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【発明の名称】 温感付与シート
【発明者】 【氏名】細川 稔

【氏名】柏田 利信

【要約】 【課題】肩こり、腰痛、関節痛、冷え症等の緩和、治療のための温感貼付剤、有効成分の皮膚中への吸収拡散性向上の薬物放出剤等に好適な温感付与シートを提供する。

【解決手段】親水性繊維を含んでなる織布、不織布、編地から選ばれる少なくとも1種のシート体の片面又は両面に、若しくは、少なくともハイドロゲルを含んでなるシート体の片面又は両面に、夫々断熱性を有するシートを備えると共に、上記夫々のシート体に温熱液体成分が含浸又は加熱手段により温熱機能を有する液体成分が含浸されたことを特徴とする温感付与シート。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 親水性繊維を含んでなる織布、不織布、編地から選ばれる少なくとも1種のシート体の片面又は両面に、断熱性を有するシートを備えると共に、上記シート体に温熱液体成分が含浸又は加熱手段により温熱機能を有する液体成分が含浸されたことを特徴とする温感付与シート。
【請求項2】 少なくともハイドロゲルを含んでなるシート体の片面又は両面に、断熱性を有するシートを備えると共に、上記シート体に温熱液体成分が含浸又は加熱手段により温熱機能を有する液体成分が含浸されたことを特徴とする温感付与シート。
【請求項3】 断熱性を有するシートが発泡体シートであることを特徴とする請求項1又は2記載の温感付与シート。
【請求項4】 断熱性を有するシートの片面に粘着剤が塗布されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の温感付与シート。
【請求項5】 粘着剤が水系粘着剤であることを特徴とする請求項4記載の温感付与シート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肩こり、腰痛、関節痛、冷え症等の緩和、治療のための温感貼付剤、有効成分の皮膚中への吸収拡散性向上の薬物放出剤等に好適な温感付与シートに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、温感付与シートとしては、例えば、トウガラシエキスやニコチン酸ベンジル等の化学刺激により温感を付与するものや、塩化カルシウムやポリオール等が水に溶解するときの水和熱により温感を付与するもの、または、鉄などの金属の酸化熱を利用したものが知られている。
【0003】しかしながら、化学刺激による温感付与では、トウガラシエキスやニコチン酸ベンジル等の化学刺激に対する感受性の個人差が大きいことから、人によって温感が感じられなかったり、逆に刺激が強すぎる場合などがあり、刺激物質の配合量の設定が難しい点に課題がある。また、水和熱を利用した温感シートでは、発熱量が小さく、十分な温感が得られないといった課題がある。
【0004】一方、金属の酸化熱を利用したタイプでは、適度の温感が得られ、かつ、温感の持続性が良好であることから、使い捨てカイロ等に利用されている。この金属の酸化熱を利用したタイプは、金属粉を含む発熱体が、通気性を一定量に制限した袋体中に封入されており、更に、この袋体が非通気性の袋体に封入された構成よりなっている。そして、非通気性の袋体を開封することにより、通気性を制限した袋体を通して酸素が少量ずつ発熱体に供給され、適度な温感を得ることができるものとなっている。
【0005】しかしながら、上記金属粉を含む発熱体を袋体中に封入したものでは、通気性を制限しているため、温度上昇速度は遅く、目的の温度を得るには非通気性の袋体を開封してから10〜20分以上を要し、速やかに温感を得られない点に課題があるものである。
