| 【発明の名称】 |
口腔用組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】西永 英司
【氏名】佐野 浩史
【氏名】尾下 博幸
【氏名】比田井 絵里
【氏名】今田 浩
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| 【要約】 |
【課題】フッ素供給物質を含有する口腔用組成物において、歯エナメル質へのフッ化物の取り込みがより効果的に進行する組成物を提供する。
【解決手段】フッ素供給物質を含有する口腔用組成物において、長鎖グリセリルエーテルスルホン酸塩を配合することにより、エナメル質へのフッ化物取り込みを向上させたことを特徴とする口腔用組成物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フッ素供給物質を含有する口腔用組成物において、下記一般式(1)で表される長鎖グリセリルエーテルスルホン酸塩を含有することを特徴とする口腔用組成物。 R1OCH2CH(OH)CH2SO3M (1) (式中、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を示し、R1は飽和又は不飽和の炭素数8〜18の脂肪族基を示す) 【請求項2】 該フッ素供給物質が、フッ化ナトリウム及びモノフルオロリン酸ナトリウムの中から選ばれる一種または2種であることを特徴とする請求項1に記載の口腔用組成物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、歯エナメル質へのフッ素による再石灰化を向上させた口腔用組成物に関するものである。本発明により、歯エナメル質へのフッ素の取り込み量が向上し、う蝕予防を目的とする高機能の歯磨、洗口剤等の口腔用品の提供が可能となる。 【0002】 【従来の技術】従来、う蝕予防歯磨剤の分野では、有効成分としてフッ化ナトリウムやモノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ素供給物質化合物を配合することが行われている。しかしながら、実際の歯面には歯垢が付着しており、歯エナメル質への効果的なフッ素の取り込みは困難であった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、フッ素供給物質を含有する口腔用組成物において、歯エナメル質へのフッ素の取り込みがより効果的に進行する組成物を提供することを課題とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、フッ素供給物質を含有する口腔用組成物に、下記一般式(1)で表される長鎖グリセリルエーテルスルホン酸塩を配合することにより、フッ素の初期う蝕脱灰巣への浸透を促進し、歯エナメル質へのフッ素の取り込みがより効果的に進行する組成物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。フッ素供給物質を含有する口腔用組成物において、下記一般式(1)で表される長鎖グリセリルエーテルスルホン酸塩を含有することを特徴とする口腔用組成物が提供される。 R1OCH2CH(OH)CH2SO3M (1) (式中、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を示し、R1は飽和又は不飽和の炭素数8〜18の脂肪族基を示す) 【0005】 【発明の実施の形態】本発明の口腔用組成物は、フッ素供給物質と前記一般式(1)で表される長鎖グリセリルエーテルスルホン酸塩を含有する。供給物質としては、各種のフッ素化合物が用いられる。このようなものには、フッ化ナトリウム、フッ化第一錫などのフッ化物、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウムなどのアルカリ金属モノフルオロフォスフェートなどの1種又は2種以上が包含される。好ましくはフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムが使用される。フッ素供給物質の配合量としては、好ましくはフッ素イオンとして100ppm〜2000ppmであり、より好ましくは200ppm〜1500ppmが適当である。 【0006】本発明で用いる長鎖グリセリルエーテルスルホン酸塩を表す前記一般式(1)において、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属、R1は飽和又は不飽和の炭素数8〜18の脂肪族基を示すが、この場合のアルカリ金属には、ナトリウムやカリウムが包含され、アルカリ土類金属にはカルシウム及びマグネシウムが包含される。