| 【発明の名称】 |
保湿組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】目片秀明
【氏名】寺内友広
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| 【要約】 |
【課題】各植物の各種抽出物を有効成分としてそれぞれに含有させた、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化剤、フィラグリン分解促進剤、NMF成分産生促進剤、それらの効果を有する植物抽出液を有効成分としてそれぞれに含有させた保湿組成物を提供する。
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 サクラ属植物、スミレ属植物、ノコギリソウ属植物、イトラン属植物、コゴメグサ属植物、モチノキ属植物およびイチョウ(Ginkgo biloba L.)からなる植物より、抽出された各種植物抽出物群より選択された1種または2種以上を有効成分として含有することを特徴とする保湿組成物。 【請求項2】 サクラ属植物、スミレ属植物、ノコギリソウ属植物、イトラン属植物、コゴメグサ属植物、モチノキ属植物およびイチョウ(Ginkgo biloba L.)からなる植物より、抽出された各種植物抽出物群より選択された1種または2種以上を有効成分として含有することを特徴とする自然保湿因子(NMF)成分産生促進剤を含有する保湿組成物。 【請求項3】 サクラ属植物、スミレ属植物、ノコギリソウ属植物、イトラン属植物、コゴメグサ属植物、モチノキ属植物およびイチョウ(Ginkgo biloba L.)からなる植物より、抽出された各種植物抽出物群より選択された1種または2種以上を有効成分として含有することを特徴とするフィラグリン分解促進剤を含有する保湿組成物。 【請求項4】 サクラ属植物、スミレ属植物、ノコギリソウ属植物、イトラン属植物、コゴメグサ属植物、モチノキ属植物およびイチョウ(Ginkgo biloba L.)からなる植物より、抽出された各種植物抽出物群より選択された1種または2種以上を有効成分として含有することを特徴とするペプチジルアルギニンデイミナーゼ(Peptidylarginine deiminase)活性の活性化剤を含有する保湿組成物。 【請求項5】 サクラ属植物が、サクラ属のサクラ{ソメイヨシノ(Prunus yedoensis Matsum.)}、アンズ(Prunus armeniaca L.)、ウメ(Prunus mume Sieb.)、スモモ(Prunus salicina Lindl.)、モモ(Prunus persica Batsch.)、イヌザクラ(Prunus buergeriana Miq.)、ウワミズザクラ(Prunus grayana Maxim.)、シウリザクラ(Prunus ssiori Fr. Schm)、エゾノウワミズザクラ(Prunus padus L.)、バクチノキ(Prunus zippeliana Miq.)、リンボク(Prunusspinulosa Sieb.)、ユスラウメ(Prunus tomentosa Thunb.)、ニワウメ(Prunus japonica Thunb.)、ニワザクラ(Prunus glandulosa)、セイヨウミザクラ(Prunus avium L.)、ミヤマザクラ(Prunus maximowiczii Rupr.)、チョウジザクラ(Prunus apetala)、マメザクラ(Prunus incisa Thunb.)、カンヒザクラ(Prunus cerasoides var. campanulata)、エドヒガン(Prunus pendula f.ascendens)、タカネザクラ(Prunus nipponica Matsum.)、オオシマザクラ(Prunus lannesiana Wilson var. speciosa Makino)、オオヤマザクラ(Prunus sargentii Rehd.)、カスミサクラ(Prunus verecunda)、ヤマザクラ(Prunus jamasakura Sieb.)、ヤエザクラ(Prunus donarium Sieb.)、シダレザクラ(Prunus itosakura Sieb.)、ヒガンザクラ(Prunus subhirtella Miq.)、メジロザクラ(Prunus apetala Franch.)、スミセイヨウミザクラ(Prunus cerasus L.)より選ばれた植物であることを特徴とする、請求項1〜請求項4記載の保湿組成物。 【請求項6】 スミレ属植物が、スミレ属のスミレ(Viola mandshurica W. Becker)、ニオイスミレ(Viola odorata L.)、サンシキスミレ(Viola tricolorL.)、コスミレ(Viola japonica Langsd.)、ノジスミレ(Viola yedoensis Makino)、ニョイスミレ(Viola verecunda A.Gray)、ツクシスミレ(Viola diffusa Gingins)、シロスミレ(Viola patrinii DC.)