【0006】他方、タオルを蒸気で暖めたり、水を含んだタオルを電子レンジ等で暖めて使用する蒸しタオル等は、速やかに温感が得られるものの、タオルが高温になるため、その熱によって手などに火傷を起こす危険性があり、手軽に使用できるとは言い難いのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技術の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、温感を求める際に速やかに、かつ、手軽に適度な温感が得られる温感付与シートを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来技術の課題等を解決するために、種々検討を行った結果、親水性繊維を含んでなる織布、不織布、編地から選ばれる少なくとも1種のシートを、断熱性を有するシートで挟んでなる温感付与シートを、使用時に湯等の温熱体に浸漬して、親水性繊維に湯等より得られる熱を保持させるか、または、水等を含んだ親水性繊維またはハイドロゲルを電子レンジ等の加熱手段によって処理することによって、水等を熱し、この熱が断熱性を有するシートを通して伝わることにより、速やかに、かつ、適度な温感が得られる温感付与シートを見い出すことにより、本発明を完成するに至ったのである。すなわち、本発明の温感付与シートは、次の(1)〜(5)に存する。
(1) 親水性繊維を含んでなる織布、不織布、編地から選ばれる少なくとも1種のシート体の片面又は両面に、断熱性を有するシートを備えると共に、上記シート体に温熱液体成分が含浸又は加熱手段により温熱機能を有する液体成分が含浸されたことを特徴とする温感付与シート。
(2) 少なくともハイドロゲルを含んでなるシート体の片面又は両面に、断熱性を有するシートを備えると共に、上記シート体に温熱液体成分が含浸又は加熱手段により温熱機能を有する液体成分が含浸されたことを特徴とする温感付与シート。
(3) 断熱性を有するシートが発泡体シートであることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の温感付与シート。
(4) 断熱性を有するシートの片面に粘着剤が塗布されていることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の温感付与シート。
(5) 粘着剤が水系粘着剤であることを特徴とする上記(4)記載の温感付与シート。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。本発明の温感付与シートは、第1発明として、親水性繊維を含んでなる織布、不織布、編地から選ばれる少なくとも1種のシート体の片面又は両面に、断熱性を有するシートを備えると共に、上記シート体に温熱液体成分が含浸又は加熱手段により温熱機能を有する液体成分が含浸されたことを特徴とするものであり、第2発明として、少なくともハイドロゲルを含んでなるシート体(ハイドロゲルからなるシート体又はハイドロゲルを含むシート体)の片面又は両面に、断熱性を有するシートを備えると共に、上記シート体に温熱液体成分が含浸又は加熱手段により温熱機能を有する液体成分が含浸されたことを特徴とするものである。なお、以下において、本発明というときは、上記第1発明及び第2発明を含むものである。
【0010】本発明の温感付与シートの形態としては、例えば、■親水性繊維を含んでなる織布、不織布、編地から選ばれる少なくとも1種のシート体の片面又は両面に断熱性を有するシートが接している構造、または、■ハイドロゲルからなるシート体、若しくは少なくともハイドロゲルを含む織布、不織布、編地から選ばれるシート体の片面又は両面に断熱性を有するシートが接している構造を有するシート状のものなどが挙げられる。これらのシートの温感付与手段等としては、例えば、使用時に温水などの温熱液体成分に浸漬して親水性繊維に温熱を保持させる方法等や、または、加熱手段により温熱機能を有する液体成分、例えば、水を保持した親水性繊維やハイドロゲルを使用したシート体の場合には電子レンジ等の加熱手段で加熱することにより、シート中の水等を熱する方法等が挙げられる。これらの熱が断熱性を有するシートを通して伝わることにより、本発明の温感付与シートは、速やかに、適度な温感を付与できることとなる。
【0011】本発明において、温熱液体成分としては、例えば、温水(お湯)、温アルコール類、温オイル類及びこれらの混合液などが挙げられ、好ましくは、使用性、安全性、コストなどの点から温水(お湯)が望ましい。シート体に含浸せしめる温熱液体成分の温度としては、使用用途、形態などによって異なるが、使用性等の点から50〜100℃が好ましい。また、加熱手段により温熱機能を有する液体成分としては、例えば、水、アルコール類、オイル類及びこれらの混合液などが挙げられ、好ましくは、使用性、安全性、コストなどの点から水が望ましい。更に、本発明において、加熱手段としては、電子レンジ、電気ヒーターなどが挙げられる。この加熱手段によりシート体に含浸せしめた温熱機能を有する液体成分の温度としては、使用用途、形態などによって異なるが、使用性等の点から50〜100℃に上記液体成分を加熱することが好ましい。