前記脂肪族基には、アルキル基及びアルケニル基が包含される。歯エナメル質へのフッ素の取り込みを向上させるには、前記脂肪族基の炭素数は10〜14であることが好ましい。 【0007】前記一般式(1)において、長鎖グリセリルエーテルスルホン酸塩は、例えば、長鎖アルコールにエピクロルヒドリンを付加して得られるハログリセリルエーテルと亜硫酸ナトリウムとのストレッカー(Strecker)反応(例えば、米国特許第2,094.489号、同第3.024,273号、同第5,783,200号、特開昭62−198632号報)や、長鎖グリシジルエーテルと亜硫酸ナトリウム及び/または亜硫酸水素ナトリウムを水中で加熱、攪拌する手法などの、公知の方法で容易に製造できる。 【0008】前記長鎖グリセリルエーテルスルホン酸塩の具体例を示すと、倒えば、オクチルグリセリルエーテルスルホン酸ナトリウム、オクチルグリセリルエーテルスルホン酸カリウム、オクチルグリセリルエーテルスルホン酸カルシウム、オクチルグリセリルエーテルスルホン酸マグネシウム、ノニルグリセリルエーテルスルホン酸ナトリウム、ノニルグリセリルエーテルスルホン酸カリウム、ノニルグリセリルエーテルスルホン酸カルシウム、ノニルグリセリルエーテルスルホン酸マグネシウム、デシルグリセリルエーテルスルホン酸ナトリウム、デシルグリセリルエーテルスルホン酸カリウム、デシルグリセリルエーテルスルホン酸カルシウム、デシルグリセリルエーテルスルホン酸マグネシウム、ドデシルグリセリルエーテルスルホン酸ナトリウム、ドデシルグリセリルエーテルスルホン酸カリウム、ドデシルグリセリルエーテルスルホン酸カルシウム、ドデシルグリセリルエーテルスルホン酸マグネシウム、テトラデシルグリセリルエーテルスルホン酸ナトリウム、テトラデシルグリセリルエーテルスルホン酸カリウム、テトラデシルグリセリルエーテルスルホン酸カルシウム、テトラデシルグリセリルエーテルスルホン酸マグネシウム、ヘキサデシルグリセリルエーテルスルホン酸ナトリウム、ヘキサデシルグリセリルエーテルスルホン酸カリウム、ヘキサデシルグリセリルエーテルスルホン酸カルシウム、ヘキサデシルグリセリルエーテルスルホン酸マグネシウム、オクタデシルグリセリルエーテルスルホン酸ナトリウム、オクタデシルグリセリルエーテルスルホン酸カリウム、オクタデシルグリセリルエーテルスルホン酸カルシウム、オクタデシルグリセリルエーテルスルホン酸マグネシウム、オレイルグリセリルエーテルスルホン酸ナトリウム、オレイルグリセリルエーテルスルホン酸カリウム、オレイルグリセリルエーテルスルホン酸カルシウム、オレイルグリセリルエーテルスルホン酸マグネシウム、メチル分岐オクタデシルグリセリルエーテルスルホン酸ナトリウム、メチル分岐オクタデシルグリセリルエーテルスルホン酸カリウム、メチル分岐オクタデシルグリセリルエーテルスルホン酸カルシウム、メチル分岐オクタデシルグリセリルエーテスルホン酸マグネシウム等が挙げられる。 【0009】本発明の長鎖グリセリルエーテルスルホン酸塩の配合量は、組成物中0.1%から5%が望ましく、さらに0.5から3%が望ましい。0.1%未満ではフッ素のエナメル質の再石灰化効果が十分には達成されず、5%より多く配合した場合には、独特の異味、油っぽさが発現し使用感に問題が発生する。 【0010】本発明においてフッ素供給物質とグリセリルエーテルスルホン酸塩の配合比率は、重量比で2/1〜1/200の範囲であるが、好ましくは1/2〜1/20の範囲である。 【0011】本発明の組成物は、本発明の効果を著しく阻害しない限り、通常歯磨組成物で配合する研磨剤、粘結剤、粘稠剤、保湿剤、甘味料、香料、着色剤、防腐剤、保存安定化剤、pH調整剤、薬効成分等の適宜の成分を配合しうる。 【0012】研磨剤としては、第2リン酸カルシウム・2水和物及び無水和物、第1リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム等のリン酸カルシウム系化合物、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、アルミナ、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、第3リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ベントナイト、ケイ酸ジルコニウム、チタニウム結合ケイ酸塩等の無機系研磨剤、ポリメタクリル酸メチル、結晶性セルロース等の有機系研磨剤が挙げられる。