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【発明の名称】 美白用組成物
【発明者】 【氏名】斉藤 優子

【氏名】太田 豊

【氏名】鈴木 聡

【要約】 【課題】メラノサイトのデンドライトの伸長を抑制し、且つメラニン産生抑制剤の美白作用を増強し、皮膚の美白、取分け、炎症を伴った色素異常やソバカスなどの色素異常に対して有効な予防或いは改善手段として好適な皮膚外用剤の提供。

【解決手段】メラニン産生抑制剤の美白作用及びメラノサイトのデンドライドの伸長の抑制作用を有するのに優れたキョウニンの成熟種子乾燥物、広豆根及び/又は山豆根、ショウブ、アキカラマツ、オウレンの乾燥根茎、緑豆の乾燥果実、甘松、甘松香の乾燥根茎、オウバクの樹皮、モモの乾燥葉からのエッセンスを化粧料等の皮膚外用剤へ含有させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 メラノサイトのデンドライドの伸長抑制剤及びメラニン産生抑制剤とを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
【請求項2】メラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤が、生薬のエッセンス、ベルベリン、ベルベリン誘導体又は生理的に許容されるそれらの塩から選ばれる一種乃至は二種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項3】メラノサイトのデンドライトの伸長抑制作用を有する生薬のエッセンスの起源植物が、バラ科(Rosaceae) キョウニン(学名:Prunus armeniaca L. var. ansu axim.の成熟種子乾燥物)、マメ科(Leguminosae)の広豆根及び/又は山豆根(学名:Sophora subprostrataの乾燥根茎)、サトイモ科(Araceae)のショウブ.(学名:Acorus calamus Lの乾燥根茎)、キンポウゲ科(Ranunculaceae)のアキカラマツ(学名:Thalictrum minus var. hypoleucumの乾燥根茎)、キンポウゲ科(Ranunculaceae)のオウレン(学名:Coptis chinensis Franchの乾燥根茎)、マメ科(Leguminosae)の緑豆(学名:Phaseolus radiatus L.の乾燥果実)、オミナエシ科(Valerianaceae)の甘松(学名:Nabostachys jatamanseの乾燥根茎)、オミナエシ科(Valerianaceae)の甘松香(学名:Narbostachys chinesisの乾燥根茎)、ミカン科(Rutaceae)オウバク(学名:Phellodendron chinese Schn.の樹皮)、バラ科(Rosaceae)のモモノハ(Prunus persica Batschの乾燥葉)のエッセンスから選ばれる一種乃至は二種以上を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
【請求項4】エッセンスが極性溶剤の抽出物乃至はその溶媒除去物であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項5】メラニン産生抑制剤が、アルブチン、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、ポリフェノール、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、フェルラ酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、イソフェルラ酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、エスクレチン、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩(エスクレシド)、タンニン酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸、アスコルビン酸硫酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、(アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸硫酸カルシウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸硫酸マグネシウム、アスコルビン酸リン酸ナトリウム、アスコルビン酸グルコシド、6−アシルアスコルビン酸−2−グルコシド)、コウジ酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、エラグ酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、パントテイン酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、アルキルレゾルシノール、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩(4−n−ブチルレゾルシノール及び/又は生理的に許容されるそれらの塩)、ビタミンE、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩(ビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート)、ニコチン酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩(ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジルなど)、α―ヒドロキシ酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩(乳酸、クエン酸、α―ヒドロキシオクタン酸、γ―アミノーβ―ヒドロキシ酪酸)、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、プラセンタエキス、リノール酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、トラネキサム酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、グルタチオン、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、コロイドイオウ、誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、リキリチン、誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩の一種乃至は、二種以上から選ばれるメラニン産生抑制剤を含有することを徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項6】 