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【発明の名称】 リポソーム組成物及びそれを含有する皮膚外用剤
【発明者】 【氏名】岩永 哲朗

【要約】 【課題】特に皮膚外用剤への配合に適する安定性及び安全性を具備し、それ自体が生理活性を有し、さらに内包成分の作用を相乗的に向上させ得るリポソーム組成物を得る。

【解決手段】ヒドロキシ脂肪酸のホスファチジルエステルを膜構成脂質として含有させてリポソームを形成させ、これを皮膚外用剤に配合する。ヒドロキシ脂肪酸のホスファチジルエステルとしては、2-ヒドロキシ脂肪酸もしくは炭素数が2〜6のヒドロキシ脂肪酸のホスファチジルエステルが好ましい。また、前記リポソームには、親油性及び親水性の種々の成分を内包させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ヒドロキシ脂肪酸のホスファチジルエステルを膜構成脂質として含有することを特徴とする、リポソーム組成物。
【請求項2】 ヒドロキシ脂肪酸のホスファチジルエステルが、2-ヒドロキシ脂肪酸のホスファチジルエステルであることを特徴とする、請求項1に記載のリポソーム組成物。
【請求項3】 ヒドロキシ脂肪酸のホスファチジルエステルが、炭素数が2〜6のヒドロキシ脂肪酸のホスファチジルエステルであることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のリポソーム組成物。
【請求項4】 請求項1〜請求項3に記載のリポソーム組成物より選択した1種又は2種以上を含有して成る、皮膚外用剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、経時的な安定性が良好で、それ自体皮膚の老化防止及び改善効果を有し、さらに内包物質の生理活性の向上も期待できるリポソーム組成物、及びこれを含有する皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】リポソームは、内部に水相を有する脂質二重層から成る閉鎖小胞体であり、生体膜のモデル系や、種々の薬物のキャリアー等として利用されている。しかしながらリポソームは、光,熱,温度,浸透圧等の影響を受け、化学的或いは物理的変化を起こしやすく、保存中にリポソーム粒子同士の凝集や融合、さらには沈殿物の生成や不溶物の析出など、状態変化や機能低下が起こるといった問題があった。それゆえ、リポソームの安定化を図る試みが多くなされ、また近年ドラッグデリバリーシステムへの応用に伴い、さらにリポソームの機能化を図る試みがなされている。
【0003】リポソームの安定化を図る試みとしては、脂質膜成分として、ホスファチジルコリン,リゾホスファチジルコリン,ホスファチジン酸を特定モル比で含有させる(特開平5−239)他、脂肪酸エステル化コラーゲン加水分解物(特開平7−48247),トレハロースの脂肪酸エステル(特開平7−108166),レシチン・キシロオリゴ糖複合体(特開平7−233049)を用いたり、リポソーム水懸濁液組成物に、タウリン及び酸性リン脂質(特開平5−212269)や、グリセリン,プロピレングリコール,1,3-ブチレングリコール等の水溶性有機溶媒(特開平6−178930)を含有させたり、環状イヌロオリゴ糖及び多価アルコールを含有させた後凍結乾燥製剤としたり(特開平8−133986)、表面を2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンのホモ重合体や共重合体等により被覆したりする(特開平6−178930)技術が開示されている。
【0004】一方、リポソームの機能化を図る試みとしては、イソプレノイド型リン脂質を用いて生体膜に近い流動性を持たせたもの(特開平5−194191)、抗体又は抗原結合リン脂質誘導体を用いたもの(特開平7−291853)、構成脂肪酸組成の10%以上がドコサヘキサエン酸であるホスファチジルコリンを膜形成脂質として含有するもの(特開平8−151334)、アミノ基を有する脂質を膜構成成分とし、外水相側に抗原を固定化し、内外水相に糖を含有させたもの(特開平9−202735)等が開示されている。
