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【発明の名称】 化粧料
【発明者】 【氏名】大村 孝之

【氏名】志田 智隆

【氏名】難波 富幸

【要約】 【課題】新規な皮膜剤を開発し、化粧品に応用を図ることを目的とする。

【解決手段】一分子中にカルボキシル基と第三級アミノ基を有するとともに、下記の一般式(1)で表される化合物から誘導される構造単位を有する両性ウレタン樹脂を配合することを特徴とする化粧料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一分子中にカルボキシル基と第三級アミノ基を有するとともに、下記の一般式(1)で表される化合物から誘導される構造単位を有する両性ウレタン樹脂を配合することを特徴とする化粧料。
【化1】

[式中、R1は炭素数1〜24のアルキル基を示す。R2〜R4は−Cn2n−(ただし、nは1〜3の整数を示す。)を示し、R2〜R4は互いに同一であっても異なっていてもよい。R5は−Cn2n−(ただし、nは3〜5の整数を示す。)を示す。また、R6〜R9は炭素数1〜20のアルキル基を示し、R6〜R9は互いに同一であっても異なっていてもよい。R10はメチル基またはエチル基を示す。mは1〜200の整数を示す。]【請求項2】 化粧料が毛髪化粧料である請求項1記載の化粧料。
【請求項3】 前記両性ウレタン樹脂を毛髪化粧料全量中0.1〜10.0重量%配合することを特徴とする請求項2記載の毛髪化粧料。
【請求項4】 化粧料がメーキャップ化粧料である請求項1記載の化粧料。
【請求項5】 前記両性ウレタン樹脂をメーキャップ化粧料全量中0.1〜25.0重量%配合することを特徴とする請求項4記載のメーキャップ化粧料。
【請求項6】 化粧料がパック・マスク剤である請求項1記載の化粧料。
【請求項7】 前記両性ウレタン樹脂をパック・マスク剤全量中0.1〜25.0重量%配合することを特徴とする請求項6記載のパック・マスク剤。
【請求項8】 化粧料が皮膚外用剤である請求項1記載の化粧料。
【請求項9】 前記両性ウレタン樹脂を皮膚外用剤全量中0.1〜15.0重量%配合することを特徴とする請求項8記載の皮膚外用剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリシロキサン鎖を持つ両性の新規ウレタン系高分子を配合した化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】化粧料の中には、毛髪化粧料、美爪料、パック剤、眉目用化粧料等皮膜特性を活用した化粧料が多くある。例えば、毛髪化粧料においてはヘアスタイルを整えるための重要な成分となっており、従来、上記成分として、アニオン、ノニオンあるいは両性のアクリル系ポリマー、ビニルピロリドン系ポリマー、カチオン性のビニルピロリドン系あるいはセルロース系のポリマー等が配合されている。また、美爪料においては、皮膜形成剤、皮膜形成助剤としてニトロセルロース、アクリル系ポリマー等、パック剤においては、皮膜形成剤として、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等、マスカラ、アイライナー等の眉目用化粧料においては、皮膜形成剤として、アクリル系ポリマー、ポリ酢酸ビニル等が配合されている。
【0003】しかしながら、いずれも消費者のニーズに合致した商品を提供するにあたって必ずしも充分な皮膜形成剤が開発されているわけではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、新規な皮膜剤を開発し、化粧品に応用を図ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定のポリシロキサンのグラフト鎖を持つ新規な両性ウレタン系高分子からなる新規な皮膜剤を開発することにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】本発明に用いられるウレタン系高分子は、ポリシロキサンを含む鎖をグラフトするセグメントの、主鎖部の炭素原子にアルキル基を、又グラフト鎖にエーテル基を持つことと、一分子中にカルボキシル基とアミノ基を同時に持つことが構造上の特徴である。
【0007】従来、ポリシロキサン鎖を持つウレタン系高分子を配合した化粧料は、例えば特開平9−12425号公報にある。しかしながら、このウレタン系高分子にはポリシロキサン鎖をグラフトするセグメントの主鎖部の炭素原子にアルキル基がなく、グラフト鎖にエーテル基がない点と、両性でなく、アニオン性基とカチオン性基が一分子中に共存していない点で相違しており、上記特開平9−12425号公報のものでは本発明の構造上の特徴がなく本発明の効果を発揮することはできない。
【0008】すなわち、本発明は、一分子中にカルボキシル基と第三級アミノ基を有するとともに、下記の一般式(1)で表される化合物から誘導される構造単位を有する両性ウレタン樹脂を含有することを特徴とする化粧料である。
【0009】
【化2】

【0010】[式中、R1は炭素数1〜24のアルキル基を示す。R2〜R4は−Cn2n−(ただし、nは1〜3の整数を示す。)を示し、R2〜R4は互いに同一であっても異なっていてもよい。R5は−Cn2n−(ただし、nは3〜5の整数を示す。)を示す。また、R6〜R9は炭素数1〜20のアルキル基を示し、R6〜R9は互いに同一であっても異なっていてもよい。R10はメチル基またはエチル基を示す。mは1〜200の整数を示す。]【0011】本発明において、好ましく適用される化粧料は、毛髪化粧料、メーキャップ化粧料、パック・マスク剤及び皮膚外用剤であり、特に両性ウレタン樹脂を毛髪化粧料全量中0.1〜10.0重量%配合した毛髪化粧料、両性ウレタン樹脂をメーキャップ化粧料全量中0.1〜25.0重量%配合したメーキャップ化粧料、両性ウレタン樹脂をパック・マスク剤全量中0.1〜25.0重量%配合したパック・マスク剤及び両性ウレタン樹脂を皮膚外用剤全量中0.1〜15.0重量%配合した皮膚外用剤であることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について詳述する。
【0013】まず、本発明に用いられる両性ウレタン樹脂について詳述する。
【0014】本発明に用いられる両性ウレタン樹脂は、一分子中にカルボキシル基と、第三級アミノ基と、特定のポリシロキサン鎖とを有する両性ウレタン樹脂であり、好ましくは、少なくとも下記の(A)〜(E)成分を反応させて得られるものである。
