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【発明の名称】 パーマ第2剤
【発明者】 【氏名】土屋 勝

【氏名】江連 美佳子

【氏名】伊藤 隆司

【要約】 【課題】

【解決手段】次の成分(a)及び(b)(a)過酸化水素(b)酸性染料を含有し、pHが2以上4未満であるパーマ第2剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 次の成分(a)及び(b)(a)過酸化水素(b)酸性染料を含有し、pHが2以上4未満であるパーマ第2剤。
【請求項2】 更に、(c)芳香族アルコール、総炭素数2〜5の低級アルキレンカーボネート、及びアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアシル基で置換されていてもよい5又は6員の環状ラクトンから選ばれる有機溶剤を含有する請求項1記載のパーマ第2剤。
【請求項3】 別々に調製及び保存された(a)過酸化水素を含む溶液と(b)酸性染料を含む溶液とを使用直前に混合する形態であって、混合後のpHが2以上4未満となるものである請求項1又は2記載のパーマ第2剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パーマによる形付けと酸性染料によるカラリングを同時に行うためのパーマ第2剤、特に、高い染毛性を有するパーマ第2剤に関する。
【0002】
【従来の技術】パーマ剤は、毛髪に半永久的にカールやウェーブなどの形をつけるもので、スタイルチェンジを楽しみたい若者からボリュームを出したい年配者まで、幅広い年齢層の人々に利用されている。一方、染毛剤に関しても、年配者が白髪を隠すために黒く染めるだけでなく、黒髪の若者も、髪色を明るくしたり、赤やオレンジなどの色を入れるなど、様々な髪色を楽しむ目的でも利用されるようになってきている。染毛剤の種類としては、酸化染料による永久染毛剤が広く用いられているが、最近では安全性が高く、鮮やかで色種類の豊富な酸性染料によるヘアマニキュアも多く用いられる。
【0003】しかし、パーマとヘアマニキュアの両方を施術する場合、一般的には、まずパーマを施術し、その後にヘアマニキュアを施術するため、非常に長時間を要し、美容院の顧客の回転率を低下させると共に、被術者にとっても苦痛となるという問題があった。
【0004】そこで、パーマとヘアマニキュアを同時に行うことにより施術時間を短縮すべく、酸性染料をパーマ系で用いる試みが種々なされている。例えば、GB721831号には、水溶性酸性染料のメルカプト化合物を含むパーマ第1剤への添加が開示されている。しかし、酸性染料はその電荷から、酸性条件、特にpH4未満でよく染まる性質を有しているため、通常アルカリ性で用いられるパーマ第1剤への配合は染毛性の点で十分ではなかった。また、酸化剤を含むパーマ第2剤への酸性染料の添加についても試みられており、例えば特開平9-151121号公報には、酸性染料を含み、好ましくはpH4〜8のストレートパーマ第2剤が開示されている。しかし、同公報に示された方法によっては十分な染毛性は得られなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、パーマによる髪の形付けとヘアマニキュアによるカラリングとを同時に行う簡便な施術において、高い染毛性を発揮するパーマ第2剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は次の成分(a)及び(b)(a)過酸化水素(b)酸性染料を含有し、pHが2以上4未満であるパーマ第2剤を提供するものである。
【0007】
【発明を実施の形態】成分(a)の過酸化水素の含有量は、必要十分なウェーブ形成性の点から、本発明のパーマ第2剤中に0.3〜2.5重量%、更に0.5〜2.5重量%、特に1〜2.5重量%が好ましい。
【0008】成分(b)の酸性染料は、スルホン酸基、カルボキシ基等を有する染料であり、構造的にはニトロ染料、アゾ染料、ニトロソ染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、キノリン染料、アントラキノン染料、インジゴ染料等、各染料にわたって存在する。