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【発明の名称】 皮膚外用剤
【発明者】 【氏名】宮▲崎▼ 幸司

【氏名】飯塚 量子

【氏名】千葉 勝由

【氏名】木下 貴史

【氏名】柳井 直美

【氏名】吉川 聡

【要約】 【課題】皮膚細胞を賦活し、ヒアルロン酸産生を亢進することにより、肌荒れの防止・改善効果、角質改善効果、保湿効果、はり消失やしわの予防・改善効果を有し、皮膚の老化の予防に有効な皮膚外用剤を提供すること。

【解決手段】微生物を豆類抽出物に作用させて得られる発酵生成物とビタミンAおよび/またはその誘導体の一種または二種以上とを含有する皮膚外用剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 微生物を豆類抽出物に作用させて得られる発酵生成物とビタミンAおよび/またはその誘導体の一種または二種以上とを含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項2】 細胞賦活効果を有するものである請求項第1項記載の皮膚外用剤。
【請求項3】 ヒアルロン酸産生促進効果を有するものである請求項第1記載の皮膚外用剤。
【請求項4】 肌荒れ防止・改善剤である請求項第1項ないし第3項の何れかの項記載の皮膚外用剤。
【請求項5】 微生物が乳酸菌またはビフィズス菌より選ばれる微生物の1種又は2種以上である請求項第1項ないし第4項の何れかの項記載の皮膚外用剤。
【請求項6】 化粧料である請求項第1項ないし第5項の何れかの項記載の皮膚外用剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚外用剤に関し、更に詳しくは、豆類抽出物に微生物を作用させて得られる発酵生成物とビタミンAおよび/またはその誘導体を含有することにより、肌荒れ防止・改善作用を奏し、皮膚の老化を予防することのできる皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】老化した皮膚では、角層ターン・オーバー速度の低下、皮膚におけるヒアルロン酸の減少により、乾燥しやすくなったり、肌荒れ、かさつき、しわ、たるみ等が生じやすくなる、皮膚の厚さが薄くなる、はりが消失(弾力性の低下)等の現象が認められることが知られている。これらの原因としては、加齢の他に、外的要因、すなわち紫外線曝露、乾燥、酸化等による表皮細胞や真皮線維芽細胞の機能低下、ヒアルロン酸の分解等が考えられている。
【0003】このように老化した皮膚の改善方法としては、生薬等の天然物から抽出した原料、化学的に合成された原料等を配合した化粧料が使用され、保湿効果、皮膜形成等の物理化学的作用に皮膚に潤いや柔軟性をもたせていた(特開平6−279227号公報、特開平8−310934号公報)。しかし皮膚表面の乾燥は改善されるものの一過的であり、本質的な改善効果を得ることはできなかった。
【0004】そこで、皮膚自体の皮膚代謝を向上させ、ヒアルロン酸の産生を高める試みもなされている。例えばビタミンAの代謝物であるレチノイン酸は、ビタミンAの生理活性体の一つであり、表皮細胞や線維芽細胞の増殖促進作用(Tong PSら、J.Invest.Dermatol.94,126-131,1990、Varani Jら、J.Investig.Dermatol.Symp.Proc.3,57-60,1998)、ヒアルロン酸産生亢進作用(Tammi Rら、J.Invest.Dermatol.92,326-332,1989)、角化改善作用(Wanner Rら、Arch.Dermatol.Res.291,346-353,1999)、抗乾癬作用(Orfanos CEら、Br.J.Dermatol.88,167-182,1973)、抗にきび作用 (Chalker DKら、J.Am.Acad.Dermatol.17,251-254,1987)、抗しわ作用(Weiss JSら、JAMA 259,527-535,1988、Tadaki Tら、Tohoku J.Exp.Med.169,131-139,1993)、光老化皮膚改善作用(Kligman AMら、J.Am.Acad.Dermatol.15,836-859,1986)等の多様な皮膚生理作用を有することが知られている。そのため既にアメリカでは、レチノイン酸配合製剤が光老化皮膚改善剤やしわ改善剤として使用されている。
【0005】ところが、レチノイン酸には刺激性が強いという問題があるため、これより刺激性、生理作用が共に弱いレチノールを使用する試みがなされている。そして、このレチノールの生理作用を高めるため、種々の化合物との併用が試みられており、レチノールと脂肪酸アミド(特開平08−301748号公報)の併用や、ジメチルイミダゾリン(特開平9−100211号公報)との併用による相乗的な表皮細胞の賦活作用が知られている。
【0006】しかしながら、従来のレチノールやレチノイン酸等のビタミンAまたはその誘導体の配合では、十分な表皮細胞の賦活作用やヒアルロン酸産生亢進作用が得られているとは言い難かった。