(A)ポリオール化合物(B)ポリイソシアネート化合物(C)上記一般式(1)で表される化合物(D)活性水素とカルボキシル基を有する化合物(E)活性水素と第三級アミノ基を有する化合物【0015】上記ポリオール化合物(A成分)としては、通常のポリウレタンの製造に使用されるものであれば特に限定はなく、例えば、ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアクリル酸エステル系ポリオール等が挙げられ、これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いられる。中でも、ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールが好適に用いられる。
【0016】上記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、スピログリコール、トリメチロールプロパン、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
【0017】上記ポリエステルポリオールとしては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸の少なくとも1種と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、スピログリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールの少なくとも1種とを縮重合させて得られるものやラクトン酸の開環重合により得られるもの等が挙げられる。
【0018】上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、上記ポリエステルポリオールの合成に使用する多価アルコールの他、ビスフェノールA等のフェノール類、または第一級アミン類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、オキセタン、テトラヒドロフラン等の環状エーテルを開環付加重合させて得られるものが使用でき、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシテトラメチレンポリオール、ビスフェノールAにプロピレンオキサイドまたはエチレンオキサイドの少なくとも一方を開環付加重合させたもの(共重合体の場合は、ブロック共重合体、ランダム共重合体のいずれでもよい。)等が挙げられる。
【0019】上記ポリイソシアネート化合物(B成分)としては、特に限定はなく、例えば、脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環式ジイソシアネート化合物、芳香族ジイソシアネート化合物等の有機ジイソシアネート化合物が挙げられ、これらは単独で、もしくは2種以上を併せて用いられる。
【0020】上記脂肪族ジイソシアネート化合物としては、例えば、エチレンジイソシアネート、2,2,4ートリメチルヘキサメチレンジイソシアネート,1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。上記脂環式ジイソシアネート化合物としては、例えば、水素添加4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。上記芳香族ジイソシアネート化合物としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。これらの中でも、耐光性に優れ、かつ、低価格である点で、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が好ましい。
【0021】上記ポリイソシアネート化合物(B成分)のモル比は、B成分/(A+C+D+E成分)=2/0.8〜2/1.8の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくはB成分/(A+C+D+E成分)=2/1〜2/1.8である。
【0022】上記ポリオール化合物(A成分)及びポリイソシアネート化合物(B成分)とともに用いられる化合物(C成分)は、下記の一般式(1)で表される構造である。
【0023】
【化3】

【0024】[式中、R1は炭素数1〜24のアルキル基を示す。R2〜R4は−Cn2n−(ただし、nは1〜3の整数を示す。)を示し、R2〜R4は互いに同一であっても異なっていてもよい。R5は−Cn2n−(ただし、nは3〜5の整数を示す。)を示す。また、R6〜R9は炭素数1〜20のアルキル基を示し、R6〜R9は互いに同一であっても異なっていてもよい。R10はメチル基またはエチル基を示す。mは1〜200の整数を示す。]【0025】上記一般式(1)において、R1で表される炭素数1〜24のアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれでもよいが、直鎖状のものが好ましく、アルキル基の炭素数は1〜10が好ましい。また、一般式(1)において、R6〜R9で表される炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれでもよいが、直鎖状のものが好ましく、アルキル基の炭素数は1〜10が好ましい。さらに、上記一般式(1)における繰り返し数mは、一般式(1)で表される化合物(C成分)の分子量が500〜12000の範囲になるように設定することが好ましく、より好ましくは化合物(C成分)の分子量が700〜10000の範囲になるように設定される。
【0026】また、各シロキサン結合のSiに結合するアルキル基としては、炭素数1〜20のものであり、好ましくは炭素数1〜5である。なお、上記ポリシロキサン化合物は、各シロキサン結合のSiに結合するアルキル基の炭素数が異なるものが混在したものであっても差し支えない。
【0027】上記一般式(1)で表される化合物(C成分)としては、下記の構造式(2)または構造式(3)で表される化合物が好ましい。
【0028】
【化4】

【0029】
【化5】

【0030】そして、上記一般式(1)で表される化合物(C成分)は、例えば、下記に示すヒドロシリル化反応により製造することができる。
【0031】
【化6】

【0032】[上記反応式中、R17は−Cn2n−(ただし、nは1〜3の整数を示す。)を示し、他の記号は一般式(1)と同様である。]
【0033】上記触媒としては、白金、塩化白金酸等のヒドロシリル化触媒が用いられる。
【0034】上記一般式(1)で表される化合物(C成分)のモル比は、C成分/B成分=0.01/2〜0.5/2の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくはC成分/B成分=0.01/2〜0.3/2の範囲である。