、エゾノタチツボスミレ(Viola acuminata Ledeb.)、ネパールスミレ(Viola betonicifolia Smith subsp. Nepalensis W. Becker)、シロバナスミレ(Viola patrinii DC.ex Gingins)、マルバケスミレ(Viola collina Bess.)、フキスミレ(Viola diamantiacaNakai)、タチツボスミレ(Viola grypoceras A.Gray)、地草果(Viola philippica Cav. Subsp. Malesica W. Becker)、スミレサイシン(Viola vaginita Maxim)、ツボスミレ(Viola vercunda A.Gray)、イチゲキスミレ(Viola orientalis W. Becker)、タデスミレ(Viola thibaudieri Franch. et Sav.)、オオタチツボスミレ(Viola kusanoana Makino)、ヒメスミレサイシン(Viola yamazawana Makino)、ゲンジスミレ(Viola variegata Fischer)、ケマルバスミレ(Viola keiskei Makino)、ヒメキクバスミレ(Viola ibukiana Makino)より選ばれた植物であることを特徴とする、請求項1〜請求項4記載の保湿組成物。 【請求項7】 ノコギリソウ属植物が、ノコギリソウ属のノコギリソウ(Achillea alpina L.)、セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium L.)、エゾノコギリソウ、キバナノコギリソウより選ばれた植物であることを特徴とする、請求項1〜請求項4記載の保湿組成物。 【請求項8】 イトラン属植物が、イトラン属の(Yucca mohavensis Sarg)、キミガヨラン(Yucca recurvifolia Salisb)、イトラン(Yucca smalliana Fernald)、アツバキミガヨラン(Yucca gloriosa L.)より選ばれた植物であることを特徴とする、請求項1〜請求項4記載の保湿組成物。 【請求項9】 コゴメグサ属植物が、コゴメグサ属の(Euphrasia officinalisL.)、タチコゴメグサ(Euphrasia maximowicizii Wettstein)、ホソバコゴメグサ(Euphrasia insignis Wettstein var.japonica Ohwi)、ヒナコゴメグサ(Euphrasia yabeana Nakai)より選ばれた植物であることを特徴とする、請求項1〜請求項4記載の保湿組成物。 【請求項10】モチノキ属植物が、モチノキ属の苦丁茶{大葉モチ(Ilex latifolia Thunb.)}、モチノキ(Ilex integra Thunb.)、アマミヒイラギモチ(Ilex dimorphophylla Koidz.)、ツゲモチ(Ilex goshiensis Hayata)、ヒメモチ{Ilex leucoclada(Maxim.)Makino)、シイモチ(Ilex buergeri Miq.)、オオシイバモチ(Ilex warburgii Loes.)、シマモチ(Ilex mertensii Maxium.)、リョウキョウモチ(Ilex liukiuensis Loes.)、ツルツゲ(Ilex rugosa Fr.Schm. var. hondoensis Yamazali)、タマミズキ(Ilex micrococca Maxim.)、ウメモドキ(Ilex serrata Thunb.)、ミヤマウメモドキ(Ilex nipponica Makino)、フウリンウメモドキ(Ilex geniculata Maxim)、アオハダ(Ilex macropoda Miq.)、ヒロハタマミズキ(Ilex macrocarpa Oliver)、セイヨウヒイラギ(Ilex aquifolium L.)、マテチャ(Ilex paraguariensis A. St. Hil.)、イヌツゲ(Ilex crenata Thunb.)、ナガバイヌツゲ(Ilex maximowiczicziana Loes.)、ムニンイヌツゲ(Ilex matanoana Makino)、ナナミノキ(Ilex chinensis Sims)、クロソヨゴ(Ilex sugerokii Maxim.)、ソヨゴ(Ilex pedunculosaMiq.)、クロガネモチ(Ilex rotunda Thunb.)より選ばれた植物であることを特徴とする、請求項1〜請求項4記載の保湿組成物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、各種植物から抽出したペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化剤または、フィラグリン分解促進剤または、自然保湿因子(NMF)成分産生促進剤を有効成分とする皮膚の水分保持機能を亢進させ、皮膚の保湿、肌荒れ予防・改善等などの美肌効果、老化防止効果に優れた化粧料に関するものである。