| 【発明の名称】 |
タラの芽系抗肥満症剤の製法 |
| 【発明者】 |
【氏名】山原 條二
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| 【要約】 |
【課題】タラの芽に含まれる糖やアルコールの吸収阻害活性を有するサポニンを有効利用した抗肥満症剤(ダイエット剤)において、前記薬効(効能)を十全に発揮させるための新規かつ経済的な製造方法を提供する。
【解決手段】ウコギ科のタラ(Aralia elata)の芽を利用した抗肥満症剤の製法が、(1).生タラの芽を55℃〜65℃で恒量乾燥し、(2).次いで、前記工程で得られた乾燥タラの芽を抽出処理し、タラの芽の抽出成分を有効成分とする抗肥満症剤とすること、を特徴とするタラの芽系抗肥満症剤の製法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ウコギ科のタラ(Aralia elata)の芽を利用した抗肥満症剤の製法が、(1).生タラの芽を55℃〜65℃で恒量乾燥し、(2).次いで、前記工程で得られた乾燥タラの芽を抽出処理し、タラの芽の抽出成分を有効成分とする抗肥満症剤とすること、を特徴とするタラの芽系抗肥満症剤の製法。 【請求項2】 恒量乾燥が、20時間〜25時間である請求項1に記載のタラの芽系抗肥満症剤の製法。 【請求項3】 抽出処理が、熱水抽出し、熱水抽出液を減圧濃縮して抽出エキスを得るものである請求項1に記載のタラの芽抗肥満症剤の製法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、糖やアルコールの吸収阻害作用のあるウコギ科のタラ(Aralia elata)の芽(以下、単にタラの芽ということがある。)を利用した抗肥満症剤の製法に関する。 【0002】更に詳しくは、タラの芽に含まれる糖やアルコールの吸収阻害活性を有するサポニンを有効利用した抗肥満症剤(ダイエット素材)の前記薬効(効能)を十全に発現させるための新規かつ経済的な製造方法に関する。 【0003】 【従来の技術】従来より抗肥満症剤(ダイエット剤)として各種のものが提案されている。例えば、(1).食欲減退剤、(2).脂質や炭水化物の代謝に作用する薬物、(3).インスリン分泌低下剤、(4).体温としてエネルギーを発散させる薬物、などが研究開発されて来ている。 【0004】前記した各種の抗肥満症剤の具体的内容を説明すると、以下の通りである。 【0005】(1) に属するものとしては、フェンフラミン(fenfuramin)が有名である。5−HT(セロトニン)拮抗物質を与えると食欲が促進されることから、5−HT様の作用のある化合物が注目されたり、フルオキセチン(fluoxetine)の様にセロトニンの取り込みを阻害する薬物にも関心がもたれている。食欲を減退させるペプチドやモルヒネに代表される化合物や炭水化物の誘導体により胃運動を抑制するもの、その他多数の薬物が研究されている。 【0006】(2) に属するものとしては、脂肪の分解を阻害するヨヒンビンや吸収阻害のある化合物、さらに炭水化物吸収阻害作用のあるα−グルコシダーゼ阻害剤など、多数のものが研究されている。 【0007】(3) のインスリン分泌に対しては、高インスリン血症患者と肥満症状が関連していることから、インスリンの分泌低下剤が研究されている。 【0008】(4) に関するものとしては、風邪薬に配合されている漢薬、即ち麻黄の中に含有されるアルカロイド「エフェドリン」が交感神経を興奮させ、発熱とともにエネルギーの消耗を起こさせ、体重の減少を期待することができるという考え方に立脚している。しかしながら、中枢興奮作用がでたりする欠点がある。このほか、エフェドリンとカフェインやテオフィリンを併用して用いる研究などもなされている。 【0009】前記した従来の抗肥満症剤において、特にその主流をなす合成の医薬品のものの大きな問題点は、副作用の点であり、例えば、この種の副作用として心悸亢進、不眠、頭重、頭痛、口渇、嘔吐、食欲不欲、発汗、皮膚疹、神経過敏、不安幻覚妄想、などがよく知られている。本発明者は、副作用のない天然素材系のもので過食や運動不足などによる肥満を解消する方法について鋭意検討をすすめており、日本人の食事内容が糖質が多く過剰なエネルギー摂取の状態となっていることに鑑み、糖分吸収阻害の活性物質を含む天然植物を利用した抗肥満症剤(ダイエット食品)を先に提案している。 【0010】天然植物を利用したダイエット剤としては種々のものが提案されており、その中の1つとしてウコギ科のタラ(Aralia elata)の芽がある。本発明らは、春の山菜として有名であり、かつ食用に用いられているタラの芽には、糖やアルコールの吸収阻害作用があること、特に芽に含有されるサポニンがその活性成分であることを明らかにしている。 【0011】 【発明が解消しようとする課題】前記したタラの芽を利用する方法としては、従来から漬物用に塩蔵した物、あるいは乾燥物を利用する方法が知られているが、これらは薬効等を全く検証することなく、単にイメージだけでタラの芽をダイエット食品用として用いているのが現状である。 