請求項5記載のメラニン産生抑制剤の生理的に許容される塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩、から選ばれる一種乃至は二種以上から選ばれることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項7】メラニン産生抑制剤の生薬のエッセンスの起源植物が、クララ(苦参:クジン)、桑白皮、ユキノシタ、人参、サイシン、シラカバ、オウゴン、アルニカ、アルテア、アロエ、オウゴン、エンメイソウ、カミツレ、カンゾウ、クチナシ、ゲンノショウコウ、シコン、ショウマ、センキュウ、サイコ、山茶花、ニンニク、ハトムギ、レイシ、ロッグウッド、イタドリ、ハチジョウイタドリ、オオイタドリのエッセンスから選ばれる一種乃至は二種以上を含有することを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項8】請求項5記載の誘導体が、配糖体、エステル体、アシル化体、アルキル体、生理的に許容される塩の一種乃至は二種以上を含有することを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項9】請求項5及び7記載のメラニン産生抑制剤の美白作用のメカニズムが、チロシナーゼ活性阻害作用、チロシナーゼ類似蛋白生成阻害作用、α―MSH阻害作用、メラニン色素沈着抑制作用の何れかであることを特徴とする、請求項1〜8に記載の皮膚外用剤。
【請求項10】美白用であることを特徴とする、請求項1〜9の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項11】化粧料であることを特徴とする、請求項1〜10の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤及びメラニン産生抑制剤を含有する化粧料などの皮膚外用剤に関し、更に詳細には、美白用の化粧料として好適な、メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤及びメラニン産生抑制剤を含有させることにより、紫外線に対する防御作用とメラノサイトとマクロファージの相互作用を抑制するのに好適な、メラノサイトとマクロファージが関与する皮膚現象対応用の皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】化粧料などの皮膚外用の組成物は、皮膚のくすみや肌荒れなどの皮膚に好ましくない状況を改善したり、その様な状況が起こらないように予防したりする目的で使用されているが、化学物質によるストレスや精神的なストレスの急増している現代に於いては、この様なストレスなどが原因となって、この様な皮膚外用の組成物の使用ができない人が多くなってきている。即ち、皮膚外用の組成物の使用時の物理的刺激に耐えられなかったり、この様な組成物の化学的な刺激に耐えられなかったりするのである。化粧料などの皮膚外用の組成物は通常の人に於いては全く害がないばかりか、上記の如くのように皮膚に好ましい働きをするものであるが、敏感肌の人にはこの様な効果は期待できないといえる。しかしながら、敏感肌の人であっても、皮膚のお手入れは、できうる限りは必要であり、この様な人たちが使用しうる可能性の高い皮膚外用の組成物の開発が望まれていた。
【0003】皮膚外用剤の内でも、美白化粧料については、この様な傾向は著しく、敏感肌の人でも安全に使用できる美白剤を求めて、種々検討されている。美白剤の美白作用のメカニズムとして、第一に、皮膚の黒化、シミ、ソバカスの予防として、紫外線カット剤(サンスクリーン剤)による作用があり、古くから化粧品のクリーム、乳液、化粧水、ファンデーション等に配合される事により紫外線に対して物理的・化学的に肌を守るものであり、これらは、1)紫外線の光エネルギーを吸収して熱や可視光線などの皮膚に障害を起こすことの少ない電磁波にエネルギーを変換する紫外線吸収剤と呼ばれるものがあり、例えば、パラアミノ安息香酸(PABA、商品名:エスカロール507)、ケイヒ酸(商品名:パラソールMCX)、サリチル酸(商品名:ホモサレート)及びそのエステルである、又、2)紫外線を反射や錯乱させることで皮膚に到達する紫外線の量を少なくする紫外線錯乱剤がある、例えば、酸化チタンや酸化亜鉛及びそのエステルなどがある。紫外線カット剤は、極めて有用な物理的・化学的光防御剤であるが、時に光アレルギー反応を起こすことや、使用状況によっては汗などにより取れやすいことなど難点も残されている。従って、安全性や効率を考慮して塗布されることが求められている。
【0004】美白剤の美白作用のメカニズムとしては、大きくはメラニン産生抑制作用をメカニズムとするものが代表的であり、上記の紫外線吸収作用にに次いで、第二のメカニズムとなっている。この作用を更に詳細に分類すれば、チロシナーゼ活性阻害作用、チロシナーゼ類似蛋白生成阻害作用、α―MSH阻害作用などを有する物質が知られており、アスコルビン酸、ハイドロキノン、アルブチン、コウジ酸、パントテインとその誘導体及びその塩、又は、マメ科クララ(苦参;クジン)のクジンエキスなどは、チロシナーゼ活性阻害作用をメカニズムとされていることも知られている。
【0005】美白剤の美白作用のメカニズムとして本発明者らにより、第三のメカニズムが見いだされた。即ち、メラニンがメラノサイトで産生され、表皮細胞に移動していく事を阻害する物質である。即ち、メラニン顆粒の移動には、マクロファージが関与しており、これを阻害することにより美白効果が得られると言うメカニズムである。かかるマクロファージの関与については、メラノサイトのデンドライトの伸長因子(DEF)を産生することにより為されていることが指摘されているが、この様な伸長因子の働きを抑制する試みや、抑制することによりメラノサイトのデンドライトの伸長を抑制すること、該デンドライトの伸長抑制により、メラニン顆粒の移動を抑制し、皮膚が黒化するのを防ぐ試みは従来は全く為されていなかった。
【0006】他方、メラノサイトによって産生されるメラニン顆粒の異常によって生じる色素異常の解決方法として、メラノサイトのデンドライトの伸長抑制に着目したものは本発明者以外にはなく、この様なメカニズムにより、光の関与する色素異常であって、炎症を伴う色素異常症の予防や改善などの対応に有用であることは全く知られていない。又、この様な色素異常に対して、従来良く知られているアスコルビン酸などのメラニン生成阻害剤の効果と別のメカニズムであり、これらを組み合わせると相乗的な効果が得られることも全く知られていない。
