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【発明の名称】 皮膚外用剤
【発明者】 【氏名】正木 仁

【氏名】岡野 由利

【氏名】竹井 増美

【氏名】河合 徳久

【氏名】箕浦 克子

【要約】 【課題】皮膚の生理機能を活性化し、肌荒れや皮膚の老化の防止及び改善に有効な皮膚外用剤を得る。

【解決手段】チオレドキシン活性の高い酵母の抽出物より選択した1種又は2種以上を、皮膚外用剤基剤に含有させる。チオレドキシン活性の高い酵母としては、Saccharomyces cerevisiae Meyerより分離されたチオレドキシン高含有株が好ましく用いられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 チオレドキシン活性の高い酵母の抽出物より選択した1種又は2種以上を含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
【請求項2】 チオレドキシン活性の高い酵母が、Saccharomyces cerevisiae Meyerより分離されたチオレドキシン高含有株である、請求項1に記載の皮膚外用剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚の生理機能を活性化し、肌荒れや皮膚の老化の防止及び改善に有効な皮膚外用剤に関する。さらに詳しくは、チオレドキシン活性の高い酵母の抽出物より選択した1種又は2種以上を含有して成る皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】酵母抽出物は皮膚保湿効果や皮膚細胞賦活効果を有し、皮膚外用剤に汎用される成分であり、ヒアルロン酸産生促進効果を有することも報告されている(特開平8−163983)。しかしながら、酵母抽出物を配合したのみでは十分な作用効果を得ることができず、他の生理活性成分と組み合わせて配合されることが多かった。
【0003】一方、紫外線等種々のストレスや皮膚組織内代謝により生じる活性酸素種が、皮膚の機能低下や老化の発生及び進行に関与することが明らかになるにつれ、タンニン類,フラボノイド等のポリフェノール類や各種植物抽出処理物等、活性酸素種を消去する成分のスクリーニングが盛んに行われている。しかし、紫外線等や加齢による皮膚の機能低下や老化においては、活性酸素種の他に種々の要因が複雑に関与するため、単に活性酸素種を消去するのみでは皮膚の機能低下や老化を十分に防止或いは改善することは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明においては、紫外線等や加齢による皮膚の機能低下及び老化を有効に防止及び改善することのできる皮膚外用剤を得ることを目的とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するべく種々検討した結果、酵母においてチオレドキシン活性の高い株を見いだし、この抽出物を皮膚外用剤に配合したところ、非常に良好な皮膚機能活性化作用が得られ、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明においては、チオレドキシン活性の高い酵母の抽出物より選択した1種又は2種以上を、皮膚外用剤基剤に含有させる。なお、チオレドキシンはレドックス制御に関与するタンパク質であり、活性酸素種の消去作用を有することはすでに開示されている(特開平9−12471)。しかしながら、チオレドキシン活性の高い酵母の抽出物を用いた場合には、チオレドキシン以外の含有成分との併用効果により、予測を越える皮膚機能活性化作用が発揮されたのである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明においては、チオレドキシン活性の高い酵母の抽出物として、チオレドキシン活性が30ユニット/ml以上のものを用いる。抽出物を得るのに用いるチオレドキシン活性の高い酵母としては、パン酵母であるSaccharomyces cerevisiae Meyerより分離されたチオレドキシン高含有株が好ましく用いられる。
【0008】本発明において用いるチオレドキシン活性の高い酵母の抽出物としては、前記酵母の水性溶媒による抽出物や加熱抽出物、酵母を自己消化,酸加水分解又は酵素分解等により溶菌させた後ろ過したもの、或いは前記溶菌液を乾燥し、それより水性溶媒で抽出した物を用いることができる。
