| 【発明の名称】 |
オブラート及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】柴主 徳彦
|
| 【要約】 |
【課題】オブラート自体の強度及び食感を損なうことなく、甘味及び香りを付加したオブラートの提供。
【解決手段】オブラートの原料となる所定量の澱粉と水とを混合してなる澱粉水溶液に、アスパルテームを前記澱粉水溶液に対して0.01〜0.05wt%添加して甘味をつけると共に、オブラートに付加する香料を含浸させる基材として粒径が1〜8mmの珪酸カルシウムを用い、この基材に前記香料を含浸させた後、この基材をオブラート保管用容器内に収納することにより、オブラートに甘味及び香りを付与することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 オブラートの原料となる所定量の澱粉と水とを混合してなる澱粉水溶液に、アスパルテームを前記澱粉水溶液に対して0.01〜0.05wt%添加したことを特徴とするオブラート。 【請求項2】 オブラートに付加する香料を含浸させる基材として珪酸カルシウムを用い、この基材に前記香料を含浸させた後、この基材をオブラート保管用容器内に収納することにより香りを付与したことを特徴とするオブラート。 【請求項3】 オブラートの原料となる所定量の澱粉と水とを混合してなる澱粉水溶液に、アスパルテームを前記澱粉水溶液に対して0.01〜0.05wt%添加して甘味をつけると共に、オブラートに付加する香料を含浸させる基材として珪酸カルシウムを用い、この基材に前記香料を含浸させた後、この基材をオブラート保管用容器内に収納することにより香りを付与したことを特徴とするオブラート。 【請求項4】 前記珪酸カルシウムが、1〜8mmの粒径を有する球状に形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のオブラート。 【請求項5】 所定量の澱粉と水とを混合し、攪拌して澱粉水溶液を製造し、この澱粉水溶液にアスパルテームを前記澱粉水溶液に対して0.01〜0.05wt%添加した後、前記澱粉水溶液を加熱しながら攪拌して糊化物を生成し、前記糊化物を薄膜状に乾燥させることを特徴とするオブラートの製造方法。 【請求項6】 オブラートに付加する香料を含浸させる基材として珪酸カルシウムを用い、この基材に前記香料を含浸させた後、この基材をオブラート保管用容器内に収納して、前記香料をオブラートに付着させることを特徴とするオブラートの製造方法。 【請求項7】 所定量の澱粉と水とを混合し、攪拌して澱粉水溶液を製造し、この澱粉水溶液にアスパルテームを前記澱粉水溶液に対して0.01〜0.05wt%添加した後、前記澱粉水溶液を加熱しながら攪拌して糊化物を生成し、前記糊化物を薄膜状に乾燥させることにより甘味をつけたオブラートを製造し、オブラートに付加する香料を含浸させる基材として珪酸カルシウムを用い、この基材に前記香料を含浸させた後、この基材を前記甘味をつけたオブラートの保管用容器内に収納して、前記香料をオブラートに付着させることを特徴とするオブラートの製造方法。 【請求項8】 前記珪酸カルシウムが、1〜8mmの粒径を有する球状に形成されていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のオブラートの製造方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、甘味及び香りの少なくとも一方を付加したオブラート及びその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】オブラートは、炭水化物の多糖類の一種である澱粉の高分子原料としての性質を利用して、これを糊状にし、急速乾燥して作る可食フィルムであり、主として食品(ゼリー等)の包装や、薬の飲用補助に使用されている。 【0003】ところで、従来から用いられているオブラートは無味無臭のものが多かったが、近年、包装対象となる食品の味や香りを向上させたり、苦みの強い薬や匂いの強い薬をより飲みやすくするために、オブラート自体に甘味や香りを付与する試みがなされている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、オブラートを製造する際に香料を混ぜる場合には、以下のような問題点があった。すなわち、食品用の香料には、粉(粒)状のものと液状のものがあり、通常これらの香料は密封容器に保管されているため、使用時に開封するが、開封して香料が空気に触れた段階でその香りは発散し始めてしまうため、オブラートに所望の香りを付与することは困難であった。 