【0035】上記活性水素とカルボキシル基を有する化合物(D成分)は、分子内に少なくとも1つの活性水素と、少なくとも1つのカルボキシル基を有する化合物であれば特に限定はないが、下記の一般式(4)で表される化合物であることが好ましい。
【0036】
【化7】

【0037】[式中、R11は炭素数1〜24のアルキル基を示す。R12、R13は−Cn2n−(ただし、nは1〜3の整数を示す。)を示し、R12、R13は互いに同一であっても異なっていてもよい。]【0038】特に、ジメチロール、ジエタノール、ジプロパノール等のジアルキロール基を持った炭素数3〜26、好ましくは3〜12のカルボン酸が好適な例として挙げられる。具体的な例としては、例えば、ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、ジメチロールブタン酸等が挙げられる。また、カルボキシル基含有ポリカプロラクトンジオールも好ましく用いられる。これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いられる。
【0039】上記活性水素と第三級アミノ基を有する化合物(E成分)は、分子内に少なくとも1つの活性水素と、少なくとも1つの第三級アミノ基を有する化合物であれば特に限定されるものではないが、下記の一般式(5)で表される化合物であることが好ましい。
【0040】
【化8】

【0041】[式中、R14は炭素数1〜24のアルキル基を示す。R15、R16は−Cn2n−(ただし、nは1〜3の整数を示す。)を示し、R15、R16は互いに同一であっても異なっていてもよい。]【0042】特に、上記D成分と同じジアルキロール基を持った、例えば、N−メチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン化合物、ジメチルアミノエタノール等が好適な例として挙げられる。N−アルキルのアルキル基は、炭素数1〜24が好ましく、特に1〜8が好ましい。これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いられる。
【0043】なお、上記両性ウレタン樹脂としては、構造中にアルキレンオキサイド(RO)から誘導される構造単位を有するものを用いることが、化粧料の安定性、特性の向上の点から好ましい。上記ROから誘導される構造単位としては、例えば、エチレンオキサイド(以下、「EO」と略す)単位や、プロピレンオキサイド(以下「PO」と略す)単位等が挙げられ、好ましくはEO単位である。
【0044】なお、上記両性ウレタン樹脂は、EO単位とPO単位の双方を有していてもよい。上記EO単位とPO単位の比率は、重量基準で、EO単位/PO単位=10/0〜2/8の範囲が好ましく、特に好ましくはEO単位/PO単位10/0〜4/6である。
【0045】EO単位の繰り返し数nは、3〜300の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは20〜120である。すなわち、nが3未満であると、両性ウレタン樹脂に導入されるEO単位が少なすぎるため、充分な親水性が付与できず、逆に、nが300を越えると、両性ウレタン樹脂自身の親水性が強くなりすぎ、耐湿性等に悪影響を及ぼす恐れがあるからである。また、PO単位の繰り返し数mも、m=3〜300の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくはm=20〜120である。なお、上記EO単位とPO単位の双方を有する場合は、n+m=3〜300の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくはn+m=20〜120である。
【0046】上記構造中にアルキレンオキサイド(RO)から誘導される構造単位を有する化合物としては、前記両性ウレタン樹脂の構造中に、エチレンオキサイド(EO)から誘導される構造単位を導入できるものであれば特に限定するものではなく、また、A成分中のポリエーテルポリオールと重複してもよく、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(EO/POブロックコポリマー)等が挙げられ、好ましくはポリエチレングリコールが用いられる。なお、ポリアルキレンオキサイド基を誘導するものとしては、両末端OH基導入タイプ、両末端NH2基導入タイプ、片末端OH基導入タイプ、片末端NH2基導入タイプのいずれのタイプのポリアルキレンオキサイド誘導体であってもよい。そして、上記両末端OH基導入タイプまたは両末端NH2基導入タイプを用いた場合は、EO単位を主鎖中に有する両性ウレタン樹脂が得られる。また、片末端OH基導入タイプまたは片末端NH2基導入タイプを用いた場合には、EO単位を側鎖もしくは末端に有する両性ウレタン樹脂が得られる。
【0047】上記ポリアルキレンオキサイド誘導体の分子量は、200〜20000の範囲が好ましく、特に好ましくは1000〜10000である。
【0048】本発明においては、ポリオール化合物(A成分)と、ポリイソシアネート化合物(B成分)と、上記一般式(1)で表される化合物(C成分)と、活性水素とカルボキシル基を有する化合物(D成分)とその他必要に応じてA成分以外のポリアルキレンオキサイド誘導体とを、イソシアネート基過剰にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを作製した後、このイソシアネート基含有プレポリマーと、活性水素と第三級アミノ基を有する化合物(E成分)とを反応させることにより製造することができる。あるいは、上記両性ウレタン樹脂は、上記特定のD成分とE成分との反応順序を入れ換え、すなわち、上記A成分とB成分とC成分とE成分とその他必要に応じてA成分以外のポリアルキレンオキサイド誘導体とを、イソシアネート基過剰にて反応させてイソシアネート基含有プレポリマーを作製した後、このイソシアネート基含有プレポリマーと、上記特定のD成分とを反応させることにより製造することもできる。なお、上記製法において、A成分、B成分およびC成分と共に、特定のD成分およびE成分の双方を同時に反応させると、D成分中のカルボキシル基と、E成分中の第三級アミノ基とが先に塩を形成して反応系に不溶となり、OH基があってもイソシアネート化合物との反応が起こらなくなり、目的とする両性ウレタン樹脂を製造することはできない。また、上記必要に応じて添加するA成分以外のポリアルキレンオキサイド誘導体は、イソシアネート基含有プレポリマーを作製した後に添加してもよい。
