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【発明の名称】 刺激緩和剤
【発明者】 【氏名】上月 裕一

【要約】 【課題】脂溶性薬剤の刺激緩和剤を提供すること。

【解決手段】ポリエチレングリコールからなる脂溶性薬剤の刺激緩和剤及びこれを配合した刺激緩和皮膚外用剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ポリアルキレングリコールからなる脂溶性薬剤の刺激緩和剤。
【請求項2】ポリエチレングリコールからなる脂溶性薬剤の刺激緩和剤。
【請求項3】前記の刺激緩和剤を含有する刺激緩和皮膚外用剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は皮膚外用剤に配合する脂溶性薬剤の刺激緩和剤に関する。本発明は刺激緩和皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】脂溶性薬剤は皮膚親和性が高く経皮吸収されやすい。そのため、脂溶性薬剤を皮膚外用剤に配合すると、敏感肌に対して皮膚刺激を生じる場合がある。レチノイン酸の皮膚刺激を緩和するために、ウレタン化合物を使用する方法が開発されている(特表平7−506109号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、刺激緩和剤は高価であるため、安価な刺激緩和剤の開発が強く望まれていた。また、使用性がよく、製剤設計しやすい刺激緩和剤の開発が強く望まれていた。
【0004】本発明の目的は、安価で、使用性がよく、製剤設計しやすい脂溶性薬剤の刺激緩和剤を提供することである。
【0005】本発明者らは、鋭意研究を行った結果、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコールが、脂溶性薬剤の刺激緩和効果を有することを発見した。ポリエチレングリコールは、皮膚外用剤に配合した場合に、使用性もよく、安価で、製剤設計がしやすく、特に紫外線吸収剤の一つであるオクチルメトキシシンナメートの刺激緩和剤として優れていることを見出した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の通りである。
(1)ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールからなる脂溶性薬剤の刺激緩和剤。
(2)前記の刺激緩和剤を含有する皮膚外用剤。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について説明する。
【0008】刺激緩和剤となり得るポリアルキレングリコールであるポリエチレングリコール(PEGと略す)の例は次の通りである。
PEG200、PEG300、PEG400、PEG600、PEG1000、PEG1500、PEG1540、PEG2000、PEG3000、PEG4000、PEG6000。
市販のポリエチレングリコールを任意に選んで使用することができる。数平均分子量600〜3000のものが刺激緩和効果に優れている。数平均分子量1000〜2000のものが特に優れている。使用性の観点からは、数平均分子量1000以下のPEGが好ましい。数平均分子量は、化粧品原料基準 第二版注解I(1984年 薬事日報社)の942頁に記載された測定方法により求まる。
【0009】本発明において、特にPEG1500はオクチルメトキシシンナメートの刺激緩和効果に優れている。PEG1500は数平均分子量500〜600のものであり、市販品のポリエチレングリコール300とポリエチレングリコール1540の同量混合物を使用できる。
【0010】本発明において、刺激が緩和される脂溶性薬剤の例は次の通りである。
(1)レチノール及びその誘導体レチノール(別名:ビタミンA)は、all-トランス型または1,3−シス型がある。
レチノール誘導体としては、酢酸レチノール(別名:ビタミンAアセテート)、パルミチン酸レチノール(別名:ビタミンAパルミテート)がある。
(2)紫外線吸収剤。
例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート)、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4'-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン等);3-(4'-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー;2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール;2,2'-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール;2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン等が挙げられる。本発明は特に刺激性を有する下記の紫外線吸収剤に好適に使用される。
オクチルメトキシシンナメート(商品名:パルソールMCX)
t−ブチルメトキシベンゾイルメタン(商品名:パルソール1789)
トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル(商品名:サンシェルターSP)
パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(商品名:エスカロール507D)
パラジメチルアミノ安息香酸メチル(商品名:エスカロール506)
(3)防腐剤パラベン、メチルパラベン、フェノキシエタノール【0011】刺激緩和剤の配合量は、脂溶性薬剤の配合量に応じて適宜決定されるが、通常は皮膚外用剤全量に対して0.1〜20質量%程度である。好ましくは、1.0〜10.0質量%である。
【0012】脂溶性薬剤は、薬剤の種類及び目的とする皮膚外用剤の種類に応じて適当な配合量が決定される。レチノールの場合は通常0.01〜1.0質量%(好ましくは、0.01〜0.1質量%)、紫外線吸収剤の場合は通常0.1〜20重量%(好ましくは、1.0〜10質量%)配合される。
【0013】本発明の刺激緩和皮膚外用剤の剤形は限定されない。例えば、液状、ゲル状、ペースト状、クリーム状がある。刺激緩和効果を有する皮膚外用剤は、上記必須成分を、皮膚外用剤の製剤成分(例えば、保湿剤、油分、界面活性剤、増粘剤、金属封鎖剤、薬剤、色素、香料)に配合し、目的の剤形に応じて、常法により製造される。
【0014】
【実施例】次に、本発明の効果を具体的に説明する。「表1」に記載した皮膚外用剤(エマルジョン)を常法により調製し下記試験法にて皮膚刺激性について検討した。比較例1は対象である。比較例1には本発明の刺激緩和剤は配合していない。
【0015】
【表1】