【0007】更に、バラ科(Rosaceae) キョウニン(学名:Prunus armeniaca L. var. ansuaxim.の成熟種子乾燥物)、マメ科(Leguminosae)の広豆根及び/又は山豆根(学名:Sophora subprostrataの乾燥根茎)、サトイモ科(Araceae)のショウブ.(学名:Acorus calamus Lの乾燥根茎)、キンポウゲ科(Ranunculaceae)のアキカラマツ(学名:Thalictrum minus var. hypoleucumの乾燥根茎)、キンポウゲ科(Ranunculaceae)のオウレン(学名:Coptis chinensis Franchの乾燥根茎)、マメ科(Leguminosae)の緑豆(学名:Phaseolus radiatus L.の乾燥果実)、オミナエシ科(Valerianaceae)の甘松(学名:Nabostachys jatamanseの乾燥根茎)、オミナエシ科(Valerianaceae)の甘松香(学名:Narbostachys chinesisの乾燥根茎)、ミカン科(Rutaceae)オウバク(学名:Phellodendron chinese Schn.の樹皮)、バラ科(Rosaceae)のモモノハ(Prunus persica Batschの乾燥葉)のエッセンスやベルベリン、ベルベリン誘導体又は生理的に許容されるそれらの塩が、メラノサイトのデンドライトの伸長抑制作用することさえ知られていなかった。
【0008】一方、アルブチン及び/又はその誘導体、又は生理的に許容されるそれらの塩、ポリフェノール及び/又はその誘導体、又は生理的に許容されるそれらの塩、フェルラ酸及び/又はその誘導体、又は生理的に許容されるそれらの塩、イソフェルラ酸及び/又はその誘導体、又は生理的に許容されるそれらの塩、エスクレチン及び/又はその誘導体(エスクレシド)、又は生理的に許容されるそれらの塩、タンニン酸及び/又はその誘導体、又は生理的に許容されるそれらの塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸、アスコルビン酸硫酸及び/又はその誘導体、又は生理的に許容されるそれらの塩が、(アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸硫酸カルシウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸硫酸マグネシウム、アスコルビン酸リン酸ナトリウム、アスコルビン酸グルコシド、6−アシルアスコルビン酸−2−グルコシド)、コウジ酸及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、エラグ酸及び/その誘導体、又は生理的に許容されるそれらの塩、パントテイン酸及びその誘導体/又は生理的に許容されるそれらの塩、アルキルレゾルシノール及びその誘導体/又は生理的に許容されるそれらの塩(4−n−ブチルレゾルシノール及び/又はその塩)、ビタミンE及びその誘導体/又は生理的に許容されるそれらの塩(ビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレートなど)ニコチン酸及びその誘導体/又は生理的に許容されるそれらの塩(ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジルなど)、α―ヒドロキシ酸類及びその誘導体/又は生理的に許容されるそれらの塩((乳酸、クエン酸、α―ヒドロキシオクタン酸など)、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ―アミノーβ―ヒドロキシ酪酸、プラセンタエキス、リノール酸及び/はその誘導体、又は生理的に許容されるそれらの塩、トラネキサム酸及び/又はその誘導体、又は生理的に許容されるそれらの塩、グルタチオン及び/その誘導体、又は生理的に許容されるそれらの塩、コロイドイオウ及び/その誘導体、又は生理的に許容されるそれらの塩、リキリチン及び/その誘導体、又は生理的に許容されるそれらの塩。生理的に許容される塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、アンモニウム塩、ものエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩。
【0009】更に、クララ(苦参;クジン)、桑白皮、ユキノシタ、人参、サイシン、シラカバ、オウゴン、アルニカ、アルテア、アロエ、オウゴン、エンメイソウ、カミツレ、カンゾウ、クチナシ、ゲンノショウコウ、シコン、ショウマ、センキュウ、サイコ、山茶花、ニンニク、ハトムギ、レイシ、ロッグウッド、イタドリ、ハチジョウイタドリ、オオイタドリを起源植物とする生薬のエッセンスが、メカニズムとして、チロシナーゼ活性阻害作用、チロシナーゼ類似蛋白生成阻害作用、α―MSH阻害作用、メラニン色素沈着抑制作用の何れかである事は知られていた。
【0010】しかし、メラノサイトのデンドライトの伸長抑制する作用のある生薬のエッセンスやベルベリン、ベルベリン誘導体及び、上記メラニン産生抑制剤と共に皮膚外用剤に含有させ組み合わせる技術により、美白作用が著しく向上することも全く知られていなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な状況下為されたものであり、メラノサイトのデンドライトの伸長を抑制作用を有し、且つメラニン産生抑制剤のチロシナーゼ活性阻害作用、チロシナーゼ類似蛋白生成阻害作用、α―MSH阻害作用、メラニン色素沈着抑制作用による美白作用を増強し、皮膚の美白に好適な、取り分け、炎症を伴った色素異常やソバカスなどの色素異常に対して有効な予防或いは改善手段として好適な皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【0012】
【課題の解決手段】この様な状況に鑑みて、本発明者らは、皮膚の美白に好適な、取り分け、炎症を伴った色素異常やソバカスなどの色素異常に対して有効な予防或いは改善手段であるメラノサイトのデンドライト伸長抑制作用を有するエッセンスとメラニン産生抑制剤とを含有し美白作用を増強する物質及び美白作用を有する皮膚外用剤を求め、鋭意研究努力を重ねた結果、バラ科(Rosaceae) キョウニン(学名:Prunus armeniaca L. var. ansu axim.の成熟種子乾燥物)、マメ科(Leguminosae)の広豆根及び/又は山豆根(学名:Sophora subprostrataの乾燥根茎)、サトイモ科(Araceae)のショウブ.(学名:Acorus calamus Lの乾燥根茎)、キンポウゲ科(Ranunculaceae)のアキカラマツ(学名:Thalictrum minus var. hypoleucumの乾燥根茎)、キンポウゲ科(Ranunculaceae)のオウレン(学名:Coptis chinensis Franchの乾燥根茎)、マメ科(Leguminosae)の緑豆(学名:Phaseolus radiatus L.の乾燥果実)、オミナエシ科(Valerianaceae)の甘松(学名:Nabostachys jatamanseの乾燥根茎)、オミナエシ科(Valerianaceae)の甘松香(学名:Narbostachys chinesisの乾燥根茎)、ミカン科(Rutaceae)オウバク(学名:Phellodendron chinese Schn.の樹皮)、バラ科(Rosaceae)のモモノハ(Prunus persica Batschの乾燥葉)のエッセンス及び/又はベルベリン、ベルベリン誘導体又は生理的に許容されるそれらの塩にメラノサイトのデンドライトの伸長抑制作用を見いだし、更に、メラニン産生抑制剤を含有させた皮膚外用剤に著しい美白作用を有する事を見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す技術に関するものである。