【0049】なお、上記各成分を用いてイソシアネート基含有プレポリマーを作製する際には、最終的製品である両性ウレタン樹脂の諸特性を調整する目的で鎖延長または分子量抑制剤を使用することができる。上記鎖延長剤としては、特に限定はなく、例えば、低分子ポリオール、アミン類等が挙げられる。上記低分子ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、スピログリコール、シクロヘキシルジメタノール、水素添加ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、キシリレングリコール等のグリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリン等のトリオールが挙げられる。上記アミン類としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ピペラジン、ヒドラジン、イソホロンジアミン、メチレン(ビス−o−クロルアニリン)、両末端アミノ基含有ポリプロピレングリコール等が挙げられる。また、上記分子量抑制剤としては、例えば、片末端アミノ基含有ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
【0050】上記両性ウレタン樹脂を製造する際には、必要に応じて溶剤を使用することができ、例えば、原料および生成するポリウレタンの双方を溶解する有機溶剤を使用することが好ましい。上記有機溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、その他セロソルブアセテートやセロソルブエーテル等が挙げられる。
【0051】また、上記両性ウレタン樹脂を製造する製造する際、その分子中に組み込まれたカルボキシル基または第三級アミノ基を中和剤で中和することにより、水への分散性を付与させることができる。上記カルボキシル基に対する中和剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリメチルアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリエタノールアミン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。例えば、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、ジメチル硫酸等が挙げられる。
【0052】また、 上記両性ウレタン樹脂を製造する際には、ポリウレタンの分野で周知の重合触媒を使用することができ、例えば、第三級アミン触媒、有機金属触媒等を用いることができる。上記第三級アミン触媒としては、例えば、[2,2,2]ジアザビシクロオクタン(DABCO)、テトラメチレンジアミン、N−メチルモルフォリン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)等が挙げられる。上記有機金属触媒としては、例えば、ジブチルチンジラウレート等が挙げられる。
【0053】本発明の化粧料においては、両性ウレタン樹脂を水性液として用いることが好ましい。なお、本発明において、水性液とは、両性ウレタン樹脂が水に完全に溶解した水溶液状態はもちろん、両性ウレタン樹脂が水中に分散した水分散液状態(水分散物、マイクロエマルジョン等)を含む趣旨である。なお、上記両性ウレタン樹脂の水性液には、シランカップリング剤等の架橋剤を添加して架橋性を付与することも可能である。また、保存安定を付与するために種々の添加剤を加えることも自由であり、例えば、保護コロイド剤、抗菌剤、防カビ剤等が挙げられる。
【0054】以下に、具体的な両性ウレタン樹脂の製造例を挙げる。
[製造例1;両性ウレタン樹脂(A)]攪拌装置、温度計、窒素導入管および還流冷却器を備えたガラス製4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(IPDI)70g、ポリエステルポリオール(1,6−ヘキサンジオールアジペート、分子量2000)220g、前記構造式(2)で表される化合物(片末端OH基導入タイプ、分子量約1000)8g及びジメチロールブタン酸(DMBA)14gを入れ、溶剤として酢酸エチル50gを加え、オイルバスを使用して80℃に加熱して4時間反応させた。その後、N−メチルジエタノールアミン(NMDEtA)2gならびに酢酸エチル60gを追加して、さらに80℃にて2時間反応させ、NCO基残存したプレポリマーを得た。このNCO基残存したプレポリマーを50℃まで冷却した後、これにトリエチルアミン9gを含む水900gを高速撹拌下で加えて分散させ、さらに50℃にて3時間鎖延長反応を行って高分子量化させた。得られた水性液より上記酢酸エチルを回収し、実質的に溶剤を含まない両性ウレタン樹脂の水性液を得た。この両性ウレタン樹脂は、ウレタン樹脂の主鎖を構成する特定の炭素原子(4価)にアルキル基(−C25)とポリシロキサン鎖の双方がグラフトした構造である。
【0055】[製造例2;両性ウレタン樹脂(B)]上記構造式(2)で表される化合物に代えて、前記構造式(3)で表される化合物を用いる以外は、製造例1と同様にして両性ウレタン樹脂の水性液を得た。この両性ウレタン樹脂は、ウレタン樹脂の主鎖を構成する特定の炭素原子(4価)にアルキル基(−C919)とポリシロキサン鎖の双方がグラフトした構造である。
【0056】[製造例3;両性ウレタン樹脂(C)]前記構造式(2)で表される化合物の配合量を16gに増量した以外は、製造例1と同様にして両性ウレタン樹脂の水性液を得た。この両性ウレタン樹脂は、ウレタン樹脂の主鎖を構成する特定の炭素原子(4価)にアルキル基(−C25)とポリシロキサン鎖の双方がグラフトした構造である。
【0057】[製造例4;両性ウレタン樹脂(D)]攪拌装置、温度計、窒素導入管および還流冷却器を備えたガラス製4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(IPDI)70g、ポリエステルポリオール(1,6−ヘキサンジオールアジペート、分子量2000)220g、前記構造式(2)で表される化合物(片末端OH基導入タイプ、分子量約1000)16g、トリメチロールプロパン1g及びジメチロールブタン酸(DMBA)14gを入れ、溶剤として酢酸エチル50gを加え、オイルバスを使用して80℃に加熱して4時間反応させた。その後、N−メチルジエタノールアミン(NMDEtA)2gならびに酢酸エチル60gを追加して、さらに80℃にて2時間反応させ、NCO基残存したプレポリマーを得た。このNCO基残存したプレポリマーを50℃まで冷却した後、これにトリエチルアミン9gを含む水900gを高速撹拌下で加えて分散させ、さらに50℃にて3時間鎖延長反応を行って高分子量化させた。得られた水性液より上記酢酸エチルを回収し、実質的に溶剤を含まない両性ウレタン樹脂の水性液を得た。この両性ウレタン樹脂は、ウレタン樹脂の主鎖を構成する特定の炭素原子(4価)にアルキル基(−C25)とポリシロキサン鎖の双方がグラフトした構造であり、かつ、架橋構造を有している。