具体的には、赤色2号(C.I.16185)、赤色3号(C.I.45430)、赤色102号(C.I.16255)、赤色104号の(1)(C.I.45410)、赤色105号の(1)(C.I.45440)、赤色106号(C.I.45100)、黄色4号(C.I.19140)、黄色5号(C.I.15985)、緑色3号(C.I.42053)、青色1号(C.I.42090)、青色2号(C.I.73015)、赤色201号(C.I.15850)、赤色227号(C.I.17200)、赤色230号の(1)(C.I.45380)、赤色231号(C.I.45410)、赤色232号(C.I.45440)、橙色205号(C.I.15510)、橙色207号(C.I.45425)、黄色202号の(1)(C.I.45350)、黄色203号(C.I.47005)、緑色201号(C.I.61570)、緑色204号(C.I.59040)、緑色205号(C.I.42095)、青色202号(C.I.42052)、青色205号(C.I.42090)、褐色201号(C.I.20170)、赤色401号(C.I.45190)、赤色502号(C.I.16155)、赤色503号(C.I.16150)、赤色504号(C.I.14700)、赤色506号(C.I.15620)、橙色402号(C.I.14600)、黄色402号(C.I.18950)、黄色403号の(1)(C.I.10316)、黄色406号(C.I.13065)、黄色407号(C.I.18820)、緑色401号(C.I.10020)、緑色402号(C.I.42085)、紫色401号(C.I.60730)、黒色401号(C.I.20470)、アシッドブラック52(C.I.15711)、アシッドブルー1(C.I.42045)、アシッドブルー3(C.I.42051)、アシッドブルー62(C.I.62045)、アシッドブラウン13(C.I.10410)、アシッドグリーン50(C.I.44090)、アシッドオレンジ3(C.I.10385)、アシッドオレンジ6(C.I.14270)、アシッドレッド14(C.I.14720)、アシッドレッド35(C.I.18065)、アシッドレッド73(C.I.27290)、アシッドレッド184(C.I.15685)、ブリリアントブラック1(C.I.28440)等が挙げられる。酸性染料は、1種以上を使用することができ、その含有量は、本発明のパーマ第2剤中に0.01〜1.0重量%、更に0.05〜0.8重量%、特に0.1〜0.5重量%が好ましい。
【0009】本発明のパーマ第2剤には、上記成分(a)及び(b)に加え、染毛性をより向上するため、更に成分(c)として芳香族アルコール、総炭素数2〜5の低級アルキレンカーボネート、及びアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基又はアシル基で置換されていてもよい5又は6員の環状ラクトンから選ばれる有機溶剤を含有することが好ましい。この有機溶剤としては、芳香族アルコールとしてベンジルアルコール、2-ベンジルオキシエタノール、p-メチルベンジルアルコール、フェノキシエタノール、1-フェニルエチルアルコール、2-フェニルエチルアルコール、o-メトキシフェノール等が挙げられ、低級アルキレンカーボネートとして炭酸エチレン、炭酸プロピレン等が挙げられ、アルキル基、アルキレン基又はアルコキシ基で置換されていてもよい5又は6員の環状ラクトンとしては、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、δ-バレロラクトン、γ-オクタン酸ラクトン、α-メチル-γ-ブチロラクトン等が挙げられる。これらのうちベンジルアルコール、2-ベンジルオキシエタノール、炭酸プロピレン及びγ-ブチロラクトンが好ましい。有機溶剤の含有量は、本発明のパーマ第2剤中に0.1〜50重量%、特に1〜30重量%が好ましい。
【0010】また、その他の任意成分として、通常のパーマ第2剤に使用される成分、例えば成分(c)以外の有機溶剤、油脂類、高級アルコール、シリコーン類、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、香料、毛髪保護剤、ポリペプチド、紫外線吸収剤、防腐剤、保湿剤、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、非イオン性ポリマー等を、適宜配合することができる。
【0011】本発明のパーマ第2剤の調製は、常法に従い、成分(a)及び(b)成分、並びに成分(c)その他の任意成分を混合し、pHを調整することにより行われる。
