| 【発明の名称】 |
心不全予防治療剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】江頭 健輔
【氏名】中村 亮
【氏名】竹下 彰
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】一般式(1) |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一般式(1) 【化1】
[式中、R1及びR2は各々独立して水素原子又は低級アルキル基を示し、R3〜R6は各々独立して低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、または水酸基を示し、R7及びR8は各々独立して水素原子又は低級アルキル基を示し、X及びYは各々独立して酸素原子、硫黄原子又はアミノ基を示す。]で表わされる化合物、その塩もしくは溶媒和物、またはその塩の溶媒和物を含有する心不全予防治療剤。 【請求項2】 式(2) 【化2】
で表わされる化合物、その塩もしくは溶媒和物、またはその塩の溶媒和物を含有する心不全予防治療剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、心不全予防治療剤に関する。 【0002】 【従来の技術】心不全は、高血圧、心筋梗塞、心筋炎または弁膜症などを基礎疾患として起こる心機能の低下及びそれに基づく全身血行動態の悪化した状態をいう総称である。従来からある心不全治療剤としては、強心薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、カルシウム拮抗薬、β−アドレナリン受容体拮抗薬等の血管拡張薬、または利尿薬等が知られている。 【0003】しかしながら、これらの薬剤は、心不全に伴う症状の軽減には効果があるものの、心不全状態の増悪の抑制という面では必ずしも満足できるものではなく、心不全患者の治療にはこれらの薬剤と併用してさらに治療効果を高める別の作用機作の薬剤が求められている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の心不全治療剤とは異なる作用機作の心不全予防治療剤を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の心不全治療剤とは異なる作用機作の心不全の予防・治療薬を見出すことを目的として、種々検討してきたところ、全く意外にも高脂血症治療薬として使用されているアルキレンジチオビスフェニル誘導体が、心不全モデルにおいて優れた心機能改善作用を有し、新たな心不全予防治療剤として有用であることを見出し、本発明を完成した。 【0006】すなわち、本発明は、一般式(1) 【化3】
【0007】[式中、R1及びR2は各々独立して水素原子又は低級アルキル基を示し、R3〜R6は各々独立して低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、または水酸基を示し、R7及びR8は各々独立して水素原子又は低級アルキル基を示し、X及びYは各々独立して酸素原子、硫黄原子又はアミノ基を示す。]で表わされる化合物、その塩もしくは溶媒和物、またはその塩の溶媒和物を含有する心不全予防治療剤を提供するものである。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明の心不全予防治療剤に用いられる上記式(1)の化合物は、優れた血中コレステロール低下作用を有していることは知られているが、心不全に対する作用については全く知られていない。 【0009】一般式(1)の置換基について、以下に説明する。R1〜R8における低級アルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基のいずれをも挙げることができ、具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第二級ブチル基、第三級ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。R1及びR2においては、上記の低級アルキル基の中でもメチル基及びエチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。R3〜R6においては、上記の低級アルキル基の中でも特に第三級ブチル基が好ましい。R7〜R8においては、上記の低級アルキル基の中でもメチル基が好ましい。 【0010】R3〜R6における低級アルコキシ基としては、炭素数1〜6のものを挙げることができ、具体例としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、第一級ブトキシ基、第二級ブトキシ基および第三級ブトキシ基等を挙げることができる。上記の低級アルコキシ基の中でも特に第三級ブトキシ基が好ましい。 【0011】R3〜R6におけるハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子および沃素原子を意味し、フッ素原子が特に好ましい。 【0012】本発明においては、上述した一般式(1)中のR1〜R8の組み合わせにおいては、R1及びR2が水素原子又はメチル基であり、R3〜R6が第三級ブチル基であり、R7〜R8が水素原子であるものが好ましく、X及びYについては酸素原子が好ましい。さらには、それらの中でも特に下記の式(2)の化合物(一般名:プロブコール)が好ましい。 【0013】 【化4】