【0012】本第1発明で用いられる親水性繊維としては、温度20℃、相対湿度65%時の水分含率が5%を超えるものが好ましい。このような特性を有する親水性繊維としては、例えば、綿、麻、絹、羊毛、獣毛、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテート、ポリアクリル酸含有繊維が挙げられる。これらの繊維は、繊維間に水等の液体成分を保持するばかりでなく、繊維自身が水等の液体成分を吸収するため、水等の液体成分の保持量が多くなると共に、保持された水等の液体成分は、シートに圧力がかかった場合にも、こぼれにくいといった点から好ましい。これら中でも、吸水量の多いポリアクリル酸含有繊維が特に好ましい。
【0013】本第1発明のシート体は、上記親水性繊維を用いた織布、不織布、編地の単独又はこれらの組合わせ(二層構造又は三層構造)から選ばれるものから構成されるもの、または、上記親水性繊維を含んでなる織布、不織布、編地の単独又はこれらの組合わせ(二層構造又は三層構造)から選ばれるものから構成されるものである。また、本第1発明のシート体において、上記親水性繊維を含んでなるシート体としては、親水性繊維に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の疎水性繊維を混合した織布、不織布、編地から選ばれる少なくとも1種から構成されるものが挙げられる。本第1発明のシート体において、上記親水性繊維の含有量は、目的の速やかに、かつ、適度な温感を得る点から、シート体全量に対して、10〜99質量%(以下、単に「%」という)、好ましくは、30〜95%とすることが望ましい。
【0014】本第2発明で用いられるハイドロゲルとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等の合成高分子化合物や、寒天、カラギーナン、アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、こんにゃくマンナン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キサンタンガム、カードラン、ゼラチン、卵白アルブミン、大豆タンパク質、カゼイン、エラスチン等の天然高分子化合物の一種または二種以上を含むものを使用することができる。
【0015】これらのハイドロゲルの調製方法(シート体とする方法)としては、例えば、金属イオンによる架橋形成する方法や、加熱変性による方法、紫外線等を用いた光重合による方法、γ線や電子線等の放射線重合による方法、ゾルを冷却しゲル形成する方法等が挙げられる。これら中でも熱によるゲル状態の変化が小さい、金属イオンによる架橋形成する方法や、加熱変性による方法、光重合による方法、放射線重合による方法が好ましく、ゲルの柔軟性の調節の容易さの点から放射線重合による方法が特に好ましい。
【0016】本第2発明のシート体は、上記ハイドロゲルから構成されるシート体、または、上記ハイドロゲルを含んでなるシート体から構成されるものである。上記ハイドロゲルを含んでなるシート体としては、例えば、上記第1発明の親水性繊維を含んでなるシート体に、ハイドロゲルを含有せしめたシート体が挙げられる。本第2発明のシート体において、上記ハイドロゲルの含有量は、目的の速やかに、かつ、適度な温感を得る点から、シート体全量に対して、10〜99%、好ましくは、30〜95%とすることが望ましい。
【0017】本発明の温感付与シートにおいて、断熱性を有するシートは、上述の親水性繊維を含んでなる織布、不織布、編地から選ばれる少なくとも1種のシート体の片面又は両面に、若しくは、上述の少なくともハイドロゲルを含んでなるシート体の片面又は両面に備えるものであり、親水性繊維を含む織布、不織布、編地から選ばれる少なくとも1種のシート体や、少なくともハイドロゲルを含むシート体に保持された湯等の温熱液体成分等の熱が断熱性を有するシートによって緩和され、適度な温感を得られる等の点から必要である。本発明で用いられる断熱性を有するシートとしては、断熱性を有し、適度な温感が得られるものであれば、特に限定されないが、好ましくは、熱伝導率が0.005W/cm ℃以下のものが望ましい。
