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【発明の名称】 白濁状香料組成物
【発明者】 【氏名】窪田 正男

【要約】 【課題】界面活性剤を含まない、または含んだ場合においても、優れた白濁度を有し、白濁度の調整が容易であり、更に長期間に亘り安定な香料組成物を提供する【解決手段】香料とアクリル酸アミド・スチレン共重合体を含有することを特徴とする香料組成物。

【解決手段】香料とアクリル酸アミド・スチレン共重合体を含有することを特徴とする香料組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 香料とアクリル酸アミド・スチレン共重合体とを含有することを特徴とする香料組成物。
【請求項2】 白濁状である請求項1記載の香料組成物。
【請求項3】 非乳化型である請求項2記載の香料組成物。
【請求項4】 界面活性剤を含有しない請求項3記載の香料組成物。
【請求項5】 香料0.1〜20質量%と、アクリル酸アミド・スチレン共重合体0.001〜1.0質量%とを含有する白濁状香料組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香を有する液状化粧水および液状フレグランス製品に関し、詳しくは白濁安定性に優れた香料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、香料を含有し芳香を有する化粧水および液状フレグランス製品は、香料が完全に可溶化され透明な外観を持つものが多かった。しかし、近年、消費者の多用な嗜好に答えるべく、白濁な外観を持つ化粧水および液状フレグランス製品が期待されていた。白濁状香料組成物を得る場合には、従来乳化技術を用いた方法が採られてきた。この方法では長期間に亘り乳化状態を安定させるのが難しく大変困難なものであった。また、香料の含有量が1質量%以上になると更に乳化状態を安定させるのが難しく大変困難なものであった。そのうえ、白濁の度合い(以下これを白濁度と記す)を調整すること等は更に困難なことであった。
【0003】したがって、従来白濁状香料組成物を得るためには界面活性剤等を相当量使用し、長期間に亘り乳化状態を安定させる試みが採られているが、界面活性剤には特有の臭いがあるものが多く、香りを阻害する要因となることが多かった。更に、界面活性剤等を使用しない化粧水および液状フレグランス製品に比べて感触が劣ることや、稀には界面活性剤が肌荒れ等の原因になることがある等の問題があった。また、乳化においては香料そのものを油分の一つとして系を成り立たせているため、香料の種類やその配合量を自由に設計することや、香料の種類やその配合量に関係なく白濁度を自由に設計することは極めて困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、界面活性剤を含まない、または含んだ場合においても、優れた白濁度を有し、白濁度の調整が容易であり、更に長期間に亘り安定な香料組成物を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、白濁状の芳香を有する化粧水および液状フレグランス製品に関し鋭意検討を重ねた結果、アクリル酸アミド・スチレン共重合体を含有することにより、乳化を行わなくとも、長期間に亘り安定な白濁状の芳香を有する化粧水および液状フレグランス製品が得られることを見出し本発明を完成するに至った。本発明によれば、乳化の手段を採らなくとも優れた白濁度が得られ、その白濁度は安定であり、かつ白濁度の調整もアクリル酸アミド・スチレン共重合体の濃度を振ることにより適宜容易に変更できる。また、界面活性剤を用いた場合においても、その使用量を低減せしめることが可能であり、その結果、界面活性剤に起因する臭いが少なく、感触および安全性に優れた香料組成物が提供できる。更に白濁を乳化によって発現させるものではないので、香料種類やその配合量を自由に設計することができる。
【0006】すなわち、本発明は、アクリル酸アミド・スチレン共重合体を含有することを特徴とする香料組成物にある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