【0014】一般式(1)の化合物の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩が好ましい。また溶媒和物としては水和物が挙げられる。 【0015】一般式(1)の化合物は、J.Med.Chem.,13巻,722−725頁(1970)に記載されている方法、或はそれに準じた方法で製造することができる。 【0016】一般式(1)の化合物は、後記の実施例に示すように、心不全動物モデルにおいて優れた心機能改善作用を有し、かつ安全性も高いので、ヒトを含む動物に対する全く新しい作用機作を有する心不全予防治療剤として有用である。 【0017】本発明の心不全予防治療剤には、一般式(1)の化合物に加えて、強心薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、カルシウム拮抗薬、β−アドレナリン受容体拮抗薬、利尿薬などを併用することができる。 【0018】本発明の心不全予防治療剤の投与形態は特に制限されず、経口的・非経口的に投与することができる。本発明の心不全予防治療剤は、有効成分である一般式(1)の化合物をそのまま用いてもよいが、一般式(1)の化合物と製薬学的に許容しうる製剤用添加物とを含む医薬組成物の形態で提供されることが好ましい。製薬学的に許容しうる添加物としては、例えば賦形剤、崩壊剤、崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤、溶解補助剤、等張化剤、pH調整剤、安定化剤、噴射剤及び粘着剤等を用いることができる。経口投与に適する製剤の例としては、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤又はシロップ剤等を挙げることができる。非経口投与に適する製剤としては、例えば、注射剤、点滴剤、坐剤、吸入剤又は貼付剤等を挙げることができる。本発明の心不全予防治療剤の投与量としては、例えば経口投与の場合、一般式(1)の化合物として100mg〜1500mg/人/日が好ましく、特に250mg〜1000mg/人/日が好ましい。この投与量は、1日1回でもよく、2〜3回に分けてもよい。 【0019】 【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。 【0020】実施例1 イヌ心不全モデルにおける心機能改善作用雑種成犬(体重:15〜25kg)30頭を、シャム群、コントロール群、薬物投与群各10頭の3群にランダムに群分けし、コントロール群及び薬物投与群は、Circulation,95巻,1111−1114頁 (1997年)に記載の方法に従って、4週間にわたって心拍数240bpmでペーシングした。薬物投与群には、ペーシング開始時よりプロブコール100mg/kg/週を4週間筋注した。4週間のペーシング終了後、超音波検査装置(東芝Medical、SSH-160A)により二次元及びM−モードの心エコーを測定し、下記式により左室拍出量(LVEF)を求めた。 【0021】 【数1】
【0022】続いて、ペントバルビタール+α−クロラロース麻酔を用いて麻酔後、体温を37℃に保ちつつ人工呼吸下に頚動脈経由で大動脈までカテーテルを挿入し、動脈圧(SBP)を測定した。さらに、開胸後、圧トランスデューサーを末端に設置したカテーテルを左心房経由で左心室まで挿入し、左室拡張末期圧(LVEDP)を測定した。 【0023】<結果> 表1の如く、プロブコール投与群で左室拍出量(LVEF)の上昇、左室拡張末期径(LVDd)の縮小、左室拡張末期圧(LVEDP)の低下、およびdP/dtの上昇が観察され、プロブコール投与により心機能が改善された。また、同時に採血して生化学パラメータの血中濃度を測定した。その結果、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)濃度(RIK8798:Peninsulaで測定)についてはコントロール群がシャム群の47±11pg/mLに対して359±57pg/mLと増加したのに対し、プロブコール投与群は239±22pg/mLと有意(p<0.05)に低下した。またアンジオテンシン−II濃度(Biochem. Biophys. Res. Commun., 165巻,457-463頁(1989)に従って測定)については、コントロール群がシャム群の43±7pg/mLに対して194±65pg/mLと増加したのに対し、プロブコール投与群は56±32pg/mLと顕著に低下した。またレニン活性(レニン・リアビーズ:ダイナッボット(株)で測定)については、コントロール群がシャム群の2.1±0.6ng/mL/hrに対して7.4±2.1ng/mL/hrと増加したのに対し、プロブコール投与群は2.1±0.7ng/mL/hrと顕著に低下した。 【0024】 【表1】
【0025】 【発明の効果】本発明の心不全予防治療剤は、心不全における種々の心機能改善効果を有し、かつ安全性も高いので全く新しい作用機作による心不全予防治療剤として有用である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002831 【氏名又は名称】第一製薬株式会社 【識別番号】500242801 【氏名又は名称】江頭 健輔
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| 【出願日】 |
平成12年10月18日(2000.10.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068700 【弁理士】 【氏名又は名称】有賀 三幸 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−173421(P2002−173421A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月21日(2002.6.21) |
| 【出願番号】 |
特願2000−317958(P2000−317958) |
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