【0058】[製造例5;両性ウレタン樹脂(E)]上記構造式(2)で表される化合物を配合しない以外は、製造例1と同様にして両性ウレタン樹脂の水性液を得た。この両性ウレタン樹脂は、アルキル基及びポリシロキサン鎖のいずれもがグラフトしていない構造である。
【0059】[製造例6;両性ウレタン樹脂(F)]上記構造式(2)で表される化合物に代えて、下記構造の化合物(片末端OH基導入タイプ、分子量約1000)を用いる以外は、製造例1と同様にして、両性ウレタン樹脂の水性液を得た。この両性ウレタン樹脂は、ウレタン樹脂の主鎖を構成する特定の炭素原子(3価)にポリシロキサン鎖のみがグラフトし、アルキル基はグラフトしていない構造である。
【0060】
【化9】

【0061】[製造例7;両性ウレタン樹脂(G)]製造例6の化9で表される化合物の配合量を16gに増量した以外は、製造例6と同様にして両性ウレタン樹脂の水性液を得た。この両性ウレタン樹脂は、ウレタン樹脂の主鎖を構成する特定の炭素原子(3価)にポリシロキサン鎖のみがグラフトし、アルキル基はグラフトしていない構造である。
【0062】[製造例8;両性ウレタン樹脂(H)]製造例6の化9で表される化合物8gに代えて、1、2−ドデカンジオール2gを用いる以外は、製造例6と同様にして両性ウレタン樹脂の水性液を得た。この両性ウレタン樹脂は、アルキル基のみがグラフトし、ポリシロキサン鎖はグラフトしていない構造である。
【0063】次に、前記新規両性ウレタン樹脂を含有する化粧料について詳述する。
【0064】本発明の化粧料は、前記両性ウレタン樹脂を化粧料の一成分として配合して定法により得ることができる。特に、本発明により、両性ウレタン樹脂の機能的皮膜特性を発揮する、優れた化粧料が得られる。化粧料としては、特に限定されず、例えば、整髪剤、ヘアコンディショニング等の毛髪化粧料、マスカラ、アイライナー、美爪料、ファンデーション、口紅等のメーキャップ化粧料、パック・マスク剤、シェービング剤、クリーム剤、乳液、ローション、エッセンス(美容液)等の皮膚外用剤、芳香化粧品,ボディ化粧品等として広く適用可能である。
【0065】また、化粧料の剤型も、溶液系、可溶化系、乳化系、泡状、粉末系、粉末分散系、油液系、ジェル系、軟膏系、エアゾール系、スプレー状、ポンプスプレー状、水−油2層系、水−油−粉末3層系等、幅広い剤型を採り得る。
【0066】本発明における上記両性ウレタン樹脂の配合量は、化粧料によって異なり特に限定することができない。例えば、毛髪化粧料の皮膜形成剤として用いるならば、有効分として、化粧料全量中0.1〜10.0重量%が好ましい。さらに好ましくは、0.5〜8.0重量%である。また、マスカラ、アイライナー、美爪料、ファンデーション、口紅等のメーキャップ化粧料の場合は、有効分として、化粧料全量中0.1〜25.0重量%が好ましい。また、パック・マスク剤の場合は、有効分として、化粧料全量中0.1〜25.0重量%が好ましい。また、シェービング剤、クリーム剤、乳液、ローション、エッセンス(美容液)等の皮膚外用剤の場合は、有効分として、化粧料全量中0.1〜15.0重量%が好ましい。
【0067】本発明の化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で上記した成分の他に通常化粧品や医薬品等に用いられる他の成分を配合することができる。例えば、油分、粉末成分、界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、糖類、アミノ酸類(アルギニン誘導体等を除く)、有機アミン類、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン類、酸化防止剤、香料、水等が挙げられる。
【0068】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明の化粧料を具体的に説明する。配合量は重量%である。
【0069】まず、本発明化粧料の特徴を示すために、毛髪化粧料化粧料であるスタイリングムースを例にとって評価テストを行った。表1及び表2に示す処方により実施例及び比較例のスタイリングムースを製造し、弾力性、フレーキング、乳化安定性について、以下の基準により評価した。結果を併せて表1及び表2に示す。
【0070】(製法)乳化部は、(2)、(3)、(4)、一部の(19)に(1)を添加し、ホモミキサーにより乳化する。次いで、一部の(18)を加えて乳化部とする。エタノール部は、(5)、(15)〜(17)を攪拌溶解する。水相部は、(19)に(6)〜(14)、(18)を添加し、攪拌し、均一とする。ムース原液としては、上記3つの部を適宜混合して得る。得られたムース原液92部をエアゾール缶に入れ、弁をし、液化石油ガス(LPG)8部を充填し、各スタイリングムースを得た。
【0071】(弾力性;カールメモリー法)黒色バージンヘア(長さ20cm,重さ4g)に、調製したスタイリングムースを0.5g塗布し、1試料当たり、5本のカールを作製し、これを50℃で1時間乾燥させた。このカールした毛髪ストランドの長さを測定して、初期値(c)とする。次に、毛先に60gの荷重を15分間かけ、15分後に荷重を外し、毛先の目盛りを読みとる(d)。次式に従い、カールメモリー値を算出した。
カールメモリー値(%)={(20−d)/(20−c)}×100上記カールメモリー値が100%に近いほどカール保持率が強く、弾力性に優れることを示している。なお、評価基準は以下のように設定した。
◎:90%以上○:70〜90%未満△:50〜70%未満×:50%未満【0072】(フレーキング)黒色バージンヘア(長さ20cm,重さ4g)に、調製したスタイリングムースを0.5g塗布し、これを50℃で1時間乾燥させ、次いで、温度25℃,湿度60%RHの恒温恒湿器に30分放置した。この毛髪ストランドに櫛を5回通したときのフレーキングの状態を目視により観察した。評価基準は以下のように設定した。
◎:まったくフレーキングが見られない○:フレーキングが見られない△:すこしフレーキングが見られる×:フレーキングしている【0073】(安定性)スタイリングムース30個を透明な容器で製造し、サイクル温度試験(50℃、〜−10℃、2サイクル/日、一ヶ月間)を行い、分離、クリミング、凝集等がないかを専門研究員が目視で観察し、以下の評価法に従い評価した。
◎:分離、クリミング、凝集等が見られる試料が、0個である。
