| 【発明の名称】 |
化粧料 |
| 【発明者】 |
【氏名】大久保 泰宏
【氏名】坂本 雄司
【氏名】内田 一仁
【氏名】加藤 友治
【氏名】山崎 長宏
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| 【要約】 |
【課題】増粘固化が自在に調節された化粧品組成物および、化粧品を提供することを目的とする。
【解決手段】油脂にHLB3以下のポリグリセリン脂肪酸エステルおよび、炭素数20以上の脂肪酸と多価アルコールとのエステルを含有させることで上記課題を解決する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 油脂にHLB3以下のポリグリセリン脂肪酸エステルおよび、炭素数20以上の脂肪酸と多価アルコールとのエステルを含有させることを特徴とする化粧料組成物。 【請求項2】HLB3以下のポリグリセリン脂肪酸エステルおよび、炭素数20以上の脂肪酸と多価アルコールとのエステルを含有することを特徴とする化粧品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はHLB3以下のポリグリセリン脂肪酸エステルおよび、炭素数20以上の脂肪酸と多価アルコールとのエステルを含有することにより、増粘固化が自在に調節された化粧品組成物および、化粧品に関する。 【0002】 【従来の技術】従来化粧品の分野では油脂を増粘固化させるのに、金属セッケン(特開昭58−89261)をはじめ脂肪酸デキストリンエステル(特開昭62−121764)、N−アシルアミノ酸誘導体(特開昭51−1913)が用いられており、中でもより安全性の高い素材として脂肪酸ポリグリセリンエステル(特開昭60−108486)が用いられていた。しかしながら、金属セッケンは油脂への溶解が困難なため、可溶化剤として水や低級アルコールの添加が必要であり、水に対して不安定な化合物を含む油性ゲルに対しては不適である。脂肪酸デキストリンエステルは少量で触感の良いゲルを形成するが、環状シリコーン等の一部の油脂に対して不溶である。また、N−アシルアミノ酸誘導体は非常に高価であった。そして、ポリグリセリン脂肪酸エステル単品の添加による方法は、固化時の硬さが充分とはいえない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、増粘固化が自在に調節された化粧品組成物および化粧品を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、HLB3以下のポリグリセリン脂肪酸エステルおよび、炭素数20以上の脂肪酸と多価アルコールとのエステルを含有させることで上記課題を解決することを見出し本発明を完成した。 【0005】 【発明の実施の形態】油脂の増粘固化は、HLB3以下のポリグリセリン脂肪酸エステル、および炭素数20以上の脂肪酸と多価アルコールとのエステルを併用することで高い効果を発揮する。それぞれ単体で使用した場合は効果が低いか、効果があらわれない。本発明におけるポリグリセリン脂肪酸エステルは、HLBが3以下であれば特に限定するものではないが、重合度3以上のポリグリセリンと、ステアリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸等の飽和脂肪酸から選ばれた1種または2種以上の脂肪酸を選んだものとのエステルが好ましい。これらのポリグリセリン脂肪酸エステルのうち、Griffinの式(式−1) HLB=20×(1−SV/NV) SV;エステルのケン化価NV;脂肪酸の中和価により算出したHLB値が3以下のもののみを使用する。HLBが3より大きなポリグリセリン脂肪酸エステルを用いた場合には、油脂に対する増粘固化の効果が低くなる傾向がある。具体的にはトリグリセリンペンタステアレート、ヘキサグリセリンオクタミリステート、ペンタグリセリンヘプタオレート等をさすが、これらに限定するものではない。炭素数20以上の脂肪酸と多価アルコールとのエステルとはプロピレングリコール、グリセリン、ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等と脂肪酸のエステルである。脂肪酸はその炭素数が20以上であるアラキジン酸、ベヘニン酸等から1種または2種以上を原料として使用する。具体的には、プロピレングリコールモノベヘニン酸エステル、グリセリンモノアラキジン酸エステル、ソルビタンジベヘニン酸エステル、ジグリセリンモノグノセリン酸エステル等があげられるが、好ましくはベヘニン酸エステル、さらに好ましくはグリセリンモノベヘニン酸エステルであるが、これに限定するものではない。