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【発明の名称】 ゲル状洗浄剤組成物
【発明者】 【氏名】薮 桃

【氏名】福田 敏夫

【要約】 【課題】起泡力、泡の持続性に優れるとともに、増粘性、温度安定性、使用性に優れたゲル状の洗浄剤組成物を提供すること。

【解決手段】ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩のようなポリオキシエチレンアルキル硫酸塩型陰イオン性界面活性剤と、ラウリン酸プロピレングリコールのような多価アルコール脂肪酸エステルとを配合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】(A)下記一般式(I)で表されるポリオキシエチレンアルキル硫酸塩型陰イオン性界面活性剤と、(B)下記一般式(II)で表される多価アルコール脂肪酸エステルとを含有することを特徴とするゲル状の洗浄剤組成物。
【化1】

(式中、Rは平均炭素原子数8〜20の飽和または不飽和の炭化水素基を表し;Mはアルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニウムまたは有機アミン類を表し;nは1〜5の数を表す)
【化2】

(式中、RCO−は炭素原子数12〜22の飽和または不飽和の脂肪酸残基を表わす。Aは水素原子またはOH基を表わす。mは0から4の整数を表す。)
【請求項2】(A)がポリオキシエチレン(1〜5)ラウリル硫酸塩である請求項1記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】前記ポリオキシエチレン(1〜5)ラウリル硫酸塩のオキシエチレンの平均付加モル数が2である請求項2記載の洗浄剤組成物。
【請求項4】(B)がラウリン酸プロピレングリコールである請求項1乃至請求項3記載の洗浄剤組成物。
【請求項5】(A)を5.0〜30.0質量%、(B)を0.3〜5.0質量%配合することを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は洗浄剤組成物に関する。さらに詳しくは、起泡力、泡の持続性に優れるとともに、増粘性、安定性、使用性に優れたゲル状の皮膚用洗浄剤組成物または頭髪用洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ゲル状の洗浄剤組成物では、洗浄力とともに、その高い粘度を維持することが必要となる。従来、洗浄剤組成物の増粘法としては、アマイド、増粘剤、塩類を配合する方法が公知である。また、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤を併用することにより増粘した洗浄剤組成物(特開平8−183994)も公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ジエタノールアマイド等のアマイドは増粘力が低く、多量に配合すると泡立ちや使用後のさっぱり感を損ねるという問題点がある。また、アクリル酸コポリマー、アニオンポリマー、ノニオンポリマー等の増粘剤は、粘度のコントロールが難しく、多量に配合すると使用感を損ねるという問題点がある。さらに、塩類は活性剤のクラフト点を上げて増粘効果をもたらすが、泡立ちが悪くなったり、多量に配合すると安定性を損なうなどの問題点がある。一方、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤を併用した洗浄剤では、両者の配合比率の幅が狭く、最適な粘度を得ようとすると、さっぱり感が少なくなることも多い。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の問題点を解決すべく鋭意研究した結果、特定のポリオキシエチレンアルキル硫酸塩型陰イオン性界面活性剤と多価アルコール脂肪酸エステルとを配合することにより、起泡力、泡の持続性に優れるとともに増粘性、安定性、使用性に優れたゲル状の洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は (A)下記一般式(I)で表されるポリオキシエチレンアルキル硫酸塩型陰イオン性界面活性剤と、(B)下記一般式(II)で表される多価アルコール脂肪酸エステルとを含有することを特徴とするゲル状の洗浄剤組成物にかかるものである。
【化3】

(式中、Rは平均炭素原子数8〜20の飽和または不飽和の炭化水素基を表し;Mはアルカリ金属類、アルカリ土類金属類、アンモニウムまたは有機アミン類を表し;nは1〜5の数を表す)
【化4】