【0008】本発明のおいて、香料組成物は、一般的には界面活性剤の含有量を低減でき、かつ安定性の面より非乳化型が好ましい。
【0009】本発明に用いられるアクリル酸アミド・スチレン共重合体は、主としてアクリル酸アミドまたはメタクリル酸アミドとスチレンからなる共重合体であり、厚生省薬務審査課監修の化粧品種別配合成分規格(薬事日報社)に記載されているものと同一のものである。配合量は0.001〜1.0質量%が好ましく、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。0.001質量%未満では、十分な白濁度が得られない場合があり、また、1.0質量%を超えて配合するとアクリル酸アミド・スチレン共重合体自身の臭いが問題となってくる場合がある。
【0010】本発明に用いられる香料は、植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料のいずれも使用でき、必要に応じてこれらの香料を任意の香りが得られるように調合した調合香料も使用できる。香料の配合量は、化粧水および液状フレグランス製品等の香料組成物が芳香を有し、使用者がその香りを楽しむことができるのに十分な配合量として0.1〜20質量%が好ましく、更に好ましくは0.3〜10質量%である。
【0011】本発明には、更に、水、界面活性剤(可溶化剤)、キレート剤を配合することができる。
【0012】水としては、イオン交換水、蒸留水等の精製水,炭酸を含まないミネラルウォーター,ナチュラルウォーター等の自然水等、含有されるイオンに関係なくいずれも使用できる。アクリル酸アミド・スチレン共重合体を安定に分散させる為に香料組成物に通常10〜90質量%配合するが、更に好ましくは25〜75質量%である。
【0013】界面活性剤としては、本発明に係る香料組成物において水の配合量が20%以上となる場合に香料を可溶化するために一般的に用いるものであり、アニオン性界面活性剤および/または非イオン性界面活性剤が好適である。これらは、単独でも混合して用いても良い。例えば、アニオン性界面活性剤としては、ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,オレイン酸,イソステアリン酸,ベヘニン酸等の脂肪酸のナトリウム塩,カリウム塩,トリエタノールアミン塩,アミノ酸系の塩の各種脂肪酸石鹸等が用いられる。非イオン性界面活性剤としてはポリオキシエチレン(以下これをPOEと略記する)ソルビタン脂肪酸エステル類,POEグリセリン脂肪酸エステル類,POE脂肪酸エステル類,POEアルキルエーテル類,POEソルビトール脂肪酸エステル類,POE硬化ヒマシ油誘導体類,POEショ糖脂肪酸エステル類,POEステロール誘導体類,N―アシルアミノ酸エステル類,ショ糖脂肪酸エステル類,脂肪酸アルキロールアミド,ポリオール脂肪酸エステル類,モノステアリン酸グリセリン,モノステアリン酸エチレングリコール,モノステアリン酸プロピレングリコール,ソルビタン脂肪酸エステル類等が挙げられる。これらの可溶化剤の配合量は一般的には0.1〜10質量%であり、感触や肌への影響上、好ましくは8質量%未満であり、更に好ましくは含まないほうが良い。
【0014】キレート剤としては、キレートを生成することで金属イオンを封鎖し、沈殿を防止するために使用するもので、エデト酸2ナトリウム,クエン酸ナトリウム,ポリリン酸ナトリウム,メタリン酸ナトリウム,グルコン酸等が挙げられる。配合量は、好ましくは0.001〜0.1質量%であり、更に好ましくは0.005〜0.05質量%である。
【0015】本発明に係る香料組成物においては、更に、品質を損なわない程度で化粧品に一般的に用いられる油性成分,保湿成分,高分子化合物,ビタミン類,紫外線吸収剤,着色剤,植物抽出物,薬物,安定化剤等を配合することができる。
【0016】
【実施例】以下に本発明を実施例および比較例によって詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例に用いたアクリル酸アミド・スチレン共重合体は、NSC社製ヨドゾールGH−52−OPである。
【0017】
実施例1(非乳化白濁芳香化粧水)
(質量%)