【0007】また一方で、豆乳等の豆類抽出物を使用した化粧料が知られており、保湿効果、洗浄効果があることが報告されている(特開昭62−36304号公報等)。更に、豆乳にリゾープス属の微生物を作用させたもの(特開平1−102011号公報)、乳酸菌を作用させたもの(特開平3−127713号公報)およびビフィドバクテリウム属の微生物を作用させたもの(特開平10−287540号公報)等、いわゆる豆類発酵物を化粧料等に使用することが知られている。しかし、このものについて、他成分との組合せで表皮細胞の賦活作用や、ヒアルロン酸産生亢進作用を高めることについては、全く知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、皮膚細胞を賦活し、ヒアルロン酸産生を亢進することにより、肌荒れの防止・改善効果、角質改善効果、保湿効果、はり消失やしわの予防・改善効果等の作用を有し、皮膚の老化の予防に有効な皮膚外用剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる実情に鑑み、ビタミンAまたはその誘導体の有する表皮細胞の賦活作用やヒアルロン酸産生亢進作用を向上させる手段について鋭意研究した結果、上記成分と豆類抽出物に微生物を作用させて得られた発酵生成物を併用することによりビタミンAやその誘導体の細胞賦活作用がより高まり、また、皮膚組織中のヒアルロン酸産生も著しく促進されること、更にこの両者を組み合わせた皮膚外用剤は、皮膚の乾燥、肌荒れ、しわ、はりの消失を改善し、皮膚の老化を予防できることを見出し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、微生物を豆類抽出物に作用させて得られる発酵生成物とビタミンAおよび/またはその誘導体の一種または二種以上とを含有する皮膚外用剤を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる、微生物を豆類抽出物に作用させて得られる発酵生成物(以下、「豆類発酵物」という)とは、一般的に発酵豆乳と呼ばれ、食品用素材として使用されているものである。
【0012】上記の豆類発酵物を製造するために使用される微生物としては特に限定されないが、豆類抽出物培地中で、少なくとも1×10cells/mlまで培養した場合に、培地中の酢酸濃度が70mM以下となるような性質を有する微生物であることが望ましい。このような微生物としては、例えば、ラクトバチルス属、ストレプトコッカス属、ラクトコッカス属、ペディオコッカス属、ロイコノストック属等の乳酸産生菌、ビフィドバクテリウム属微生物が好ましく、特にビフィドバクテリウム属微生物が好ましい。前記微生物の具体例としては、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・アドレスセンティス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・アンギュラータム、ビフィドバクテリウム・カテニュラータム等が挙げられる。なお、豆類抽出物の発酵は菌株を複数種組合せた混合発酵であってもよいし、菌株を複数種組合せた連続発酵であってもよい。その場合には、上記以外の微生物として、バチルス属、アセトバクター属、グルコノバクター属等の細菌類、あるいはサッカロミセス属、キャンディダ属、ロドトルーラ属、ピチア属、シゾサッカロミセス属、トルラ属、チゴサッカロミセス属等の酵母類、あるいはアスペルギルス属、ユウロチウム属、モナスカス属、ムコール属、ニューロスポラ属、ペニシリウム属、リゾープス属等の糸状菌類を挙げることができる。
【0013】また、上記豆類発酵物を得るために使用される豆類抽出物としては、上記微生物を作用させることのできるものであれば、特に限定されず、例えば大豆、黒豆、空豆、小豆、いんげん豆、えんどう豆、ひよこ豆等の豆類抽出物が挙げられるが、特に大豆抽出物が好ましい。この豆類抽出物の原料となる豆類の形状としては、特に制限はされないが、油脂を含有した豆類、脱皮豆類、又はフレーク豆類等が好ましく、特に脱皮豆類が好ましい。更に、豆類抽出物は、いかなる方法で製造されたものであってもよいが、例えば、原料となる豆類を水につけた後、熱水又は0.5〜1.0質量%の炭酸ナトリウムを含む熱水を添加して磨砕後、おからを取り除き、更に加熱殺菌することにより製造したものを利用することが好ましい。通常、この豆類抽出物は固形分濃度10質量%程度のものを用いる。
【0014】なお、前記豆類抽出物には、必要に応じ、発酵処理に先立ち、ショ糖、ブドウ糖、果糖、転化糖等の食品に用いられる糖類等、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、ペプチド等の微生物の増殖に必要な栄養素等を添加してもよい。また、豆類抽出物の液性を微生物の至適pHに調整するために、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、乳酸、酢酸等の食品に用いられる酸を添加してもよい。