炭素数20未満の脂肪酸のエステルを使用した場合は、増粘固化の効果が低くなる傾向がみられる。 【0006】一方、本論でいう油脂とは例えばスクワラン、流動パラフィン、イソパラフィン、2−オクチルドデシルミリステート、シリコーンオイル等化粧品基剤として一般的に用いられるものが挙げられが、上記以外のものでも化粧品原料として使用されるものであれば含まれるものとする。特に環状シリコーンオイルはべたつきがなく軽い使用感があり、皮膚や毛髪への広がりが良いうえ、体温でも揮発することから溶剤として適したものの一つとされている。最近化粧料用油脂の固化剤としてよく使用される脂肪酸デキストリンエステルはこの環状シリコーンオイルと相溶性が悪く、固化することができないが、本発明により環状シリコーンオイルの増粘固化もカバーできることとなる。固化した油脂の硬度を機器分析により測定することで、効果の程度を比較することができる。硬度はレオロジー測定装置を用い、プランジャーで試料を押し下げていき試料が破断した時点でかかった負荷(破断強度)を測定する。レオロジー測定装置として(株)レオテックのレオメーターを用いたが、一般的に用いられているものであればこれに限らずどんな測定機器を用いてもかまわない。HLB3以下のポリグリセリン脂肪酸エステル、および炭素数20以上の脂肪酸と多価アルコールとのエステルによる化粧料組成物の添加量は油脂に対して0.1〜20%、好ましくは0.5〜10%である。0.1%〜3%程度添加することで油脂は粘性を有する状態となる。添加量3%以上になると流動性はなくなり固化するが。10%以上では硬くて使用しづらくなる。本発明の化粧品組成物および化粧品は特定の上記脂肪酸エステルを含有するもので、その含量、剤形等は適宜選択すればよく特に限定するものではない。HLB3以下のポリグリセリン脂肪酸エステルと、炭素数20以上の脂肪酸と多価アルコールのエステルの配合は配合比率を1:9〜9:1の範囲内で行う必要がある。上記の配合比率の範囲外で製造した場合には、油脂に対する増粘固化の効果が低くなる傾向がある。本発明における化粧品とは口紅、油性ファンデーション、乳液等の油分を配合するあらゆる化粧品をさすものとする。尚、油脂への化粧料組成物の添加方法については特に限定するものではなく、油脂中に均一に溶解される方法であればよい。以下、発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。 【0007】 【実施例】実施例1ヘキサグリセリンオクタステアレート4gにグリセリンモノベヘニン酸エステル4gを加え90℃で、均一になるまで攪拌した。これを室温にて板状に冷却固化し化粧料組成物1を得た。尚、ここで用いたヘキサグリセリンオクタステアレートのHLBは式−1から2.56と算出される。 実施例2デカグリセリンドデカパルミテート4gにプロピレングリコールモノベヘネート4gを加え、実施例1と同様の操作をし、化粧料用組成物2を得た。尚、ここで用いたデカグリセリンドデカパルミテートのHLBは式−1から2.88と算出される。これらの化粧料用組成物を用いることで、化粧品用油脂の増粘固化が効果的に行える。化粧料用油脂の代表的なものとして環状シリコーンオイルと2−オクチルドデシルミリステートを用いて、増粘固化実験を行った。 試験例1環状シリコーンオイル(東芝シリコーン(株)製商品名TSF−405)92gに実施例1の化粧料用組成物1を8g加え90℃で、均一になるまで攪拌した。これを20℃の恒温水槽で1時間冷却したところ、均質な油脂固形物が得られた。 試験例22−オクチルドデシルミリステート(花王(株)製 商品名エキセパールOD−M)92gに実施例2の化粧料用組成物2を8g加え、実施例1と同様の操作をしたところ、均質な油脂固形物が得られた。 【0008】従来より用いられている固化剤として脂肪酸デキストリンエステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルを例に挙げ比較した。 比較例1実施例1で用いた環状シリコーンオイル92gに脂肪酸デキストリンエステル(千葉製粉(株)製 商品名レオパール)8gを加え、試験例1に記載の方法に従って油脂の固化を試みた。 比較例2実施例1で用いた環状シリコーンオイル92部にデカグリセリンペンタステアレート8部を加え、試験例1に記載の方法に従って油脂の固化を試みた。 比較例3実施例2で用いた2−オクチルドデシルパルミテート92gに脂肪酸デキストリンエステル(千葉製粉(株)製 商品名レオパール)8gを加え、試験例1に記載の方法に従って油脂の固化を試みた。 比較例4実施例2で用いた2−オクチルドデシルパルミテート92gにデカグリセリンペンタステアレート8gを加え、試験例1に記載の方法に従って油脂の固化を試みた。その結果を表1に示す。 【0009】 【表1】