【0012】本発明のパーマ第2剤のpHは、2以上4未満であるが、好ましくは2.5〜3.5である。pHが2未満では髪へのダメージが大きく、pHが4以上では染色性が劣ることとなる。pHの調整又は緩衝系の構築のためには、酸又はその塩を用いることができる。かかる酸としては、有機酸及び無機酸のいずれでもよく、また一塩基酸及び多塩基酸のいずれでもよい。具体的には、グリコール酸、乳酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、炭酸、コハク酸、酒石酸、フマール酸、レブリン酸、マレイン酸、リン酸等が挙げられ、特にグリコール酸、乳酸及びクエン酸が好ましい。酸又はその塩は1種以上を使用することができ、その含有量は、酸性染料の毛髪への浸透促進及び固定化の観点より、本発明のパーマ第2剤中に0.1〜20重量%、更に1〜10重量%、特に2〜7重量%が好ましい。最終的なpHの調整は、例えばアルカリ金属水酸化物等のアルカリ剤を用いて行うことができる。
【0013】また、本発明のパーマ第2剤は、別々に調製及び保存された(a)過酸化水素を含む溶液と(b)酸性染料を含む溶液とを使用直前に混合する形態とするのも、酸性染料の染色性が過酸化水素の影響により低下するのを回避できる点で好ましい。この場合は、酸又はその塩を一方又は両方に含有させることができ、混合後のpHが2以上4未満になればよい。
【0014】以上のようにして得られる本発明のパーマ第2剤は、一般的に用いられるパーマ第1剤と共に用いられる。このようなパーマ第1剤は、チオグリコール酸、チオグリコール酸塩、システイン、システイン誘導体、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩等の還元剤;アンモニア、モノエタノールアミン、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤;ジチオジグリコール酸又はその塩のような反応調整剤;その他前記第2剤と同様の任意成分を含有できる。
【0015】
【実施例】試験例1 第2剤のpHと染毛性の関係下に示すパーマ第1剤(pH=8.5)及び種々のpHの第2剤(pH=2.5、3.0、3.5、4.0及び4.5;処方A〜E)を調製し、それらの染毛性を評価した。
【0016】(試験方法)西洋人のナチュラルホワイト色の毛束1gを用い、パーマ第1剤を浴比(髪:液)1:2で塗布した。室温(約25℃)中で15分間放置後、流水ですすぎ、タオルドライした後、パーマ第2剤を浴比1:2で塗布した。室温(約25℃)中で15分間放置後、流水ですすぎ、市販シャンプーで2回洗浄し、市販リンスで処理した。タオルドライ後ドライヤーで乾燥させた。この処理前後の毛束について、ミノルタカメラ社製色彩色差計CR-200を用いて測定を行い、ΔE値を求めた。なお本試験で用いた赤色106号の場合、ΔE>80であれば非常に強く染まっており、ΔE>70でも十分に染まっているといえるが、ΔE≦70では不十分な染まり具合といえる。
【0017】
(パーマ第1剤) (重量%)
チオグリコール酸アンモニウム液 (チオグリコール酸として50%) 21.6 重炭酸アンモニウム 5.0 アンモニア pH調整量(pH=8.5) 精製水 バランス 合計 100.0【0018】
(パーマ第2剤) (重量%)
過酸化水素水(35%) 5.7赤色106号 0.3乳酸 4.5水酸化ナトリウム pH調整量精製水 バランス合計 100.0【0019】(結果)この結果を表1に示す。
【0020】
【表1】

【0021】表1より、pHが低くなるほど染色性は向上することがわかった。また、pH=4を境にして、染毛性は大きく変化することがわかった。
【0022】試験例2 溶剤添加の効果表2に示す処方の酸性染料入りパーマ第2剤(処方F、G及びH)を調製し、試験例1と同様に染毛性評価を行った。この結果を表2に示す。
【0023】
【表2】

【0024】成分(d)(有機溶剤)未添加の場合(処方B)に比べ、有機溶剤の添加により、染毛性は更に向上することがわかった。
【0025】実施例1次の処方の第2剤(処方I)を調製した。
【0026】
(重量%)
過酸化水素水(35%) 7.1 橙色205号 0.5 黒色401号 0.1 紫色401号 0.1 グリコール酸 3.0 クエン酸 2.0 炭酸プロピレン 20.0 ベンジルオキシエタノール 2.5 エタノール 2.5 プロピレングリコール 2.0 ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 (東レダウコーニング社製,SH-3771C) 0.4 ヒドロキシエチルセルロース 2.5 水酸化ナトリウム pH調整量(pH=3) 香料 0.3 精製水 バランス 合計 100.0【0027】上記第2剤と共に、以下の第1剤を用いた。
(重量%)
