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【発明の名称】 育毛剤
【発明者】 【氏名】宇田 正紀

【氏名】榎本 有希子

【氏名】桜井 哲人

【氏名】鈴木 民恵

【氏名】宮本 達

【氏名】石田 隆男

【氏名】本多 伸吉

【氏名】高橋 知也

【要約】 【課題】プロシアニジン等のポリフェノール類を含む育毛剤を使用した時の毛髪のベタツキ感やゴワツキ感を改良した育毛剤を提供すること。

【解決手段】プロシアニジンまたはプロシアニジンを含む植物抽出エキスの一種または二種以上とポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンを配合する育毛剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プロシアニジンまたはプロシアニジンを含む植物抽出エキスの一種または二種以上と下記一般式で表されるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンを配合することを特徴とする育毛剤。
【化1】

(式中、mは5〜50の整数、nは5〜50の整数、pは1〜5の整数、aは1〜70の整数、bは0〜50の整数、Rは水素またはメチル基を示す。)
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は優れた育毛効果と毛髪に対するダメージケア効果を有し、毛髪に対する使用感を改良した育毛剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】男性型脱毛症による薄毛、あるいは女性の老化に伴う薄毛に対して、毛包細胞を賦活化することにより養毛、育毛、発毛効果をもつものとしてプロシアニジンが知られていた(WO96/00561)。しかし、プロシアニジン等のポリフェノール類は毛髪に対する付着性があり、これらを含む育毛剤を使用した場合、毛髪に付着すると乾燥した後に、毛髪のベタツキ感、ゴワツキ感などが見られ、使用性に問題があった。さらに、育毛剤は有効成分の溶解性を高め、頭皮への浸透性を高め、育毛、養毛効果をより高めるために一般的にアルコールが配合される。しかし、アルコールは毛髪の柔軟性を維持するために必要な毛髪に付着している皮脂などを脱脂し、毛髪のしなやかさを失わせてしまうことがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プロシアニジン等のポリフェノール類を含む育毛剤を使用した時の毛髪のベタツキ感やゴワツキ感などの使用感を改良する方法はなく、これらを含む育毛剤を使用した場合、育毛効果は十分に期待できるが、その使用感については満足な結果が得られていなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らはこうした課題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、養毛効果、育毛効果を持つプロシアニジンまたはプロシアニジンを含む植物抽出エキスを含む育毛剤にポリアルキレン変性オルガノポリシロキサンを配合した場合、育毛、養毛効果を損なうことなく、プロシアニジン等のポリフェノール類による毛髪のベタツキ感やゴワツキ感を解消し、違和感なく毛髪を仕上げることができることを見出し、この発明を完成した。すなわち、この発明は、使用感を改良した育毛剤であり、プロシアニジンまたはプロシアニジンを含む植物抽出エキスの一種または二種以上と下記一般式で表されるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンを配合することを特徴とする育毛剤を提供するものである。
【0005】
【化2】