【0009】抽出溶媒としては、水の他、生理食塩水,リン酸緩衝液,リン酸緩衝生理食塩水等の水性溶媒を用いることができ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。酵母は乾燥及び/又は粉砕してから抽出に供してもよく、抽出溶媒中でホモジナイズしたり、超音波破砕を行ってもよい。また培地中で紫外線照射して、抽出物を得ることもできる。抽出温度としては、0℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが適切である。抽出時間は抽出溶媒の種類や抽出温度及び抽出方法によっても異なるが、1時間〜5日間程度とするのが好ましい。
【0010】酵母の上記極性溶媒による抽出物は、そのままでも本発明に係る皮膚外用剤に含有させることができるが、濃縮,乾固したり、又は濃縮,乾固物を水性溶媒に再度溶解したり、或いは皮膚機能活性化作用を損なわない範囲で脱色,脱臭,脱塩等の精製処理や分散処理を行った後に用いてもよい。また保存のため、精製処理の後凍結乾燥し、用時に溶媒に溶解して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて含有させることもできる。
【0011】なお、チオレドキシン活性の高い酵母の抽出物は、上記したようにして調製したものを用いてもよいが、一丸ファルコス株式会社より販売されている「イーストリキッドTRX」等の市販原料を用いてもよい。本発明においては、これら酵母抽出物より1種又は2種以上を選択して用いる。皮膚外用剤全量当たりの含有量としては特に限定されないが、その生理機能や皮膚外用剤製剤のバイオアベイラビリティから、0.0001〜10.0重量%程度とするのが適切である。
【0012】本発明に係る皮膚外用剤は、ローション剤,乳剤,ゲル剤,クリーム剤,軟膏剤,散剤,顆粒剤,粉末剤等の剤型で提供することができる。また、化粧水,乳液,クリーム,パック等の皮膚化粧料、メイクアップベースローション,メイクアップベースクリーム,乳液状,クリーム状,軟膏型,粉末状等のファンデーション,アイカラー,チークカラーといったメイクアップ化粧料、ハンドクリーム,レッグクリーム,ボディローション等の身体用化粧料などとしても提供することができる。
【0013】また本発明に係る皮膚外用剤には、チオレドキシン活性の高い酵母抽出物の1種又は2種以上の他に、油類,界面活性剤,保湿剤,エモリエント剤,顔料,香料,紫外線吸収剤,紫外線散乱剤,抗酸化剤,防菌防黴剤等の一般的な医薬品及び化粧料用原料や、活性酸素消去剤,抗炎症剤,美白剤,皮膚細胞賦活剤,抗変異原性作用を有する成分,紫外線による免疫機能低下抑制作用を有する成分等の生理活性成分をも含有させることができる。
【0014】さらに本発明の特徴について、実施例により詳細に説明する。
【0015】
【実施例】まず、本発明で用いるチオレドキシン活性の高い酵母抽出物の調製例を示す。
【0016】[チオレドキシン高活性酵母抽出物1]Saccharomyces cerevisiae Meyerより分離されたチオレドキシン高含有株の乾燥粉末200gに精製水2リットルを加え、室温にて24時間静置して自己消化を行わせた後、60℃〜80℃にて4時間処理した。次いでメンブランフィルターにてろ過,滅菌し、標記酵母抽出物とした。
【0017】[チオレドキシン高活性酵母抽出物2]Saccharomyces cerevisiae Meyerより分離されたチオレドキシン高含有株を培養し、菌体500gを精製水中にて自己消化させて得た溶菌液をメンブランフィルターにてろ過,滅菌し、濃縮した後凍結乾燥し、次いでこれをリン酸緩衝生理食塩水500ml中に浸漬し、15℃で3日間撹拌抽出した後、ろ過してろ液を回収し、標記酵母抽出物とした。
【0018】[チオレドキシン高活性酵母抽出物3]Saccharomyces cerevisiae Meyerより分離されたチオレドキシン高含有株を培養し、菌体500gを酸分解して得た溶菌液をメンブランフィルターにてろ過,滅菌し、ろ液を濃縮した後精製水500mlに溶解して、標記酵母抽出物とした。
【0019】[チオレドキシン高活性酵母抽出物4]Saccharomyces cerevisiae Meyerより分離されたチオレドキシン高含有株の乾燥粉末200gに精製水2リットルを加え、2時間加熱抽出を行った。抽出液を冷却した後メンブランフィルターにてろ過,滅菌し、ろ液を凍結乾燥して、標記酵母抽出物とした。
【0020】上記において調製したチオレドキシン高活性酵母抽出物について、タンパク質含量及びチオレドキシン活性を定量した結果を表1に示した。なお、チオレドキシン高活性酵母抽出物4については、1.0重量%水溶液について定量を行った。また比較のため、チオレドキシン活性を示す野生株のSaccharomyces cerevisiae Meyerの乾燥粉末200gに精製水2リットルを加え、室温にて24時間静置して自己消化を行わせた後、60℃〜80℃にて4時間処理し、メンブランフィルターにてろ過,滅菌して得た抽出物についての定量結果も併せて示した。
【0021】
【表1】