(1)メラノサイトのデンドライドの伸長抑制剤及びメラニン産生抑制剤とを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
(2)メラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤が、生薬のエッセンス、ベルベリン、ベルベリン誘導体又は生理的に許容されるそれらの塩から選ばれる一種乃至は二種以上であることを特徴とする、(1)に記載の皮膚外用剤。
(3)メラノサイトのデンドライトの伸長抑制作用を有する生薬のエッセンスの起源植物が、バラ科(Rosaceae) キョウニン(学名:Prunus armeniaca L. var. ansu axim.の成熟種子乾燥物)、マメ科(Leguminosae)の広豆根及び/又は山豆根(学名:Sophora subprostrataの乾燥根茎)、サトイモ科(Araceae)のショウブ.(学名:Acorus calamus Lの乾燥根茎)、キンポウゲ科(Ranunculaceae)のアキカラマツ(学名:Thalictrum minus var. hypoleucumの乾燥根茎)、キンポウゲ科(Ranunculaceae)のオウレン(学名:Coptis chinensis Franchの乾燥根茎)、マメ科(Leguminosae)の緑豆(学名:Phaseolus radiatus L.の乾燥果実)、オミナエシ科(Valerianaceae)の甘松(学名:Nabostachys jatamanseの乾燥根茎)、オミナエシ科(Valerianaceae)の甘松香(学名:Narbostachys chinesisの乾燥根茎)、ミカン科(Rutaceae)オウバク(学名:Phellodendron chinese Schn.の樹皮)、バラ科(Rosaceae)のモモノハ(Prunus persica Batschの乾燥葉)のエッセンスから選ばれる一種乃至は二種以上を含有することを特徴とする、(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤。
(4)(3)記載のエッセンスが極性溶剤抽出物及び/又はその溶剤除去物であることを特徴とする、(1)〜(3)の何れか一つに記載の皮膚外用剤。
(5)メラニン産生抑制剤が、アルブチン、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、ポリフェノール、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、フェルラ酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、イソフェルラ酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、エスクレチン、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩(エスクレシド)、タンニン酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸、アスコルビン酸硫酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、(アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸硫酸カルシウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸硫酸マグネシウム、アスコルビン酸リン酸ナトリウム、アスコルビン酸グルコシド、6−アシルアスコルビン酸−2−グルコシド)、コウジ酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、エラグ酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、パントテイン酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、アルキルレゾルシノール、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩(4−n−ブチルレゾルシノール及び/又は生理的に許容されるそれらの塩)、ビタミンE、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩(ビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート)、ニコチン酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩(ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジルなど)、α―ヒドロキシ酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩(乳酸、クエン酸、α―ヒドロキシオクタン酸、γ―アミノーβ―ヒドロキシ酪酸)、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、プラセンタエキス、リノール酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、トラネキサム酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、グルタチオン、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、コロイドイオウ、誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、リキリチン、誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩の一種乃至は、二種以上から選ばれるメラニン産生抑制剤を含有することを徴とする(1)〜(4)の何れか一つに記載の皮膚外用剤。
