平均粒子径の84nm付近にピークを持つ単一分散の粒子径分布が完全に消失し、 153nm付近にピークを持つ単一分散の粒子径分布が新たに出現していた。また、電子顕微鏡で観察したところ、シリコーン粒子像のみが確認され、素材のコロイダルシリカ粒子像は全く観察されなかった。これらのことから、前記ポリオルガノシロキサン系エマルジョン (E-1)の不揮発分が、コロイダルシリカコア−シリコーンシェル体であることが分かった。 【0060】一方、前記ポリオルガノシロキサン系エマルジョン (E-1)の一部を多量のアセトン中に投入し、コロイダルシリカコア−シリコーンシェル体を析出させ濾取後、真空乾燥機で50℃,12時間乾燥してコロイダルシリカコア−シリコーンシェル体の凝集物を得た。そして、この凝集物をグラフト重合体と見なした場合、そのグラフト率およびグラフト効率はそれぞれ41.7%であった。 【0061】参考例2〜5(ポリオルガノシロキサン系エマルジョン(E-2〜E-5)の調製)参考例1において、各素材の組成比を変更した以外は、参考例1の場合と同様の条件で、ポリオルガノシロキサン系エマルジョンを4種類(E-2,E-3,E-4,E-5)調製した。 【0062】各ポリオルガノシロキサン系エマルジョン(E-2,E-3,E-4,E-5) につき、動的散乱に基づく粒子径解析および電子顕微鏡観察によって、それぞれの性状を調べたところ、単一分散の粒子径分布を有するコロイダルシリカコア−シリコーンシェル体であることが確認された。 【0063】また、これら各コロイダルシリカコア−シリコーンシェル体について、参考例1の場合と同様に、不揮発分、素材のシロキサンの重合率、平均粒子径とをそれぞれ測定した結果を、表1に参考例1の場合などともに示す。 【0064】参考例6,7(ポリオルガノシロキサン系エマルジョン(E-6,E-7))参考例1において、オクタメチルシクロテトラシロキサン(b−1と略記)に、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン(b−2と略記)または4-エテニルフェニルメチルジメトキシシラン(b−3と略記)を 2.1部予め添加配合しておいた他はは、参考例1の場合と同様の条件で、ポリオルガノシロキサン系エマルジョンを2種類(E-6,E-7)調製した。 【0065】各ポリオルガノシロキサン系エマルジョン(E-6,E-7)につき、動的散乱に基づく粒子径解析および電子顕微鏡観察によって、それぞれの性状を調べたところ、単一分散の粒子径分布を有するコロイダルシリカコア−シリコーンシェル体であることが確認された。 【0066】また、これら各コロイダルシリカコア−シリコーンシェル体について、参考例1の場合と同様に、不揮発分、素材のシロキサンの重合率、平均粒子径などをそれぞれ測定した結果を、表1に併せて示す。 【0067】参考例8(ポリオルガノシロキサン系エマルジョン (E-8)の調製)アルカリ性コロイダルシリカ,スノーテックス 2OL(日産化学工業(株)製,平均粒子径72nm, SiO2 20.4%,Na2 O 0.0022%,pH 9.9;シリカ−2と略記)1000部、30%セチルトリメチルアンモニウムクロリド水溶液(花王(株)製,コータミン 60W,有効成分30%;乳化剤2と略記)54.7部、ポリオキシエチレン(18)ノニルフェニルエーテル(日光ケミカルズ(株)製,NIKKOL NP-18TX,HLB19;乳化剤3と略記)32.8部および水酸化カリウム 6.0部との混合系に、オクタメチルシクロテトラシロキサン(b−1と略記) 204部を加え、ホモミキサーによって予備撹拌を行った。その後、ホモジナイザーに 300 kgf/cm2 の圧力で 2回通して、乳化・分散させた。 【0068】次いで、コンデンサー、窒素ガス導入口および撹拌機を備えたセパラブルフラスコ内に、前記乳化・分散液を移し、撹拌混合しながら85℃で 5時間加熱した後、 5℃で48時間冷却して重合を行った。次に、セパラブルフラスコ内に酢酸水溶液を加え、ポリオルガノシロキサン系エマルジョンをpH 7に中和した。こうして得たポリオルガノシロキサン系エマルジョン (E-8)の 105℃× 3時間での不揮発分は35.5%であり、また、オクタメチルシクロテトラシロキサンの重合率は98.5%であった。 