特に、本発明にかかる化粧料は、皮膚などの美肌効果、老化防止効果に優れた化粧料の提供を主たる目的とするものであるが、さらには本発明の利用分野は前記化粧料の化粧品分野にとどまるものではなく、医薬品および食品等々の各種技術分野にも広く応用できるものである。 【0002】 【従来の技術】 角質層の水分量は肌の状態と密接な関係があり、肌が健康的できれいな状態であるためには少なくとも角質層に適切な水分量が存在しなくてはならない。角質層の水分量は化粧品学的に肌にしなやかさ、なめらかさ、柔軟性、あるいはみずみずしさ、透明感等を付与しており、肌のきれいさを演出している根源であると言える。すなわち、角質層の水分量は皮膚の美肌効果に非常に重要な役割りを果たしている。また、角質層が10〜20%の水分を保持し、正常な生理機能が維持されるためには、水の他表皮脂質、細胞間脂質、NMF成分の皮膚上、皮膚内での極めて巧みな共同作業がなされている。そしてこれらの要因のひとつが欠けても肌荒れが生じるといわれている。したがって、皮膚外用剤、特に基礎化粧品においてはこれらの要因を補充する意味でヒアルロン酸やコラーゲン等の保湿剤やNMF成分を配合している。しかしながら、このような成分を皮膚に適用しても、その効果は低く、また一時的であり、皮膚の乾燥、皮膚の保湿能、肌荒れ、皮膚の老化を本質的に予防または改善させるというものではなかった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 従来の保湿剤は、水分を閉じ込める脂質類や吸・保湿性を高める湿潤剤を用いた肌の状態の一時的な改善を目的としたものであった。しかしながら、肌の一時的な状態の改善だけでなく、本質的に角質層の水分保持機能を亢進させるような生体成分(特にNMF成分)の産生を促すような機能を与え、総合的そして恒常的に肌の状態の向上を目的とするような新しい保湿剤が望まれていた。 【課題を解決するための手段】 【0004】 そこで、本発明者等は、角質層の水分保持機能を最大限に引き出すために皮膚内のNMF成分の産生を促す新しい保湿剤について鋭意研究を重ねた。その結果、各植物抽出物群の中から、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ(Peptidylarginine deiminase)活性を活性化することにより、フィラグリンの分解が促進され、それにより、皮膚内NMF成分の産生が促進し、高い保湿効果が得られることを見出し、新しい保湿剤としてこれらを有効成分とする化粧料を提供することで、本発明を完成するに至った。 【0005】 すなわち、本発明者らは、サクラ属植物、スミレ属植物、ノコギリソウ属植物、イトラン属植物、コゴメグサ属植物、モチノキ属植物およびイチョウ(Ginkgo biloba L.)からなる植物より、抽出された各種植物抽出物群より選択された1種または2種以上を有効成分として含有することを特徴とするペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化剤または、フィラグリン分解促進効剤または、NMF成分産生促進剤を有効成分とする保湿組成物を提供することで、この発明を完成するに至った。以下に本発明に至る経過を説明する。 【0006】 角質層は外部環境に水分が存在すると、その水分を吸湿する機能を有している。この機能を主に司るのがNMF成分である。NMFの主成分は各種アミノ酸とピロリドンカルボン酸(PCA)から構成されている。NMF成分中の遊離アミノ酸やPCAの皮膚内産生経路としては、表皮細胞の角化過程において表皮顆粒層に存在するケラトヒアリン顆粒で産生されるプロフィラグリンが角化する時に、脱リン酸化とプロテアーゼの作用で分解され、フィラグリンというタンパク質を遊離し、そのフィラグリンのアルギニン残基がペプチジルアルギニンデイミナーゼという酵素によってシトルリン残基になる等の修飾を受けて、フィラグリンが徐々にケラチン繊維の間からはずれ、分解されてNMF成分が作り出される。その証拠にフィラグリンの構成アミノ酸組成は、NMF成分のアミノ酸組成とほぼ同じであることが知られている。 【0007】 乾皮症患者や高齢者(乾燥皮膚)の角質層の遊離アミノ酸量が減少していることが報告されており、また角質層アミノ酸の前駆体であると考えられるフィラグリンがアトピー性皮膚炎患者の表皮中で減少していることが報告されている。さらには、角質層の水分保持機能はフィラグリンの分解が十分に行われている皮膚表面ほど高いことが報告されている。 【0008】 以上の皮膚内代謝経路を考慮すると、角質層の水分保持機能を亢進させるためには、皮膚内でNMF成分の産生を促進させることが最も有効であると考えられる。すなわち、フィラグリンの分解を促進させてNMF成分を産生促進することである。そのフィラグリンの分解を促進させるためには、ペプチジルアルギニンデイミナーゼの酵素活性を活性化することが有効であると考えられる。つまり、角質層のペプチジルアルギニンデイミナーゼの酵素活性を活性化することが、フィラグリンの分解促進につながり、皮膚内NMF成分の産生に導かれる。