チオグリコール酸アンモニウム液 (チオグリコール酸として50%) 13.6 重炭酸アンモニウム 2.0 濃アンモニア水 pH調整量(pH=9) 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(28%) 1.0 ポリオキシエチレン(9)トリデシルエーテル 1.0 ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル 2.0 プロピレングリコール 1.0 エデト酸二ナトリウム 0.5 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 香料 0.2 精製水 バランス 合計 100.0【0028】西洋人ナチュラルホワイトの髪の毛先をペーパーで保護して直径1.5cmのプラスチックロッドに巻き付けて、上記第1剤中に30℃で15分間浸漬した後、流水で1分間水洗し、次いで第2剤中に30℃で15分間浸漬し、水洗、シャンプーしてパーマネントウェーブ及び染毛処理を行った。その結果、髪は根元から毛先まで均一なウェーブがかかり、かつ茶色に染まった。
【0029】実施例2次の処方の第2剤(処方J)を調製した。
【0030】
(重量%)
過酸化水素水(35%) 2.0 赤色227号 0.3 乳酸 4.5 ベンジルアルコール 8.0 エタノール 20.0 濃グリセリン 1.0 キサンタンガム 2.0 水酸化ナトリウム pH調整量(pH=3.5) 香料 0.3 精製水 バランス 合計 100.0【0031】上記第2剤と共に、以下の第1剤を用いた。
(重量%)
塩酸L-システイン 7.0 モノエタノールアミン pH調整量(pH=9) 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(28%) 1.0 ポリオキシエチレン(9)トリデシルエーテル 1.0 ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル 2.0 アミノ変性シリコーンエマルジョン (東レダウコーニング社製,SH-8704C) 2.0 プロピレングリコール 1.0 エデト酸二ナトリウム 0.5 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 香料 0.2 精製水 バランス 合計 100.0【0032】上記第1剤及び第2剤を用いて実施例1と同様にパーマネントウェーブ及び染毛処理を行った。その結果、均一なウェーブがかかり、かつ赤く染まった。
【0033】実施例3次の処方K1及びK2を容量1:1で使用直前に混合し、パーマ第2剤とした。
【0034】
(処方K1) (重量%)
過酸化水素水(35%) 7.1リン酸二水素ナトリウム 0.25リン酸一水素ナトリウム 0.4精製水 バランス合計 100.0【0035】
(処方K2) (重量%)
橙色205号 0.25 黒色401号 1.0 紫色401号 0.10 乳酸 8.0 炭酸プロピレン 20.0 ベンジルオキシエタノール 10.0 エタノール 10.0 水酸化ナトリウム pH調整量(pH=3.0)* 香料 0.3 精製水 バランス 合計 100.0 *:処方K1と処方K2を混合したときのpH【0036】上記第2剤と共に、以下の第1剤を用いた。
(重量%)
チオグリコール酸アンモニウム液 (チオグリコール酸として50%) 14.0 ジチオジグリコール酸アンモニウム 2.5 重炭酸アンモニウム 2.0 濃アンモニア水 pH調整量(pH=9) 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(28%) 1.0 ポリオキシエチレン(9)トリデシルエーテル 1.0 ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル 2.0 プロピレングリコール 1.0 エデト酸二ナトリウム 0.5 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 香料 0.2 精製水 バランス 合計 100.0【0037】上記第1剤及び第2剤を用いて実施例1と同様にパーマネントウェーブ及び染毛処理を行った。その結果、均一なウェーブがかかり、かつ黒く染まった。
【0038】
【発明の効果】本発明のパーマ第2剤は、通常のパーマ第1剤と共に用いることにより、パーマによる形付けと、高い染毛性のカラリングを同時に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成12年12月21日(2000.12.21)
【代理人】 【識別番号】100068700
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 三幸 (外4名)
【公開番号】 特開2002−187822(P2002−187822A)
【公開日】 平成14年7月5日(2002.7.5)
【出願番号】 特願2000−388134(P2000−388134)