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【発明の名称】 レーザ光源付のレーザスリットランプ
【発明者】 【氏名】マリオ ゲルラッヒ

【氏名】マルチン ヴィーヒマン

【氏名】オラフ キッテルマン

【氏名】ディエジオ チマーレ

【氏名】ミケール ケンぺ

【氏名】ディルク ミュールホッフ

【氏名】アレキサンダー カリーズ

【要約】 【課題】スリットランプベース、スリットランプヘッドおよびスリットランプ顕微鏡から構成され、アプリケータと結合しているレーザスリットランプ【解決手段】当レーザスリットランプは、少なくとも2つの光源の光線をコリニア結合させる手段、治療光線、つまり作用光線を治療対象である患者の眼の内部またはその周辺に誘導するための手段、治療対象である眼の内部またはその周辺に照準し、それを観察するための照準光線またはマーキング光線の生成手段および治療に用いる作用光線光斑の強度および直径を変更するためのアプリケータ内設置調整手段を持っている。光源は、スリットランプヘッド、スリットランプベースまたはスリットランプ顕微鏡の内部に配置された、作用光線、照明光線および/または照準光線生成のためのレーザ光源である。制御、調整および監視装置も同様にスリットランプの内部に配置されている。

【解決手段】当レーザスリットランプは、少なくとも2つの光源の光線をコリニア結合させる手段、治療光線、つまり作用光線を治療対象である患者の眼の内部またはその周辺に誘導するための手段、治療対象である眼の内部またはその周辺に照準し、それを観察するための照準光線またはマーキング光線の生成手段および治療に用いる作用光線光斑の強度および直径を変更するためのアプリケータ内設置調整手段を持っている。光源は、スリットランプヘッド、スリットランプベースまたはスリットランプ顕微鏡の内部に配置された、作用光線、照明光線および/または照準光線生成のためのレーザ光源である。制御、調整および監視装置も同様にスリットランプの内部に配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】スリットランプベース、スリットランプヘッドおよびスリットランプ顕微鏡から構成され、アプリケータと結合していて、少なくとも2つの光源の光線をコリニア結合させる手段、治療光線、つまり作用光線を治療対象である患者の眼の内部またはその周辺に誘導するための手段、治療対象である眼の内部またはその周辺に照準し、それを観察するための照準光線またはマーキング光線の生成手段および治療に用いる作用光線光斑の強度および直径を変更するためのアプリケータ内設置調整手段を持つレーザスリットランプにおいて、− 少なくとも1つの光源が、スリットランプヘッド、スリットランプベースまたはスリットランプ顕微鏡の内部に配置された、作用光線、照明光線および/または照準光線生成のためのレーザ光源であること、− 制御、調整および監視装置がスリットランプ内部に配置されていること、を特徴とするレーザスリットランプ【請求項2】内部レーザ光源が、励起光源および非線形倍増器結晶と共にスリットランプベース、スリットランプヘッドまたはスリットランプ顕微鏡の内部に配置されていること、その場合に非線形結晶がレーザ共振器の内部または外部に配置されていること、を特徴とする請求項1に記載のレーザスリットランプ【請求項3】− レーザ光源用のレーザ材料として、Nd:YAG結晶、Nd:YVO結晶またはNd:YLF結晶が使用されていること、その光線が1064nm、1047nmまたは1053nmの基本波長を持っていること、励起光源によって生成された励起光線の波長が790nm〜811nmの範囲内にあること、− 波長532nm、523.5nmまたは526.5nmで放出される、周波数2倍化された作用光線が約3Wまでの初期出力を有していること、を特徴とする請求項1または2に記載のレーザスリットランプ【請求項4】レーザ結晶が、受動光学連結素子によりそれ自体公知の方法で励起光源と結合していることを特徴とする請求項1または3に記載のレーザスリットランプ【請求項5】− 内部レーザ光源として、ファイバレーザ核がPr/Ybでドーピングされたアップコンバージョン・ファイバレーザが設置されていること、− 