研磨剤の配合量は、通常、組成物全体の5〜60%、好ましくは8〜50%である。 【0013】粘結剤としては、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、キサンタンガム、トラガントガム、カラヤガム、アラビヤガムなどのガム類、ポリビニルアルコール、架橋型ポリアクリル酸ナトリウム、非架橋型ポリアクリル酸ナトリウム等のカルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドンなどの有機系粘結剤、シリカゲル、アルミニウムシリカゲル、ビーガム、ラポナイトなどの無機系粘結剤が挙げられる。粘結剤の配合量は、通常、組成物全体の0.2〜2%である。 【0014】粘稠剤や保湿剤としては、ソルビット、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリトール、マルチトール等の多価アルコール、糖アルコールなどが配合される。 【0015】甘味料としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイト、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、P−メトキシシンナミックアルデヒド、アスパルテーム、キシリトール等が配合できる。香料としては、1−メントール、カルボン、アネトール、リモネン等のテルペン類又はその誘導体等が挙げられる。 【0016】着色剤としては、青色1号、黄色4号、緑色3号、二酸化チタン等が挙げられる。防腐剤としては、安息香酸ナトリウム、メチルパラペン、プロピルパラペン、ブチルパラベン、塩化セチルピリジニウム、イソプロピルメチルフェノール、ソルビン酸カリウム等を挙げることができる。保存安定化剤としては、ビタミンC、ビタミンE、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。 【0017】pH調整剤としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、酢酸、リン酸、ピロリン酸、グリセロリン酸やこれらの各種塩、ならびに水酸化ナトリウムを挙げることができる。本発明の口腔用組成物のpHは5〜9、好ましくは6〜8の範囲になるように調整される。薬効成分としては、例えば、クロルヘキシジン、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、ヒノキチオールなどの抗菌剤、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アラントインなどの抗プラスミン剤、ポリリン酸類などの歯石予防剤、塩化ナトリウムなどの歯茎引き締め剤、酢酸トコフェロールなどの各種ビタミンなどが挙げられる。 【0018】 【発明の効果】本発明によれば、フッ素供給物質を含有する口腔用組成物において、歯エナメル質のフッ素による再石灰化がより効果的に進行する組成物を提供することが可能となる。 【0019】 【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、各例中の%はいずれも質量%である。 【0020】実施例1〜4、比較例1〜4エナメル質へのフッ素の取り込み量の測定は、金らの方法で行なった(口腔衛生学会誌、48.8〜19(1998))。表1に調製した歯磨剤の成分組成(質量%)を示す。エナメル試料の調製及び操作は以下の様に実施した。牛歯の歯冠部の有機物及び沈着物を研磨剤により除去し、エナメル表面にインレーワックスによって20mm2のウィンドウを作製した後、ウィンドウ表面にBHI培地中でミュータンス連鎖球菌を用いて歯垢を培養付着させた。前記歯磨剤1gを3倍量の蒸留水で希釈懸濁し、歯垢を付着させたエナメル試料をこの懸濁液に入れ、37℃恒温槽内で24時間浸漬した。浸漬後、蒸留水で濯ぎ0.5mol/lの過塩素酸0.4mlを加えたプラスチック容器に試料を10秒間浸漬した。その後、直ちに1.6m1の0.5mol/lのクエン酸ナトリウム溶液を添加して全量を2.0mlとした。この過塩素酸−クエン酸ナトリウム処理を同一のエナメル試料について、20、30、60、120秒間行い、得られた溶液中のフッ素イオンをフッ素イオン電極で測定することでエナメル質内層のフッ素濃度を段階的に測定した。この場合、フッ素イオン濃度が高いことはフッ素のエナメル質への取り込みが効果的に行なわれたことを意味する。 【0021】 【表1】
【0022】 【表2】