【0018】このような断熱性を有するシートとしては、発泡シート、ハニカム構造を有するシート、コルクシート等が挙げられる。これらのうち、薄くても十分な断熱性を有しており、シートの柔軟性が高い点で発泡シートが好ましい。発泡シートは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ユリア、ポリスチレン、シリコンゴム等の高分子化合物よりなるものが挙げられる。これらの高分子化合物は架橋型及び非架橋型とも使用可能であるが、架橋型の高分子化合物が好ましい。また、発泡シートの気泡形態は、連続気泡、独立気泡のいずれでも使用できるが、断熱効果の高い点で独立気泡のものが好ましい。発泡倍率は5〜100倍の範囲で適宜選択されるが、10〜50倍が好ましい。
【0019】本発明における温感付与シートの具体例としては、図1に示すように、親水性繊維を含んでなる織布、不織布、編地から選ばれる少なくとも1種のシート体10又はハイドロゲルからなるシート体10若しくはハイドロゲルを含むシート体10に断熱性を有するシート11と樹脂製等のフィルム12とでサンドイッチした構造が挙げられる。この温感付与シートでは、断熱性を有するシート11とフィルム12とでサンドイッチすることによって、各シート体10に含浸された温熱液体成分又は加熱手段により温熱機能を有する液体成分の蒸発による熱損失を減らすことができ、温感持続時間を延ばすことができることとなる。また、図2に示すように、親水性繊維を含んでなる織布、不織布、編地から選ばれる少なくとも1種のシート体20又はハイドロゲルからなるシート体20若しくはハイドロゲルを含むシート体20を、2枚の断熱性を有するシート21でサンドイッチした構造では、各シート体10に含浸された温熱液体成分又は加熱手段により温熱機能を有する液体成分の気化熱ばかりでなく、空気への熱伝導による熱損失も減少できることからより好ましい。この形態のものでは、2枚の断熱性を有するシート21は同一構造であっても良く、異なる構造であっていても良い。
【0020】更に、本発明の温感付与シートとしては、身体等の曲面に密着し、効率的に温感を与えられる点から、図3に示すように、親水性繊維を含んでなる織布、不織布、編地から選ばれる少なくとも1種のシート体30又はハイドロゲルからなるシート体30又はハイドロゲルを含むシート体30をサンドイッチした断熱性を有するシート31の片面に粘着剤32が塗布されている構造のものも好ましく用いることができる。
【0021】上記形態の温感付与シートにおける粘着剤としては、例えば、合成ゴムを含有する疎水性粘着剤、ポリアクリル酸誘導体などの水溶性高分子を含有してなる親水性粘着剤(水系粘着剤)等が挙げられる。これらの中でも、水等が付着した場合でも、粘着力の低下が少ない親水性粘着剤が好ましい。親水性粘着剤の製造方法としては、前記ハイドロゲルの調製方法と同様の方法が挙げられる。また、本発明の温感付与シートに塗布される粘着剤組成中に、サリチル酸誘導体やインドメタシン等の抗炎症剤や、ビタミン類、エラグ酸やコウジ酸及びアルブチン等の美白剤、補酵素類等のしわ改善剤、α−ヒドロキシ酸や多糖類等の保湿剤等の医薬品及び化粧品等の有効成分を含有することができる。これらの有効成分を含む粘着剤を塗布した温感付与シートを皮膚上に貼付すると、シートのもつ温熱効果により、有効成分が効率的に経皮吸収され、短時間の貼付でも高い効果を得ることができることとなる。
【0022】本発明の温感付与シートの厚みは、材質及び構造、使用形態などによって異なることから、特に限定されないが、曲面に対しても効率的に温感を付与する点、すなわち、柔軟性を確保し、かつ、温感を得るためには0.5〜20mmの範囲が好ましく、1〜10mmの範囲がより好ましく、この範囲内で、■親水性繊維を含んでなる織布、不織布、編地から選ばれる少なくとも1種のシート体の厚さ、または、■少なくともハイドロゲルを含んでなるシート体(ハイドロゲルからなるシート体又はハイドロゲルを含むシート体)の厚さ、■断熱性を有するシートの厚さ、■必要に応じて、蒸発による熱損失を減らすために用いるフィルムの厚さ、及び/又は粘着剤の厚さなどが夫々適宜規定されるものとなる〔■又は■+■+(■)〕。