【0022】表1において、チオレドキシン高活性酵母抽出物はいずれも9.3mg/ml以上のタンパク質を含有し、32.5ユニット/ml以上のチオレドキシン活性を示していた。一方野生株の酵母抽出物では、タンパク質含量はチオレドキシン高含有株抽出物と同程度であったが、チオレドキシン活性は15.0ユニット/mlと、チオレドキシン高含有株抽出物の1/2以下であった。
【0023】次に、本発明に係る皮膚外用剤についての実施例の処方を示す。
【0024】
[実施例1] 化粧水(1)エタノール 20.00(重量%)
(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.00(3)香料 0.10(4)パラオキシ安息香酸メチル 0.10(5)ジプロピレングリコール 5.00(6)1,3-ブチレングリコール 10.00(7)チオレドキシン高活性酵母抽出物1 0.05(8)精製水 63.75製法:(1)に(2)〜(4)を添加して溶解し、アルコール相とする。一方、(8)に(5)〜(7)を順次溶解して水相とする。水相にアルコール相を添加し、撹拌,混合する。
【0025】
[実施例2] 水中油型乳液(1)オレイン酸オレイルエステル 5.0(重量%)
(2)ジメチルポリシロキサン 3.0(3)ワセリン 0.5(4)セタノール 1.0(5)ソルビタンセスキオレイン酸エステル 0.8(6)ポリオキシエチレン(20E.O.)オレイルエーテル 1.2(7)酢酸トコフェロール 0.2(8)ジプロピレングリコール 6.0(9)ヒドロキシエチルセルロース 0.3(10)パラオキシ安息香酸メチル 0.1(11)精製水 78.8(12)エタノール 3.0(13)チオレドキシン高活性酵母抽出物2 0.1製法:(1)〜(6)の油相成分を混合,加熱溶解して70℃とする。一方、(8)〜(11)の水相成分を混合,加熱溶解して70℃とし、これに前記油相を加えてホモジナイザーにて乳化し、冷却後40℃にて(12)及び(13)を順次添加,混合する。
【0026】
[実施例3] 水中油型クリーム剤(1)ミツロウ 6.0(重量%)
(2)セタノール 5.0(3)還元ラノリン 8.0(4)スクワラン 27.5(5)グリセリル脂肪酸エステル 4.0(6)親油型グリセリルモノステアリン酸エステル 2.0(7)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 5.0 モノラウリン酸エステル(8)プロピレングリコール 5.0(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1(10)精製水 37.0(11)チオレドキシン高活性酵母抽出物3 0.2(12)チオレドキシン高活性酵母抽出物4 0.2製法:(1)〜(7)の油相成分を混合,溶解して75℃とする。一方、(8)〜(10)の水相成分を混合,溶解して75℃に加熱する。次いで、この水相成分に前記油相成分を添加して予備乳化した後ホモミキサーにて均一に乳化し、冷却後40℃にて(11),(12)を添加,混合する。
【0027】
[実施例4] 油中水型日焼け止めクリーム(1)流動パラフィン 30.0(重量%)
(2)マイクロクリスタリンワックス 2.0(3)ワセリン 5.0(4)ジグリセリルジオレイン酸エステル 5.0(5)L-グルタミン酸ナトリウム 1.6(6)L-セリン 0.4(7)パラメトキシ桂皮酸オクチル 3.0(8)オキシベンゾン 2.0(9)4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン 0.5(10)シリコーン処理微粒子酸化チタン 3.0(11)プロピレングリコール 3.0(12)パラオキシ安息香酸メチル 0.1(13)チオレドキシン高活性酵母抽出物1 0.5(14)精製水 43.8(15)香料 0.1製法:(5),(6)を(14)の一部に溶解して50℃とし、あらかじめ50℃に加温した(4)に撹拌しながら徐々に添加する。これをあらかじめ混合し、70℃に加熱溶解した(1)〜(3)に均一に分散し、次いで(7)〜(10)を添加して均一に混合,分散する。これに、(11)〜(13)を(14)の残部に溶解して70℃に加熱したものを撹拌しながら添加し、ホモミキサーにて乳化する。冷却後、50℃にて(15)を添加,混合する。