【0012】タラの芽を利用するに当たり、特有の臭気と苦味があること、さらに乾燥して保存することが虫害により困難であること、さらに季節的に春に収穫が集中すること、など種々の問題がある。 【0013】本発明は、前記した抗肥満症剤(ダイエット食品)としてタラの芽を利用する上での従来技術の限界を克服するために、創案されたものである。本発明者は、抗肥満症剤(ダイエット食品)としての効能を十全に発揮させるための活性成分を適正に含有し、風味や虫害の上でも問題がなく、かつ、手軽に飲用できる茶剤としてのタラの芽の利用技術について鋭意検討を加えた。 【0014】本発明のタラの芽の加工技術により、効能及び取扱い性などに優れ、かつ安全で経済性に優れるタラの芽を利用した抗肥満症剤(ダイエット素材、ダイエット剤、ダイエット食品)が提供される。 【0015】 【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本発明は、ウコギ科のタラ(Aralia elata)の芽を利用した抗肥満症剤の製法が、(1).生タラの芽を55℃〜65℃で恒量乾燥し、(2).次いで、前記工程で得られた乾燥タラの芽を抽出処理し、タラの芽の抽出成分を有効成分とする抗肥満症剤とすること、を特徴とするタラの芽系抗肥満症剤の製法に関するものである。 【0016】以下、本発明の技術的構成及び実施態様について詳しく説明する。 【0017】抗肥満用やダイエット用として有効な製品を開発するためには、体内エネルギーの源泉となる糖分やアルコールに対する吸収阻害の活性物質が、どの程度に含まれているべきかを合理性をもって決める必要がある。また、その用法についても合理性をもっていなければならない。この点は、現在用いられているタラの芽製剤等に欠落している最大の問題点である。また、手軽に飲用できる茶剤の形式の製品が提供されていないのが現状である。 【0018】本発明者は、肥満解消という薬効を十全に維持し、かつ、嗜好品的な性格を合わせ持つダイエット用食品として、タラの芽の有する特異な味や臭気などを除去し、保存性を向上させることができれば、タラの芽の利用価値及び利用量が更に増大すると考える。タラの芽は天然物素材であり副作用がなく、化学合成品に依存する薬物が何らかの副作用をもっていることからみて、肥満由来の生活習慣病の多岐に及ぶ害を副作用なしに軽減ないしは治療することができるため、その社会的意義は大きい。 【0019】本発明者は、タラの芽に含まれる有効成分を有効利用かつ効率的に摂取する上で、新鮮なタラの芽を粗切りにして抽出エキスとすることが、最良の利用方法であると考える。しかしながら、タラの芽の収穫時期が春先の一定時期に集中すること、生育場所が比較的僻地であること、抽出工場までの運搬などに一定期の保存が不可欠であるというタラの芽の利用に当たり合理的に解決しておかなければならない問題点がある。 【0020】タラの芽を利用しようとする場合、タラの芽自体はそれほど日持ちのするものではない、という問題が浮上する。本発明者は、この問題点を経済的にみて乾燥保存するということで解決できるのではないかと考えた。このため、本発明者は、種々の乾燥条件を変えて、乾燥タラの芽を調製するとともに、そのときの有効成分の分布状況を考察し、最良の乾燥条件を決定するように努めた。 【0021】前記したタラの芽の乾燥体中に含有される有効成分の分布状況は、乾燥タラの芽を抽出した被検体を、体内エネルギーの代表的な成分である砂糖を飲用させた実験動物に投与し、消化管から吸収され血糖値となって体内に入っていく過程を血糖値の変化という指標によりとらえることができる。そして、この指標をベースにして、最も血糖値の上昇抑制が図られるケースからみて、タラの芽をどのような乾燥条件で乾燥するのが最良であるかをつきとめるようにした。 【0022】本発明において、乾燥タラの芽は、飲用、用法の観点から抽出液(液体)または抽出溶媒を蒸発乾固した抽出エキス(固体)の形態に加工されて抗肥満症剤(ダイエット剤)とされるものである。本発明において、前記抽出工程において、他の配合成分を添加したり、あるいは得られる抽出エキス(粉末、固体状)に他の配合成分、例えば顆粒助剤などを配合したりしてもよいことはいうまでもないことである。また、抽出溶媒としては、熱水以外にアルコール、含水アルコールなど所望のものが使用できることはいうまでもないことである。 【0023】 【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳しく説明する。なお、本発明は実施例の態様のものに限定されないことはいうまでもないことである。 【0024】<生タラの芽の乾燥条件>4月〜5月にかけて京都北山で採集した平均重量15g〜20gのタラの芽を使用し、一群を6個ずつとした。乾燥条件として、以下の5例を設定した。 (1).室内での自然乾燥(室内温度15〜20℃)、(2).乾燥器(サンヨー電機社製、サンヨードライオーブン)での乾燥(器内温度、45℃、60℃)、(3).遠赤外線乾燥器(住金ホトンセラミック社製、住金ホトンセラミックス)での乾燥(器内温度、45℃、60℃)。前記した乾燥条件下で、生タラの芽が恒量となるまで乾燥した。 【0025】<抽出エキスの調製法>前記のようにして得られた乾燥タラの芽を利用し、次の方法でエキスを調製した。即ち、乾燥タラの芽を粗切し、約5倍量の水を加え3時間、95℃以上で抽出し、45℃以下で減圧濃縮してタラの芽のエキスを調製した。 【0026】下記の表1に、恒量となるまでの時間、生タラの芽に対する乾燥品の重量%、及び、各乾燥タラの芽から得られたエキス収率、を示す。 【0027】 【表1】