【0005】しかしながら、特に皮膚外用剤に配合した場合に、安定性及び皮膚に対する安全性が良好で、リポソーム自体が皮膚に対し優れた生理活性を示し、さらに内包させる有効成分の活性を向上させ得るようなものは、ほとんど報告されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明においては、特に皮膚外用剤への配合に適する安定性及び安全性を具備し、それ自体が生理活性を有し、さらに内包成分の作用を相乗的に向上させ得るリポソーム組成物を得ることを目的とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するべく種々検討した結果、本発明者はヒドロキシ脂肪酸のホスファチジルエステルを膜構成脂質として用いてリポソームを形成することができることを見いだし、しかもこのリポソームが安定性及び安全性に優れ、皮膚の真皮線維芽細胞活性化作用等により、皮膚の老化や肌荒れの防止及び改善に有効であることを確認して、本発明を完成するに至った。なお、ヒドロキシ脂肪酸のホスファチジルエステルについての皮膚の老化防止作用等はすでに開示している(特開平6−279259)が、今回リポソーム化することにより、さらに良好な結果を得ることができた。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においてリポソーム膜構成脂質として用いるヒドロキシ脂肪酸のホスファチジルエステルは、ヒドロキシ脂肪酸とホスファチジン酸とを定法に従い化学的にエステル化したり、或いはホスホリパーゼD等を用いたエステル交換反応等により得ることができる。ホスファチジン酸と結合させるヒドロキシ脂肪酸としては、2位に水酸基を有するものがその生理活性から好ましく、さらに炭素数が2〜6のものがより好ましい。好適なものとして、ホスファチジルグリコール酸,ホスファチジル乳酸,ホスファチジル2-ヒドロキシ酪酸,ホスファチジル2-ヒドロキシ吉草酸,ホスファチジル2-ヒドロキシカプロン酸が挙げられる。
【0009】本発明においては、リポソームの膜構成脂質に、上記ヒドロキシ脂肪酸のホスファチジルエステルより1種又は2種以上を選択して含有させる。ヒドロキシ脂肪酸のホスファチジルエステルのみを膜構成脂質としてリポソームを形成させてもよいが、ホスファチジルコリン,ホスファチジルセリン,ホスファチジルエタノールアミン,ホスファチジルイノシトール,ホスファチジン酸等のグリセロリン脂質、モノグルコシルジアシルグリセロール,モノガラクトシルジアシルグリセロール等のグリセロ糖脂質、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、セレブロシド,ガングリオシド等のスフィンゴ糖脂質、セチルアルコール,ステアリルアルコール,アラキルアルコール,ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、コレステロール,フィトステロール等のステロール類などの膜形成性脂質もしくは膜安定化脂質成分を併用してもよい。
【0010】本発明に係るリポソームを形成するに際し、ヒドロキシ脂肪酸のホスファチジルエステルのリポソーム懸濁液あたりの含有量は、0.001〜10.0重量%とするのが適切であり、さらに0.01〜5.0重量%とするのが好ましい。
【0011】さらに本発明に係るリポソームには、脂質膜中及び内水相中にそれぞれ親油性もしくは親水性の種々の成分を内包させることができる。脂質膜中に内包させ得る親油性成分としては、アボカド油,アルモンド油,オリーブ油,ゴマ油,サザンカ油,サフラワー油,大豆油,ツバキ油,トウモロコシ油,ナタネ油,パーシック油,ヒマシ油,綿実油,落花生油,ホホバ油等の植物性油類又は植物性ロウ類、ミリスチン酸イソプロピル,パルミチン酸イソプロピル,ラウリン酸ヘキシル,ミリスチン酸オクチルドデシル,ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル,2-エチルヘキサン酸セチル,トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル,トリオクタン酸トリメチロールプロパン等のエステル油類、フェニルアラニン,トリプトファン,イソロイシン,ロイシン,プロリン,メチオニン,バリン,アラニン等の疎水性アミノ酸類及びこれらの親油性誘導体、レチノール,レチナール,レチノイン酸等のビタミンA類及びこれらの親油性誘導体、α-カロテン,β-カロテン,γ-カロテン等のプロビタミンA類、コレカルシフェロール,エルゴカルシフェロール等のビタミンD類及びこれらの親油性誘導体、7-デヒドロコレステロール,エルゴステロール等のプロビタミンD類及びこれらの親油性誘導体、α-トコフェロール,βトコフェロール,γ-トコフェロール,δ-トコフェロール等のビタミンE類及びこれらの親油性誘導体、フィロキノン,メナキノン,メナジオン等のビタミンK類及びこれらの親油性誘導体等といった親油性ビタミン類、ユビキノン及びその親油性誘導体,リポ酸及びその親油性誘導体,リノール酸及びその親油性誘導体,リノレン酸及びその親油性誘導体,アラキドン酸及びその親油性誘導体等といった親油性ビタミン様作用因子類、リボフラビン酪酸エステル,ジカプリル酸ピリドキシン,ジパルミチン酸ピリドキシン,パルミチン酸アスコルビル,ジパルミチン酸アスコルビル等の水溶性ビタミン類の親油性誘導体、グアイアズレン,グアイアズレンスルホン酸エチル,グリチルレチン酸ステアリル等の親油性抗炎症剤などが挙げられ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。
【0012】一方、内水相に内包させる親水性成分としては、1,3-ブチレングリコール,プロピレングリコール,グリセリン等の多価アルコール類、グルコース,ガラクトース,フルクトース,サッカロース,マルトース等の単糖類及びオリゴ糖類、イノシトール,ソルビトール,マルチトール等の糖アルコール類、リシン,グルタミン,アスパラギン,グルタミン酸,アスパラギン酸,トレオニン,アルギニン,セリン,ピロリドンカルボン酸等の親水性アミノ酸類及びこれらの塩並びに親水性誘導体、チアミン等ビタミンB1類及びこれらの塩並びに親水性誘導体、リボフラビン等ビタミンB2類及びこれらの塩並びに親水性誘導体、ニコチン酸,ニコチン酸アミド等ナイアシン類及びこれらの塩並びに親水性誘導体、ピリドキシン,ピリドキサール,ピリドキサミン等ビタミンB6類及びこれらの塩並びに親水性誘導体、パントテン酸及びその塩並びに親水性誘導体、ビオチン及びその塩並びに親水性誘導体、葉酸及びその塩並びに親水性誘導体、コバラミン等ビタミンB12類及びこれらの塩並びに親水性誘導体、アスコルビン酸及びその塩並びに親水性誘導体といった親水性ビタミン類、オロト酸及びその塩並びに親水性誘導体、カルニチン及びその塩並びに親水性誘導体、ヘスペリジン,エリオジクチン,ルチン等のビタミンP類といった親水性ビタミン様作用因子、グリコール酸,乳酸,クエン酸等の2-ヒドロキシカルボン酸及びこれらの塩並びに親水性誘導体、ヒアルロン酸,コンドロイチン硫酸,デルマタン硫酸,ヘパリン等ムコ多糖類及びこれらの塩並びに親水性誘導体、可溶性コラーゲン,コラーゲン加水分解物,エラスチン加水分解物,ケラチン加水分解物等のペプチド類及びこれらの塩並びに親水性修飾物、アラントイン及びその塩並びに親水性誘導体,グアイアズレンスルホン酸塩,グリチルリチン酸及びその塩並びに親水性誘導体といった親水性抗炎症剤、植物の極性溶媒による抽出物などが挙げられ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。
【0013】本発明に係るリポソーム組成物は、一般的な調製方法により得ることができるが、ヒドロキシ脂肪酸のホスファチジルエステルを含む膜構成脂質成分と水性溶液とを、膜構成脂質成分の相転移温度以上にて撹拌するか、又は膜構成脂質成分を、グリセリン,ジグリセリン,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,ポリエチレングリコール,1,3-ブチレングリコール,ジエチレングリコールモノエチルエーテル,ソルビトール,マルチトール等の多価アルコール類、グリセリルモノ酢酸エステル,グリセリルジ酢酸エステル,グリセロリン酸等のグリセリンエステル類といった水溶性の非揮発性有機溶媒に混合し、次いで水性溶液に分散して調製することが好ましい。さらに、得られたリポソーム懸濁液を超音波処理することにより、一枚膜リポソームを効率よく得ることができる。なお多重膜リポソームは、2,500〜3,000gで10分間程度の遠心分離により、また一枚膜リポソームは、100,000gで60分間程度の遠心分離により、回収することができる。さらに本発明においては、T.Kaneko及びH.Sagitaniにより報告された方法(Colloids and Surfaces 69 125-133 (1992))に従って、リポソーム組成物を調製することもできる。