【0069】前記ポリオルガノシロキサン系エマルジョン (E-8)につき、動的散乱に基づく粒子径解析および電子顕微鏡観察によって、それぞれの性状を調べたところ、単一分散の粒子径分布を有するコロイダルシリカコア−シリコーンシェル体であることが確認された。 【0070】また、これら各コロイダルシリカコア−シリコーンシェル体について、参考例1の場合と同様に、不揮発分、素材のシロキサンの重合率、平均粒子径などをそれぞれ測定した結果を表1に併せて示す。 【0071】参考例9(ポリオルガノシロキサン系エマルジョン (E-9)の調製)n-ドデシルベンゼンスルホン酸(乳化剤1と略記) 4.1部とイオン交換水337部の混合液中に、オクタメチルシクロテトラシロキサン(b−1と略記) 204部を加え、ホモミキサーによって予備撹拌を行った。その後、ホモジナイザーに 300 kgf/cm2 の圧力で 2回通して、乳化・分散させた。 【0072】次いで、コンデンサー、窒素ガス導入口および撹拌機を備えたセパラブルフラスコ内に、前記乳化・分散液を移し、撹拌混合しながら85℃で 5時間加熱した後、 5℃で48時間冷却して重合を行った。その後、セパラブルフラスコ内に10%炭酸ナトリウム水溶液を加え、ポリオルガノシロキサンエマルジョンをpH 7に中和した。 【0073】こうして得たポリオルガノシロキサン系エマルジョン (E-9)の 105℃× 3時間での不揮発分は34.4%、平均粒子径は 260nmであった。さらに、前記ポリオルガノシロキサン系エマルジョン (E-9)をイソプロピルアルコーで破壊し、ポリオルガノシロキサン系重合体を取り出して GPC(分子量)測定を行ったところ、重量平均分子量は 520,000であった。 【0074】また、このポリオルガノシロキサン系エマルジョン (E-9)について、参考例1の場合と同様に、素材のシロキサンの重合率、粒径分布状態などを測定・評価した結果を表1に併せて示す。 【0075】参考例10(ポリオルガノシロキサンエマルジョンとコロイダルシリカとの混合によるポリオルガノシロキサン系エマルジョン(E-10)の調製)参考例9の場合と同様の条件で製造したポリオルガノシロキサン系エマルジョン (E-9)を 545部用意し、これに、スノーテックス OL-40(日産化学工業(株)製,平均粒子径84nm, SiO2 40.8%,Na2 O 0.0049%,pH 2.3;シリカ−1と略記) 500部、イオン交換水 500部、n-ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ライオン(株)製,ライポン LS-250 ;乳化剤4と略記) 4.1部およびイオン交換水 163部を加えた混合系を、撹拌機付きのセパラブルフラスコ内に収容し、室温下、15分間撹拌を行って、ポリオルガノシロキサン系エマルジョン(E-10)を調製した。 【0076】このポリオルガノシロキサン系エマルジョン(E-10)の 105℃× 3時間での不揮発分は32.6%であり、また、粒径解析の結果、コロイダルシリカに起因する粒子径84nmのピークとポリオルガノシロキサン系エマルジョンに起因する粒子径 260nmのピークとが(非単一分散が)確認された。 【0077】また、このポリオルガノシロキサン系エマルジョン(E-10)について、参考例1の場合と同様に、素材のシロキサンの重合率、平均粒子径などの測定・評価の結果を表1に併せて示す。 【表1】
【0078】実施例1〜6,比較例1〜4 (ヘアーセット組成物) 上記調製したポリオルガノシロキサン系エマルジョン(E-1〜E-10) 、ヒドロキシエチルセルロース、エチルアルコール、香料およびイオン交換水を表2に示す組成比(%)に選び、これらを撹拌混合して10種類のヘアーセット組成物を調製した。 【表2】