【0028】
[実施例5] ゲル剤(1)ジプロピレングリコール 10.0(重量%)
(2)カルボキシビニルポリマー 0.5(3)水酸化カリウム 0.1(4)パラオキシ安息香酸メチル 0.1(5)精製水 88.6(6)チオレドキシン高活性酵母抽出物2 0.5(7)セイヨウトチノキ抽出物 0.2製法:(5)に(2)を均一に溶解した後、(1)に(4)を溶解して添加し、次いで(3)を加えて増粘させ、(6),(7)を順次添加,混合する。なお、セイヨウトチノキ抽出物は、セイヨウトチノキの実250gを乾燥,粉砕し、50容量%エタノール水溶液中に浸漬して20℃で5日間抽出し、ろ過して得た。
【0029】
[実施例6] リポソーム剤(1)グリセリン 2.0(重量%)
(2)1,3-ブチレングリコール 3.0(3)ポリオキシエチレン(25E.O.)オレイルエーテル 0.2(4)エタノール 10.0(5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1(6)香料 0.1(7)精製水 79.6(8)チオレドキシン高活性酵母抽出物4 5.0 内包リポソーム製法:(5),(6)を(4)に溶解し、(1)〜(3)とともに(7)に添加して均一に混合し、これに(8)を加えて分散する。なお、(8)のチオレドキシン内包リポソームは、チオレドキシン高活性酵母抽出物4の5.0重量%水溶液100mlに大豆レシチン80gを添加して55℃で懸濁し、次いで超音波処理してリポソームを調製し、遠心分離により回収して調製した。
【0030】
[実施例7] 水中油型乳剤型軟膏(1)白色ワセリン 25.00(重量%)
(2)ステアリルアルコール 25.00(3)グリセリン 12.00(4)ラウリル硫酸ナトリウム 1.00(5)リポ酸 0.02(6)パラオキシ安息香酸メチル 0.10(7)チオレドキシン高活性酵母抽出物3 0.15(8)精製水 36.73製法:(1)〜(5)の油相成分を混合,加熱して均一に溶解し、75℃とする。一方、(6)〜(8)の水相成分を混合,加熱して75℃とする。この水相成分に前記油相成分を撹拌しながら徐々に添加して乳化し、冷却する。
【0031】
[実施例8] メイクアップベースクリーム(1)ステアリン酸 12.0(重量%)
(2)セタノール 2.0(3)グリセリルトリ2-エチルヘキサン酸エステル 2.5(4)自己乳化型グリセリルモノステアリン酸 2.0 エステル(5)プロピレングリコール 10.0(6)水酸化カリウム 0.3(7)パラオキシ安息香酸メチル 0.1(8)精製水 68.4(9)酸化チタン 2.0(10)ベンガラ 0.4(11)黄酸化鉄 0.1(12)チオレドキシン高活性酵母抽出物1 0.1(13)香料 0.1製法:(1)〜(4)の油相成分を混合,溶解して75℃とする。一方、(5)〜(8)の水相成分を混合,加熱溶解し、これに(9)〜(11)の顔料成分を添加してホモミキサーにて均一に分散して75℃とする。次いで、この水相成分に前記油相成分を添加してホモミキサーにて均一に乳化し、冷却後40℃にて(12),(13)を添加,混合する。
【0032】
[実施例9] 美白用乳液状ファンデーション(1)ステアリン酸 2.00(重量%)
(2)スクワラン 5.00(3)ミリスチン酸オクチルドデシル 5.00(4)セタノール 1.00(5)デカグリセリルモノイソパルミチン酸エステル 9.00(6)1,3-ブチレンクリコール 6.00(7)水酸化カリウム 0.08(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.10(9)チオレドキシン高活性酵母抽出物2 0.01(10)精製水 53.51(11)酸化チタン 9.00(12)タルク 7.40(13)ベンガラ 0.50(14)黄酸化鉄 1.10(15)黒酸化鉄 0.10(16)香料 0.15(17)イタドリ抽出物 0.05製法:(1)〜(5)の油相成分を混合,溶解して75℃とする。一方、(6)〜(10)の水相成分を混合,加熱溶解し、これに(11)〜(15)の顔料成分を添加してホモミキサーにて均一に分散して75℃とする。次いで、この水相成分に前記油相成分を添加してホモミキサーにて均一に乳化し、冷却後40℃にて(16),(17)を添加,混合する。なお(17)のイタドリ抽出物は、イタドリの根250gを乾燥,粉砕し、50容量%エタノール水溶液1.5リットル中にて20℃で7日間浸漬した後、ろ過してろ液を回収して得た。