【0016】「連続皮膚刺激試験」
試験方法:1.脂溶性薬剤を配合した被験液0.05mlをモルモットの背部2×2cmに塗布(1回目塗布)する。
2.24時間後に2回目の塗布を行う。
3.さらに24時間後に3回目の塗布を行う。
評価方法:2回目及び3回目の塗布前及び3回目塗布後24時間後に、紅斑,浮腫等の皮膚反応を肉眼で観察する。評価は以下の基準で行い、3回の評点の平均値を皮膚反応スコアとする。
皮膚反応の評価基準 皮膚反応の程度 評点 紅斑が全く認められないもの 0 わずかな紅斑が認められるもの 1 明らかな紅斑がみとめられるもの 2 強紅斑あるいはわずかな浮腫,痂皮がみとめられるもの 3 明らかな浮腫,痂皮が認められるもの 4【0017】「図1の説明」図1から本発明の刺激緩和剤を配合した実施例1は、皮膚刺激緩和効果を有することが分かる。
【0018】以下に本発明の刺激緩和皮膚外用剤の実施例を挙げる。配合量は質量%である。
【0019】
実施例2 サンスクリーンオクチルメトキシシンナメート 7.5オクタン酸セチル 4.0t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン 0.1二酸化チタン 5.0デカメチルシクロペンタシロキサン 30.0POE・メチルポリシロキサン共重合体 3.0有機変性モンモリロナイト 0.8ポリエチレングリコール1500 5.0アルブチン 5.0防腐剤 適 量香料 適 量精製水 残 余【0020】
実施例3 化粧水 オクチルメトキシシンナメート 2.0 ポリオキシエチレン(20)オレイルアルコールエーテル 0.5 エタノール 60.0 香料 適 量 防腐剤 適 量 ソルビット 4.0 ジプロピレングリコール 6.0 ポリエチレングリコール1500 5.0 乳酸 0.1 クエン酸 0.1 クエン酸ナトリウム 0.05 ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム 適 量 エデト酸三ナトリウム 適 量 精製水 残 余【0021】
実施例4 乳液 スクワラン 5.0 オレイルオレート 3.0 グリセリン 2.0 ソルビタンセスキオレイン酸エステル 0.8 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20EO) 1.2 レチノール 0.1 オクタン酸セチル 0.5 香料 0.3 防腐剤 適 量 ポリエチレングリコール1500 4.5 エタノール 3.0 カルボキシビニルポルリマー 0.2 水酸化カリウム 0.1 L−アルギニンL−アスパラギン酸塩 0.01 ウコン抽出液(乾燥重量) 0.001 ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05【0022】
実施例5 油性クリーム (質量%)
スクワラン 15.0 イソプロピルミリステート 5.0 二酸化ケイ素 3.0 ワセリン 6.0 グリセリルモノイソステアレート 2.0 POE(7)硬化ヒマシ油 1.5 プロピルパラベン 0.2 レチノール 0.4 テトラオクタン酸ペンタエリスリチル 2.0 ポリエチレングリコール1500 3.0 グリセリン 10.0 精製水 残 余【0023】
【発明の効果】本発明によれば、安価で、使用性がよく、製剤設計しやすい脂溶性薬剤の刺激緩和剤を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社資生堂
【出願日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【代理人】 【識別番号】100094570
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼野 俊彦
【公開番号】 特開2002−212024(P2002−212024A)
【公開日】 平成14年7月31日(2002.7.31)
【出願番号】 特願2001−11949(P2001−11949)