【0015】このように調製した豆類抽出物に上記微生物を作用させる方法は特に限定されず、例えば、予め培養した微生物の菌液を上記豆類抽出物に接種した後、その微生物に適した温度、時間、攪拌、嫌気性菌であるならば嫌気性等の条件を適宜決定して発酵を行えばよい。また、発酵には培養に適した条件、例えば静置培養、攪拌培養、振とう培養、通気培養などの条件で行うこともできる。
【0016】斯くして得られた発酵生成物は、エタノール等の低級アルコールや、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコールを添加し、遠心分離、ろ過等により高分子物質を除去してから用いることがより好ましい。必要に応じて脱臭処理、pH調整等を行ってもかまわない。
【0017】本発明の、豆類発酵物の皮膚外用剤への配合量としては、特に限定されず、通常皮膚外用剤に使用される量で良いが、例えば組成物に対し、発酵生成物として0.0001〜50%、好ましくは0.01〜20%、特に好ましくは0.5〜10%配合すればよい。
【0018】一方、本発明で使用されるビタミンAは、食品に多く含まれる一般的なビタミン類であり、また、ビタミンA誘導体は上記ビタミンAから導かれるものであって、共に食品中に配合される安全性の高いものである。本発明で使用されるビタミンAおよび/またはその誘導体は、特に限定されず、例えば、β−カロチンおよび/またはその誘導体、レチノール、レチノールのパルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、酢酸エステル等の各種脂肪酸エステル、レチノールの乳酸エステル、グリコール酸エステル等の各種有機酸エステル、レチノールのリン酸、ピロリン酸、硫酸等の各種無機酸ジエステル複合体等を利用でき、オール−trans−レチノールおよびこの異性体、オール−trans―レチノイン酸およびこの異性体、オール−trans―レチナールおよびこの異性体、これらの3デヒドロ体、3,4ジデヒドロ体が好ましいものとして挙げられる。上記のうち、特に好ましいのは、広く市販されており、安定性が比較的良好なパルミチン酸レチノールである。これらのビタミンAおよび/またはその誘導体は、合成によって得られたものであっても、天然抽出物より得られたものであっても、それを精製したものであっても良い。
【0019】本発明で使用するビタミンAおよび/またはその誘導体も、その配合量は特に限定されず、通常使用される量であれば良いが、例えばレチノールであれば0.0001〜10%、レチノイン酸であれば0.0001〜10%、パルミチン酸レチノールであれば0.0001〜10%程度が好ましい。特にパルミチン酸レチノールを0.01〜1%で使用することが好ましい。
【0020】本発明の皮膚外用剤の製造に当たっては、医薬品類、医薬部外品類、化粧品類、浴用剤、飲食品類などにおいて通常用いられている原料、例えば、界面活性剤、油分、アルコール類、保湿剤、増粘剤、水溶性高分子、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、発泡剤、香料、色素、顔料、紫外線吸収・散乱剤、粉体、ビタミン類、アミノ酸類、抗菌剤、植物抽出物、動物由来成分、海藻抽出物、各種薬剤、添加剤、水等を配合することができる。
【0021】このうち、界面活性剤としては、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキセチレンソルビタン、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリエチレングリコールアルキレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリコールジエーテル、ラウロイルジエタノールアマイド、脂肪酸イソプロパノールアマイド、マルチトールヒドロキシ脂肪酸エーテル、アルキル化多糖、アルキルグルコシド、シュガーエステル等の非イオン性界面活性剤、親油型グリセリンモノステアレート、自己乳化型グリセリンモノステアレート、ポリグリセリンモノステアレート、ポリグリセリンアルキレート、ソルビタンモノオレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレン化ステロール、ポリオキシエチレン化ラノリン、ポリオキシエチレン化蜜ロウ、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のノニオン性界面活性剤、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、セチル硫酸ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、パルミチン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルリン酸ナトリウム、N−アシルグルタミン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン性界面活性剤、塩酸アルキルアミノエチルグリシン液、レシチン等の両性界面活性剤等を例示することができる。