○:分離、クリミング、凝集等が見られる試料が、1個である。
△:分離、クリミング、凝集等が見られる試料が、2個である。
×:分離、クリミング、凝集等が見られる試料が、3個以上である。
【0074】
【表1】
――――――――――――――――――――――――――――――――――― 実施例 ―――――――――――――――――― 1 2 3 4―――――――――――――――――――――――――――――――――――(1)シ゛メチルホ゜リシロキサン(6mPa・s) 5.0 5.0 5.0 5.0(2)1,3-フ゛チレンク゛リコール 5.0 5.0 5.0 5.0(3)ク゛リセリン 5.0 5.0 5.0 5.0(4)ホ゜リオキシエチレン硬化ヒマシ油 2.0 2.0 2.0 2.0 (40EO)(5)エタノール 10.0 10.0 10.0 10.0(6)両性ウレタン樹脂(A) 15.0 ― ― ― (有効分20%) (7)両性ウレタン樹脂(B) ― 15.0 ― ― (有効分20%) (8)両性ウレタン樹脂(C) ― ― 15.0 ― (有効分20%) (9)両性ウレタン樹脂(D) ― ― ― 15.0 (有効分20%) (10)両性ウレタン樹脂(E) ― ― ― ― (有効分20%) (11)両性ウレタン樹脂(F) ― ― ― ― (有効分20%) (12)両性ウレタン樹脂(G) ― ― ― ― (有効分20%) (13)両性ウレタン樹脂(H) ― ― ― ― (有効分20%) (14)N-メタクリロイルオキシ-N,N-シ゛メチル ― ― ― ―アンモニウム-α-N-メチルカルホ゛キシヘ゛タイン/メタクリルアルキルエステル共重合体(商品名:ユカフォーマーSM、有効分30%,三菱化学社製)(15)特ラウリンシ゛エタノールアマイト゛ 0.2 0.2 0.2 0.2 (1:1型)
(16)塩化アルキルトリメチルアンモニウム 0.1 0.1 0.1 0.1(17)ハ゜ラヘ゛ン 0.1 0.1 0.1 0.1(18)ホ゜リオキシエチレンラウリルエーテル 0.4 0.4 0.4 0.4 (12EO) (19)イオン交換水 残部 残部 残部 残部――――――――――――――――――――――――――――――――――――弾力性 ○ ○ ◎ ○フレーキング ○ ○ ○ ◎安定性 ○ ○ ◎ ○――――――――――――――――――――――――――――――――――――【0075】
【表2】
―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 比較例 ―――――――――――――――――――― 1 2 3 4 5――――――――――――――――――――――――――――――――――――(1)シ゛メチルホ゜リシロキサン(6mPa・s) 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0(2)1,3-フ゛チレンク゛リコール 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0(3)ク゛リセリン 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0(4)ホ゜リオキシエチレン硬化ヒマシ油 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 (40EO)(5)エタノール 10.0 10.0 10.0 10.0 100(6)両性ウレタン樹脂(A) ― ― ― ― ― (有効分20%) (7)両性ウレタン樹脂(B) ― ― ― ― ― (有効分20%) (8)両性ウレタン樹脂(C) ― ― ― ― ― (有効分20%) (9)両性ウレタン樹脂(D) ― ― ― ― ― (有効分20%) (10)両性ウレタン樹脂(E) 15.0 ― ― ― ― (有効分20%) (11)両性ウレタン樹脂(F) ― 15.0 ― ― ― (有効分20%) (12)両性ウレタン樹脂(G) ― ― 15.0 ― ― (有効分20%) (13)両性ウレタン樹脂(H) ― ― ― 15.0 ― (有効分20%) (14)N-メタクリロイルオキシ-N,N-シ゛メチル ― ― ― ― 10.0アンモニウム-α-N-メチルカルホ゛キシヘ゛タイン/メタクリルアルキルエステル共重合体(商品名:ユカフォーマーSM、有効分30%,三菱化学社製)(15)特ラウリンシ゛エタノールアマイト゛ 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 (1:1型)
(16)塩化アルキルトリメチルアンモニウム 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1(17)ハ゜ラヘ゛ン 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1(18)ホ゜リオキシエチレンラウリルエーテル 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 (12EO) (19)イオン交換水 残部 残部 残部 残部 残部――――――――――――――――――――――――――――――――――――弾力性 △ △ △ △ △フレーキング × × △ △ △安定性 △ ○ △ ○ △――――――――――――――――――――――――――――――――――――【0076】表1の実施例1〜4から明らかなように、本発明のスタイリングムースは、弾力性、フレーキング、安定性の評価結果共に優れていることが分かる。これに対して、表2から明らかなように、シリコーン鎖がない両性ウレタン樹脂配合の場合(比較例1)弾力性、フレーキング、安定性が充分でなく、シリコーン鎖をグラフトするセグメントの主鎖にアルキル基がない両性ウレタン樹脂配合の場合(比較例2)、フレーキングが悪く、弾力性も充分でなく、これにシリコーン鎖含有量を増やしても(比較例3)、弾力性、フレーキング、安定性が充分でなく、また、長いアルキル鎖を付けてもシリコーン鎖がない両性ウレタン樹脂配合の場合(比較例4)、弾力性、フレーキング、が充分でないなど、いずれの場合も満足する結果が得られない。さらに、両性ウレタン樹脂でない両性ポリマーを配合した比較例5では、弾力性、フレーキング、安定性いずれも充分でないことが分かる。
【0077】さらに、以下本発明の実施例を挙げる。なお、以下については、評価テストを個々に詳細に説明しないが、本発明の両性ウレタン樹脂の特性が充分発揮されたものであった。
【0078】
[実施例5]パック(ゼリー状ピールオフタイプ)
配合成分 配合量(重量%)
(1)ポリビニルアルコール 10.0(2)両性ウレタン樹脂(A)(20%水分散物) 5.0 (実分1.0%)