【0014】本発明においては、リポソームを調製する際に、親油性物質を膜構成脂質成分に溶解するか、膜構成脂質成分とともに水溶性の非揮発性有機溶媒に混合することにより、リポソームの脂質膜に親油性物質を内包させることができる。親水性物質の内水相への内包は、リポソーム調製時に、親水性物質を水性溶液に溶解することにより行うことができる。
【0015】さらに本発明においては、上記により調製したリポソーム組成物を皮膚外用剤基剤に分散させて、皮膚外用剤を得る。本発明に係る皮膚外用剤は、ローション剤,乳剤,ペースト剤,ゲル剤等として好適に提供される。また、化粧水,乳液,美容液等の化粧料としても提供することができる。これら皮膚外用剤におけるリポソームの含有量としては、0.1〜10.0重量%程度とするのが適切である。
【0016】なお、本発明に係る皮膚外用剤には、リポソーム組成物に影響を与えない範囲で、油脂類,炭化水素油類,高級脂肪酸類,エステル油類,低級アルコール類,多価アルコール類,紫外線吸収剤,pH調整剤,抗酸化剤,キレート剤,防腐剤,香料等、一般的な配合成分を含有させることができる。
【0017】
【実施例】さらに本発明の特徴について、実施例により詳細に説明する。
【0018】[実施例1〜実施例12]表1中の膜構成脂質成分及び親油性成分を、表1に示す脂質濃度となるように表1中の水性溶液に55℃にて撹拌しながら添加,混合し、次いで10分間超音波処理してリポソーム懸濁液を得た。
【0019】
【表1】

【0020】
[実施例13]
(1)ホスファチジルグリコール酸 5.00(重量%)
(2)プロピレングリコール 4.50(3)グリセリン 4.50(4)エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.02(5)タラ由来コラーゲン加水分解物 0.10(6)精製水 85.88製法:(1)を(2),(3)の混合溶液に溶解し、次いで(4),(5)を(6)に溶解した水溶液にて希釈してリポソーム懸濁液を得た。
【0021】
[実施例14]
(1)ホスファチジル乳酸 4.50(重量%)
(2)プロピレングリコール 4.50(3)グリセリン 4.50(4)エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.02(5)カッコンの50容量%エタノール抽出液 2.50(6)ワレモコウの50容量%エタノール抽出液 2.50(7)精製水 81.48製法:(1)を(2),(3)の混合溶液に溶解し、次いで(4)〜(6)を(7)に溶解した水溶液にて希釈してリポソーム懸濁液を得た。
【0022】上記実施例1〜実施例14のリポソーム懸濁液について、顕微鏡下にて観察したところ、いずれにおいてもリポソームの形成が確認された。これらにおいて、主として認められるリポソームのタイプと、粒径分布の測定結果を表2に示した。また、25℃及び50℃にて1カ月間保存した場合の安定性について、評価した。安定性については、1カ月間保存した後に、リポソームの融合や凝集,不溶物の析出等の有無を観察し、「○;前記状態変化が全く認められない」、「△;前記状態変化がわずかに認められる」,「×;前記状態変化が顕著に認められる」として、表2に併せて示した。なお比較のため、水素添加大豆レシチンを5.0重量%となるように精製水に55℃で添加,混合撹拌し、次いで10分間超音波処理して調製したリポソーム懸濁液を比較例1とし、同時に評価を行った。
【0023】
【表2】