(6)(5)に記載のメラニン産生抑制剤の生理的に許容される塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩、から選ばれる一種乃至は二種以上から選ばれることを特徴とする、(1)〜(6)の何れか一つに記載の皮膚外用剤。
(7)メラニン産生抑制剤の生薬のエッセンスの起源植物が、クララ(苦参:クジン)、桑白皮、ユキノシタ、人参、サイシン、シラカバ、オウゴン、アルニカ、アルテア、アロエ、オウゴン、エンメイソウ、カミツレ、カンゾウ、クチナシ、ゲンノショウコウ、シコン、ショウマ、センキュウ、サイコ、山茶花、ニンニク、ハトムギ、レイシ、ロッグウッド、イタドリ、ハチジョウイタドリ、オオイタドリのエッセンスから選ばれる一種乃至は二種以上を含有することを特徴とする、(1)〜(6)の何れか一つに記載の皮膚外用剤。
(8)(5)に記載の誘導体が、配糖体、エステル体、アシル化体、アルキル体、生理的に許容される塩の一種乃至は二種以上を含有することを特徴とする、(1)〜(7)の何れか一つに記載の皮膚外用剤。
(9)(5)及び(7)に記載のメラニン産生抑制剤の美白作用のメカニズムが、チロシナーゼ活性阻害作用、チロシナーゼ類似蛋白生成阻害作用、α―MSH阻害作用、メラニン色素沈着抑制作用の何れかであることを特徴とする、(1)〜(8)に記載の皮膚外用剤。
(10)美白用であることを特徴とする、(1)〜(9)の何れか一つに記載の皮膚外用剤。
(11)化粧料であることを特徴とする、(1)〜(10)の何れか一つに記載の皮膚外用剤。
【0013】
【発明の実施の形態】(1)本発明の美白用の皮膚外用剤の必須成分であるメラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤本発明の美白用の皮膚外用剤は、メラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤である各種植物のエッセンスやベルベリン、ベルベリン誘導体を一種乃至は二種以上含有することを特徴とする。メラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤は、起源植物により抽出される部位が異なり、即ち、該伸長抑制剤をより多く含有する部位からのエッセンスを得るのが効果的である。次に、メラノサイトのデンドライトの伸長抑制物質を多く含有する起源植物体の部位を示す。バラ科(Rosaceae)キョウニン(学名:Prunus armeniaca L. var. ansu axim.)の成熟種子乾燥物、マメ科(Leguminosae)の広豆根及び/又は山豆根(学名:Sophora subprostrata)の乾燥根茎、サトイモ科(Araceae)のショウブ.(学名:Acorus calamus L)の乾燥根茎、キンポウゲ科(Ranunculaceae)のアキカラマツ(学名:Thalictrum minusvar. hypoleucum)の乾燥根茎、キンポウゲ科(Ranunculaceae)のオウレン(学名:Coptis chinensis Franch)の乾燥根茎、マメ科(Leguminosae)の緑豆(学名:Phaseolus radiatus L.)の乾燥果実、オミナエシ科(Valerianaceae)の甘松(学名:Nabostachys jatamanse)の乾燥根茎、オミナエシ科(Valerianaceae)の甘松香(学名:Narbostachys chinesis)の乾燥根茎、ミカン科(Rutaceae)オウバク(学名:Phellodendron chinese Schn.)の樹皮、バラ科(Rosaceae)のモモノハ(Prunuspersica Batsc)の乾燥葉から得るのが、より多くメラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤を有するエッセンスとして好ましい。
【0014】ここで、エッセンスとは、かかる植物の植物体それ自身、植物体を乾燥或いは細切、粉砕など加工した加工物、植物体乃至はその加工物を溶媒で抽出した抽出物、抽出物の溶媒を除去した、溶媒除去物、抽出物乃至はその溶媒除去物をカラムクロマトグラフィーや液液抽出で精製した精製分画物などの総称を意味する。これらの内、本発明のメラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤としては、植物体の溶媒抽出物乃至はその溶媒除去物が好ましく例示でき、かかる溶媒としては、極性溶媒が特に好ましく例示できる。この様な極性溶媒としては、例えば、水、エタノール、メタノール、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコールなどのアルコール類、酢酸エチルや蟻酸メチルなどのエステル類、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン類、クロロホルムや塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル類、ジエチルエーテルやテトラヒドロフランなどのエーテル類から選ばれる1種乃至は2種以上が好ましく例示できる。これらの内、特に好ましいものは、水及び/又はアルコール類である。この様な抽出物を作成するには、植物体乃至はその加工物に1〜10倍量の溶媒を加え、室温であれば数日、沸点付近の温度であれば数時間浸漬すればよい。しかる後に、不溶物を濾過などで除去し、必要に応じて減圧濃縮や凍結乾燥により溶媒除去することが出来る。例えば、オミナエシ科の甘松(Nabostachys jatamanse)及び/又は、甘松香(Narbostachys chinesis)の乾燥根茎の場合、乾燥根茎部分をメタノール抽出後、濾過紙、減圧濃縮する、そして場合によって凍結乾燥するのがエッセンスとして特に好ましい。それは、甘松と甘松香の場合、根茎の部分がメラノサイトのデンドライドの伸長抑制成分が多く含まれており、特に好ましいからである。かくして得られた、本発明のメラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤である、オミナエシ科の甘松(Nabostachys jatamanse)及び/又は、甘松香(Narbostachys chinesis)の乾燥根茎のエッセンスやベルベリン、ベルベリン誘導体はそのままでも塩としても使用することが出来る。