【0005】そのため、香料の粒に水溶性の被膜をコーティングし、開封して香料が空気に触れただけでは香りが発散しにくいものを用いる方法が考えられている。すなわち、オブラートの原料である澱粉と水とを攪拌して調整した澱粉水溶液に所望の香料を投入する方法である。しかしながら、この方法においては、澱粉水溶液の攪拌・糊化作業と同時に香料を混合する必要があるが、原料中の水分によって香料のコーティングが溶けた段階で香りが発散し始めてしまうため、薄膜状にして乾燥させる工程を経て製品化された段階では、ほとんど香りが残らなくなってしまっていた。 【0006】また、実開昭62−64542号公報には、オブラートの保管用ケースに香りの成分を同包することにより、無臭のオブラートに香りを付着させる方法に関する考案が開示されている。しかしながら、この考案は、単に「オブラートの保管用ケースに香りの成分を同包する、あるいはオブラートの製造段階で香り成分を混入することにより、オブラートに香りをつけることができる」とのみ記載されているだけであって、具体的な方法についてはなんら記載されていない。 【0007】一方、オブラートに甘味を付与するために、従来は所定量の砂糖等の糖類を添加していたが、これらの砂糖等の糖類を添加するとオブラートが固くなるという問題が生じていた。その理由は、砂糖等の糖類とオブラートの主成分である澱粉は、ともに炭水化物であるため親和性が高く、これらを添加すると飴化して固くなるためと考えられる。また、砂糖等の糖類を添加すると、オブラートを成形するために用いられるドラムに付着しやすくなるため、シート状に成形することが困難であるといった問題点もあった。 【0008】本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その第1の目的は、オブラート自体の強度及び食感を損なうことなく、甘味及び香りの少なくとも一方を付加したオブラートを提供することにある。また、第2の目的は、オブラート自体の強度及び食感を損なうことなく、甘味及び香りの少なくとも一方を付加することができるオブラートの製造方法を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上述したような種々の問題点に鑑み、オブラート自体の強度及び食感を損なうことなく、オブラートに甘味及び香りを付加すべく、添加する甘味料の種類・添加量・添加時期・調製方法等について、また、香料を含ませる基材(香り吸着材)の種類・基材の使用量・基材の形状等について鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至ったものである。 【0010】(甘味料について)本発明者は、種々の甘味料を用いて、種々の製造条件下でオブラートを製造し、付与される甘味の程度、オブラートの強度及び製造工程の容易さ等を調べた結果、甘味料として、アスパルテーム(一般名)を用いることが望ましいことが判明した。このアスパルテームは、2種のアミノ酸(アスパラギン酸とフェニルアラニン)からなる化学名:α−L−アルパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステルの白色・無臭の結晶性粉末であり、砂糖の約200倍の高い甘度を有しているため、オブラートの原料への添加量も一般の糖類に比べて非常に少ない量で済むものである。 【0011】続いて、上記のアスパルテームの添加条件について説明する。すなわち、アスパルテームの粉末を、オブラートの原料である澱粉水溶液に対して0.01〜0.05wt%添加することが望ましい。なお、アスパルテームの添加量を0.01〜0.05wt%としたのは、0.01wt%以下であると充分な甘味が得られず、0.05wt%以上であると甘味が強すぎ、また、オブラートが固くなりすぎて、食感が悪くなるからである。 【0012】このように、甘味料として適量のアスパルテームを用いることによって良好な効果が得られたのは、アスパルテームが砂糖の約200倍の高い甘度を有しているため、オブラートの原料への添加量も一般の糖類に比べて非常に少ない量で済むことから、オブラート自体の製造に及ぼす影響が小さいためであると考えられる。 【0013】また、アスパルテームは、砂糖に似てクセがなく、さわやかですっきりした甘味を有しており、砂糖等の糖類に比べ、オレンジ等のフルーツフレーバーを増強し、苦味を抑制する効果もある。さらに、たんぱく質と同様に代謝され、血糖値に影響を及ぼさないので、各種の臨床検査が繰り返される患者の薬剤の服用により適している。なお、オブラートに添加する甘味料としては、アスパルテームの他に、アルギニン系の甘味料を用いても同様の効果が得られた。 【0014】(香料を含ませる基材について)また、本発明者は、香料を含ませる基材についても検討した。