さらに詳しくいうと、角質層のペプチジルアルギニンデイミナーゼの酵素活性を活性化することにより、フィラグリンが分解されて、皮膚中にフィラグリンの残存量が少なくなる。すると、生体反応においてフィラグリンを産生しようとする方向に進むので、ますますNMF成分の産生の方向に導かれて、角質層の水分保持機能が亢進され、皮膚の乾燥を防ぎ、皮膚の保湿能を高め、肌荒れ、皮膚の老化を本質的に予防または改善させることができると考えられる。 【0009】 そこで、本発明にかかる、天然物(植物)からの各種抽出物群より得られたペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化剤または、フィラグリン分解促進剤または、NMF成分産生促進剤を有効成分とする保湿化粧料は、次のような観点により利用性がある。つまり本発明は、角質層の遊離アミノ酸量が減少している乾皮症患者や高齢者(乾燥皮膚)、または角質層アミノ酸の前駆体であると考えられるフィラグリンが表皮中で減少しているアトピー性皮膚炎患者および皮膚の乾燥に悩んでいる人々の角質層の水分保持機能を亢進させ、皮膚の乾燥を防ぎ、皮膚の保湿能を高め、肌荒れ、皮膚の老化を本質的に予防または改善させるのに有効であると考えられる。さらにまた、本発明にかかるペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化剤、フィラグリン分解促進剤、NMF成分産生促進剤の各有効成分は、前記化粧料の化粧品分野のみならず医薬や食品の技術分野にも広くその利用の途を拓くものである。 【0010】 【発明の実施の形態】 本発明にかかるペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化剤または、フィラグリン分解促進効剤または、NMF成分産生促進剤を有効成分とする組成物には、各植物の各種抽出物群より選択された1種または2種以上が有効成分として含有する。 【0011】 本発明に用いられるサクラ属植物は、例えば、サクラ属のサクラ{ソメイヨシノ(Prunus yedoensis Matsum.)}、アンズ(Prunus armeniaca L.)、ウメ(Prunus mume Sieb.)、スモモ(Prunus salicina Lindl.)、モモ(Prunus persica Batsch.)、イヌザクラ(Prunus buergeriana Miq.)、ウワミズザクラ(Prunus grayana Maxim.)、シウリザクラ(Prunus ssiori Fr. Schm)、エゾノウワミズザクラ(Prunus padus L.)、バクチノキ(Prunus zippeliana Miq.)、リンボク(Prunus spinulosa Sieb.)、ユスラウメ(Prunus tomentosa Thunb.)、ニワウメ(Prunus japonica Thunb.)、ニワザクラ(Prunus glandulosa)、セイヨウミザクラ(Prunus avium L.)、ミヤマザクラ(Prunus maximowiczii Rupr.)、チョウジザクラ(Prunus apetala)、マメザクラ(Prunusincisa Thunb.)、カンヒザクラ(Prunus cerasoides var. campanulata)、エドヒガン(Prunus pendula f. ascendens)、タカネザクラ(Prunus nipponicaMatsum.)、オオシマザクラ(Prunus lannesiana Wilson var. speciosa Makino)、オオヤマザクラ(Prunus sargentii Rehd.)、カスミサクラ(Prunus verecunda)、ヤマザクラ(Prunus jamasakura Sieb.)、ヤエザクラ(Prunus donarium Sieb.)、シダレザクラ(Prunus itosakura Sieb.)、ヒガンザクラ(Prunussubhirtella Miq.)、メジロザクラ(Prunus apetala Franch.)、スミセイヨウミザクラ(Prunus cerasus L.)等が挙げられるが、サクラ属に属する植物であれば特にこの植物に限定されるものではない。 【0012】 本発明に用いられるスミレ属植物は、例えば、スミレ属のスミレ(Viola mandshurica W. Becker)、ニオイスミレ(Viola odorata L.)、サンシキスミレ(Viola tricolor L.)、コスミレ(Viola japonicaLangsd.)、ノジスミレ(Viola yedoensis Makino)、ニョイスミレ(Viola verecunda A.Gray)、ツクシスミレ(Viola diffusa Gingins)、シロスミレ(Viola patrinii DC.)、エゾノタチツボスミレ(Viola acuminata Ledeb.)