作用光線の放出波長が520nm〜540nmまたは630nm〜640nmで、初期出力が2.5Wまでであること、− 励起光源がスリットランプベースに配置されていて、励起光線の波長が830nm〜850nmの範囲内にあること、− 励起光源が、励起光線出力を能動ファイバ核へ集結させるための連結光学系を通じてファイバと結合していること、を特徴とする先行請求項の1項に記載のレーザスリットランプ【請求項6】− 内部レーザ光源としてアップコンバージョン・ファイバレーザが設置されていて、そのファイバ核がエルビウムでドーピングされていることおよびその作用光線が2.5Wまでの初期出力を有していること、− 励起光線の波長が970nm〜980nmの範囲内にあること、− 励起光源が、励起光線出力を能動ファイバ核へ集結させるための連結光学系を通じてファイバと結合していること、を特徴とする先行請求項の1項に記載のレーザスリットランプ【請求項7】− 内部レーザ光源が、周波数2倍化されたファイバレーザであって、そのファイバ核がネオジムまたはイッテルビウムでドーピングされていること、− 基本波長が、1060nm〜1100nmで、作用光線の波長が530nm〜550nmの範囲内にあって、初期出力が2.5Wまでであること、− 2倍化のために、ポーリング加工のなされた、またはなされていない非線形光学結晶が、共振器の外部に設置されていること、− 励起光線の波長が800nm〜820nmの範囲内にあること、および励起光源には、励起光線を能動ファイバ核へ効果的に集結させることのできる連結光学系が配備されていること、を特徴とする先行請求項の1項に記載のレーザスリットランプ【請求項8】− 内部レーザ光源が、ネオジムまたはイッテルビウムでドーピングされたファイバ核を持つ共振器内部に設置の周波数2倍化されたファイバレーザであること、および周波数2倍化のために非線形光学結晶が備えられていること、− 基本波長が1060nm〜1100nmで、作用光線の放出波長が530nm〜550nmの範囲内にあって初期出力が2.5Wまでであること、を特徴とする先行請求項の1項に記載のレーザスリットランプ【請求項9】照準光線またはマーキング光線を生成する光源が、スリットランプベースまたはスリットランプ顕微鏡に配置されていることを特徴とする先行請求項の1項に記載のレーザスリットランプ【請求項10】励起光源が、スリットランプベースに配置された、800nm〜820nmの励起波長を持つダイオードレーザであって、励起ダイオードに、励起光線を能動ファイバ核へ効果的に集結させることのできる連結光学系が配備されていることを特徴とする先行請求項の1項に記載のレーザスリットランプ【請求項11】照準光線またはマーキング光線が、ダイクロイックミラーまたは偏光素子の作用により作用光線へコリニア結合していることを特徴とする先行請求項の1項に記載のレーザスリットランプ【請求項12】照準光線またはマーキング光線が、作用光線からスペクトル上隔たったアップコンバージョン・ファイバレーザの蛍光光線によって形成されることを特徴とする先行請求項の1項に記載のレーザスリットランプ【請求項13】スリットランプベースまたはスリットランプ顕微鏡に、例えば体内アプリケータ用の外部光ファイバへの接続のための光ファイバ接続部が少なくとも一つ設けられていることを特徴とする先行請求項の1項に記載のレーザスリットランプ
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、眼科分野での診断および治療に用いられるレーザ光源付のレーザスリットランプに関するものである。当分野ではレーザアプリケータ付のスリットランプは、例えば糖尿病性網膜症における汎網膜性光凝固、網膜剥離症における網膜接合、老人性黄斑変性症(AMD)における網膜の格子状凝固のような特に網膜治療に、および例えば慢性緑内障における線維柱帯形成術または急性緑内障における虹彩切断術などの緑内障治療に用いられる。
【0002】