【0022】油分としては、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、椿油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシード油、アボガド油等の植物油脂類、ミンク油、卵黄油等の動物油脂類、蜜ロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類、流動パラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸、パルミチン酸、カプリン酸、ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸等の天然および合成脂肪酸類、セタノール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、ラウリルアルコール、カプリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、コレステロール、フィトステロール等の天然および合成高級アルコール類、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレエート等のエステル類等を例示することができる。
【0023】保湿剤としては、グリセリン、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール等のペンチレングリコール類、イソプレングリコール等の多価アルコール類、アミノ酸、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等の天然保湿成分(NMF)、キシログルカン、クインスシード、カラギーナン、ペクチン、マンナン、カードラン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、コラーゲン、ムコ多糖類、コンドロイチン硫酸等の水溶性高分子物質等を例示することができる。
【0024】増粘剤としては、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、硅酸アルミニウム、マルメロ種子抽出物、トラガントガム、デンプン、アラビアガム、ヒドロキシエチルグァーガム、カルボキシメチルグァーガム、グァーガム、デキストラン、キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天等の天然高分子物質、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、可溶性デンプン、カチオン化セルロース等の半合成高分子物質、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体等の合成高分子物質等を例示することができる。
【0025】防腐剤としては、安息香酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸エステル、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシン、エタノール等を例示することができる。
【0026】酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸等を、キレート剤としては、エデト酸塩、ピロリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、クエン酸、酒石酸、グルコン酸等を、pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂、リン酸水素カリウム等をそれぞれ例示することができる。
【0027】紫外線吸収・散乱剤としては、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、3−(4’−メチルベンジリデン)−d−カンファー、3−ベンジリデン−d,1−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシシンナメート、酸化チタン、カオリン、タルク等を例示することができる。
【0028】ビタミン類としては、ビタミンB塩酸塩、ビタミンBトリパルミテート、ビタミンBジオクタノエ−ト、ビタミンBおよびその誘導体、ビタミンB、ビタミンB15およびその誘導体等のビタミンB類、アスコルビン酸、アスコルビン酸硫酸エステルおよびその塩、アスコルビン酸リン酸エステルおよびその塩、アスコルビン酸ジパルミテート、アスコルビン酸グルコシド、アシルアスコルビン酸グルコシド、アスコルビン酸テトライソパルミテート等のビタミンC類、ビタミンD、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンF、ビタミンK、パントテン酸、パンテチン、ビタミンH、ビタミンP、ビタミンU、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、α−リポ酸、オロット酸およびそれらの誘導体等を例示することができる。