、ネパールスミレ(Viola betonicifolia Smith subsp. Nepalensis W. Becker)、シロバナスミレ(Viola patrinii DC.ex Gingins)、マルバケスミレ(Viola collina Bess.)、フキスミレ(Viola diamantiaca Nakai)、タチツボスミレ(Viola grypoceras A.Gray)、地草果(Viola philippica Cav. Subsp. Malesica W. Becker)、スミレサイシン(Viola vaginita Maxim)、ツボスミレ(Viola vercunda A.Gray)、イチゲキスミレ(Viola orientalis W. Becker)、タデスミレ(Viola thibaudieri Franch. et Sav.)、オオタチツボスミレ(Viola kusanoana Makino)、ヒメスミレサイシン(Viola yamazawana Makino)、ゲンジスミレ(Viola variegata Fischer)、ケマルバスミレ(Viola keiskei Makino)、ヒメキクバスミレ(Viola ibukiana Makino)等が挙げられるが、スミレ属に属する植物であれば特にこの植物に限定されるものではない。 【0013】 本発明に用いられるノコギリソウ属植物は、例えば、ノコギリソウ属のノコギリソウ(Achillea alpina L.)、セイヨウノコギリソウ(Achilleamillefolium L.)、エゾノコギリソウ、キバナノコギリソウ等が挙げられるが、ノコギリソウ属に属する植物であれば特にこの植物に限定されるものではない。 【0014】 本発明に用いられるイトラン属植物は、例えば、イトラン属の(Yucca mohavensis Sarg)、キミガヨラン(Yucca recurvifolia Salisb)、イトラン(Yucca smalliana Fernald)、アツバキミガヨラン(Yucca gloriosa L.)等が挙げられるが、イトラン属に属する植物であれば特にこの植物に限定されるものではない。 【0015】 本発明に用いられるコゴメグサ属植物は、例えば、コゴメグサ属の(Euphrasia officinalis L.)、タチコゴメグサ(Euphrasia maximowiciziiWettstein)、ホソバコゴメグサ(Euphrasia insignis Wettstein var.japonicaOhwi)、ヒナコゴメグサ(Euphrasia yabeana Nakai)等が挙げられるが、コゴメグサ属に属する植物であれば特にこの植物に限定されるものではない。 【0016】 本発明に用いられるモチノキ属植物は、例えば、モチノキ属の苦丁茶{大葉モチ(Ilex latifolia Thunb.)}、モチノキ(Ilex integra Thunb.)、アマミヒイラギモチ(Ilex dimorphophylla Koidz.)、ツゲモチ(Ilex goshiensis Hayata)、ヒメモチ{Ilex leucoclada (Maxim.)Makino)、シイモチ(Ilex buergeri Miq.)、オオシイバモチ(Ilex warburgii Loes.)、シマモチ(Ilex mertensii Maxium.)、リョウキョウモチ(Ilex liukiuensis Loes.)、ツルツゲ(Ilex rugosa Fr. Schm. var. hondoensis Yamazali)、タマミズキ(Ilex micrococca Maxim.)、ウメモドキ(Ilex serrata Thunb.)、ミヤマウメモドキ(Ilex nipponica Makino)、フウリンウメモドキ(Ilex geniculata Maxim)、アオハダ(Ilex macropoda Miq.)、ヒロハタマミズキ(Ilex macrocarpaOliver)、セイヨウヒイラギ(Ilex aquifolium L.)、マテチャ(Ilex paraguariensis A. St. Hil.)、イヌツゲ(Ilex crenata Thunb.)、ナガバイヌツゲ(Ilex maximowiczicziana Loes.)、ムニンイヌツゲ(Ilex matanoana Makino)、ナナミノキ(Ilex chinensis Sims)、クロソヨゴ(Ilex sugerokii Maxim.)、ソヨゴ(Ilex pedunculosa Miq.)、クロガネモチ(Ilex rotunda Thunb.)等が挙げられるが、モチノキ属に属する植物であれば特にこの植物に限定されるものではない。 【0017】 本発明で利用しうる各植物の各種抽出物は、各植物の花、全草またはその葉、枝、樹皮、根等の1または2以上の箇所(以下「原体」と称する)を乾燥し、または乾燥することなく粉砕した後、水および/またはメタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコールまたは低級アルコール水溶液、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、または多価アルコール水溶液、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、酢酸エチル等のアルキルエステル、ベンゼン、ヘキサン等の炭水化物、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化アルカン等を単独および/または2種類以上の溶媒を任意に組み合わせて使用することができる。 