【0028】<動物実験>Wister系雄性ラット(体重150〜160g)を一群6匹とし、20時間絶食後、タラの芽エキスの各検体を経口投与した。経口投与後、30分目に砂糖1g/kgを授与し、その後、30分目、60分目、90分目に採血してグルコースパーオキシダーゼ法により血糖値を求め、糖吸収阻害能の強さを評価した。 【0029】結果を、下記の表2に示す。なお、表中、(*)印は5%の危険率で対象群に対して有意差があること、また、(**)印は1%の危険率で対象群に対して有意差があることを示している。 【0030】 【表2】
【0031】表2に示されるように室温乾燥あるいは乾燥器内45℃での乾燥して得た乾燥タラの芽においては、顕著な糖吸収阻害活性を認めることができない。これについては、本発明者らは先に糖吸収の阻害活性本体はタラの芽に含有されている配糖体(サポニン)であることを報告しているが、45℃という乾燥条件では緩慢であり、迅速に乾燥処理を行わないとタラの芽中の分解酵素によってサポニンが分解され、効力の低下が生起するものと考えられる。なお、薬効発現において乾燥条件が重要な因子になり得ることは、強心配糖体を含有する生薬として日本薬局方にも収載されているジギタリスの例からも推測することができる。 【0032】次に、ヒトが用いて抗肥満症剤あるいはダイエット剤となり得る最適な用量を推定するための実験結果を、下記の表3に示す。なお、表中の(*)印、(**)印の意味は前記表2と同様である。 【0033】 【表3】
【0034】表3の結果から、糖の吸収阻害作用は抽出エキスを100mg〜250mg位使用したときに経済的に発現させることができることが判る。通常、実験動物のデータをヒトに応用する場合、100mg/kgと表示されていると、1回100mg服用することが有効であるとされている。前記100mg〜250mgのタラの芽エキスは、これを原生薬(タラの芽)に換算すると約1g〜1.5gを60℃で恒量乾燥させたものに相当する。従って、この用量の茶剤を飲用することにより、ダイエット効果、抗肥満効果を発現させることができる。 【0035】<急性毒性試験>dd−y系雄性マウス(体重約20g、一群10匹とする。)に対して乾燥器(サンヨー電機社製、サンヨードライオープン)で60℃で乾燥し、抽出して得た抽出エキス(表3参照)を、物理的に投与可能な用量である2000mg/kgを1回経口投与し、エサ、水は自由に与え、1週間観察した。この結果、異常な行動や死亡する例はなく、本発明の抗肥満症剤(ダイエット剤)が安全であることがわかる。 【0036】 【発明の効果】本発明により、特別な乾燥器を必要とすることなく、かつ有効成分の未分解という観点から55℃〜65℃という特定の乾燥条件を採用するだけで、生タラの芽を恒量乾燥し、これを抽出操作するという簡単な方法により肥満抑制(ダイエット)効果に優れた抗肥満症剤(ダイエット剤)が提供される。 【0037】昨今みられる合成化学品系の抗肥満症剤(ダイエット剤)には副作用があり、この点、本発明のものは天然素材系のものであり、より安全性と経済性に優れたものである。 【0038】そして、本発明により、天然素材としてのタラの芽を利用する上での制約条件、即ち、タラの芽の生産時期、生産地、貯蔵方法、などに全く制約を受けることなく、安定的にかつ経済的に抗肥満症剤(ダイエット剤)を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】598092270 【氏名又は名称】有限会社 坂本薬草園
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| 【出願日】 |
平成12年12月20日(2000.12.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092222 【弁理士】 【氏名又は名称】水野 喜夫
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| 【公開番号】 |
特開2002−187845(P2002−187845A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月5日(2002.7.5) |
| 【出願番号】 |
特願2000−386752(P2000−386752) |
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