【0029】アミノ酸類としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、タウリン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジンおよびそれらの誘導体等を例示することができる。
【0030】抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル、ヘキサクロロフェン等を例示することができる。
【0031】植物抽出物としては、ギシギシ、クララ、コウホネ、オレンジ、セージ、ノコギリソウ、ゼニアオイ、センブリ、タイム、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ、サワラ、ブクリョウ、サンシシ、オウゴン、甘草、カワラヨモギ、クジン、ヨクイニン、ニンドウ、シャクヤク、ソウハクヒ、サンザシ、ボタンピ、セファランチン等からの抽出物を例示することができる。
【0032】海藻抽出物としては、コンブ、マコンブ、ワカメ、ヒジキ、アスコフィラム、ヒバマタ、モズク、オキナワモズク、ヒマンタリア等の褐藻類、テングサ、サンゴモ、パルマリア、ツノマタ、ノリ等の紅藻類、アオサ、アナアオサ等の緑藻類、藍藻類からの抽出物を例示することができる。
【0033】各種薬剤としては、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ−オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸およびその塩、グリチルレチン酸およびその誘導体、ヒノキチオール、ビサボロール、ユーカルプトーン、チモール、イノシトール、サイコサポニン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニン等のサポニン類、パントテニルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、トラネキサム酸、アルブチン、プラセンタエキス等を例示することができる。
【0034】本発明の皮膚外用剤は、種々の剤型のものとすることができる。その剤型の例としては、化粧品、医薬品、医薬部外品等が挙げられ、これらは、常法により製造することができる。具体的な製品の形態例としては、化粧水、乳液、保湿クリーム、クレンジングクリーム、マッサージクリーム、貼布剤、洗顔クリーム、パック、美容液、軟膏の他、ファンデーション、口紅、マスカラ、アイシャドウ等の仕上げ化粧品、シャンプー、リンス、トリートメント、ヘアトニック、ヘアリキッド、ヘアクリーム、ヘアミルク等の頭髪用化粧料、アフターシェーブローション、ボディーソープ、入浴剤等が挙げられる。
【0035】
【実施例】以下、製造例、試験例および実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制約されるものではない。
【0036】製 造 例 1発酵生成物の製造(1):大豆を水洗後、水に一夜浸漬して十分に吸水させた。この大豆に4倍量の水を加えてミキサーでペースト状に粉砕した。これを100℃で30分間加熱して冷却後、濾過したものを100℃で90分間蒸気滅菌して豆乳を製造した(固形分濃度約10質量%)。
【0037】前培養をしたビフィドバクテリウム・ブレーベ YIT 4065(FERMBP−6223)の菌液を豆乳の全量の0.5%になるように接種した後、37℃で24時間静置培養をして発酵豆乳を得た。得られた発酵豆乳の生菌数は、1.3X10cells/mlであった。この発酵豆乳に等量のエタノールを添加してろ紙にて濾過し、発酵生成物(以下、「SB」と略すこともある)1を製造した。
【0038】製 造 例 2発酵生成物の製造(2):製造例1と同様に製造した豆乳に、前培養したビフィドバクテリウム・ブレーベ YIT 4065(FERM BP−6223)の菌液を豆乳の全量の1.0%になるように接種した後、窒素雰囲気中、30℃でpH5.5になるまで培養し、乳酸を添加してpH4.5に調整した後、窒素雰囲気中、37℃で26時間攪拌培養をした。得られた発酵豆乳の生菌数は4.2×10cells/mlであった。培養後、この発酵豆乳に3倍量の1,3−ブチレングリコールを添加してろ紙にて濾過し、発酵生成物2を製造した。
【0039】試 験 例 1細胞培養による細胞賦活効果の測定(1):( 細胞培養 )試験細胞として、ヒト表皮細胞(クラボウ社製)を安本らの方法(安本茂、分子生物学研究のための培養細胞実験法、黒木登志夫 他編、羊土社、1995、pp191−200)に準じ、SV40ウイルスT抗原で形質転換して得られた不死化細胞を使用した。この細胞を96ウェルプレートに播種(4X10個/0.1ml/ ウェル)し、増殖用無血清液体培地(Humedia−KG2:クラボウ社製)中、37℃、CO濃度5%の条件下で培養した。培養1日後に、上記製造例1で製造した発酵生成物1とビタミンAおよび/またはその誘導体としてオール−trans−レチノール(Sigma社製:以下、「ROH」と略すこともある)を添加した培地に交換してさらに2日間培養を継続した。また比較としては、それぞれを単独に添加した培地で、対照としては何れも添加しない培地を用い、同様に培養を行った。