【0033】
[実施例10] 日焼け止め用油中水型クリーム状ファンデーション(1)流動パラフィン 5.00(重量%)
(2)デカメチルシクロペンタシロキサン 12.00(3)ポリオキシエチレン変性ジメチルポリ 4.00 シロキサン(4)パラメトキシ桂皮酸オクチル 5.00(5)オキシベンゾン 2.50(6)1,3-ブチレングリコール 5.00(7)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 2.00 モノラウリン酸エステル(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.10(9)チオレドキシン高活性酵母抽出物2 0.02(10)精製水 44.28(11)セリサイト 5.36(12)カオリン 4.00(13)微粒子酸化チタン 9.32(14)ベンガラ 0.36(15)黄酸化鉄 0.80(16)黒酸化鉄 0.16(17)香料 0.10製法:(6)〜(10)の水相成分を混合して70℃に加熱し、あらかじめ混合,粉砕した(11)〜(16)の粉体成分を添加し、ホモミキサーにて処理する。一方、(1)〜(5)の油相成分を混合,加熱して70℃として加え、70℃でホモミキサー処理する。次いで撹拌しながら冷却し、45℃にて(17)を加え、室温まで冷却して脱気後容器に充填する。
【0034】
[実施例11] パウダーファンデーション(1)流動パラフィン 5.0(重量%)
(2)ミリスチン酸オクチルドデシル 2.5(3)ワセリン 2.5(4)パラオキシ安息香酸メチル 0.1(5)香料 0.1(6)チオレドキシン高活性酵母抽出物4 0.1(7)ナイロンパウダー 10.0(8)マイカ 20.0(9)タルク 43.8(10)酸化チタン 9.9(11)ベンガラ 3.0(12)黄酸化鉄 2.5(13)黒酸化鉄 0.5製法:(6)〜(13)の粉体成分を混合し、粉砕機を通して粉砕する。これを高速ブレンダーに移し、(1)〜(5)を混合して加え、均一に混合する。これを粉砕機で処理し、ふるいを通し粒度をそろえた後、金皿に充填して圧縮成形する。
【0035】
[実施例12] ハンドクリーム(1)セタノール 4.00(重量%)
(2)ワセリン 2.00(3)流動パラフィン 10.00(4)グリセリルモノステアリン酸エステル 1.50(5)ポリオキシエチレン(60E.O.)グリセリル 2.50 イソステアリン酸エステル(6)酢酸トコフェロール 0.25(7)グリセリン 20.00(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.10(9)チオレドキシン高活性酵母抽出物1 0.15(10)チオレドキシン高活性酵母抽出物3 0.15(11)グリチルリチン酸ジカリウム 0.10(12)精製水 59.25製法:(1)〜(6)の油相成分を混合,溶解して75℃とする。一方、(7)〜(12)の水相成分を混合,加熱溶解して75℃とする。次いで、この水相成分に前記油相成分を添加してホモミキサーにて均一に乳化する。
【0036】上記した本発明に係る皮膚外用剤についての実施例のうち、実施例1〜実施例7及び実施例12について、中波長紫外線(UVB)による皮膚のしわ形成に対する抑制効果を評価した。その際各実施例において、それぞれ配合したチオレドキシン高活性酵母抽出物1〜4を、通常のチオレドキシン活性を示す野生株のSaccharomyces cerevisiae Meyerを用いて同様に調製した酵母抽出物に代替したものを比較例1〜比較例7及び比較例12とし、同時に評価を行った。評価は、ヘアレスマウス5匹を1群とし、各群について実施例及び比較例をそれぞれ1日1回背部に塗布し、100mJ/cm2/回のUVBを1週間に3回、20週間照射し、ヘアレスマウス皮膚におけるしわの形成状況を観察し、表2に示す判定基準に従って点数化して評価した。この際、精製水のみを塗布した群を対照とした。結果は各群の平均値を算出し、UVB照射日数との関係により表3に示した。
【0037】
【表2】