【従来の技術】現状の技術レベルとしては、多数のメーカーから提供されている特殊なリンクシステム、またはアプリケータの付属する特殊なレーザスリットランプ、または診断スリットランプが知られており、市販されている。これらのランプは、作用光線および/または照準光線を生成する外部(遠隔)配置のレーザ光源とそれぞれ光ファイバで連結されている。そのようなレーザスリットランプまたは診断スリットランプ用リンクシステムについては、例えばUS 5 921 981などの特許文献およびその他の文献にも記述されている。これに関連することでは、ダイオードレーザとスリットランプまたはNd:YAGレーザとスリットランプの組合せも公知になっている。
【0003】レーザ光線で利用できるのは、近赤外線および可視スペクトル域の波長領域である。アプリケータの光学装備として配置される光学ズームシステムは治療部の照射光点の大きさ調整に用いられる。また、励起光源の強度変調または機械的変調(シャッタ機構)によって誘起される作用光源のパルス作動も公知になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】外部レーザとスリットランプとから成る公知の組合せが持つ重大な欠点として、外部レーザ光源に大きな設置空間が必要なこと、および光線が放射光源からアプリケータ付属のスリットランプを経て患者の眼に到るまでの過程で放射減損を起こすことが実証されている。この欠陥の解消には、光源および電源の出力を高めて伝送損失分の埋め合せをすることが必要である。以上のほかにも、レーザ放射光源とアプリケーションシステム間の電気的結合に多数の導線を要すること、設置コストが高いことおよび敏感な光ファイバを経てアプリケーションシステム(レーザスリットランプまたはリンクシステム)にまで光を伝送する必要があることなどの欠点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、眼科分野でのレーザ医療用のコンパクトな治療機器および/または診断機器として、現状技術の欠点を一掃するレーザスリットランプの提供を課題としている。
【0006】本発明における請求項1の上位概念に基づくレーザスリットランプの場合では、この課題は同項の特徴的手段によって解消される。本発明についての詳細およびその他の実施態様は従属請求項に記述されている。その場合、給電、制御装置を含み入れたダイオード補強型の非常にコンパクトなレーザ光源がスリットランプに組入れられていれば非常に有利である。
【0007】レーザ光源としては、例えば連続作動式および/またはパルス作動式のダイオード励起型固体レーザ、ファイバレーザ、マイクロチップレーザまたはダイオードレーザを設置することができる。半導体レーザダイオードをマーキングレーザ、励起レーザまたは治療レーザとして使用すれば、電気的および光学的損失量を低く抑えることができる。それによって機器の作動効率は非常に高くなる。その結果、特別な冷却、除熱対策は不要になる。
【0008】内部レーザ光源が、励起光源および非線形倍増器結晶と共に、スリットランプヘッド、アプリケータまたはスリットランプ顕微鏡の中に配置されたダイオード励起型の周波数2倍化されたコンパクトな固体レーザであれば有利であるが、その場合非線形結晶はレーザ共振器の内部または外部に配置されているものとする。
【0009】また、レーザ光源用のレーザ材料としてNd:YAG結晶、Nd:YVO結晶またはNd:YLF結晶が用いられて、光線の放出が基本波長の1064nm、1053nmまたは1047nmで行なわれるのであれば有利である。周波数の2倍化された作用光源は、波長532nm、526.5nmまたは523.5nmにおいて約3Wまでの初期出力で光線を放出する。励起光線の波長は790nm〜815nmの範囲内にある。
【0010】本発明の有利な実施態様では、レーザ結晶は受動光学連結素子により、それ自体公知の方法に従って励起光源に結合させることができる。この連結素子は、例えば結像光学系を持つ光導体によって実現させることができる。
【0011】また別な実施態様では、内部レーザ光源として、その能動ファイバレーザ核がPr/Ybでドーピングされていて、作用光線の放出波長が520nm〜540nmまたは630nm〜640nm、初期出力が2.5Wまでというアップコンバージョン・ファイバレーザが装備されていることもある。その場合、励起光源はスリットランプベースに配置させることができるが、励起光線の波長は、好ましくは830nm〜850nmの範囲とする。