【0040】(細胞賦活効果の測定方法)培養3日後に還元型発色試薬(WST−1:Dojindo製)の10μlを各ウェルに添加後、37℃、CO濃度5%の条件下で2時間インキュベートし、450nm−660nmの吸光度を測定した。得られた吸光度から細胞の代謝活性を算出し、対照に対する代謝活性の増加率から細胞賦活作用を評価した。この結果を図1に示した。
【0041】図1より、単独では代謝活性に影響を及ぼさない濃度である、0.5%の発酵生成物1と、5X10−9Mのオール−trans−レチノールとを同時に作用させた場合(SB+ROH)、ヒト表皮細胞の代謝活性が、それぞれを単独に添加させたもの(SB、ROH)に対して有意な増加が認められ、両者は相乗的に細胞賦活作用を示すことが明らかとなった。
【0042】試 験 例 2細胞培養による細胞賦活効果の測定(2):ヒト表皮細胞の代謝活性に及ぼす発酵生成物1とオール−trans−レチノイン酸(Sigma社製:以下、「RA」と略すこともある)の併用の効果を、試験例1のビタミンAおよび/またはその誘導体をオール−trans−レチノイン酸とする以外は試験例1と同様に検討した。この結果を図2に示す。
【0043】図2より、単独では代謝活性に影響を及ぼさない濃度である、0.5%の発酵生成物1と、5X10−10Mのオール−trans−レチノイン酸とを同時に作用させた場合(SB+RA)、ヒト表皮細胞の代謝活性は、それぞれ単独に添加させたもの(SB、RA)に対して有意な増加が認められ、両者は相乗的に細胞賦活作用を示すことが明らかとなった。
【0044】試 験 例 3細胞培養によるヒアルロン酸産生効果の測定(1):試験例1と同様に細胞を培養し、培養3日後の培養上清を採取し、ビオチン標識ヒアルロン酸結合性タンパク(生化学工業社製)を用いたELISA様の方法(Fosang AJら、Matrix 10, 306-313, 1990)で、ヒアルロン酸を定量した。試料未添加の対照の定量値を100とした場合のヒアルロン酸相対値(%)を、0.5%の発酵生成物1と、5X10−9Mのオール−trans−レチノールとを同時に作用させた場合の定量値およびそれぞれ単独に添加させたものの定量値から求め、ヒト表皮細胞のヒアルロン酸産生に及ぼす発酵生成物1とオール−trans−レチノールの併用の作用を検討した。この結果を図3に示す。
【0045】図3の結果より、発酵生成物1とオール−trans−レチノールは相加的にヒト表皮細胞のヒアルロン酸産生を亢進することが明らかとなった。
【0046】試 験 例 4細胞培養によるヒアルロン酸産生効果の測定(2):ヒト表皮細胞のヒアルロン酸産生に及ぼす発酵生成物1とオール−trans−レチノイン酸の併用の影響を、試験例3のビタミンAおよび/またはその誘導体を、5×10−10Mのオール−trans−レチノイン酸とする以外は試験例3と同様に検討した。結果を図4に示す。
【0047】図4の結果より、発酵生成物1とオール−trans−レチノイン酸は相加的にヒト表皮細胞のヒアルロン酸産生を亢進することが明らかとなった。
【0048】試 験 例 5しわ改善試験:しわを有する女性5名の顔面に、発酵生成物2とパルミチン酸レチノールを配合した下記組成の美容液を3ヶ月間外用してもらった。しわの定量的評価は、林の方法(林昭次、フレグランスジャーナル、11、55−61、1992)を改良して行った。すなわち、外用期間の前後に頬部の皮膚レプリカを、不透明の即乾性シリコンゴム(シルフロ:Flexico Developments社製)を用いて作成し、画像解析装置(ASPECT:三谷商事社製)を用いた画像解析法でしわの最大深さを測定し、使用前のしわの最大深さを100%とした場合の相対値を求めた。結果を図5に示す。
【0049】
( 成 分 ) ( 質 量 % )
エタノール 10.0 発酵生成物2 5.0 1,3―ブチレングリコール 3.0 トリメチルグリシン 1.0 精製水 残部 カルボキシビニルポリマー 0.1 カラギーナン 0.1 グリセリン 5.0 スクワラン 1.0 メチルフェニルポリシロキサン 1.0 ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン液 2.0 ベヘニルアルコール 0.1 ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート 0.2 グリセリンモノステアレート 0.1 パルミチン酸レチノール 0.01 グリチルリチン酸ステアリル 0.1 メチルパラベン 0.1 香料 0.1 水酸化ナトリウム 適量*製造例2で製造したもの。
【0050】図5の結果よりヒト顔面のしわ最大深さは、3ヶ月間の外用により約35%低下し、発酵生成物とパルミチン酸レチノール配合美容液にしわの改善作用が認められた。
【0051】試 験 例 6皮膚弾力改善試験:健常人女性10名に、試験例4の美容液を3ヶ月間、顔面に外用してもらった。外用期間の前後に、Takemaら(Takema Yら、Br.J.Dermatol. 131:641-648、1994)の方法に準じ、300mbarで1秒間負荷をかけ、負荷解除1秒後の顔面の皮膚弾力性(R2値)をプローブ直径2mmのキュートメーターSEM575(Courage and Khazaka社製)で測定し、外用前の値を100%とした相対値で示した。この結果を図6に示す。
