| 【発明の名称】 |
喉ケア剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】磯部 勤
【氏名】茅根 滋人
【氏名】岩瀬 忠行
|
| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】唾液分泌促進成分からなる喉ケア剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 唾液分泌促進成分からなる喉ケア剤。 【請求項2】 飲料タイプである請求項1記載の喉ケア剤。 【請求項3】 更に、喉作用性成分を含有する請求項1又は2記載の喉ケア剤。 【請求項4】 喉作用性成分が、ハーブ、ハーブ抽出物、キトサン、蜂蜜、プロポリス、シネオール又は唾液含有成分である請求項3記載の喉ケア剤。 【請求項5】 粘度が2〜3000mPa・sである請求項1〜4のいずれか1項記載の喉ケア剤。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、唾液の分泌を促し、喉を洗浄し、爽快に保つ喉ケア剤に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】口腔内のケア剤として、口腔乾燥症患者の唾液の分泌を、キシリトールを含有する可食組成物で促進し、口腔内の症状を緩和するもの(特開平3−83920号公報)や、シソ科植物等由来の口腔用消臭剤とアオギリ科植物等の唾液分泌促進剤とを併用して口臭を抑制するもの(特開平11−180839号公報)等が提案されている。しかしながら、これらは口腔内乾燥の治療又は口臭抑制効果の増強、持続時間の延長等を目的としたもので、風邪症状群等の原因である、喉に付着した病原菌に対して防禦や症状改善等を目的としたものではない。本発明の目的は、風邪ウイルス感染及び二次性細菌感染等から喉を防禦する、即ち、喉の殺菌、洗浄を行い、また、症状改善効果を有する喉ケア剤を提供することにある。 【0003】 【課題を解決するための手段】本発明者は、風邪ウイルスの増殖サイクルが口腔粘膜ではなく気道の粘膜上皮のみであって(細胞工学、第19巻第1号、33〜38頁)、更にその際インフルエンザ菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌等の病原菌が産生するプロテアーゼが風邪ウイルスの増殖活性化を補強する(Modern Physician 第18巻第11号、1339〜1342頁)ことに着目し、喉への病原菌の付着抑制、除去を検討したところ、唾液が、これら病原菌の喉への付着抑制、除去作用を示し、不快感を除くことを見出した。 【0004】本発明は唾液分泌促進成分からなる喉ケア剤を提供するものである。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明で用いる唾液分泌促進成分としては、味覚刺激成分、口内粘膜刺激成分、唾液腺活性化成分等が挙げられる。ここで、唾液分泌促進成分とは、健常人が起床後から食物を口にしない状態で30分以内に安静状態で測定した唾液分泌速度に対する、同じ安静状態で本唾液分泌促進成分を食した後、味覚刺激物質及び口内粘膜刺激物質の場合はその直後、唾液腺活性物質の場合は60〜180分後に測定した唾液分泌速度の比が1.2以上、好ましくは2以上、より好ましくは5以上のものをいう。 【0006】味覚刺激成分としては、有機酸類、旨味物質等が挙げられる。有機酸類としては、クエン酸、イソクエン酸、リンゴ酸、酢酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタール酸、マレイン酸、フマル酸、アコニット酸、乳酸、酒石酸、ピルビン酸、アスコルビン酸、アルドン酸、ウロン酸等の有機酸の他に、これらを含有する梅酢、リンゴ酢及びレモン、オレンジ、ユズ、夏ミカン等の柑橘類のチップ、粉末、エキス等が挙げられる。 【0007】旨味物質としては、アミノ酸(塩)、核酸、ジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド等が挙げられ、具体的には、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸、グアニル酸等が挙げられる。 【0008】口内粘膜刺激成分としては、イソチオシアネート類、アミド系辛味成分、バニリルケトン類等が挙げられ、具体的には、アリルイソチオシアネート、カプサイシン、ピペリン、サンショオール、ジンゲロール等が挙げられる。 【0009】唾液腺活性化成分としては、副交換神経興奮剤、コリンエステラーゼ阻害剤、カルシウムイオン遊離放出剤等が挙げられ、具体的にはピロカルビン、ムスカリン、アセチルコリン、リアノジン、カフェイン等、また植物のコラ・アクミナタ、コラ・ニティダ、ヤボランジ、シラカバ、スイカズラ、セイヨウニンジン、ドクダミ、ニンニク、ハイビスカス、ホップ、マタタビ、リンデン、ローズヒップ等が挙げられる。 【0010】なお、これらの成分のうち成分自体が揮発性を有するもの、例えばアリルイソチオシアネート、サンショオール等の場合、嗅覚を刺激し、唾液分泌を促す作用もある。これらの唾液分泌促進剤は、2種以上併用してもよい。 【0011】唾液分泌促進成分としては、酒石酸、アリルイソチオシアネート、カフェイン等が好ましい。 【0012】本発明の喉ケア剤は、唾液分泌促進成分を喉作用性成分と併用すると更に、喉の不快感の緩和、喉の清涼感等が改善される。 