【0079】これら10種類のヘアーセット組成物を、以下に示す評価方法・評価基準にしたがって試験評価した結果を表2に併せて示す。 “しなやかさ”長さ25cmの毛髪2gに、20cmの距離からヘアーセット組成物4gを均一に吹き付け塗布した後、乾燥する前に市販の櫛で毛並みを揃え、この毛髪を40℃の温風で60分間かけて乾燥して、次の評価基準で評価した。 ○…手で触れるとごわつきがなく、自然の感触である。 △…手で触れると少しごわつきがある。 ×…手で触れるとごわつきがひどく、かたい感触がある。 “滑らかさ(櫛通り性)”長さ25cmの毛髪2gに、20cmの距離からヘアーセット組成物4gを均一に吹き付け塗布した後、この毛髪を40℃の温風で60分間かけて乾燥し、市販の櫛を用いて櫛通りの状態を、次の評価基準で評価した。 ○…ひっかかりがなく、櫛が滑らかに通る。 △…ひっかかりはあるが、櫛を通すことができる。 ×…櫛が通らない。 “セット保持力”長さ25cmの毛髪2gに、20cmの距離からヘアーセット組成物4gを均一に吹き付け塗布した後、この毛髪を外径 1.2cmのカーラーに巻き、40℃の温風で60分間かけて乾燥した。次いで、カーラーから毛髪を外し、温度30℃,相対湿度80%雰囲気中に垂直に吊した直後の長さL1 と、 1時間放置後の長さL2 を測定しカールリテンションを次式から算出した。そして、カールリテンション60%以上を合格(○)、60%未満を不合格(×)とした。 カールリテンション (%)=(25-L2 )/(25-L1 )× 100【0080】実施例7〜12,比較例5〜8 (ファンデーション組成物) 上記調製したポリオルガノシロキサン系エマルジョン(E-1〜E-10) 、流動パラフィン、パラフィンワックス、パルミチン酸、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ジエタノールアミン、タルク、酸化鉄、香料およびイオン交換水を表3に示す組成比(%)に選び、これらを撹拌混合して10種類のファンデーション組成物を調製した。 【表3】
【0081】これら10種類のファンデーション組成物を、以下に示す評価方法・評価基準にしたがって試験評価した結果を表3に併せて示す。 “密着性”ファンデーション組成物を手首部に塗布して乾燥した後、30回の屈曲動作を行いその状態を観察し、次の評価基準で評価した。 ◎…非常に良好○…良好△…普通×…悪い“耐水性”ナイロン樹脂板面上に、適量のファンデーション組成物を採取し、 6ミルのドクターブレードで薄い被膜化して乾燥した後、イオン交換水中に浸漬し振とうする。このときの被膜の剥離時間から、次の評価基準で評価した。 ◎…非常に良好○…良好△…普通×…悪い“耐油性、耐汗性”ナイロン樹脂板面上に、適量のファンデーション組成物を採取し、 6ミルのドクターブレードで薄い被膜化して乾燥した後、さらに人工皮脂を 6ミルのドクターブレードで塗布し、一定時間経過後に指で採取してその状態を、次の評価基準で評価した。 ◎…非常に良好○…良好△…普通×…悪い“官能評価”女性パネリスト30名が実際に使用し、「塗布のし易さ」、「化粧被膜の違和感」、「化粧もち」、「化粧崩れの自然さ」の4項目について官能評価を行った。すなわち、各パネリストが各項目について、非常に良好を 4点、良好を 3点、普通を 2点、悪いを 1点で採点し、それらの平均点から次の評価基準で評価した。 ◎…平均 3.5点以上○…平均 2.5〜 3.5未満△…平均 1.5〜 2.5未満×…平均 1.5未満【0082】実施例13,比較例9 (シャンプー組成物) ポリオルガノシロキサン系エマルジョン (E-1)、またはポリオルガノシロキサン系エマルジョン(E-10)を 3.0%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル15.0%、ラウリン酸ジエタノールアミド 5.0%、香料 0.2%およびイオン交換水76.8%を撹拌・混合して2種のシャンプー組成物を調製した。ポリオルガノシロキサン系エマルジョン (E-1)を一組成分としたシャンプー組成物(実施例13)は、すぐれたスタイル保持形成性と、滑らかな感触を付与することができ、かつ安定性も良好であった。これに対して、ポリオルガノシロキサン系エマルジョン(E-10)を一組成分としたシャンプー組成物(比較例9)は、やや良好程度の滑らかな感触を付与することができるものの、スタイル保持形成性や安定性が不十分であった。 