【0012】励起光源が、励起光線出力を能動ファイバ核に集結させる連結光学系を介してファイバと結合していれば有利である。さらには、内部レーザ光源として、その能動ファイバ核がエルビウムでドーピングされていて、そのレーザ放出光線の初期出力が2.5Wまでというアップコンバージョン・ファイバレーザが備わっている装置も好ましい。この場合のレーザ光線の波長は547nmである。励起光線の波長は970nm〜980nmの範囲にあって、励起光源は励起光線を能動ファイバ核に集結させる連結光学系を介してファイバと結合している。
【0013】また、内部レーザ光源として、そのファイバ核がネオジムでドーピングされていて、基本波長が1060nm〜1080nmの範囲にあり、作用光線の波長が初期出力約2.5Wまでの条件下で530nm〜540nmの範囲にある、外部において周波数2倍化されたファイバレーザを使用するのも好ましい。但しその場合、2倍化用としてポーリング加工のなされた、またはなされていない非線形光学結晶が装備されていること、励起光線の波長が800nm〜820nmの範囲にあることおよび励起光源には励起光線を能動ファイバ核に効果的に集結させることのできる連結光学系が設置されていることが前提条件となる。
【0014】そのほか、内部レーザ光源としては、ネオジムでドーピングされたファイバレーザ核を持っていて共振器内で周波数2倍化されたというファイバレーザを、またその場合の周波数2倍化には非線形光学結晶をそれぞれ使用することもできる。但し、この場合の基本波長は1060nm〜1080nmとし、周波数2倍化された作用光線の放出波長は初期出力2.5Wまでの条件下で530nm〜540nmとする。
【0015】さらに、照準光線またはマーキング光線を生成する光源が、スリットランプヘッドまたはスリットランプ顕微鏡に配置されているのも好ましいことである。
【0016】励起光源としては、その有利な設置形態として、波長800nm〜820nmの励起光線を発するダイオードレーザをスリットランプベースまたはスリットランプヘッドに配置させることができるが、その励起ダイオードには、励起光線を能動ファイバ核へ効果的に集結させるための連結光学系が装備されているものとする。
【0017】照準光線またはマーキング光線は、ダイクロイックミラーまたは偏光素子によって容易に作用光線へコリニア結合させることができる。さらには、スリットランプベース、スリットランプヘッドまたはスリットランプ顕微鏡に、例えば内視ゾンデまたはヘッド装着式検眼鏡の外部アプリケータへの接続用の光ファイバ接続部が少なくとも一つ設けられていれば有利である。
【0018】本発明に基づくレーザスリットランプによれば、コンパクト構造のレーザ治療器が実現できる。しかも特記すべきことに、光源の内部配置により連結に伴う光学的損失量が減少する。さらに、配線コストもかなり減少する。スリットランプから隔たった位置に配置された光源と適用するスリットランプ間の光学的伝送が不要になることから、設置コストおよび設置所要空間の大幅な削減が達成される。他の代替アプリケータの接続も実現可能である。
【0019】レーザスリットランプにおけるレーザ光源の配置には原則として3つの可能性がある。即ちスリットランプヘッド、スリットランプ顕微鏡またはスリットランプベースへの配置である。
【0020】励起光源は作用光線光源に直接設置することも、あるいはレーザスリットランプの別な部分に設置することも可能である。制御、調整、監視および給電のための電子機器は、レーザスリットランプベースに設置するのが有利である。レーザスリットランプの給電部は、スリットランプベースに配置することも、外部に配置することも可能である。横断面の小さな高撓曲性電線による給電を確保するためには、送電電圧を高めて作業するのが好ましい。その場合、電気消費装置(レーザダイオード、熱電冷却器など)の至近領域内では電圧/電流の変換が行なわれる。
【0021】以上より、本発明には次の長所がもたらされる :・ コンパクトなレーザ治療機器が実現する。
・ 連結に伴う光学的損失量が減少する、即ち、高い効率が達成される。システム出力の低減化により調達コストおよび作動コストが削減される。