【0024】表2中、「SUV」は小さな一枚膜リポソームを示し、「MLV」は多重膜リポソームを示す。これより明らかなように、本発明の実施例においては、膜構成脂質成分の濃度が低い場合には主としてSUVが形成されており、膜構成脂質成分の濃度が高くなるに従って、MLVの占める割合が高くなっていた。また、本発明の実施例は、いずれも25℃及び50℃にて良好な安定性を示していたが、比較例1については、25℃においても凝集が認められ、安定性に劣ることが示されていた。
【0025】続いて、本発明に係る皮膚外用剤の実施例を示す。なお、以下に示す実施例に配合するリポソームとしては、上記実施例1〜実施例14に係るリポソーム懸濁液より、実施例1,実施例5,実施例6,実施例8及び実施例12については、100,000gにて60分間遠心分離してSUVを回収し、実施例2〜実施例4,実施例7,実施例9〜実施例11,実施例13及び実施例14については、3,000gにて10分間遠心分離してMLVを回収して用いた。
【0026】
[実施例15〜実施例18] ローション剤(1)エタノール 20.0(重量%)
(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.0(3)パラオキシ安息香酸メチル 0.1(4)ジプロピレングリコール 5.0(5)1,3-ブチレングリコール 10.0(6)精製水 全量を100.0とする量(7)表3に示すリポソーム 表3に示す量製法:(1)に(2),(3)を溶解してアルコール相とする。一方、(6)に(4),(5)を順次溶解して水相とする。水相にアルコール相を添加し、均一に混合した後、(7)を添加し、分散する。
【0027】
【表3】

【0028】
[実施例19〜実施例22] 乳剤(1)セタノール 1.0(重量%)
(2)ミツロウ 0.5(3)ワセリン 2.0(4)スクワラン 8.0(5)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 1.0 モノステアリン酸エステル(6)グリセリルモノステアリン酸エステル 1.0(7)グリセリン 4.0(8)1,3-ブチレングリコール 4.0(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1(10)精製水 全量を100.0とする量(11)カルボキシビニルポリマー 10.0 (1.0重量%水溶液)
(12)水酸化カリウム 0.1(13)エタノール 5.0(14)表4に示すリポソーム 表4に示す量製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、加熱溶解して75℃とする。一方、(7)〜(10)の水相成分を混合,溶解して75℃とする。これに前記油相を加えて予備乳化した後、(11)を添加してホモミキサーにて均一に乳化し、次いで(12)を加えて増粘させた後冷却し、30℃にて(13)及び(14)を順次添加して溶解及び分散する。
【0029】
【表4】

【0030】
[実施例23〜実施例26] ゲル剤(1)ジプロピレングリコール 10.0(重量%)
(2)カルボキシビニルポリマー 0.5(3)水酸化カリウム 0.1(4)パラオキシ安息香酸メチル 0.1(5)精製水 全量を100.0とする量(6)表5に示すリポソーム 表5に示す量製法:(5)に(2)を均一に溶解した後、(1)に(3),(4)を溶解して添加し、次いで(3)を加えて増粘させた後、(6)を添加,分散する。
【0031】
【表5】

【0032】
[実施例27] 美容液(1)1,3-ブチレングリコール 5.0(重量%)
(2)カルボキシビニルポリマー 0.4(3)ポリオキシエチレン(50E.O.)硬化ヒマシ油 1.0(4)パラオキシ安息香酸メチル 0.1(5)L-アルギニン 1.0(6)精製水 89.5(7)リポソーム(実施例13) 3.0製法:(1)〜(5)を順次(6)に添加して均一に溶解し、(7)を添加,分散する。
【0033】
[実施例28] 化粧ジェル(1)ジプロピレングリコール 7.00(重量%)
(2)ポリオキシエチレン(15E.O.)オレイル 1.00 エーテル(3)パラオキシ安息香酸メチル 0.10(4)香料 0.10(5)ポリエチレングリコール 8.00 (平均分子量1,500)