【0018】 本発明で利用しうる各植物の抽出液は、植物原体1に対して、抽出溶媒は1〜100倍量で浸し、加温または常温で抽出し、各種抽出液を得た。そして、各種抽出物は、減圧濃縮した後、凍結乾燥して、それぞれの抽出物を得た。 【0019】 本発明にかかるペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化剤、フィラグリン分解促進剤、NMF成分産生促進剤である各種有効成分(各植物の各種抽出物)の配合量(含有量)は、前記有効成分の種類および/またはその組合せ、ならびにその使用目的、実施態様、使用形態、使用回数等々に応じて変動させることができるので、特に限定されるものではない。原則的には、有効量存在すればよいことになるが、各種植物抽出物の含有量は、固形分として好ましくは0.0001〜10重量%(以下、単に「%」で示す)の範囲であり、より好ましくは0.001〜5%の範囲である。この範囲であれば、本発明の効果がより顕著に発現する。含有量が0.0001%未満であると充分な効果が発揮されず、10%以上加えても効果はほぼ一定である。抽出液を使用する場合は、溶質である乾燥固形物の含有量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度は何ら限定されるものではない。さらにまた、本発明にかかる有効成分(各植物の各種抽出物)は1種類でも作用効果を発揮することができるが、2種類以上の有効成分を適宜組み合わせて利用することより、優れた相乗効果を奏することができる。もとより、本発明にかかる有効成分(各植物の各種抽出物)は、公知の保湿剤(ヒアルロン酸等のムコ多糖類、コラーゲン等のタンパク質、セリン等のアミノ酸、グリセリン、トレハロース等の多価アルコールまたは糖類、およびそれらの誘導体、尿素、リン脂質、糖脂質、セラミドの1種または2種以上)と併用することにより優れた相乗効果を奏することもできる。 【0020】 本発明にかかる化粧料の適用範囲は、特に限定されない。つまり、本発明の有効成分が有する作用効果に応じて各作用効果を利用できる全ての化粧料に適用できる。 【0021】 例えば、本発明にかかる各種有効成分の1種または2種以上を各種化粧料基剤などに配合して、クリーム、乳液、化粧水、パック剤、洗顔料などの各種基礎化粧料、ファンデーション、ほほ紅、口紅、白粉などの各種メーキャップ料、洗髪料、養毛剤、シャンプー、リンスなどの各種頭髪用化粧料、石鹸、美爪料、オーデコロンなどその他化粧料に対して広範囲に適用できるが、ここに挙げた例に限定されるものではない。また、前記各種化粧料の実施態様は、溶液、エマルジョン、軟膏、オイル、ワックス、ゾル、ゲル、パウダー、スプレーなどの各種態様で適用できるが、ここに挙げた例に限定されるものではない。 【0022】 次に、実施例によりこの発明をさらに詳細に説明するが、この発明はこれらの実施例により制限されるものではない。なお、実施例中の部は、特に断りのない限り重量部を示す。 【0023】 【実施例1】A.各種植物抽出物の調製例(1)調製例1(水抽出物) 前記各植物の原体5gを円筒濾紙に入れ、精製水100mlに浸し、60℃で14時間加熱抽出してロ液を得た。この操作を3回繰り返し、全てのロ液を合せて凍結乾燥して各植物の水抽出物を得た。 【0024】(2)調製例2(各種50容量%エタノール水溶液抽出物) 前記各植物の原体5gを円筒濾紙に入れ、50容量%エタノール水溶液100mlに浸し、60℃で19時間加熱抽出してロ液を得た。この操作を3回繰り返し、全てのロ液を合せて凍結乾燥して各植物の50容量%エタノール水溶液抽出物を得た。 【0025】(3)調製例3(各種50容量%酢酸エチルエタノール溶液抽出物) 前記水抽出物における抽出操作において、水の代わりに酢酸エチル:エタノールの1:1容量比の溶液を使用した。全ての抽出液を合せて可能な限り溶媒を留去、濃縮した後、各植物の各種50容量%酢酸エチルエタノール溶液抽出物を得た。 【0026】 B.ペプチジルアルギニンデイミナーゼの活性測定方法ペプチジルアルギニンデイミナーゼは、次の反応を触媒する。 アルギニン残基+H2O → シトルリン残基+NH3ペプチジルアルギニンデイミナーゼは、表1.に示した反応液を用いて55℃で30分反応させた後、0.1mlの60%(w/v)過塩素酸を添加して反応を停止した後、0.2mlの75mM2,3-ブタンジオンモノオキシム(BMO)を使ってシトルリン残基を発色させて波長490nmにおける吸光度を測定した。検量線は1mMのL-シトルリンを用いた。 【0027】 酵素1uintは、pH7.2、55℃で、1時間あたりにベンゾイルアルギニンエチルエステル(N-α-Benzoyl-L-Arginine Ethyl Ester)から生成する1μmolのベンゾイルシトルリンエチルエステル(N-α-Benzoyl-L-Citrulline EthylEster)の量とした。 【0028】 【表1】