すなわち、種々の基材に所定量の香料を含浸させ、この基材をオブラートの保管用容器内に所定期間設置した後、オブラートに付与される香りの程度及びオブラートの強度等を調べた結果、香料を含ませる基材として、珪酸カルシウム(化学名)を用いることが望ましいことが判明した。 【0015】まず、本発明者は、香料を含ませる基材としてシリカゲルを用い、このシリカゲルを直径約1〜8mmのビーズ状に成形し、所望の香料を含浸させた後、適量を通気性の良い小袋に入れ、その小袋をオブラートの保管用容器の底に敷き、その上に所定量のオブラートを載せて密閉した。 【0016】そして、2週間放置した後、オブラートに付着した香りの程度、オブラートの強度等を調べたところ、開封直後、容器より比較的強い香りが立ち上ったが、実際にオブラートを口中に入れてみると、香りはさほど強くなく、残り香がある程度であった。しかしながら、容器内に収納していたオブラートは乾燥しすぎており、非常に破れやすくなっていた。このようにオブラートが乾燥しすぎたのは、シリカゲルの優れた吸湿性に起因するものと考えられる。 【0017】続いて、本発明者は、香料を含ませる基材として、無機粉体中最高の吸液能及び液体保持力を有し、優れた成形性を有する珪酸カルシウムを用いて、同様の検討を試みた。すなわち、上記シリカゲルと同様に、珪酸カルシウムを直径約1mm〜8mmのビーズ状に成形し、所望の香料を含浸させた後、適量を通気性の良い小袋に入れ、その小袋をオブラートの保管用容器の底に敷き、その上に所定量のオブラートを載せて密閉した。 【0018】そして、2週間放置した後、オブラートに付着した香りの程度、オブラートの強度等を調べたところ、シリカゲルと同様に、開封直後、容器より比較的強い香りが立ち上ったが、実際にオブラートを口中に入れてみると、香りはさほど強くなく、残り香がある程度であった。また、容器内に収納していたオブラートの状態は非常に良好であった。 【0019】ここで、シリカゲルと珪酸カルシウムの吸湿率を、室内の湿度を変えて調べたところ、表1に示すような結果が得られた。表1から明らかなように、室内湿度が20%、50%、90%のいずれにおいても、シリカゲルの方が珪酸カルシウムより吸湿率が高いことが分かった。このことから、吸湿率が高いシリカゲルを香りを含ませる基材として用いた場合には、その吸湿率の良さから、オブラートが乾燥しすぎ、非常に破れやすくなったものと考えられる。 【表1】
【0020】なお、本発明者は、香りを含ませる基材の形状としては、上記のようなビーズ状に限らず、シート状、棒状、ハニカム状等、種々の形状が適用でき、また、基材に含浸させる香りの種類も特に限定されるものではなく、種々の香りを付与することができることを確認した。 【0021】(香りを含ませた基材の設置部位について)香りを含ませた基材を設置する部位は、保管用容器の底部、蓋部あるいはオブラートの側部等、特に限定されない。また、予め保管用容器の所望の部位に香りを含ませた基材設置用のスペースを設けてもよい。 【0022】(甘味及び香りをつけたオブラートの製造方法)まず、図1に示すように、澱粉Sを計量後(12〜20wt%)、水W(88〜80wt%)と共にドラム型タンク1に入れ、スクリュー攪拌機によって攪拌し、澱粉水溶液Mを作る。この澱粉水溶液Mを、スクリューポンプによってパイプ6を介して糊タンク2へ送り出す。ドラム型タンク1を送り出された澱粉水溶液Mは、糊タンク2の手前に配設された篩7によってろ過され、イモかす等の不純物が取り除かれる。 【0023】このようにして澱粉水溶液Mが導入された糊タンク2に、サラダ油とレシチンの混合物を投入するとともに、粉末状のアスパルテームを澱粉水溶液Mに対して0.01〜0.05wt%投入する。そして、糊タンク2内において、澱粉水溶液Mを攪拌しながら約170℃の蒸気を吹き込み、糊化物になるまで煮る。なお、これにより加熱殺菌も行われる。また、この攪拌作業は、澱粉水溶液M中にまんべんなく蒸気を吹き込み、均質に糊化させるために行うが、糊の分子構造をこわしてしまうと、オブラートになった時に破れ易くなるので、攪拌しすぎないようにする必要がある。 【0024】そして、図2及び図3に示すように、糊タンク2内に所定の空気圧Aをかけることによって、パイプ9を介して、糊化物Pをドラム型ドライヤー3へ圧送する。このとき、糊化物Pはパイプ9との接合部に設けられた篩8にかけられて、不純物が除去される。 【0025】続いて、図3に示すように、ドラム型ドライヤー3のドラム3aを回転させるとともに、その表面を約100℃に加熱しておく。この状態で、パイプ9から送り出された糊化物Pが、漏斗3cによってゲージ3b内に導かれると、図4に示すように、ゲージ3bとドラム3aとの隙間から糊化物Pが漏れ出すので、回転するドラム3aの表面に薄く塗布されて、乾燥していく。