(6)カルボキシビニルポリマー 0.40(7)メチルセルロース 0.20(8)エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.02(9)精製水 78.08(10)水酸化カリウム 0.10(11)リポソーム(実施例5) 2.50(12)リポソーム(実施例10) 2.50製法:(9)に(6),(7)を溶解した後、(5),(8)を添加して水相とする。(1)に(2)を加え、50℃〜55℃で加熱溶解し、(3),(4)を添加,混合して、前記水相に撹拌しながら徐々に添加する。次いで(10)を添加して増粘させ、冷却後(11),(12)を添加し、分散する。
【0034】上記実施例のうち、実施例15,実施例20,実施例23,実施例27及び実施例28について使用試験を行い、皮膚の老化症状及び肌荒れ症状の改善効果を評価した。その際、各実施例において配合した本発明に係るリポソームを、それぞれ表6に示すように代替して比較例2〜比較例6とし、同時に使用試験に供した。
【0035】
【表6】

【0036】使用試験は、皮膚の老化症状の評価パネラーとして、小じわや皮膚弾性の低下といった顕著な皮膚の老化症状の見られる40才〜60才代の女性パネラーを、肌荒れの評価パネラーとして、顕著な肌荒れ症状を呈する20才〜60才代の女性パネラーを、それぞれ20名を1群として用い、各群に前記実施例及び比較例をそれぞれブラインドにて、1日2回ずつ連続使用させて行った。皮膚の老化症状については、使用試験開始前及び3カ月間使用後に皮膚の小じわの肉眼及びレプリカによる観察と、キュートメーターによる皮膚弾性測定を行い、使用試験開始前と比べた小じわ及び皮膚弾性の改善状態を、「改善」,「やや改善」,「変化なし」の3段階にて評価し、各評価を得たパネラー数にて示した。また、肌荒れ症状については、使用試験開始前及び2週間使用後の皮膚の状態を観察し、それぞれ表7に示す評価基準に従って評価点数化し、20名の平均値にて示した。結果は表8にまとめて示した。
【0037】
【表7】

【0038】
【表8】

【0039】表8より明らかなように、本発明の実施例使用群では全群で良好な皮膚の老化症状の改善が認められ、各群において全パネラーにおいて小じわ及び皮膚弾性の改善傾向を認めていた。また、肌荒れの改善も顕著に認められ、2週間の連続使用により、皮膚の状態はほぼ良好な状態まで改善されていた。
【0040】これに対し、グリコール酸をホスファチジルコリンによるリポソームに内包させて配合した比較例2使用群では、皮膚の老化症状の改善及び肌荒れ症状の改善は認められてはいたが、対応する実施例15使用群に比べて改善の程度は明らかに小さいものであった。また保湿作用を有するピロリドンカルボン酸ナトリウム,スフィンゴミエリン,タラ由来コラーゲン加水分解物をそれぞれホスファチジルコリンによるリポソームに内包させて配合した比較例3〜比較例5の各使用群と、乳酸及びヒアルロン酸ナトリウムをリポソーム化しないで配合した比較例6使用群では、小じわ及び皮膚弾性の明確な改善を認めたパネラーは2名以下であり、肌荒れの改善も不十分であった。
【0041】以上の結果より、本発明に係るリポソーム組成物はそれ単独でも良好な皮膚の老化症状及び肌荒れの改善効果を発揮し、また保湿作用等を有する内包成分との相乗作用により、前記効果がさらに向上されることが示された。なお、上記使用試験期間中において、実施例使用群においては、皮膚の刺激感や皮膚の異常を訴えたパネラーは存在せず、本発明の実施例15〜実施例28については、25℃で6カ月間保存した場合に、状態の変化を認めなかった。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、安定性及び安全性を具備し、それ自体が生理活性を有し、さらに内包成分の作用を相乗的に向上させ得るリポソーム組成物を得ることができた。
【出願人】 【識別番号】000135324
【氏名又は名称】株式会社ノエビア
【出願日】 平成12年11月7日(2000.11.7)
【代理人】 【識別番号】390000918
【氏名又は名称】竹井 増美
【公開番号】 特開2002−145721(P2002−145721A)
【公開日】 平成14年5月22日(2002.5.22)
【出願番号】 特願2000−338766(P2000−338766)