【0010】比較例1は、油脂と脂肪酸デキストリンエステルが加熱時に均一溶解せずに二層に分離した。 硬さ;◎=充分に硬い(破断強度 100g/cm2以上)、○=硬い(100g/cm2未満〜50g/cm2以上)、△=柔らかい(50g/cm2未満)、×=固化せずなめらかさ(目視、触感による);◎=非常になめらか、○=なめらか、△=粗い、×=固化せず【0011】これら化粧料用組成物を含む化粧品の製造を試みた。 実施例3(口紅) 口紅を下記製法にて製造した。 重量% (1)環状シリコーンオイル 70 (2)実施例1の化粧料用組成物1 10 (3)パラフィンワックス 5 (4)セレシン 5 (5)酸化チタン 1 (6)タール色素 2.5 (7)雲母チタン 6.5製造方法成分(1)〜(4)を100℃に加熱・融解して均一に混ぜ、これに成分(5)〜(7)を加えてロールミルで練る。脱泡後、型に流し込み、急冷・固化させて口紅を得た。得られた口紅はのび、保形成に優れ、油のしみ出しの抑えられたものだった。 【0012】比較例5実施例1の化粧料用組成物1をデカグリセリンペンタステアレートに替え同様の操作を行なったが、十分な固化にはいたらず良好な性状とはならなかった。 【0013】実施例3(油性ファンデーション) ファンデーションを下記製法にて製造した。 重量% (1)流動パラフィン 14 (2)実施例1の化粧料用組成物1 2 (3)ジメチルポリシロキサン 12 (4)メチルフェニルポリシロキサン 12 (5)セレシン 8 (6)パルミチン酸イソプロピル 2 (7)酸化鉄 5 (8)酸化チタン 15 (9)セリサイト 30製造方法成分(1)〜(6)を100℃に加熱・融解して均一に混ぜ、これに成分(7)〜(9)を加えてロールミルで練る。脱泡後、型に流し込み、急冷・固化させて油性ファンデーションを得た。得られたファンデーションはのび、保形成に優れ、油のしみ出しの抑えられたものだった。 【0014】実施例4(クリーム) クリームを下記製法にて製造した。 重量% (1)ジメチルポリシロキサン 7 (2)実施例1の化粧料用組成物 1 (3)スクワラン 6 (4)ステアリン酸 2 (5)ステアリルアルコール 2 (6)還元ラノリン 7 (7)オクチルドデカノール 6 (8)ポリオキシエチレンセチルエーテル 3 (9)プロピレングリコール 5 (10)水 61製造方法成分(1)〜(8)を100℃で加熱・混合して油相部を得た。また、成分(9)、(10)を加熱混合して水相部を得た。油相部に水相部を加えて予備乳化を行った後、ホモジナイザーにより乳化を行った。これを室温まで冷却し油性クリームを得た。得られた油性クリームは乳化安定性の良好な、優れた使用感のものであった。 【0015】 【発明の効果】以上のように、本発明によって化粧品の基剤となる液状の油脂を増粘・固化させることができ、その程度は添加量により自由に制御できる。特に従来化粧品の固化に有用とされてきた脂肪酸デキストリンエステルではなしえなかった環状シリコーンオイルの固化も可能である。また、こうして増粘・固化させた油脂を化粧品に用いることで非常に安全性の高い、油のにじみ出しの抑えられた、乳化安定性のよい製品を製造することができ産業上極めて有益である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000204181 【氏名又は名称】太陽化学株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年1月29日(2001.1.29) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−220317(P2002−220317A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月9日(2002.8.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−19970(P2001−19970) |
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