なお、このときにも加熱殺菌が行われる。 【0026】そして、ドラム3aが1回転する間に、糊化物Pの乾燥が進んでオブラートBになり、ドラム3aから剥離される。このオブラートBの乾燥と剥離作業は、上述のように、糊化工程において、サラダ油とレシチンの混合物が追加投入されているために、容易に行うことができる。剥離されたオブラートBは、冷却ローラ4における同方向に回転する複数のローラの間をくぐらせることによって、冷却される。 【0027】冷却されたオブラートBは、図5に示すように、巻取り機5の枷5aによって管状に巻かれる。巻き取られたオブラートBは、図6に示すように、枷5aから外されて作業台10に置かれ、平らにつぶされる。そして、オブラートBの両端(図6の矢印で示す箇所)をカットすると、図7に示すように、複数枚のオブラートBが積層された状態となる。この状態から、必要寸法に裁断することにより、製品としてのオブラートBが完成する。例えば、薬用の円形オブラートBとする場合には、筒状体による丸抜きが行われる。 【0028】次に、上記のように製造されたオブラートBへの香り付け方法を説明する。すなわち、図8に示すように、所望の香りを含浸させたビーズ状の基材を入れた通気性の良い小袋12を、オブラート保管用容器13の底に敷き、さらにその小袋12の上に、100枚程度重なったオブラートBを載せ、容器13の蓋13aを閉めて包装する。これにより、小袋12内の香料11から発散される香りが容器13内に充満し、オブラートBに付着する。 【0029】(効果)以上のように本発明によれば、糊化作業時に甘味料を混合するので、オブラートへの甘味付けを均一にまんべんなく行うことができ、均質な製品を作ることができる。また、オブラートへの香り付けを、オブラートの原料配合段階ではなく、製品包装段階で行うので、製造途中において香りが発散して消えてしまうことがなく、密閉された容器の中で、確実に香り付けすることができる。 【0030】また、オブラートの保管用容器ごとに異なる香料の小袋を収容すれば、容器ごとに異なる種類の香りのオブラートを製造できるので、多種の香りの製品が容易に作り出せる。さらに、香り、甘味及び色の組み合わせによって、多種多様なオブラートを製造することができる。例えば、付けた甘味に応じて、香りや色を変えることによって、味覚を香りや色によって識別できるようにすれば便利である。 【0031】 【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。 [A.甘味料について] [A−1.試料の調製]以下のようにして調製したオブラートの原料を用いて、上記の製造方法によりオブラートを製造し、オブラートの甘味、強度等の性状、製造工程の容易さ等について検討した。 【0032】(実施例1)澱粉を16g計量後、水84ccと共にドラム型タンクに入れ、スクリュー攪拌機によって攪拌して澱粉水溶液を作り、糊タンクへ送り出す。続いて、糊タンクに上記サラダ油とレシチンの混合物を適量投入すると共に、粉末状のアスパルテームを0.03g投入し、この糊タンク内において、澱粉水溶液を攪拌しながら約170℃の蒸気を吹き込み、糊化物になるまで煮る。それ以降の工程は上記の製造方法と同様にしてオブラートを製造した。 【0033】(比較例1)添加する甘味料として、従来から用いられている砂糖を1g用い、その他の製造条件及び製造方法は上記実施例1と同様にしてオブラートを製造した。 (従来例1)甘味料を全く添加せず、その他の製造条件及び製造方法は上記実施例1と同様にしてオブラートを製造した。 【0034】[A−2.比較結果]上記の方法により得られた実施例1、比較例1及び従来例1の各オブラートについて、その甘味、強度等の性状について調べたところ、表2に示すような結果が得られた。 【表2】
【0035】表2から明らかなように、従来から用いられている甘味料を添加した比較例1においては、オブラートに甘味をつけることはできたものの、オブラートが固くなり過ぎ、強度が著しく低下した。一方、本発明を適用した実施例1においては、オブラートに所望の甘味をつけることができただけでなく、オブラートの強度も従来と同様の強度が得られた。 【0036】[B.香りについて] [B−1.試料の調製]甘味料としてアスパルテームを添加したオブラートと、甘味料を添加していないオブラートを製造し、オレンジフレーバー、イチゴフレーバー等の香りを含ませる基材として珪酸カルシウムとシリカゲルを用いて、2週間放置した後、オブラートに付着した香り、甘味、強度等の性状等について検討した。 【0037】(実施例2)粉末状のアスパルテームを0.03g添加し、その他の製造条件及び製造方法は上記実施例1と同様にしてオブラートを製造した。