【0013】喉作用性成分としては、ハーブ、動物性の喉に作用する成分又は唾液含有成分等が挙げられる。 【0014】ハーブは、香草、葉、花弁又は茎が香味をもち、食用、薬用に使用される植物であって、具体的には、スペアミント、ペパーミント、ウインターグリーン、サッサフラス、丁子、セージ、ユーカリ、マヨナラ、肉桂、タイム、ティーツリー、紫蘇、エキナセア、甜茶、ピーパーミー、カリン、高麗人参、霊芝、キンカン、ダイコン、ヨモギ、サポニン、ビワ、オオバコ、ウイキョウ、生姜、イチョウ、サフラン、ナツメ等及びこれらのチップ、粉末、汁、抽出物等が挙げられる。また、メントール、シネオール、アネトール、カルボン等のこれらハーブ中の成分を用いてもよい。 【0015】動物性の喉に作用する成分としては、キトサン、蜂蜜、プロポリス等が挙げられる。 【0016】唾液含有成分としては、ムチン、分泌型IgA、分泌型IgM、リゾチーム、ラクトフェリン、ペルオキシダーゼ、カリクレイン、フコースリッチ糖タンパク、フィブロネクチン、プロリンリッチ糖タンパク、α−アミラーゼ、スタセリン、ヒスチジンリッチタンパク、インベルターゼ、デキストラナーゼ、グリコシダーゼ、エストロゲン、プロゲスティン、アンドロゲン、コルチコステロイド、チロキシン、メラトニン等が挙げられる。 【0017】これらの喉作用性成分は、2種以上を併用してもよい。 【0018】喉作用性成分としては、ハーブ、ハーブ抽出物、キトサン、蜂蜜、プロポリス、シネオール等が、喉の清涼感及び爽快感の点で好ましい。 【0019】唾液分泌促進成分と喉作用性成分とを併用する場合、本発明の喉ケア剤中に、唾液分泌促進成分は、0.05〜25重量%、好ましくは1〜15重量%、喉作用性成分は、0.01〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%含有するのが好ましい。 【0020】喉ケア剤は、喉に長く残留させた方が、喉作用性成分の持続性及び唾液の分泌がより効果的に促進され、シロップ、ゼリー飲料、清涼飲料等、特に粘性のある飲料タイプとしたものが効果的に優れる。この場合咽下のしやすさの点で、20℃においてB型粘度計を用いて測定した粘度が2〜3000mPa・s、好ましくは50〜1800mPa・s、特に150〜400mPa・sであるのが好ましい。粘度を調整する増粘成分としては、水飴、蔗糖、ペクチン、カラギーナン、ローカストビーンガム、グアガム、ゼラチン等が挙げられる。この場合基剤として、特に水を使用するのが好ましい。 【0021】 【実施例】実施例1表1に示す組成の喉ケア剤を調製した。 【0022】 【表1】
【0023】表1に示す喉ケア剤を飲用したときの唾液分泌流量を次法に従って測定した。 唾液分泌流量の測定10人の健康な成人に表1の喉ケア剤10gを服用し、本発明品1、2、3、4、6及び比較品1、2は服用直後、本発明品5は服用90分後に、各人の口中の唾液を脱脂綿でよく拭き取り、その後5分間に分泌する唾液の全量を吐き出させ、その重量を唾液分泌流量とした。10人の算術平均値をとり評価した。 【0024】図1に結果を示すが、本発明品1〜6はいずれも唾液分泌流量が、比較品に比して10倍以上の値を示し、唾液の分泌が促進された。 【0025】実施例2表1に示す本発明品2〜6及び比較品2を、風邪による喉の不快感を持つ10人の成人に10g服用し、その直後から喉に爽快感が残っている時間を測定した。10人の算術平均値で評価した。 【0026】図2に結果を示すが、本発明品2〜6はいずれも喉の爽快感が長時間持続し、粘度の高い本発明品3は約24分間持続した。 【0027】試験例1 インフルエンザ菌の咽頭細胞への唾液による付着阻止効果ヒトの喉から上皮細胞を採取し、唾液と混合させ、細胞数を1.2×104/mLにした唾液処理液と上皮細胞の細胞数を1.2×104/mLにしたコントロール液を、充分にインフルエンザ菌懸濁溶液(菌数:108)中で懸濁処理し、それぞれの上皮細胞に付着したインフルエンザ菌の付着率を測定した。唾液処理液と懸濁処理した上皮細胞に付着したインフルエンザ菌の付着率は、コントロール液の場合に比べ、その約40%であった(図3)。 【0028】試験例2 唾液によるコラーゲン上での菌体除去率ヒト由来の細胞外マトリックスコラーゲンIの固定スライド上に菌液を1mL(菌数105)塗布し、菌を接着させたのち、その上に人唾液を1mLを室温下1時間静置し、溶液を除去し、残った菌数を計測した。図4に元の各菌数に対して殺菌除去された菌数の比率を示す。唾液はいずれの菌に対しても高い菌除去能力があった。 【0029】 【発明の効果】本発明の喉ケア剤は、唾液の分泌を促進し、病原菌の喉への付着を抑制し、除去をして喉を洗浄し爽快に保つ。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000918 【氏名又は名称】花王株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年12月7日(2000.12.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068700 【弁理士】 【氏名又は名称】有賀 三幸 (外4名)
|
| 【公開番号】 |
特開2002−173425(P2002−173425A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月21日(2002.6.21) |
| 【出願番号】 |
特願2000−372791(P2000−372791) |
|