【0015】塩としては、生理的に許容されるものであれば特段の限定無く使用することが出来、例えば、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウムやマグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミンやトリエチルアミンなどの有機アミン塩、リジンやアルギニンなどの塩基性アミノ酸塩などが好ましく例示できる。特に、ベルベリン誘導体としては、ベルベリン、タンニン酸ベルベリン、硫酸ベルベリン、塩化ベルベリン等は、入手し易さの面、又、医薬品として実績があり、市販されているので、これらを本発明のメラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤として用いることが特に好ましい。又、これらベルベリン、ベルベリン酸誘導体及びそれらの生理的に許容される塩は何れも取り分け優れたメラノサイトのデンドライトの伸長抑制作用を有する。
【0016】本発明のメラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤は唯一種を含有させることも出来るし、2種以上を組み合わせて含有させることも出来る。何れも、メラノサイトがデンドライトを伸長するのを抑制する作用に優れ、以て、メラノサイトより皮膚組織へメラニン顆粒が移動するのを抑制し、この様なメラニン顆粒の移動をメカニズムとする、光照射時に生じる、炎症を伴った黒化やソバカスなどの色素異常を予防或いは改善する作用を有する。この様な作用は、マクロファージが放出するメラノサイトのデンドライトの伸長因子がメラノサイトに働きかけるのを阻害することを機序としていると考えられる。勿論、色素異常が、メラニン顆粒の産生にあたってこの様なルートをとることから、本発明のメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤は、光照射による炎症を伴った黒化やソバカス以外の色素異常も抑制するが、この様な色素異常は他の手段でも予防や改善が可能であるため、本発明の効果の特徴は前記の光照射時に生じる、炎症を伴った黒化やソバカスなどの色素異常を予防或いは改善する作用と言える。本発明の特徴である美白作用を有する皮膚外用剤として、メラニン産生抑制剤とメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤を組み合わせることにより、美白作用の相乗効果及び相加効果が期待できるので、皮膚外用剤中に組み合わせ配合することも可能であり、本発明の技術的範囲に属する。本発明の皮膚外用剤における、本発明のデンドライトの伸長抑制剤を組成物に含有させる場合、好ましい含有量は、0.001〜10重量%であり、更に好ましくは、0.05〜5重量%である。これは少なすぎるとメラニン産生抑制剤との相乗作用を発揮しない場合があり、多すぎても相乗効果は頭打ちになり、処方の自由度を損なうことがあるからである。
【0017】(2)本発明の皮膚外用剤の必須成分であるメラニン産生抑制剤本発明の美白用の皮膚外用剤は、メラニン産生抑制剤の一種乃至は2種以上を必須成分として含有することを特徴とする。美白作用を有するものとして、メカニズムを考慮すると、チロシナーゼ活性阻害作用、チロシナーゼ類似蛋白生成阻害作用、α―MSH阻害作用、メラニン色素沈着抑制作用の何れかである。古くから化粧品のクリーム、乳液、エッセンス、化粧水、ファンデーション等に配合される事により美白作用を持ち皮膚の黒化やくすみ、しみ、そばかすを抑制する。第一に、美白物質として、人工的に合成された物質があげられる。例えば、アルブチン、アルブチン誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、ポリフェノール、ポリフェノール誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、フェルラ酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、イソフェルラ酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、エスクレチン、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩(エスクレシド)、タンニン酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸、アスコルビン酸硫酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩(アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸硫酸カルシウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸硫酸マグネシウム、アスコルビン酸リン酸ナトリウム、アスコルビン酸グルコシド、6−アシルアスコルビン酸−2−グルコシド)。コウジ酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、エラグ酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、パントテイン酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、アルキルレゾルシノール、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩(4−n−ブチルレゾルシノール)、ビタミンE、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩(ビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレートなど)ニコチン酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩(ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジルなど)、α―ヒドロキシ酸、その誘導体(乳酸、クエン酸、α―ヒドロキシオクタン酸、γ―アミノーβ―ヒドロキシ酪酸)、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、プラセンタエキス、リノール酸、トラネキサム酸、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、グルタチオン及び/その誘導体、又は生理的に許容されるそれらの塩、コロイドイオウ、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩、リキリチン、その誘導体及び/又は生理的に許容されるそれらの塩の一種乃至は、二種以上から選ばれることを特徴とするメラニン産生抑制剤。更に、生理的に許容されるそれらの塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、アンモニウム塩、ものエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩。第二として、美白物質が、生薬のエッセンス等が知られており、かかる生薬が、クララ(苦参:クジン)、桑白皮、ユキノシタ、人参、サイシン、シラカバ、オウゴン、アルニカ、アルテア、アロエ、オウゴン、エンメイソウ、カミツレ、カンゾウ、クチナシ、ゲンノショウコウ、シコン、ショウマ、センキュウ、サイコ、山茶花、ニンニク、ハトムギ、レイシ、ロッグウッド、イタドリ、ハチジョウイタドリ、オオイタドリから一種乃至は二種以上選ばれることを特徴とするメラニン産生抑制剤。また、本発明のメラニン産生抑制剤は、他の薬効を有するメラノサイトのデンドライドの伸長抑制剤と組み合わせて皮膚外用剤に配合させることにより美白効果の相乗作用,相加作用が期待されるので、この様な美白作用の目的で含有させることも、本発明の技術的範囲に属する。本発明の皮膚外用剤における、メラニン産生抑制剤の好ましい含有量は、0.01〜10重量%であり、更に好ましくは、0.1〜5重量%である。これは少なすぎるとメラノサイトのデンドライドの伸長抑制剤との相乗作用を発揮しない場合があり、多すぎても相乗効果は頭打ちになり、処方の自由度を損なうことがあるからである。
【0018】(3)美白作用を有する皮膚外用の組成物本発明の美白作用を有する皮膚外用の組成物は、メラニン産生抑制剤及びメラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤の一種乃至は二種以上を含有することを特徴とする。この様な構成を取ることにより、美白効果が著しく向上し、少ない投与量でも優れた効果を発揮できるので、敏感肌の人などに於いても肌トラブルを起こす可能性が低い特質を有している。ここで、本発明で言う、皮膚外用の組成物とは、皮膚に外用で適用される組成物の総称を意味し、例えば、化粧料、皮膚外用医薬、パップ剤等が例示できる。これらの中で、本発明を適用するのに特に好適なものは、化粧料と皮膚外用医薬である。中でも、化粧料はその必要性の面から特に好ましい。更に、加えて、本発明の皮膚外用の組成物は、刺激性が弱く、且つ、美白作用も有しており、敏感肌でこの様な作用を期待する人に好適である。
【0019】本発明のメラニン産生抑制剤とメラノサイトとマクロファージが関与する皮膚現象対応用の皮膚外用剤は、抗炎症剤として知られる、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、インドメタシン、ジクロフェナックナトリウム等を配合させれば相乗効果により日光による炎症を伴う黒化症に有意義である。
【0020】本発明の皮膚外用の組成物に於いては、上記の必須成分以外に、通常この様な組成物で使用される任意成分を含有することができる。かかる任意成分としては、例えば、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、ホホバ油、カルナウバワックス,オレイン酸オクチルドデシル等のエステル類、オリーブ油、牛脂、椰子油等のトリグリセライド類、ステアリン酸、オレイン酸、リチノレイン酸等の脂肪酸、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール等の多価アルコール類、エタノール、増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色剤、防腐剤、粉体等を例示することができる。これらの内、特に好ましい任意成分としては、保湿剤としてグリセリン、増粘剤としてカルボキシビニルポリマー及び/又はその塩が例示できる。グリセリンの好ましい含有量は1〜10重量%であり、更に好ましくは2〜5重量%である。これは、この量範囲に於いてトラブル発生抑制作用が著しく得られるからである。又、カルボキシビニルポリマーの塩としてはアルカリ金属塩と有機アミン塩が好ましく例示でき、中でもカリウム塩とナトリウム塩が安定性への寄与の面で特に好ましい。カルボキシビニルポリマー及び/又は、その塩は総量で0.1〜1重量%含有するのが安定化と安全性のバランスから好ましい。これらの任意成分と必須成分とを常法に従って処理することにより、本発明の組成物は製造することができる。
【0021】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がこれら実施例にのみ限定されるものではない。
【0022】<実施例1>以下に示す処方に従って、本発明の皮膚外用組成物である乳液(化粧料)を作成した。即ち、イ、ロ及びハの成分を80℃に加熱し、イに徐々にロを攪拌しながら加え、更に、ハを徐々に攪拌しながら加え中和した後、ホモミキサーにより乳化粒子を均一化し乳液を得た。このもののキョウニンの成熟種子乾燥物のエッセンスをスクワランに変えた比較例1と6−アシルアスコルビン酸−2−グルコシドを水に置換した比較例2も作成した。これらのサンプルを人の上腕内側部を用いた試験で効果を比較した。即ち、上腕内側部に2cm×2cmの部位を4つ作成し、各部位に最少紅斑量の1.2倍の紫外線を照射し、照射後48時間に色素沈着を確認し、これらの部位を1つは実施例1の乳液で、1つは比較例1の乳液で、1つは比較例2の乳液で、残る一つは無処理で、1日1回0.01mlを塗布して、10日間処理した。最後の投与の2週間後に周囲の照射していない部位との色差を求めた。結果を表1に示す。この表より、本発明の皮膚外用剤が優れた美白作用を有しており、この作用が本発明の2種の必須成分の組み合わせに起因することがわかる。
イスクワラン 10 重量部ソルビタンセスキステアレート 2 重量部キョウニンの成熟種子乾燥物のエッセンス 1 重量部ブチルパラベン 0.1重量部ロ1,3−ブタンジオール 5 重量部キサンタンガム 0.1重量部カルボキシビニルポリマー 0.2重量部メチルパラベン 0.1重量部6−アシルアスコルビン酸−2−グルコシド 1 重量部水 50 重量部ハ水酸化カリウム 0.1重量部水 30.4重量部【0023】
【表1】

【0024】<実施例2>以下に示す処方に従って、本発明の皮膚外用組成物である乳液(化粧料)を作成した。即ち、イ、ロ及びハの成分を80℃に加熱し、イに徐々にロを攪拌しながら加え、更に、ハを徐々に攪拌しながら加え中和した後、ホモミキサーにより乳化粒子を均一化し乳液を得た。このもののオウバク.の樹皮のエッセンスをスクワランに変えた比較例3と4−n−ブチルレゾルシノールを水に置換した比較例4も作成した。これらのサンプルを人の上腕内側部を用いた試験で効果を比較した。即ち、上腕内側部に2cm×2cmの部位を4つ作成し、各部位に最少紅斑量の1.2倍の紫外線を照射し、照射後48時間に色素沈着を確認し、これらの部位を1つは実施例2の乳液で、1つは比較例3の乳液で、1つは比較例4の乳液で、残る一つは無処理で、1日1回0.01mlを塗布して、10日間処理した。最後の投与の2週間後に周囲の照射していない部位との色差を求めた。結果を表2に示す。この表より、本発明の皮膚外用剤が優れた美白作用を有しており、この作用が本発明の2種の必須成分の組み合わせに起因することがわかる。