【0023】このように構成される温感付与シートでは、(i)親水性繊維を含んでなる織布、不織布、編地から選ばれる少なくとも1種のシート体の片面又は両面に、(ii)少なくともハイドロゲルを含んでなるシート体(ハイドロゲルからなるシート体又はハイドロゲルを含んでなるシート体の片面又は両面に、断熱性を有するシートを備えると共に、上記シート体にお湯などの温熱液体成分を含浸せしめることにより、または、水などの温熱機能を有する液体成分を含浸して電子レンジなどの加熱手段により上記液体成分を加熱せしめることにより、適度な温感が得られる温感を求める際に速やかに、かつ、手軽に適度な温感が得られるものとなる。
【0024】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施例に何ら限定するものではない。
【0025】〔実施例1〜7及び比較例1〜2〕各実施例及び比較例で用いる断熱シートの熱伝導率測定は、下記の方法により測定した。また、各実施例及び比較例で得た温感付与シートについて、下記評価方法により温感評価及びその持続性について評価した。
【0026】(断熱シートの熱伝導率測定)シートの熱伝導率は、精密迅速熱物性測定装置(KES-F7 THERMO LABO IITYPE、カトーテック社製)を用いた定常熱伝導測定により行った。
【0027】(温感の評価方法)実施例1〜5及び比較例1〜2については、下記表1に示す各温度となるお湯に各時間で漬した後、また、実施例6〜7については、電子レンジ(500W)で10秒間加熱した後、速やかに剥離フィルムを剥がし、粘着剤面を手の甲の上に乗せ、「温感」については、貼付15秒後、また、「温感持続性」については、貼付15分後の温感を下記官能評価法にて評価した。評価法は、評価者10名について評価を行い、その温感及び温感持続性の官能評価の結果を以下の評価基準に従って5段階で評価した。
【0028】温感評価基準:−:熱くて火傷しそうとした評価者の人数が1名以上の場合◎:熱くて火傷しそうとした評価者の人数が0名で、温かく感じるとした評価者の人数が8名以上の場合○:熱くて火傷しそうとした評価者の人数が0名で、温かく感じるとした評価者の人数が6〜7名の場合△:熱くて火傷しそうとした評価者の人数が0名で、温かく感じるとした評価者の人数が3〜5名の場合×:熱くて火傷しそうとした評価者の人数が0名で、温かく感じるとした評価者の人数が2名以下の場合【0029】温感持続性の評価基準:◎:貼付15分後に温かく感じるとした評価者の人数が8名以上の場合○:貼付15分後に温かく感じるとした評価者の人数が6〜7名の場合△:貼付15分後に温かく感じるとした評価者の人数が3〜5名の場合×:貼付15分後に温かく感じるとした評価者の人数が3名以下の場合【0030】〔実施例1〕図4(a)及び(b)に示すように、レーヨン75%、ポリエステル25%からなる不織布40(坪量200g/m2、厚さ1.5mm)の両面に、シリコーン系接着剤を用いて、ポリエチレン製発泡フィルム(熱伝導率0.0003W/cm℃、厚さ1mm、発泡倍率:40倍、独立気泡型)41,41を貼り合わせ、その片面をサンディング処理し、この面に粘着剤組成物A(42)を175g/m2(厚さ0.15mm)塗布し、その上にポリエチレン製の剥離フィルム43を設けた。これを2100mm2の巴形に切り取り、温感付与シートを作製した。
【0031】〔比較例1〕レーヨン75%、ポリエステル25%からなる不織布(坪量200g/m2、厚さ1.5mm)の片面に粘着剤組成物Aを175g/m2(厚さ0.15mm)塗布し、その上にポリエチレン製の剥離フィルムを設けた。これを2100mm2の巴形に切り取り、温感付与シートを作製した。
【0032】〔比較例2〕ポリエステル100%からなる不織布(坪量100g/m2、厚さ1mm)の両面に、シリコーン系接着剤を用いて、ポリエチレン製発泡フィルム(熱伝導率0.0003W/cm℃、厚さ1mm、発泡倍率:40倍、独立気泡型)を貼り合わせ、その片面をサンディング処理し、この面に粘着剤組成物Bを230g/m2(厚さ0.2mm)塗布し、その上にポリエチレン製の剥離フィルムを設けた。これを40mm×50mmの長方形に切り取り、温感付与シートを作製した。
