| 【発明の名称】 |
人体に安全な爪被覆剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】村上 博
|
| 【要約】 |
【課題】人体に対して安全な爪被覆剤を提供する。
【解決手段】ポリスチレン樹脂とテルペン系溶剤、炭素数1以上4以下のアルコールを用いる。テルペン系溶剤は全体に対し35%以上を用いる。このことにより、ポリスチレンを凝集せずに分散させることができる。このようにして作成された爪被覆剤は人体に対して安全性の高いものになる。助剤として界面活性剤、分鎖アルコール、増粘剤、香料などを添加することもできる。作成方法は単純に混和するほか、日本国特許第3218031号を用いることもできる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】テルペン系炭化水素とポリスチレンを含む爪被覆剤【請求項2】テルペン系炭化水素が次の中から1つ以上選ばれる、請求項1記載の爪被覆剤:リモネン、ジペンテン【請求項3】炭素数1以上4以下のアルコールを1種類以上含む、請求項1記載の爪被覆剤【請求項4】次の中から1つ以上選ばれる分鎖アルコールを含む請求項1記載の爪被覆剤:ブチルオクタノール、ヘキシルデカノール、オクチルデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、ウンデシルペンタデカノール、ドデシルへキサデカノール、テトラデシルオクタデカノール、ヘキシルデシルオクタデカノール、テトラデシルエイコサノール、及びセチルアラキドール【請求項5】次の中から1つ以上選ばれるグリコールを含む請求項1記載の爪被覆剤:グリセリン、ポリエチレングリコール、1.3−ブチレングリコール【請求項6】界面活性剤を含む請求項1記載の爪被覆剤:【請求項7】界面活性剤が次の中から1種類以上選ばれる請求項1記載の爪被覆剤:シュガーエステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル【請求項8】テルペン系溶剤の重量比が35%以上である、請求項1記載の爪被覆剤 |
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】 本発明はマニキュア基剤、あるいはマニキュアを塗る前または後に爪に塗る美爪剤すなわちベースコートおよびトップコートに関する。 【0002】 【従来の技術】 マニキュア基剤、ベースコートおよびトップコートには次のものがあり、それぞれ問題点がある。 (1)従来製品は、皮膜形成樹脂としてニトロセルロースを、溶剤としてアセトン、酢酸ブチル、トルエンなどを使用し、さらに増粘剤などを添加したものが主流である。この製品の問題点は、ニトロセルロースに含まれる硝酸化合物が爪を黄色く変色させ、二枚爪、割れ爪などを引き起こし、アセトン、酢酸ブチル、トルエンは刺激臭があり、人体に有害である、などが上げられる。このため、各社はその改善のために改良を続けてきた。 (2)まず、樹脂を替える試みは、アクリル樹脂を用いるもの(特願昭63−150586)、エポキシ樹脂を用いるもの(特願平2−507511)などの出願があるほか、トルエンスルホンアミド樹脂を用いるものが販売されている。しかし、いずれも溶剤は(1)に記載したものを用いている。また、本願同様ポリスチレンを使用するとしたもの(特願昭53−156727)があるが、実施例が記載されていない。さらに、スチレンラテックスを使用するとしたもの(特願昭58−23682)は、西暦2001年12月現在では化粧品への使用が認められていない。 (3)次に、溶剤を替えることを試みたものには次のものがある。樹脂を水に対する乳化性能を有するものに替えて水性の基剤を作成したもの(特願平2−507511)。この製品は爪に塗った後に乾くまで時間がかかるという問題点がある。揮発性溶剤をエタノールにするもの(特願平1−249984)。この出願は、ニトロセルロースの可塑剤にフタル酸またはクエン酸のエステル化合物を用いるが、これらは西暦2001年12月現在では化粧品への使用が認められていない。さらに、本願同様にリモネンを使用したもの(特願平4−275171)がある。この案件はリモネンの含有量を5〜30重量%含有することを特徴としている。しかし、この量では該出願の明細書に記載されているように、酢酸ブチルなどの旧来の溶剤を使用しないと樹脂を溶解することができない、といった問題点がある。 【0003】 ポリスチレンとリモネンなどのテルペン系溶剤との組み合わせは、それほど新規なものではないように思えるかも知れない。しかし、この出願が見られないのには理由があった。安全なマニキュア基剤を作成するために、まず試されるのがエチルアルコールなどの炭素数が少ないアルコール類である。しかし、ポリスチレンをリモネンに溶解し、炭素数が少ないアルコール類を添加するとポリスチレンはゲル化するなど凝集してしまい分散させることができない。製品として成立する組成比を探し出すのが困難であった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 解決しようとする問題点は、人体に対して安全な爪被覆剤を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】 本発明は、ポリスチレン樹脂とテルペン系溶剤を用いること最も主要な特徴とする。テルペン系溶剤は全体に対し35%以上を用いる。このことにより、炭素数1以上4以下のアルコールを添加してもポリスチレンを凝集せずに分散させることができる。 【0006】 【発明の実施の形態】 実施形態はポリスチレン樹脂とテルペン系溶剤を用いた爪被覆剤である。助剤として界面活性剤、炭素数1以上4以下のアルコールすなわち低級アルコール、分鎖アルコール、増粘剤、香料などを添加することもできる。なお、実施形態は下記の実施例に限られるものではない。 【0007】 【実施例】 実施例として、まず作成手順を説明する。 (1)単純混和法:後述する成分を所定の割合でひとつの容器に入れ、撹拌する。この方法では、時間がかかるほか、均一な基剤ができにくい。 (2)転層分離法:出願人の発明である日本国特許第3218031号による。 この方法では、粒子が細かく、均一な基剤が短時間で作成できる。 【0008】 つぎに組成比について説明する。百分率はいずれも混合溶液全体に対する重量比である。 (実施例1) ■リモネン、ジペンテン混合物81.9%■エタノール8%■プロピレングリコール0.5%■オクチルドデカノール0.5%■グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル混合物0.1%■ポリスチレン9%【0009】(実施例2) ■リモネン60%■エタノール22%■グリセリン0.5%■ブチルオクタノール、ヘキシルデカノール、オクチルデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、ウンデシルペンタデカノール、ドデシルへキサデカノール、テトラデシルオクタデカノール、ヘキシルデシルオクタデカノール、テトラデシルエイコサノール、及びセチルアラキドール同体積混合物1.5%■水1%■ポリスチレン15%【0010】(実施例3) ■リモネン48.9%■エタノール、イソプロピルアルコール同体積混合物27%■1.3−ブチレングリコール1%■オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール同体積混合物3%■グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル同体積混合物0.1%■ポリスチレン20%【0011】(実施例4) ■リモネン、ジペンテン同体積混合物35%■メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール同体積混合物25%■ポリエチレングリコール、グリセリン同体積混合物1%■ブチルオクタノール、ヘキシルデカノール、オクチルデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、ウンデシルペンタデカノール、ドデシルへキサデカノール、テトラデシルオクタデカノール、ヘキシルデシルオクタデカノール、テトラデシルエイコサノール、及びセチルアラキドール混合物2.9%■グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル同体積混合物0.1%■ポリスチレン36%【0012】(実施例5) ■リモネン、ジペンテン混合物40%■エタノール37%■ヒドロキシプロピルセルソース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース0.5%■オクチルドデカノール3.4%■グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル混合物0.1%■ポリスチレン19%【0013】(実施例6) ■リモネン48.9%■エタノール、イソプロピルアルコール同体積混合物17%■1.3−ブチレングリコール1%■オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール同体積混合物13%■グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル同体積混合物0.1%■ポリスチレン20%【0014】(実施例6) ■リモネン48.9%■エタノール、イソプロピルアルコール同体積混合物1%■1.3−ブチレングリコール1%■オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール同体積混合物29%■グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル同体積混合物0.1%■ポリスチレン20%【0015】(実施例7) ■リモネン、ジペンテン混合物46%■エタノール0.4%■ヒドロキシプロピルセルソース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース0.5%■オクチルドデカノール35%■グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル混合物0.1%■ポリスチレン18%【0016】(実施例8) ■リモネン、ジペンテン混合物87%■エタノール3%■ヒドロキシプロピルセルソース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース0.5%■オクチルドデカノール1.4%■グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル混合物0.1%■ポリスチレン8%【0017】 以上のように、テルペン系溶剤であるリモネン、ジペンテンは合計で35%以上が望ましく、より望ましくは40%〜70%であり、もっとも望ましいのは48〜55%であった。低級アルコールについては、リモネンの濃度を超えない範囲が望ましく、より望ましくは全体に対し3%から37%であり、もっとも望ましいのは25%であった。グリコール類および分鎖アルコールは合計で0.1%から35%が望ましく、より望ましくは1%から12%であり、もっとも望ましいのは8%であった。ポリスチレンは8%から36%が望ましく、より望ましくは10%から25%であり、もっとも望ましいのは20%であった。 【0018】 混合物は乳白色であるが、塗布し乾燥させると透明になる。混合後、分離することがあるが、再度撹拌して使用するか、下層に分離したものだけを使う。リモネンの割合を70%以上にすると、乾燥は遅くなるが形成される皮膜に柔軟性があり、マニキュアを塗ったときの重圧感を和らげる。分鎖アルコールはマニキュアを除去する際に爪の白化をやわらげる働きがある。 【0019】 【発明の効果】 以上説明したように本発明の爪被覆剤は従来困難であったポリスチレンと低級アルコールの組み合わせを実現するものであり、これにより人体に対して安全な材料だけで作成することが可能である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】593012963 【氏名又は名称】村上 博
|
| 【出願日】 |
平成13年12月10日(2001.12.10) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2002−220323(P2002−220323A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月9日(2002.8.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−375091(P2001−375091) |
|