(式中、mは5〜50の整数、nは5〜50の整数、pは1〜5の整数、aは1〜70の整数、bは0〜50の整数、Rは水素またはメチル基を示す。)
【0006】
【発明の実施の形態】以下、この発明の構成を詳細に説明する。プロシアニジンの植物からの抽出精製は、次のような公知の方法で行なうことができる。原料である植物の果実、種子、葉、茎、根、根茎等を、適当な時期に採取した後、そのままか、自然空気乾燥等の乾燥工程を行なった後、抽出原料とする。原料が植物の搾汁液や樹液の場合は、そのまま抽出原料として用いることも出来る。用いる植物としてはリンゴ、ブドウ、イチゴなどの果実類及びそれらの種子、小豆、大豆などの豆類などを挙げることができる。抽出溶媒は特に限定されないが、水、1,3−ブチレングリコールまたはグリセリン等の多価アルコール類、エチルアルコールまたはイソプロピルアルコール等の低級アルコール類等であり、単独もしくは二種以上の混液から抽出することができる。含まれるプロシアニジンはフラバン−3−オール誘導体などを構造単位として、縮合や重合により結合された化合物類であり、フラバン−3−オール誘導体としてはカテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、アフゼレチン、エピアフゼレチン等が挙げられる。本発明に用いられるプロシアニジンは、フラバン−3−オール誘導体の2量体以上であり、好ましくは2〜10量体である。本発明の育毛剤には上記植物から抽出されるエキスを配合しても良いし、これらのエキスから精製したプロシアニジンを配合しても良い。
【0007】この発明に用いられるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンはポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン等により変性されたオルガノポリシロキサンであり、市販のものから入手することが可能であり、例えば、信越シリコン社製のKF−351、KF−352、KF−353、KF−354、KF−355、KF−615、KF−945、KF−618、KF−6011、KF−6015、東レシリコン社製のSH−3746M、SH−3771M、SH−3772M、SH−3773M、SH−3775M、SH−3748、SH−3749、日本ユニカー社製のSS−2801、SS−2802、SS−2803、SS−2804等がある。
【0008】この発明に用いられるプロシアニジンまたはプロシアニジンを含む植物抽出エキスの配合量はプロシアニジン量として、育毛剤の総量を基準として0.001〜5.0%、より好ましくは0.01〜2.0重量%である。用いられるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンの配合量としては、育毛剤の総量を基準として0.01〜5.0%、より好ましくは0.05〜2.0%である。
【0009】この発明の育毛剤の剤型としてはヘアーリキッド、ヘアトニック、ヘアローション等の液状剤型、ヘアミルク等の乳液剤型類等に適用することができる。尚、この発明の育毛剤には上記以外の基剤として、通常育毛剤に使用されているもの、例えば精製水、エタノール、多価アルコール類、油脂類等が挙げられる。多価アルコール類としてはグリセリン、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール等がある。また、油脂類としてはスクワラン、オリーブ油、ホホバ油等がある。さらに保湿剤、界面活性剤、抗菌剤、抗炎症剤、紫外線吸収剤、細胞賦活剤、植物エキス、ビタミン類、色素、香料等を本発明の目的を達成する範囲内で適宜配合することができる。保湿剤としてはヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、アミノ酸類及びその誘導体等がある。界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(5)オレイルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、モノステアリン酸ソルビタン、ピログルタミン酸イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル等がある。抗菌剤としては、ヒノキチオール、フェノキシエタノール、パラベン類等がある。抗炎症剤としてはグリチルレチン酸及びグリチルリチン酸、またそれらの誘導体、アラントイン等がある。紫外線吸収剤としてはパラアミノ安息香酸エチル、パラメトキシ桂皮酸等がある。細胞賦活剤としては、パントテン酸及びその誘導体、プラセンタエキス、感光素301、セファランチン等がある。植物エキスとしては、センブリ抽出エキス、ニンジン抽出エキス、ニンニクエキス、トウガラシチンキ等がある。ビタミン類としては、ビタミンE、酢酸dl−α−トコフェロール、酢酸d−α−トコフェロール、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、ビオチン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン等がある。
【0010】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいてこの発明を詳説する。この発明に使用した毛髪のベタツキ試験、毛髪のゴワツキ試験、官能テストは下記の通りである。
[毛髪のベタツキ試験]毛髪のベタツキ評価として、毛髪の摩擦力を測定した。毛髪は黒髪人毛の根元サンプル(長さ20cm)を用いて、200mgの毛束を作成して試験に用いた。摩擦力の測定は圧縮試験機KES−G5(カトーテック株式会社製)を用いて実施し、測定条件はストロークをDEF:20mm、電圧:10V、SENS1荷重:0.98Nに設定し、スピードを0.99cm/secに設定した。育毛剤に毛束を浸し、乾燥させた後、圧縮試験機の測定台に根元部を固定した。毛先部分に60gの荷重をかけて上述条件で摩擦力を測定した。毛髪のベタツキ感は未処理毛束を用いた時の摩擦力ピーク面積(Ab)と育毛剤処理後の毛束の摩擦力ピーク面積(Aa)比から第1表に示す基準により評価を行った。
【0011】
【表1】