【0038】
【表3】

【0039】表3より明らかなように、対照においては、UVB照射日数が10週を越える頃には皮膚に形成されたしわの深さは中程度にまで達し、20週後には深いしわの形成が認められていた。これに対し本発明の実施例塗布群では、いずれにおいても20週後に微小或いは軽微なしわの形成を認めた程度で、しわの形成は顕著に抑制されていた。これに対し、野生株の酵母抽出物のみを含有する比較例1及び比較例3塗布群では明確なしわ形成抑制効果は見られず、さらに酢酸トコフェロール等を含有する比較例2及び比較例12と、酵母抽出物をリポソーム化して含有する比較例6塗布群においても、若干のしわ形成抑制効果が見られたのみであった。また、紫外線吸収剤やセイヨウトチノキ抽出物,リポ酸を含有する比較例4,比較例5及び比較例7塗布群では良好なしわ形成抑制効果が認められていたが、それぞれ対応する実施例塗布群に比べてその程度は小さかった。
【0040】続いて、本発明の実施例1〜実施例12について使用試験を行い、皮膚の老化症状及び肌荒れ症状の改善効果を評価した。その際、実施例8〜実施例11においても、各チオレドキシン高活性酵母抽出物を野生株のSaccharomyces cerevisiae Meyerにより同様に調製した酵母抽出物に代替して、比較例8〜比較例11とした。
【0041】皮膚の老化症状の改善効果は、小じわ形成及び皮膚弾性の低下が認められる40才代〜60才代の女性パネラー20名を1群とし、各群に実施例及び比較例のそれぞれをブラインドにて1日2回、2カ月間連続して使用させて評価した。小じわの程度については肉眼観察及び写真撮影により評価し、皮膚弾性についてはキュートメーターにより測定して、それぞれ使用試験開始前及び終了後の状態を比較し、「改善」,「やや改善」,「変化なし」の3段階で評価した。結果は、各評価を得たパネラー数にて表4に示した。
【0042】肌荒れ症状の改善効果は、顕著な肌荒れ症状を呈する20才代〜60才代の女性パネラー20名を1群とし、各群に実施例及び比較例のそれぞれをブラインドにて1日2回、2カ月間連続して使用させて評価した。使用試験開始前及び終了後の皮膚の状態を、表5に示す評価基準に従って評価,点数化し、20名の平均値を算出して表6に示した。
【0043】
【表4】

【0044】
【表5】

【0045】
【表6】

【0046】表4より明らかなように、本発明の実施例塗布群では、小じわについては30%以上、皮膚弾性については25%以上のパネラーにおいて明確な改善が認められており、症状の改善を認めないパネラーは存在しなかった。肌荒れ症状についても、表6に示されるように、全実施例塗布群で良好な改善が認められ、皮膚の状態はほぼ良好な状態まで改善されていた。
【0047】これに対し比較例塗布群では、表4より明らかなように、それぞれ対応する実施例塗布群に比べて小じわ及び皮膚弾性の改善の程度は小さいものであった。また表6より明らかなように、比較例1〜比較例3,比較例6,比較例8,比較例11及び比較例12塗布群では、肌荒れの改善は不十分で、比較例4,比較例5,比較例7,比較例9及び比較例10塗布群では良好な肌荒れ改善効果が認められたものの、それぞれ対応する実施例塗布群に比べてその程度は小さいものであった。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、皮膚の生理機能を活性化し、肌荒れや皮膚の老化の防止及び改善に有効な皮膚外用剤を得ることができた。
【出願人】 【識別番号】000135324
【氏名又は名称】株式会社ノエビア
【識別番号】000119472
【氏名又は名称】一丸ファルコス株式会社
【出願日】 平成12年7月24日(2000.7.24)
【代理人】 【識別番号】390000918
【氏名又は名称】竹井 増美
【公開番号】 特開2002−37709(P2002−37709A)
【公開日】 平成14年2月6日(2002.2.6)
【出願番号】 特願2000−221726(P2000−221726)