【0052】図6より発酵生成物とパルミチン酸レチノール配合美容液の3ヶ月間の外用により、ヒト顔面の皮膚弾力性は約15%増加した。本美容液は、加齢により低下することが知られている皮膚弾力性(Takema Yら、Br. J. Dermatol. 131, 641-648, 1994)を改善することが明らかになった。
【0053】試 験 例 7角層水分含量測定:健常人女性10名に、試験例4の美容液を3ヶ月間、顔面に外用してもらった。外用期間の前後に、コンダクタンスメーター(SKICON 200:アイビーエス社製)を用いて常法に従い、外用期間前後の顔面の角層水分含量(コンダクタンス)を測定した。この結果を図7に示す。
【0054】図7より発酵生成物とパルミチン酸レチノール配合美容液の3ヶ月間の外用により、ヒト顔面の角層水分含量(コンダクタンス)は約2倍に増加した。従って本美容液には保湿作用もあることが明らかになった。
【0055】実 施 例 1化粧水:下記組成の化粧水を常法により製造した。
( 成 分 ) ( 質 量 % )
発酵生成物1 10.0 パルミチン酸レチノール 0.01 エタノール 5.0 1,3−ブチレングリコール 2.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.) 0.05 バラオキシ安息香酸メチル 0.1 香料 0.1 精製水 残部*製造例1で製造したもの。
【0056】得られた化粧水は肌あれ防止・改善作用に優れ、且つさっぱりした使用感のものであった。また、保存安定性も良好であった。
【0057】実 施 例 2乳液:下記組成の乳液を常法により製造した。
( 成 分 ) ( 質 量 % )
発酵生成物2 10.0 パルミチン酸レチノール 0.02 ステアリン酸 2.0 流動パラフィン 6.0 スクワラン 2.0 ソルビタンモノステアレート 1.5 ポリオキシエチレンソルピタンモノステアレート(20E.O.) 2.0 パラオキシ安息香酸メチル 0.05 グリセリン 1.0 香料 0.15 精製水 残部*製造例2で製造したもの。
【0058】得られた乳液は角質改善作用、皮膚弾力性の改善作用、保湿効果が優れ、しっとりした使用感のものであった。また保存安定性にも優れていた。
【0059】実 施 例 3クリーム:下記組成のクリームを常法により製造した。
( 成 分 ) ( 質 量 % )
発酵生成物2 10.0 パルミチン酸レチノール 0.05 流動パラフィン 23.0 ワセリン 7.0 べへニルアルコール 1.0 ステアリン酸 2.0 ミツロウ 2.0 ソルピタンモノステアレート 1.5 ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(20E.O.) 2.5 パラオキシ安息香酸ブチル 0.05 グリセリン 2.0 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 香料 0.15 精製水 残部*製造例2で製造したもの。
【0060】得られたクリームは肌荒れ防止・改善作用、しわ改善作用が優れ、使用感も良好であった。また保存安定性にも優れていた。
【0061】実施例4下記組成の軟膏を常法により製造した。
( 成 分 ) ( 質 量 % )
発酵生成物2 10.0 パルミチン酸レチノール 0.05 日本薬局方親水軟膏 89.95*製造例2で製造したもの。
【0062】本軟膏を一日2回皮膚に塗布(5mg/cm)したところ、優れた肌荒れ防止・改善作用、しわ改善作用がみられ、また、保存安定性も良好であった。
【0063】
【発明の効果】本発明の皮膚外用剤は、ビタミンAやその誘導体の有する表皮細胞の賦活作用を豆類発酵物が相乗的に高めると共に、上記化合物の有するヒアルロン酸亢進促進作用に豆類発酵物の有する同じ作用が相まって優れた肌荒れ防止・改善効果、角質改善効果、保湿効果、はり消失、しわの予防効果を奏するものであり、例えば化粧品や医薬部外品等の皮膚外用剤として、皮膚の老化の予防に有効なものである。
【0064】また、本発明の皮膚外用剤は上記のみに限られず、例えば医薬として、慢性関節リュウマチや外傷性関節炎等の組織中のヒアルロン酸量の減少によって引き起こされる疾患の改善及び疼痛抑制や、熱傷治療の初期段階において肉芽組織の増生を促進するための治療薬、にきびの治療薬、乾癬治療薬、しわ治療薬、光老化皮膚治療薬としても使用できるものである。
【出願人】 【識別番号】000006884
【氏名又は名称】株式会社ヤクルト本社
【出願日】 平成12年12月19日(2000.12.19)
【代理人】 【識別番号】100086324
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 信夫 (外1名)
【公開番号】 特開2002−187838(P2002−187838A)
【公開日】 平成14年7月5日(2002.7.5)
【出願番号】 特願2000−385794(P2000−385794)