【0033】〔実施例2〕ポリアクリル酸塩−アクリル複合繊維100%からなる不織布(坪量150g/m2、厚さ2mm)の両面に、オレフィン系ホットメルト接着剤を用いて、ポリエチレン製発泡フィルム(熱伝導率0.0003W/cm℃、厚さ1mm、発泡倍率:40倍、独立気泡型)を貼り合わせ、その片面をサンディング処理し、この面に粘着剤組成物Bを230g/m2(厚さ0.2mm)塗布し、その上にポリエチレン製の剥離フィルム設けた。これを40mm×50mmの長方形に切り取り、温感付与シートを作製した。
【0034】〔実施例3〕ポリアクリル酸塩−アクリル複合繊維85%、ポリエステル15%からなる不織布(坪量170g/m2、厚さ1.5mm)の両面に発泡ポリウレタンフォーム(熱伝導率0.0006W/cm℃、厚さ1.2mm、発泡倍率:20倍、独立気泡型)がついたシートの片面に粘着剤組成物Cを120g/m2(厚さ0.1mm)塗布し、その上にポリエチレン製の剥離フィルムを設けた。これを40mm×50mmの長方形に切り取り、温感付与シートを作製した。
【0035】〔実施例4〕図5に示すように、ポリエチレン100%の不織布(40g/m2、厚さ0.3mm)51、ポリエチレンフィルム(厚さ20μm)52、ポリアクリル酸塩−アクリル複合繊維65%、ポリエステル35%からなる不織布(坪量120g/m2、厚さ1.3mm)50、ポリエチレン製発泡フィルム(熱伝導率0.0003W/cm℃、厚さ1mm、発泡倍率:40倍、独立気泡型)53を重ね合わせ、熱エンボス加工にて貼り合わせた。このシートのポリエチレン製発泡フィルム53面をサンドブラスト処理し、この処理面に粘着剤組成物A(54)を130g/m2(厚さ0.1mm)塗布し、その上にポリエチレン製の剥離フィルム55を設けた。これを長径70mm、短径40mmの楕円形に切り取り、温感付与シートを作製した。
【0036】〔実施例5〕図6に示すように、片面にポリエステル100%の不織布(坪量30g/m2、厚さ0.3mm)61を積層したポリエチレン製発泡フィルム62(熱伝導率0.0003W/cm℃、厚さ1mm、発泡倍率:40倍、独立気泡型)2枚をポリエチレン製発泡フィルム62が内側になるようにし、この2枚のラミネートシートでポリアクリル酸塩−アクリル複合繊維50%、レーヨン50%からなる不織布(坪量130g/m2、厚さ1.5mm)をサンドイッチする構造になるように、オレフィン系ホットメルト接着剤を用いて貼り合わせた。その積層構造シートの片面に粘着剤組成物C(63)を230g/m2(厚さ0.2mm)塗布し、その上にポリエチレン製の剥離フィルム64を設けた。これを50mm×80mmの長方形に切り取り、温感付与シートを作製した。
【0037】上記実施例1〜5および比較例1〜2の温感付与シートについて、下記表1に示す浸漬条件(湯の温度及び浸漬時間)で、温感及びその温感持続性を上記評価法で評価した。これらの評価結果を下記表1に示す。
【0038】
【表1】

【0039】上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜5は、本発明の範囲外となる比較例1〜3に較べて、温感を求める際に速やかに、かつ、手軽に適度な温感が得られると共に、その温感持続性にも優れていることが判明した。
【0040】〔実施例6〕図7に示すように、レーヨン100%の不織布(坪量320g/m2、厚さ3mm)70にポリビニルアルコール(商品名;ポバールPVA-217、クラレ製)10%を含む水溶液を1200g/m2となるように含浸させた。この含浸不織布をポリエチレン製発泡フィルム71(熱伝導率0.0003W/cm℃、厚さ1mm、発泡倍率:40倍、独立気泡型)2枚でサンドイッチした。更に、ポリビニルアルコール8%水溶液を100g/m2となるように含浸させたレーヨン100%の不織布72(坪量30g/m2、厚さ0.24mm)を上記積層シートの片面にのせ、さらにその上にポリエチレン製の剥離フィルム73を設けた。この積層シートに電子線を20kW照射し、ポリビニルアルコールからなる電子線架橋ハイドロゲルを調整した。このハイドロゲル含有積層シートを半円形(15cm2)に切り取り、温感付与シートを作製した。