【0083】実施例14,比較例10 (マスカラ組成物) ポリオルガノシロキサン系エマルジョン (E-1)、またはポリオルガノシロキサン系エマルジョン(E-10)を50.0%、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート2.0%、ポリエチレングリコール 5.0%、エチルアルコール 2.0%、酸化鉄13.0%、香料 0.3%およびイオン交換水27.7%を撹拌・混合して2種のシャンプー組成物を調製した。 【0084】ポリオルガノシロキサン系エマルジョン (E-1)を一組成分としたマスカラ組成物(実施例14)は、耐水性や耐油性もすぐれていただけでなく、使用性や仕上がり状態が良好であった。これに対して、ポリオルガノシロキサン系エマルジョン(E-10)を一組成分としたマスカラ組成物(比較例10)は、耐水性や耐油性もすぐれていたが、使用性や仕上がり状態が不良であった。 【0085】実施例15,比較例11 (アイライナー組成物) ポリオルガノシロキサン系エマルジョン (E-1)、またはポリオルガノシロキサン系エマルジョン(E-10)を25.0%、蜜蝋 8.0%、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート 2.0%、ポリオキシエチレンオレイルエーテル 1.0%、1,3-ブチレングリコール 5.0%、酸化鉄10.0%、香料 0.2%およびイオン交換水48.8%を撹拌・混合して2種のアイライナー組成物を調製した。 【0086】ポリオルガノシロキサン系エマルジョン (E-1)を一組成分としたアイライナー組成物(実施例15)は、摩擦、水、油に耐性があり、塗布後べたつき感も少ないものであった。これに対して、ポリオルガノシロキサン系エマルジョン(E-10)を一組成分としたアイライナー組成物(比較例11)は、摩擦、水、油にある程度の耐性があったものの、塗布後にシリコーンがブリードして、べたつき感が高かった。なお、本発明は、上記実施例に限定されるものでなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変形を採ることができる。たとえばコロイダルシリカ、オルガノシロキサン類、架橋性のオルガノシランなどを、他のコロイダルシリカ、オルガノシロキサン類、架橋性のオルガノシランに代えて同様なコアーシェル体を調製し、化粧料組成物を得ることができる。 【0087】 【発明の効果】上記実施例などからも分かるように、本発明によれば、毛髪や皮膚に対して、高い密着性を有し、べたつきのない、しなやかで滑らかな感触を有する被膜を形成できる。すなわち、コロイダルシリカにシロキサン結合でポリオルガノシロキサンを結合させて成るシリカコア−シリコーンシェル体を成膜成分として含有させたことにより、被膜強度、耐油性、耐汗性、耐水性、柔軟性などのすぐれた被膜が容易に形成される。その結果、べたつきのない、しなやかで滑らかな感触を有しながら、良好なセット保持力を有する毛髪用化粧料組成物、あるいは耐油性、耐汗性、耐水性が良好で、化粧もちのよい皮膚用もしくはメイキャップ用化粧料組成物が提供される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000221111 【氏名又は名称】ジーイー東芝シリコーン株式会社
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| 【出願日】 |
平成8年10月11日(1996.10.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077849 【弁理士】 【氏名又は名称】須山 佐一
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| 【公開番号】 |
特開2002−234811(P2002−234811A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月23日(2002.8.23) |
| 【出願番号】 |
特願2002−33019(P2002−33019) |
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