(1)エタノール 40.0(2)プロピレングリコール 4.0(3)グリセリン 2.0(4)POE硬化ヒマシ油(60E.O) 0.5(5)香料 0.1(6)精製水 53.34(7)アクリル酸アミド・スチレン共重合体 0.01(8)クエン酸ナトリウム 0.05【0018】・製造方法 上記(1),(2),(3),(4),(5)を混合したものに、(6),(7),(8)を事前に混合したものを混合して芳香化粧水を得る。
【0019】比較例1(芳香化粧水)
実施例1より(7)を除いた他は同様にして芳香化粧水を調製した。但し、混合後ホオモジナイザーを用いて乳化を行った。
【0020】
実施例2(白濁コロン)
(質量%)
(1)エタノール 88.99(2)香料 1.0(3)精製水 10.0(4)アクリル酸アミド・スチレン共重合体 0.01【0021】・製造方法 (1),(2)を混合し熟成後冷却ろ過を行ったものに、(3),(4)を事前に混合したものを混合し、冷却ろ過後白濁コロンを得る。
【0022】比較例2(白濁コロン)
実施例2より(4)を除いた他は同様にして白濁コロンを調製した。但し、混合後ホオモジナイザーを用いて乳化を行った。
【0023】
実施例3(白濁コロン)
(質量%)
(1)エタノール 51.98(2)ジプロピレングリコール 10.0(3)POE(60)グリセリルモノイソステアレート 6.0(4)香料 2.0(5)精製水 30.0(6)アクリル酸アミド・スチレン共重合体 0.02【0024】・製造方法 (1),(2),(3),(4)を混合したものに、(5),(6)を事前に混合したものを混合し、冷却ろ過後白濁コロンを得る。
【0025】比較例3(白濁コロン)
実施例3より(6)を除いた他は同様にして白濁コロンを調製した。但し、混合後ホオモジナイザーを用いて乳化を行った。
【0026】
実施例4(白濁オードトワレ)
(質量%)
(1)エタノール 55.89(2)ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジン 0.05 プロピオン酸2−エチルヘキシル (3)1,3−ブチレングリコール 5.0(4)ジプロピレングリコール 5.0(5)POE(60)硬化ヒマシ油 6.0(6)モノラウリン酸ポリオキシ 3.0 エチレンソルビタン(20E.O.) (7)香料 5.0(8)精製水 20.0(9)アクリル酸アミド・スチレン共重合体 0.05(10)エデト酸2ナトリウム 0.01(11)色素 適量【0027】・製造方法 (1),(2),(3),(4),(5),(6),(7)を混合したものに、(8),(9),(10)を事前に混合したものを混合し、冷却ろ過後に(11)を加えて白濁オードトワレを得る。
【0028】比較例4(白濁オードトワレ)
実施例4より(9)を除いた他は同様にして白濁オードトワレを調製した。但し、混合後ホオモジナイザーを用いて乳化を行った。
【0029】〔安定性試験〕実施例1〜4、比較例1〜4を製造し、0℃,20℃,40℃にて白濁度についての安定性について比較評価試験を行った。なお、評価基準は以下の通りである。
【0030】評価基準白濁している :○白濁しているが瓶口に澱が確認されている:△分離している/白濁しない :×【0031】安定性試験結果1ヶ月後実施例1 ○ 比較例1 ×実施例2 ○ 比較例2 ×実施例3 ○ 比較例3 ×実施例4 ○ 比較例4 ×6ヶ月後実施例1 ○ 比較例1 ×実施例2 ○ 比較例2 ×実施例3 ○ 比較例3 ×実施例4 ○ 比較例4 ×【0032】表1からも分かるように、本発明の白濁状香料組成物は白濁度が長期間安定に保たれていた。また、別途アクリル酸アミド・スチレン共重合体の濃度を適宜振って上述した通りの各種の香料組成物を調製した際には、白濁が様様なものを得ることができた。
【0033】
【発明の効果】本発明の香料組成物は、界面活性剤がなくとも、又は少なくても、簡易に白濁状態が得られ、しかも長期に亘り白濁状態が保持され安定性にも非常に優れたものである。
【出願人】 【識別番号】000000952
【氏名又は名称】カネボウ株式会社
【出願日】 平成12年12月19日(2000.12.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−187832(P2002−187832A)
【公開日】 平成14年7月5日(2002.7.5)
【出願番号】 特願2000−384763(P2000−384763)