【0029】 それぞれの0.1mg/ml供試料液(各植物の各種抽出物50容量%エタノール水溶液)について、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性を比較評価した。なお、対照区(ブランク)として50容量%エタノール水溶液を試験に供した。 【0030】 【表2】
【0031】 表2は本発明にかかる植物の各種植物抽出物を添加した場合のペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性を測定した結果である。前記表2におけるペプチジルアルギニンデイミナーゼ相対活性率(%)が100%以上の値を示す植物抽出物に対して、本発明にかかる「ペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化剤」、「フィラグリン分解促進剤」、「NMF成分産生促進剤」、「保湿剤」として有効な植物抽出物であることが認められた。すなわち、本発明にかかる各種植物の各種抽出物にペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化効果、言い換えると、フィラグリン分解促進効果、NMF成分産生促進効果が認められた。特にサクラ属植物(ソメイヨシノ)、サクラ属植物(ヤエザクラ)、イチョウ(Ginkgo biloba L.)の抽出物では、その効果は非常に高かった。よって、植物抽出物群としては、サクラ属植物、スミレ属植物、ノコギリソウ属植物、イトラン属植物、コゴメグサ属植物、モチノキ属植物およびイチョウ(Ginkgo biloba L.)からなる植物より、抽出された各種植物抽出物群より選択された1種または2種以上を有効成分として含有することを特徴とするペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化剤、フィラグリン分解促進剤、NMF成分産生促進剤を有効成分とする保湿組成物が提供できる。 【0032】 本発明にかかる各植物の抽出物は、いずれも複合物であり、前述のとおり、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化、フィラグリン分解促進、NMF成分産生促進、保湿効果があり、また熱安定性も良く、安全性の高い化粧料を提供することができるという卓越した特性を有する。 【0033】 【作用】 本発明にかかる各植物の各種抽出物は、前述のとおり、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化効果を有し、安全性が高く、かつ安定であるペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化剤または、フィラグリン分解促進剤または、NMF成分産生促進剤を有効成分とする化粧料を提供することができ、よって皮膚の水分保持機能を亢進させ、皮膚の乾燥を防ぎ、皮膚の保湿能を高め、肌荒れ、皮膚の老化を本質的に予防または改善させることができる。 【0034】 【実施例2】 【保湿効果確認試験】累積塗布におけるヒトによる保湿効果本発明にかかる各植物の各種抽出物は、前述のとおり、インビトロ(in vitro)試験においては、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化効果を有し、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化剤または、フィラグリン分解促進剤または、NMF成分産生促進剤として有効であることがわかった。そこで、これら有効成分を配合した化粧料を作成し、被験者に連続塗布して、インビボ(in vivo)での効果を調べる目的で、ヒトによる保湿効果確認試験を行った。被験者として、各試料ごとに軽度の弱乾性肌である22〜59歳の女性64名をそれぞれ無作為にA群(16名を2組)、B群(16名を2組)に分け、A群には顔面左側に下記比較品1を、顔面右側に下記本発明品1または本発明品2を、B群には顔面左側に下記比較品2を、顔面右側に下記本発明品1または本発明品2を1日2回(朝、夜)連続1ヶ月間それぞれ使用してもらい、表3、表4に示すような項目、(イ)かさつき、(ロ)しっとり感について評価してもらった。尚、本発明品1に配合した披験物質としては、本発明効果の最も高かったサクラ(ソメイヨシノ)固形分1重量%の50容量%エタノール水溶液抽出物(表3)と本発明品2に配合した披験物質としては、本発明効果の最も低かったコゴメグサ属の(Euphrasia officinalis L.)固形分1重量%の50容量%エタノール水溶液抽出物(表4)を用いた。また、比較品2に配合した披験物質としては、公知の保湿剤の代表として、ヒアルロン酸固形分1重量%水溶液を用いた。本発明の実施例と比較対象のための比較例について、処方と製法を記す。本発明品1、2と比較品1、2の化粧水についての処方をまとめて表5に示す。 【0035】 【表3】