(式中、RCO−は炭素原子数12〜22の飽和または不飽和の脂肪酸残基を表わす。Aは水素原子またはOH基を表わす。mは0から4の整数を表す。)
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述する。
【0007】本発明において用いられる(A)のポリオキシエチレンアルキル硫酸塩型陰イオン性界面活性剤は、上記一般式(I)(式中、R、M、nは上記で定義された通り)で表される。上記式中、Rとしては、例えばC1123、C1225、C1327、C1429、C1531、C1633、C1735、C1837、ココヤシ脂肪酸還元アルコール残基、パームヤシ脂肪酸還元アルコール残基等が挙げられる。Mとしては、リチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が例示される。またnはエチレンオキシドの平均付加モル数で、1〜5の数を表す。
【0008】本発明においては、これらのポリオキシエチレンアルキル硫酸塩型陰イオン性界面活性剤のなかでも特にポリオキシエチレン(0〜5)ラウリルエーテル硫酸塩が好ましい。さらにポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩のオキシエチレンの平均付加モル数が2であるものが最も好ましい。
【0009】本発明の洗浄剤組成物におけるポリオキシエチレンアルキル硫酸塩型陰イオン性界面活性剤の配合量は、5.0〜30.0質量%が好ましく、さらに好ましくは10.0〜20.0質量%である。ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩方陰イオン性界面活性剤の配合量が5.0質量%未満では、洗浄剤組成物の泡立ちが少なすぎ、30.0質量%を超えると、増粘性、安定性、安全性で劣るからである。
【0010】本発明において用いられる(B)一般式(II)で表される多価アルコール脂肪酸エステルとしては、例えば、ステアリン酸グリセリン、ステアリン酸エチレングリコール、ラウリン酸ソルビトール、ステアリン酸ソルビトール、ミリスチン酸プロピレングリコールなどが挙げられるが、特にラウリン酸プロピレングリコールが好ましい。
【0011】本発明の洗浄剤組成物における前記多価アルコール脂肪酸エステルの配合量は0.3〜5.0質量%が好ましく、さらに好ましくは0.3〜2.0質量%である。多価アルコール脂肪酸の配合量が0.3質量%未満では、洗浄剤組成物の粘度が低くなりすぎ、5.0質量%を超えると、増粘性、安定性で劣るからである。
【0012】本発明の洗浄剤組成物は上記必須成分の他、通常洗浄料に用いられる他の成分を配合することができ、常法に応じて製造される。かかる成分としては下記成分が例示され、上記必須成分と下記成分の一種又は二種以上とを配合して製造される。
【0013】アボガド油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、月見草油、ヒマシ油、ヒマワリ油、茶実油、コメヌカ油、ホホバ油、カカオ脂、ヤシ油、スクワレン、牛脂、モクロウ、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、流動パラフィン、ポリオキシエチレン(8モル)オレイルアルコールエーテル、モノオレイン酸グリセリルなどの油分。カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、コレステロール、フィトステロールなどの高級アルコール。カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸などの高級脂肪酸。ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ムコ多糖、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、キトサンなどの保湿剤。メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアガム、ポリビニルアルコールなどの増粘剤。エタノール、1,3−ブチレングリコールなどの溶媒。ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン酸などの酸化防止剤。安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル(エチルパラベン、ブチルパラベンなど)、ヘキサクロロフェンなどの抗菌防腐剤。グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、タウリン、アルギニン、ヒスチジンなどのアミノ酸と塩酸塩。アシルサルコシン酸(例えばラウロイルサルコシンナトリウム)、グルタチオン、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸などの有機酸。ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2及びその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15及びその誘導体などのビタミンB類、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル(塩)、アスコルビン酸ジパルミテートなどのビタミンC類、α―トコフェロール、β―トコフェロール、γ―トコフェロール、ビタミンEアセテート、ビタミンEニコチネートなどのビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチンなどのビタミン類。ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ―オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸及びその誘導体、ヒノキチオール、ムシジン、ビサボロール、ユーカリプトール、チモール、イノシトール、サポニン類(サイコサポニン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニンなど)、パントテニルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、トラネキサム酸、セファランチン、プラセンタエキスなどの各種薬剤。ギシギシ、クララ、コウホネ、オレンジ、セージ、タイム、ノコギリソウ、ゼニアオイ、センキュウ、センブリ、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ、サワラなどの有機溶剤、アルコール、多価アルコール、水、水性アルコールなどで抽出した天然エキス。ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイドなどのカチオン界面活性剤。その他に、香料、スクラブ剤、精製水などを配合することができる。
【0014】本発明の洗浄剤組成物は、頭皮頭髪の洗浄を目的とする毛髪洗浄料若しくは皮膚洗浄料として好適に使用され、その剤型はゲルの形態をとる。
【0015】
【実施例】次に本発明について、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。配合量は特に断りがない限り質量%で示す。
【0016】「実施例1〜17、比較例1〜7」表1、表2及び表3に示すゲル状洗浄剤組成物を製造して、下記の試験を行ない、表1のゲル状洗浄剤組成物については、起泡性、増粘性、使用性(使用後のぬるつき感)、表2と表3のゲル状洗浄剤組成物については、起泡性、増粘性、温度安定性について評価した。結果を併せて各表に示す。
【0017】起泡性試験2500ml容量の攪拌機付き円筒形シリンダーに40℃の人工硬水(70ppm炭酸カルシウム)を400ml入れ、被験試料8g添加後、4500rpmで1分間攪拌した後の泡容量を測定した。
<評価基準>◎:泡立ち極めて良好 泡容積1600ml以上○:泡立ち良好 泡容積1000ml以上△:泡立ち普通 泡容積 600ml以上×:泡立ち不良 泡容積 600ml未満【0018】増粘性(ゲル化性能)試験専門研究員が目視により試料のゲル化性能、すなわち増粘性の評価を行った。
<評価基準>○:ゲル基材として良好な粘性を有している。
△↑:ゲル基材としてはやや粘性が高い。
△↓:ゲル基材としてはやや粘性が低い。
×↑:ゲル基材としては粘性が高すぎる。
×↓:ゲル基材としては粘性が低すぎる。
【0019】温度(低温)安定性試験試料を−5℃に保ち、30日後に、専門研究員が目視により試料の外観を確認し、温度(低温)安定性の評価を行った。
<評価基準>○:透明なゲル状を維持している。
△:ゲルが全体にうすくかすんでいる。
×:試料に白い沈殿がみられる。
【0020】使用性(使用後のぬるつき感)評価試験専門パネル10名に、試料を実際に使用してもらい、洗浄後の肌のぬるつき感の有無について官能評価してもらった。
<評価基準>○:10名中7名以上がぬるつき感なしと認めた。
△:10名中4名〜6名がぬるつき感なしと認めた。
×:10名中3名以下がぬるつき感なしと認めた。
【0021】
【表1】(実施例1、比較例1〜4)
配合量(質量%)
【0022】
【表2】(実施例2〜4、比較例5)