また、香りを含ませる基材として、珪酸カルシウムから成る粒径が2〜3mmのフローライトRM−20(商品名:株式会社トクヤマ製)を用い、このフローライトRM−20に香料を含浸させた後、通気性の良い小袋に入れ、その小袋をオブラートの保管用容器の底に敷き、その上に上記のようにして製造したオブラートを100枚載せて密閉し、2週間放置した。 【0038】(実施例3)甘味料を全く添加せず、その他の製造条件及び製造方法は上記実施例1と同様にしてオブラートを製造した。また、香りを含ませる基材及び香料の含浸方法及び含浸時間等は上記実施例2と同様にして、容器内にオブラートを収納して密閉し、2週間放置した。 【0039】(比較例2)粉末状のアスパルテームを0.03g添加し、その他の製造条件及び製造方法は上記実施例1と同様にしてオブラートを製造した。また、香りを含ませる基材として、直径約2〜3mmのビーズ状に成形したシリカゲルを用い、このシリカゲルに香料を含浸させた後、通気性の良い小袋に入れ、その小袋をオブラートの保管用容器の底に敷き、その上に上記のようにして製造したオブラートを100枚載せて密閉し、2週間放置した。 【0040】(比較例3)甘味料を全く添加せず、その他の製造条件及び製造方法は上記実施例1と同様にしてオブラートを製造した。また、香りを含ませる基材及び香料の含浸方法及び含浸時間等は上記比較例2と同様にして、容器内にオブラートを収納して密閉し、2週間放置した。 【0041】(従来例2)甘味料を全く添加せず、その他の製造条件及び製造方法は上記実施例1と同様にしてオブラートを製造した。また、香り付けは一切行わずに、容器内にオブラートを収納して密閉し、2週間放置した。 【0042】[B−2.比較結果]上記の方法により得られた実施例2、実施例3、比較例2、比較例3及び従来例2の各オブラートについて、その香り、甘味、強度等の性状について調べたところ、表3に示すような結果が得られた。 【表3】
【0043】表3から明らかなように、香りを含ませる基材として珪酸カルシウムを用いた実施例2及び実施例3においては、いずれも良好な香り付けがなされており、また、オブラートの強度も従来と同様の強度が得られた。さらに、甘味料としてアスパルテームを添加した場合(実施例2)と添加しない場合(実施例3)を比較しても、香り付け及びオブラートの強度に有意差は認められなかった。 【0044】このことから、香りを含ませる基材として珪酸カルシウムが適しており、甘味料としてアスパルテームを添加することが、オブラートへの香り付けに影響を及ぼすことはないことが確認された。従って、オブラートに所望の香り付けと、それに合致した甘味付けを行うことにより、より適用範囲の広いオブラートを得ることができることが分かった。 【0045】これに対して、香りを含ませる基材としてシリカゲルを用いた比較例2及び比較例3においては、いずれも良好な香り付けがなされたものの、オブラートの強度は著しく低下した。また、甘味料としてアスパルテームを添加した場合(比較例2)と添加しない場合(比較例3)を比較しても、香り付け及びオブラートの強度に有意差は認められなかった。このことから、香りを含ませる基材としてシリカゲルを用いた場合には、オブラートが乾燥しすぎて、強度が低下してしまうことが示された。 【0046】以上の結果から、甘味料としては、粉末状のアスパルテームが適しており、香りを含ませる基材としては、珪酸カルシウムが適していることが明らかとなった。また、アスパルテームの添加と香り付けとは、互いに影響を及ぼすことはないことが明らかとなった。 【0047】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、オブラート自体の強度及び食感を損なうことなく、甘味及び香りの少なくとも一方を付加したオブラート及びその製造方法を提供することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】391040205 【氏名又は名称】国光オブラート株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年12月18日(2000.12.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081961 【弁理士】 【氏名又は名称】木内 光春
|
| 【公開番号】 |
特開2002−187835(P2002−187835A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月5日(2002.7.5) |
| 【出願番号】 |
特願2000−384246(P2000−384246) |
|