【0036】 【表4】
【0037】 【表5】
【0038】(製法)エチルアルコールに活性剤(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O))、防腐剤を加えて均一に溶解する。これに、あらかじめ溶解していた水層部(精製水、被験物質、グリセリン)を加え溶解する。 【0039】結果は表3、表4より明らかなように、サクラ(ソメイヨシノ)抽出物、コゴメグサ(Euphrasia officinalis L.)抽出物を配合した本発明の化粧水は、皮膚に連用することにより、かさつき、しっとり感のいずれの項目においても対照品(ブランク)である比較品1より高い保湿・肌荒れ改善効果が認められた。また、さらに公知の保湿剤の代表であるヒアルロン酸配合のものより、優れた保湿・肌荒れ改善効果が認められた。特にサクラ(ソメイヨシノ)抽出物配合の本発明品1は、かさつきとしっとり感の項目で改善の度合いが著しく高かった。 【0040】 次に、本発明にかかるペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性の活性化剤、フィラグリン分解促進剤、NMF成分産生促進剤である新しい保湿剤を用いて、本発明にかかる化粧料を作製した。なお、配合割合は重量部である。下記に処方例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。 【0041】 【表6】処方例1 【0042】 【表7】処方例2 【0043】 【表8】処方例3 【0044】 【表9】処方例4 【0045】 【表10】処方例5 【0046】 【表11】処方例6 【0047】 【表12】処方例7 【0048】 【表13】処方例8 【0049】 【表14】処方例9 【0050】 【表15】処方例10 【0051】 【表16】処方例11 【0052】 【表17】処方例12 【0053】 【表18】処方例13 【0054】 【表19】処方例14 【0055】 【表20】処方例15 【0056】(製法)各処方例とも、前記原料を精製水に加え均一に混合する。 【0057】 【表21】処方例16 【0058】 【表22】処方例17 【0059】(製法)各処方例とも、前記水相の原料を混合し、加熱して80℃に保ち水相部とする。一方、油相の原料を混合し、加熱溶解して80℃として油相部とする。この油相部を前述の水相部に加えて乳化し、30℃まで冷却し化粧用クリームを得る。 【0060】 【表23】処方例18 【0061】 【表24】処方例19 【0062】 【表25】処方例20 【0063】(製法)各処方例とも、前記水相の原料を混合し、加熱して80℃に保ち水相部とする。一方、他の原料を混合し、加熱溶解して80℃として油相部とする。この油相部を前述の水相部に加えて乳化し、30℃まで冷却し化粧用乳液を得る。 【0064】 【表26】処方例21 【0065】 【表27】処方例22 【0066】 【表28】処方例23 【0067】(製法)各処方例とも、水相の原料を混合し、均一にする。さらに他の原料を混合し、均一になるまで攪拌してパック剤を得る。 【0068】 【表29】処方例24 【0069】 【表30】処方例25 【0070】(製法)油相の一部と粉体を3本ロールミルにかけ、残りの油相を加え加熱溶解させ、80℃に保つ。次に、加熱溶解した水相を徐々に加えて80℃で乳化し、これを攪拌しながら室温まで冷却して、クリーム状ファンデーションを得る。 【0071】 【発明の効果】 各植物の各種抽出物が有するペプチジルアルギニンデイミナーゼ活性を活性化する作用を示すフィラグリン分解促進、NMF成分産生促進効果の特性に基づき、皮膚の水分保持機能を亢進させ、皮膚の乾燥を防ぎ、皮膚の保湿能を高め、肌荒れ、皮膚の老化を本質的に予防または改善させるのに有効である優れた保湿組成物が提供できる。しかも、前記保湿組成物は、各植物の各種抽出物に含まれる天然物であるために安全、熱などに安定であり、副作用も少なく、化粧料はもとより医薬・食品の技術分野等にも広く途を拓くなど、発明の目的を達成する顕著な効果を奏でる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591230619 【氏名又は名称】株式会社ナリス化粧品
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| 【出願日】 |
平成12年7月10日(2000.7.10) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−20225(P2002−20225A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月23日(2002.1.23) |
| 【出願番号】 |
特願2000−208284(P2000−208284) |
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