イスクワラン 10 重量部ソルビタンセスキステアレート 2 重量部オウバク.の樹皮のエッセンス 1 重量部ブチルパラベン 0.1重量部ロ1,3−ブタンジオール 5 重量部キサンタンガム 0.1重量部カルボキシビニルポリマー 0.2重量部メチルパラベン 0.1重量部4−n−ブチルレゾルシノール 1 重量部水 50 重量部ハ水酸化カリウム 0.1重量部水 30.4重量部【0025】
【表2】

【0026】<実施例3〜11>下記に示す、処方に従って乳液を作成した。即ち、イ、ロ、ハをそれぞれを70℃に加熱し、イにロを加え中和し、これに攪拌しながらハを徐々に加え乳化し、攪拌冷却し、本発明の乳液を得た。これらのサンプルについて上記実施例1、2と同様に検討した結果を表3に示す。比較例5として、メラノサイトのデンドライド伸長抑制剤を水に置換したもの、比較例6として、アルブチンを水に置換したものを用いた。尚、各種生薬のエッセンスは、メタノール抽出後、溶媒を除去したものである。これより、本発明のメラニン産生抑制剤及びメラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤を含有する皮膚外用剤は、皮膚の黒化に対して有効であることが分かる。
イ1,2−ペンタンジオール 5 重量部アルブチン 1 重量部1,3−ブタンジオール 5 重量部グリセリン 3 重量部アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー 0.6重量部フェノキシエタノール 0.2重量部水 30 重量部メラノサイトのデンドライド伸長抑制剤* 1 重量部ロ10%水酸化カリウム水溶液 3 重量部水 35.2重量部ハスクワラン 5 重量部ホホバ油 5 重量部ジメチコン 6 重量部* 詳細は表3に示す。
【0027】
【表3】

【0028】<実施例10〜45>下記に示す、処方に従って乳液を作成した。即ち、イ、ロ、ハをそれぞれを70℃に加熱し、イにロを加え中和し、これに攪拌しながらハを徐々に加え乳化し、攪拌冷却し、本発明の乳液を得た。これらのサンプルについて上記実施例1、2と同様に検討した結果を表に示す。比較例7として、メラニン産生抑制剤を水に置換したもの、比較例8として、メラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤であるモモノハのエッセンスを水に置換したものを用いた。これより、本発明のメラニン産生抑制剤及びメラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤を含有する皮膚外用剤は、皮膚の黒化に対して有効であることが分かる。
イ1,2−ペンタンジオール 5 重量部メラニン産生抑制剤* 1 重量部1,3−ブタンジオール 5 重量部グリセリン 3 重量部アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー 0.6重量部フェノキシエタノール 0.2重量部水 30 重量部モモノハの乾燥葉のエッセンス 1 重量部ロ10%水酸化カリウム水溶液 3 重量部水 35.2重量部ハスクワラン 5 重量部ホホバ油 5 重量部ジメチコン 6 重量部* 詳細は表4に示す。
【0029】
【表4】

【0030】<実施例46〜55>以下に示す処方で化粧水を作成した。即ち、処方成分を室温で攪拌可溶化して化粧水を得た。この化粧水について、シミ、そばかすに悩むパネラー1群3名を用いて、1ヶ月間、朝晩1日2回使用してもらいそのシミ、そばかすの予防及び改善効果を評価してもらった。評価基準は、評点2:著しい改善、評点1:明らかな改善、評点0.5:わずかな改善、評点0:改善なしの基準である。結果の平均評点を表5に示した。本発明のメラニン産生抑制剤であるコウジ酸及びメラノサイトのデンドライドの伸長抑制効果のあるキョウニンの成熟種子乾燥物、広豆根及び/又は山豆根の乾燥根茎、ショウブ.の乾燥根茎、アキカラマツの乾燥根茎、オウレンの乾燥根茎、緑豆の乾燥果実、甘松の乾燥根茎、甘松香の乾燥根茎、オウバクの樹皮、モモノハの乾燥葉のエッセンスを含有する化粧水は、シミ、そばかすの改善に効果のあることが認められた。ここで言うエッセンスとは、各種植物体の乾燥部位をメタノールで抽出し、溶媒を除去したものである。
メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤* 1 重量部1,3ブタンジオール 5 重量部グリセリン 3 重量部クエン酸ナトリウム 0.1重量部コウジ酸 1 重量部 メチルパラベン 0.2 重量部 エタノール 8 重量部 水 81.7 重量部*は、表5に示す。
【0031】
【表5】

【0032】<実施例56〜65>以下に示す処方で外用医薬組成物を作成した。即ち、処方成分を80℃で加熱し、溶解して、室温で冷却しして外用医薬組成物を得た。この外用医薬組成物について、光による炎症を伴った、光による皮膚の黒化現象或いはソバカスに悩むパネラー1群3名を用いて、1ヶ月間、朝晩1日2回使用してもらいそのシミ、そばかすの予防及び改善効果を評価してもらった、表6に示す。評価基準は、評点2:著しい改善、評点1:明らかな改善、評点0.5:わずかな改善、評点0:改善なしの基準である。本発明のメラニン産生抑制剤である桑白皮のエッセンス及びメラノサイトのデンドライドの伸長抑制効果のあるキョウニンの成熟種子乾燥物、広豆根及び/又は山豆根の乾燥根茎、ショウブ.の乾燥根茎、アキカラマツの乾燥根茎、オウレンの乾燥根茎、緑豆の乾燥果実、甘松の乾燥根茎、甘松香の乾燥根茎、オウバクの樹皮、モモノハの乾燥葉のエッセンスを含有する外用医薬組成物は、光による炎症を伴った、光による皮膚の黒化現象或いはソバカスに対して著効のあることが認められた。ここで言えエッセンスとは、各種植物体の乾燥部位をメタノールで抽出し、溶媒を除去したものである。
メラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤 1 重量部プレドニゾロン 1 重量部ワセリン 97 重量部桑白皮のエッセンス 1 重量部*は、表6に示す。
【0033】
【表6】

【0034】
【発明の効果】本発明によれば、皮膚の美白に好適な、取り分け、炎症を伴った色素異常やソバカスなどの色素異常に対して有効な予防或いは改善手段であるメラノサイトのデンドライト伸長抑制作用を有するエッセンスとメラニン産生抑制剤とを含有し美白作用を増強する物質及び美白作用を有する皮膚外用剤を提供することが出来る。
【出願人】 【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
【出願日】 平成12年12月13日(2000.12.13)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−179516(P2002−179516A)
【公開日】 平成14年6月26日(2002.6.26)
【出願番号】 特願2000−378414(P2000−378414)