配合量(質量%)
【0023】
【表3】(実施例5〜17、比較例6、7)

配合量(質量%)
【0024】表1、表2及び表3のゲル状洗浄剤組成物の製造方法:精製水にラウリルエーテル硫酸ナトリウムもしくはPOEラウリルエーテル硫酸ナトリウム液を混合し、グリセリン及びラウリン酸プロピレングリコールを溶解する。
【0025】表1、表2及び表3の結果から、実施例の洗浄剤組成物は、比較例の洗浄剤組成物に対して、起泡性、増粘性、使用性、温度安定性に優れ、本発明は優れたゲル状洗浄剤組成物を提供しうることがわかった。
【0026】以下に本発明のその他の実施例を挙げる。いずれの洗浄剤組成物も、起泡性、増粘性、温度安定性、使用性に優れたものであった。
【0027】
実施例18 シャワージェル(質量%)
(1)POE(2モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム液(30%)40.0(2)ラウリルグリコール酢酸ナトリウム液(30%) 20.0(3)ヤシ脂肪酸アミドプロピルベタイン液(30%) 3.0(4)ココイルメチルタウリンナトリウム液(30%) 10.0(5)ラウリン酸プロピレングリコール 1.5(6)グリセリン 5.0(7)食塩 0.4(8)クエン酸 適量(9)安息香酸ナトリウム 適量(10)香料 適量(11)精製水 残余<製法>(10)に(6)〜(9)を溶解し、(1)〜(4)を混合した後(5)、(10)を溶解してシャワージェルを得た。
【0028】
実施例19 洗顔ジェル(質量%)
(1)POE(2モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム液(30%)40.0(2)ヤシ油イセチオン酸ナトリウム 3.0(3)ラウリルベタイン(30%) 5.0(4)ココイルメチルタウリンナトリウム液(30%) 5.0(5)ラウリン酸プロピレングリコール 3.0(6)グリセリン 5.0(7)食塩 0.2(8)クエン酸 適量(9)安息香酸ナトリウム 適量(10)香料 適量(11)精製水 残余<製法>実施例18に準じて洗顔ジェルを得た。
【0029】
実施例20 ヘアシャンプー(質量%)
(1)POE(2モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム液(30%)25.0(2)ヤシ脂肪酸アミドプロピルベタイン液(30%) 15.0(3)ココイルメチルタウリンナトリウム液(30%) 10.0(4)ジプロピレングリコール 5.0(5)ラウリン酸プロピレングリコール 1.0(6)食塩 0.1(7)ポリ塩化ジメチレンピペリジニウム液(マーコート100) 0.5(8)塩化ジメチルジアリルアンモニウム・ 0.5 アクリルアミド共重合体液(マーコート550)
(9)L−グルタミン酸 適量(10)フェノキシエタノール 適量(11)香料 適量(12)精製水 残余<製法>実施例18に準じてヘアシャンプーを得た。
【0030】
実施例21 ヘアシャンプー(質量%)
(1)POE(2モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム液(30%)30.0(2)ヤシ脂肪酸アミドプロピルベタイン液(30%) 15.0(3)ラウリン酸プロピレングリコール 0.5(4)グリセリン 5.0(5)ジメチルポリシロキサンエマルジョン 2.0 (東レ・タ゛ウコーニンク゛社製BY22-029、100,000csの50wt%エマルシ゛ョン) (6)食塩 0.2(7)カチオン化セルロース(東邦PC-100) 0.5(8)乳酸 適量(9)安息香酸ナトリウム 適量(10)香料 適量(11)精製水 残余<製法>実施例18に準じてヘアシャンプーを得た。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、起泡性、増粘性、温度安定性、使用性に優れたゲル状の洗浄剤組成物を提供出来る。
【出願人】 【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社資生堂
【出願日】 平成12年12月19日(2000.12.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−187833(P2002−187833A)
【公開日】 平成14年7月5日(2002.7.5)
【出願番号】 特願2000−384667(P2000−384667)