(3)カルボキシメチルセルロース 5.0(4)1,3−ブチレングリコール 5.0(5)エタノール 12.0(6)香料 適量(7)メチルパラベン 0.2(8)緩衝剤(クエン酸,クエン酸Na) 適量(9)ホ゜リオキシエチレンオレイルアルコールエーテル 0.5(10)イオン交換水 残部【0079】(製法)(10)に(8)、(4)、(2)を添加後70〜80℃に加熱する。ここに、(3)、(1)を添加し、攪拌溶解を行う。(5)に(6)、(7)、(9)を添加溶解後、前述の水相に添加し、脱気、濾過、冷却する。本品を使用した皮膚は、しっとり、なめらかで、かつ肌にハリ感のあるものであった。
【0080】
[実施例6]O/W乳化型ファンデーション 配合成分 配合量(重量%)
(1)タルク 3.0(2)二酸化チタン 5.0(3)ベンガラ 0.5(4)黄酸化鉄 1.4(5)黒酸化鉄 0.1(6)ベントナイト 0.5(7)モノステアリンホ゜リオキシエチレンソルヒ゛タン 0.9(8)トリエタノールアミン 1.0(9)プロピレングリコール 10.0(10)両性ウレタン樹脂(B) 10.0 (20%水分散物) (実分2%)
(11)イオン交換水 残部(12)ステアリン酸 2.2(13)イソヘキサデシルアルコール 7.0(14)モノステアリン酸グリセリン 2.0(15)液状ラノリン 2.0(16)流動パラフィン 8.0(17)エチルパラベン 0.1(18)香料 適量【0081】(製法)(6)を分散した(9)を(11)に加え、70℃でホモミキサー処理した後、残りの水相成分(7)、(8)、(10)を添加し、十分に攪拌する。これに十分混合粉砕された粉体部を攪拌しながら添加し、70℃でホモミキサー処理する。つぎに70〜80℃で加熱溶解された油相(12)〜(16)を徐々に添加し、70℃でホモ処理する。これを攪拌しながら冷却し、45℃で(18)を加え、室温まで冷却する。最後に脱気し、容器に充填する。得られた乳化型ファンデーションは、しっとりとし、なめらかで、化粧持ちのよいものであった。
【0082】
[実施例7]アイライナー 配合成分 配合量(重量%)
(1)酸化鉄(黒) 14.0(2)両性ウレタン樹脂(C)(20%水分散物) 45.0 (実分9.0%)
(3)グリセリン 5.0(4)ホ゜リオキシエチレンソルヒ゛タンモノオレインエステル 1.0(5)カルボキシメチルセルロース 1.5(6)クエン酸アセチルトリブチル 1.0(7)イオン交換水 残部(8)メチルパラベン 0.1(9)香料 適量【0083】(製法)(7)に(2)、(3)、(4)を加え、加熱溶解した後、(1)を加え、コロイドミルで処理する(顔料部)。残りの成分を混合し、70℃に加熱する。これに顔料部を加え、ホモミキサーで均一に分散する。得られたアイライナーは、適度な弾力感があり、使用感の良好なものであった。
【0084】
[実施例8]化粧水 配合成分 配合量(重量%)
(1)1,3−ブチレングリコール 6.0(2)グリセリン 5.0(3)ポリエチレングリコール400 3.0(4)オリーブ油 0.5(5)ホ゜リオキシエチレン(20)ソルヒ゛タンモノステアリンエステル 1.5(6)ホ゜リオキシエチレン(5)オレイルアルコールエーテル 0.3(7)エタノール 10.0(8)香料 適量(9)色剤 適量(10)フェノキシエタノール 適量(11)クエン酸 適量(12)クエン酸ソーダ 適量(13)褐色防止剤 適量(14)イオン交換水 残部(15)両性ウレタン樹脂(D)(20%水分散物) 1.0 (実分0.2%)
【0085】(製法)(14)に(1)、(2)、(3)(11)、(12)、(15)を加え、室温下で溶解する。一方、(7)に(4)、(5)、(6)、(10)、(8)を加え、室温下で溶解する。このアルコール相を前述の水相に添加し、マイクロエマルションを調整する。得られた化粧水は、しっとりしながら、なめらかで、かつ肌にハリ感を与えるものであった。
【0086】
[実施例9]乳液 配合成分 配合量(重量%)
(1)セチルアルコール 1.0(2)ミツロウ 0.5(3)ワセリン 2.0(4)スクワラン 6.0(5)シ゛メチルホ゜リシロキサン(粘度20MpaS) 2.0(6)エタノール 4.0(7)グリセリン 4.0(8)1,3−ブチレングリコール 4.0(9)ホ゜リオキシエチレン(10)モノオレインエステル 1.0(10)ク゛リセロールモノステアリンエステル 1.0(11)クインスシード抽出液(5%水溶液) 10.0(12)両性ウレタン樹脂(A)(20%水分散物) 10.0 (実分2%)
(13)メチルパラベン 適量(14)色剤(染料) 適量(15)香料 適量(16)イオン交換水 残部【0087】(製法)(16)に(7)、(8)、(12)、(14)を加え、70℃に加熱調整する。(1)〜(5)に(9)を加え、70℃に加熱調整する。これを水相に加え、予備乳化を行う。ここに(11)、(13)を溶解した(6)を加え攪拌、ホモミキサーにて乳化粒子を均一にした後、脱気、濾過、冷却を行う。得られた乳液の使用感は、しっとりしながら、なめらかで、かつ皮膚に弾力感を与えるものであった。
【0088】
[実施例10]クリーム 配合成分 配合量(重量%)
(1)ステアリルアルコール 6.0(2)ステアリン酸 2.0(3)水添ラノリン 4.0(4)スクワラン 9.0(5)オクチルドデカノール 10.0(6)1,3−ブチレングリコール 6.0(7)ポリエチレングリコール1500 4.0(8)両性ウレタン樹脂(B) 3.0 (20%水分散物) (実分0.6%)(9)ホ゜リオキシエチレン(25)セチルアルコールエーテル 3.0(10)モノステアリン酸グリセリン 2.0(11)メチルパラベン 適量(12)ビタミンE 適量(13)香料 適量(14)イオン交換水 残部【0089】(製法)(14)に(6)、(7)、(8)を加え、70℃に加熱調整する。(1)〜(5)を加熱溶解後、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)を加え、70℃に調整する。これを先の水相に加えて、ホモミキサーにて乳化粒子を均一にして、脱気、濾過、冷却する。得られたクリームは、しっとりしながらなめらかで、かつ肌に弾力感を与えるものであった。
【0090】
[実施例11]美白エッセンス 配合成分 配合量(重量%)
(1)ジプロピレングリコール 5.0(2)ポリエチレングリコール400 5.0(3)エタノール 10.0(4)カルボキシビニルポリマー 0.3(5)アルギン酸Na 0.3(6)水酸化カリウム 0.15(7)ホ゜リオキシエチレンソルヒ゛タンモノステアリンエステル 1.0(8)ソルヒ゛タンモノオレインエステル 0.5(9)両性ウレタン樹脂(C)(20%水分散物) 0.5 (実分0.1%)