【0012】[毛髪のゴワツキ試験]ゴワツキ感評価として、毛髪の曲げ応力を測定した。毛髪は黒髪人毛の根元サンプル(長さ20cm)を用いて、200mgの毛束を作成して試験に用いた。曲げ応力の測定はレオメーターRT−2002J(株式会社レオテック社製)を用いて行い、試料台速度を6cm/minに設定して実施した。育毛剤に毛束を浸し、乾燥後、レオメーターに毛束を固定して毛束の曲げ応力を測定した。毛髪のゴワツキ感は未処理毛束を用いた時の曲げ応力ピーク高さ(Hb)と育毛剤処理後の毛束の曲げ応力ピーク高さ(Ha)の比から第2表に示す基準により評価を行った。
【0013】
【表2】

【0014】[官能試験]黒髪人毛の根元サンプル(長さ20cm)を用いて、200mgの毛束を作成して、育毛剤を付着させた後専門パネル10名による官能試験を実施した。評価項目は未処理の毛束の感触に比較して、毛髪のベタツキ感、ゴワツキ感を第3表に示す基準に従いスコア化を行い、10名の平均値が−2点以上0点未満を○、0点以上1点未満を△、1点以上を×として評価した。○または△の評価であれば育毛剤として適しているが、×の評価では適さない。
【0015】
【表3】

【0016】[育毛効果試験]男性型脱毛症の症状を持つ25歳〜60歳までの男性型脱毛症以外の疾患を有していない健康な男性20名によるモニター試験を行い、育毛剤の育毛効果について評価を行った。すなわち、モニターに目的の育毛剤を3ヶ月間、毎日、1日2回、朝、夜に頭部に適用させた後、アンケート調査を行った。育毛効果に対して1.悪化、2.変化無し、3.やや有効、4.有効の何れかを回答させ、やや有効以上(やや有効及び有効)と回答した人数により第4表の基準で、育毛効果を評価した。
【0017】
【表4】

【0018】[比較例1〜3及び実施例1〜9]第5表記載の組成の育毛剤、比較例1〜3及び実施例1〜9をそれぞれ調製した。すなわち、エタノールに第5表記載量のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン及び、1,3−ブチレングリコール、パントテニルエチルエーテルを均一に攪拌混合し、溶解させ溶液Aとし、これとは別に、第5表記載量の精製水にプロシアニジン、クエン酸、クエン酸ナトリウムを均一に混合、溶解させ溶液Bとし、溶液Aに溶液Bを加え、攪拌、均一にして各育毛剤を調製した。
【0019】
【表5】

【0020】比較例1〜3及び実施例1〜9の組成の育毛剤について、前記載の毛髪のベタツキ試験及びゴワツキ試験、官能試験、育毛効果試験を実施し、その結果を第6表に記載する。
【0021】
【表6】

【0022】比較例において、プロシアニジンを含む育毛剤であり、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンを配合しないものは、摩擦力が高くなり、ベタツキが感じられることが分かる。更に毛髪の曲げ応力が大きくなり、ゴワツキが感じられることが分かる。比較例1の組成にポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンを配合した実施例1〜3において、プロシアニジンによる毛髪の摩擦力の増加及び曲げ応力の増加が抑えられ、官能評価においてもベタツキ感及びゴワツキ感が改善されていることが分かる。同様に実施例4〜6、及び実施例7〜9においても、それぞれ比較例2及び比較例3と比較すると、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンを配合することにより、プロシアニジンによる毛髪のベタツキ感、ゴワツキ感ともに改善されていることが分かる。
【0023】
【発明の効果】以上記載のごとく、この発明は、プロシアニジン配合育毛剤においてポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンを配合することにより、プロシアニジンの育毛効果に影響を与えることなく、使用感を改善し、ベタツキ感及びゴワツキ感のない優れた育毛剤を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】593106918
【氏名又は名称】株式会社ファンケル
【識別番号】000001029
【氏名又は名称】協和醗酵工業株式会社
【出願日】 平成12年7月24日(2000.7.24)
【代理人】 【識別番号】100075410
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 則昭 (外1名)
【公開番号】 特開2002−37715(P2002−37715A)
【公開日】 平成14年2月6日(2002.2.6)
【出願番号】 特願2000−221897(P2000−221897)