【0023】 【表3】
【0024】表3の結果から、フッ素供給物質を含有する口腔用組成物に長鎖グリセリルエーテルスルホン酸塩を配合することにより、フッ素イオンの脱灰巣への拡散が促進され、エナメル質へのフッ素の取り込みがより効果的に進行することが確認された。 【0025】次に、本発明の組成物の具体的処方例を示す。 実施例5(歯磨) 無水ケイ酸 18(%) ソルビット 45 ラウリル硫酸ナトリウム 1.2 アルギン酸ナトリウム 0.8 カラギーナン 0.7 サッカリンナトリウム 0.2 ゼラチン 1.0 ミリスチン酸ジエタノールアミド 1.0 プロピレングリコール 3.0 香料 1.2 フッ化ナトリウム 0.2 デキストラナーゼ 20単位/g歯磨 C12グリセリルエーテルテルスルホン酸ナトリウム 1.2 水 残【0026】 実施例6(歯磨) 炭酸カルシウム 45(%) グリセリン 20 ラウリル硫酸ナトリウム 1.4 カルボキシメチルセルロース(CMC) 1.2 サッカリンナトリウム 0.1 モノフルオロリン酸ナトリウム 0.7 プロピレングリコール 3.0 香料 1.2 デキストラナーゼ 30単位/g歯磨 C14グリセリルエーテルスルホン酸ナトリウム 1.4 水 残【0027】 実施例7(歯磨) 第二リン酸カルシウム 35(%) グリセリン 25 ラウリル硫酸ナトリウム 0.8 CMC 0.6 カラギーナン 0.7 サッカリンナトリウム 0.2 プロピレングリコール 3.0 香料 0.8 モノフルオロリン酸ナトリウム 0.7 デキストラナーゼ 10単位/g歯磨 ムタナーゼ 0.5 C10グリセリルエーテルスルホン酸カリウム 1.0 水 残【0028】 実施例8(歯磨) 水酸化アルミニウム 45(%) ソルビット 20 ラウリル硫酸ナトリウム 1.2 ポリアクリル酸ナトリウム 0.8 カラギーナン 0.7 サッカリンナトリウム 0.2 プロピレングリコール 3.0 香料 1.2 モノフルオロリン酸ナトリウム 1.0 デキストラナーゼ 50単位/g歯磨 C16グリセリルエーテルスルホン酸ナトリウム 1.4 水 残【0029】 実施例9(歯磨) 第二リン酸カルシウム 40(%) ソルビット 30 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 ラウロイルサルコシンナトリウム 0.3 キサンタンガム 0.8 カラギーナン 0.7 サッカリンナトリウム 0.2 プロピレングリコール 3.0 香料 0.8 ビタミンE 0.5 グリチルレチン酸 0.05 トラネキサム酸 0.05 オオバクエキス 0.05 モノフルオロリン酸ナトリウム 0.7 C8グリセリルエーテルスルホン酸ナトリウム 1.0 水 残【0030】 実施例10(歯磨) 炭酸カルシウム 30(%) CMC 1.5 ラウリル硫酸ナトリウム 1.8 ポリアクリル酸ナトリウム 0.5 無水ケイ酸 5 サッカリンナトリウム 0.2 プロピレングリコール 3.0 香料 1.2 塩化ナトリウム 10 モノフルオロリン酸ナトリウム 0.7 C12グリセリルエーテルスルホン酸ナトリウム 1.4 水 残【0031】 実施例11(洗口剤) 変性エタノール 8(%) ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 2 グリセリン 4 クエン酸 0.01 クエン酸3ナトリウム 0.3 香料 0.3 サッカリンナトリウム 0.1 フッ化ナトリウム 0.3 C12グリセリルエー・チルスルホン酸ナトリウム 1.0 0.1%緑色3号 0.8 水 残 |
| 【出願人】 |
【識別番号】000006769 【氏名又は名称】ライオン株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年12月5日(2000.12.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074505 【弁理士】 【氏名又は名称】池浦 敏明
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| 【公開番号】 |
特開2002−173419(P2002−173419A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月21日(2002.6.21) |
| 【出願番号】 |
特願2000−370481(P2000−370481) |
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