(10)オレイルアルコール 0.5(11)プラセンタエキス 0.2(12)ビタミンEアセテート 0.2(13)香料 適量(14)メチルパラベン 適量(15)エデト酸三ナトリウム 適量(16)イオン交換水 残部【0091】(製法)(16)に(4)、(5)を溶解した後、(1)、(2)、(15)を順次溶解する。(3)に(7)、(8)、(10)、(12)、(13)、(14)を順次溶解し、前述の水相に添加し、マイクロエマルション化する。最後に一部に精製水に(6)を溶解し添加、ついで(9)を添加し、攪拌、脱気、濾過する。得られた美白エッセンスは、しっとりしながらなめらかで、かつ肌に弾力感を与えるものであった。
【0092】
[実施例12]紫外線防止エッセンス 配合成分 配合量(重量%)
(1)ステアリン酸 3.0(2)セタノール 1.0(3)ラノリン誘導体 3.0(4)流動パラフィン 5.0(5)2−エチルヘキシルステアレート 3.0(6)1,3−ブチレングリコール 6.0(7)両性ウレタン樹脂(D)(20%水分散物) 4.0 (実分0.8%)
(8)ホ゜リオキシエチレンセチルアルコールエーテル 2.0(9)モノステアリン酸グリセリン 2.0(10)トリエタノールアミン 1.0(11)2-ヒト゛ロキシ-4-メトキシヘ゛ンソ゛フェノン 4.0(12)ジベンゾイルメタン誘導体 4.0(13)ソルビン酸 0.2(14)香料 適量(15)イオン交換水 残部【0093】(製法)(15)に(6)、(10)を溶解し加熱して70℃に保つ。(1)〜(5)を70〜80℃にて加熱溶解後、(8)、(9)、(11)、(12)、(13)、(14)を順次溶解し、温度70℃にする。前述の水相を攪拌しながら油相を添加し、乳化を行う。ホモミキサーで乳化粒子を均一に調整後、脱気、冷却する。得られた紫外線防止エッセンスは、しっとりしながら、なめらかで、かつ肌に適度な弾力感を与えるものであった。
【0094】
[実施例13]ヘアスタイリングジェル 配合成分 配合量(重量%)
(1)カルボキシビニルポリマー 0.7(2)両性ウレタン樹脂(A)(20%水分散物) 10.0 (実分2.0%)
(3)グリセリン 2.5(4) 1,3−ブチレングリコール 2.5(5)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40EO) 0.5(6)ジメチルポリシロキサン100cs 5.0(7)ポリエーテル変性シリコーン 1.0 (商品名;KF6011、信越化学工業株式会社製)
(8)水酸化ナトリウム 適量(pH7.5に調製)
(9)エタノール 20.0(10)ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル 0.1(11)香料 0.1(12)エデト酸三ナトリウム 0.03(13)イオン交換水 残余【0095】(製法)(3)、(4)、(5)、(7)、一部の(13)に(6)を添加し、ホモミキサーにより乳化する。次いで、一部の(13)を加えて乳化部とする。一方、残りの(13)に(1)、(2)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)を均一溶解し、これに先の乳化部を添加し、乳化状ヘアスタイリングジェルを得た。
【0096】
[実施例14]美爪料 配合成分 配合量(重量%)
(1)エチルカルビトール 2.5(2) 1,3−ブチレングリコール 1.0(3)両性ウレタン樹脂(B)(20%水分散物) 85.0 (実分17.0%)
(4) 粘土鉱物 0.2(5)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40EO) 0.3(6)色材 適量(7)イオン交換水 残余【0097】(製法)(5)を(7)に溶解後、(6)を混合し充分に分散させた。次いで、(1)〜(4)を均一に撹拌混合し、美爪料を得た。
【0098】
[実施例15]マスカラ 配合成分 配合量(重量%)
(1)酸化鉄(黒) 10.0(2)両性ウレタン樹脂(C)(30%水分散物) 30.0 (実分9.0%)
(3)固形パラフィン 8.0(4)ラノリンワックス 8.0(5)軽質イソパラフィン 30.0(6)セスキオレイン酸ソルビタン 4.0(7)イオン交換水 残余(8)防腐剤 適量(9)香料 適量【0099】(製法)(7)に(1)を加えホモミキサーで分散した後、(2)を加え加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し、加熱して70℃に保つ(油相)。油相に水相をホモミキサーで均一に乳化分散する。
【0100】
[実施例16]口紅 配合成分 配合量(重量%)
(1)二酸化チタン 4.5(2)赤色201号 2.5(3)セレシン 4.0(4)キャンデリラロウ 8.0(5)カルナウバロウ 2.0(6)ヒマシ油 30.0(7)イソステアリン酸ジグリセライド 40.0(8)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20EO) 1.0(9)イオン交換水 残余(10)両性ウレタン樹脂(D)(30%水分散物) 5.0 (実分1.5%)
(11)グリセリン 2.0(12)香料 適量(13)酸化防止剤 適量【0101】(製法)(1)、(2)を(6)の一部に加え、ローラーで処理する(顔料部)。(9)〜(11)を混合する(水相)。(3)〜(5)、(6)の一部、(7)、(8)、(13)を混合し、加熱融解した後、80℃で顔料部を加え、ホモミキサーで均一に混合する。その後、水相を加え、ホモミキサーで乳化分散後、(12)を添加し、型に流し込む。
【0102】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、新規な両性ウレタン樹脂を配合したので、その皮膜特性が充分に発揮され優れた化粧料が得られる。例えば、毛髪化粧料においては、特に、優れた弾力性が得られ、くしの操作でもフレーキングがなく、製品の乳化安定性も優れていた。メーキャップ化粧料においては、特に、しっとり感が得られ、耐磨耗性など化粧持ちのよいものであった。皮膚化粧料においては、特に、しっとりしながら、なめらかで、かつ肌に適度な弾力感を与えるものであった。
【出願人】 【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社資生堂
【出願日】 平成12年7月7日(2000.7.7)
【代理人】 【識別番号】100088214
【弁理士】
【氏名又は名称】生田 哲郎 (外1名)
【公開番号】 特開2002−20221(P2002−20221A)
【公開日】 平成14年1月23日(2002.1.23)
【出願番号】 特願2000−207301(P2000−207301)