【0041】〔実施例7〕図8に示すように、レーヨン100%の不織布(坪量320g/m2、厚さ3mm)80にポリアクリル酸(商品名;ジュリマーAC-10H、日本純薬製)10%を含む水溶液を1200g/m2となるように含浸させた。この含浸不織布を両面をサンディング処理したポリエチレン製発泡フィルム81(熱伝導率0.0003W/cm℃、厚さ1mm、発泡倍率:40倍、独立気泡型)2枚でサンドイッチした。更に、ポリビニルアルコール(商品名;ポバールPVA-117、クラレ製)10%とポリプロピレングリコール(商品名;ニューポールPP-3000、三洋化成工業製)7.5%からなる水溶液を50g/m2となるように含浸させたレーヨン100%の不織布82(坪量30g/m2、厚さ0.24mm)を上記積層シートの片面にのせ、さらにその上にポリエチレン製の剥離フィルム83を設けた。この積層シートに電子線を40kW照射し、ポリアクリル酸及びポリビニルアルコールとポリプロピレングリコールからなる電子線架橋ハイドロゲルを調整した。このハイドロゲル含有積層シートを半円形(15cm2)に切り取り、温感付与シートを作製した。
【0042】上記実施例で使用した粘着剤組成物A〜Cの組成は、以下のとおりである。
(粘着剤組成物A)
酢酸トコフェロール 0.3%ポリアクリル酸 5.0%ポリアクリル酸Na 1.5%カルボキシメチルセルロースNa 4.5%ポリビニルアルコール 3.0%カオリン 3.0%酸化チタン 0.5%合成ヒドロタルサイト 0.05%アルミニウムグリシネート 0.1%グリセリン 15.0%プロピレングリコール 3.0%d-ソルビトール液70% 10.0%ポリソルベート80 0.5%POE(20)硬化ひまし油 0.5%ヒマシ油 1.0%EDTA2Na 0.05%精製水 バランス合 計 100.0%【0043】(粘着剤組成物B)
サリチル酸グリコール 2.0%アスコルビン酸Na 0.5%ポリアクリル酸Na 5.0%カルボキシビニルポリマー 1.5%ゼラチン 0.6%カルボキシメチルセルロースNa 3.0%ポリビニルアルコール 1.0%カオリン 2.0%酸化チタン 0.5%ケイ酸アルミン酸マグネシウム 0.3%グリセリン 20.0%d-ソルビトール液70% 20.0%POE(4)モノステアレート 1.0%ヒマシ油 1.0%酸化型補酵素A 0.5%EDTA2Na 0.1%赤色204号 0.001%だいだい色401号 0.0005%精製水 バランス合 計 100.0%【0044】(粘着剤組成物C)
アルブチン 0.3%ローズマリー油 0.001%ポリアクリル酸 4.5%ポリアクリル酸Na 1.5%カルボキシメチルセルロースNa 5.5%ポリビニルアルコール 2.0%硫酸アルミニウムカリウム 0.03%アルミニウムグリシネート 0.1%グリセリン 18.0%ポリソルベート80 1.0%クエン酸 0.01%精製水 バランス合 計 100.0%【0045】上記実施例6〜7の温感付与シートについて、電子レンジ(500W)で10秒間加熱したときの温感及びその温感持続性の評価を上記評価法により評価した。これらの結果を下記表2に示す。
【0046】
【表2】

【0047】上記表2の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例6及び7では、温感付与シートを電子レンジの加熱手段によって処理することによって、水を熱し、この熱が断熱性を有するシートを通して伝わることにより、速やかに、かつ、適度な温感が得られると共に、その温感持続性にも優れていることが判明した。このとき温感付与シートの肌への粘着性も良好であった。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、温感を求める際に速やかに、かつ、手軽に適度な温感が得られると共にその温感持続性にも優れる温感付与シートが提供される。
【出願人】 【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
【出願日】 平成13年3月7日(2001.3.7)
【代理人】 【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介 (外2名)
【公開番号】 特開2002−263130(P2002−263130A)
【公開日】 平成14年9月17日(2002.9.17)
【出願番号】 特願2001−63787(P2001−63787)