・ 構成要素群がコンパクトにまとめられているため保守負担が少ない。
・ 規模の大きな配線を伴う外部光源が不要である。
・ 光源と適用スリットランプ間の光学的伝送が不要である。
・ 設置コストおよび設置所要空間が非常に小さい。
・ レーザスリットランプへ他の代替アプリケータを接続することも可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下では本発明を実施例に基づきより詳しく説明する。各図はそれぞれ次のものを表わしている:図1に概略図示した本発明に基づくレーザスリットランプは、スリットランプベース1、スリットランプヘッド2および治療対象である眼、詳しくは治療対象である眼の内部またはその周辺を観察するための接眼レンズ3.1および鏡胴3.2を持つスリットランプ顕微鏡3を有している。スリットランプには、異光源からの光線をコリニア結合するための手段の装備されたアプリケータ4が連結している。
【0023】その光源は、照準光線またはマーキング光線5.1を発する照準光源またはマーキング光源5である場合や、あるいは図1では、ファイバレーザとして描かれた治療光線または作用光線6.1の生成のための作用光源6の場合もある。当装置においては作用光源6として作動に使用されるレーザ光源の生成用に、励起光線を発する光源7がアプリケータ4内に配置されている。
【0024】図1に基づくスリットランプの場合、その他の光源もすべてアプリケータ4内に配置されている。治療対象である眼の内部またはその周辺の照明用および観察用として照明光源8が、アプリケータ4内に設置されており、その光線は結像光学素子9および/または転向光学素子10を通じて眼に誘導される。
【0025】作用光線6.1および/または照準光線5.1が形成する光点の大きさ変更のためには、アプリケータ4内の光路にズーム光学系11が配置され、有効に働いている。それとは別に光学構成体12があるが、これはこれ自体の配置された光路内における当該光線の結像およびフォーカシングに用いられる。
【0026】図1に基づく装置の場合、照準光線5.1を作用光線6.1へコリニア結合させるのはダイクロイックミラー19によるのが有利である。眼の治療ではそうすることによって、照準光線5.1と作用光線6.1を眼の内部または周辺の同一箇所に命中させることが可能になる。
【0027】レーザスリットランプの内部には、それも好ましくはスリットランプベース1には、レーザスリットランプの作動および制御に必要な制御、調整、監視装置が設置されている。例えば、回路部13、安全、調整論理素子14、コンピュータユニット15および温度調整用ぺルティエ素子16を含むダイオード作動素子ならびに然るべき連結部がスリットランプベース1に配置されている。操作素子17および操作レバー18もスリットランプベース1に設置されている。それらはスリットランプの操作および調整に用いられる。
【0028】図1は、内部に配置される作用光源6が、例えばアプリケータ4内に配置された連続作動またはパルス作動するダイオード励起型アップコンバージョン・ファイバレーザであるという場合のレーザスリットランプを描いたものである。このファイバレーザは、レーザ核がPr/Ybでドーピングされていて、波長領域520nm〜540nmまたは630nm〜640nmの作用光線を放出し、その初期出力は2.5Wまでである。
【0029】Pr/Ybファイバレーザの場合、レーザ光線スペクトル内にあって作用光線の波長から十分に隔たった蛍光光線を代替照準光線として利用することもできる。
【0030】当実施態様の場合では、励起光源7もアプリケータ4内に配置されており、ファイバレーザの能動ファイバ核へ、それ自体は公知の方法によって集結される波長領域830nm〜850nmの励起光線を放出する。この集結目的には、励起光源7と作用光源6(ファイバレーザ)間に伝送または結合用の光学系20を設置することができる。
【0031】図1に描かれた実施態様の場合では、内部作用光源6として、ファイバ核がエルビウムでドーピングされていて、作用光線の初期出力が2.5Wまでというアップコンバージョン・ファイバレーザを設置することもできる。この場合のレーザ光線の波長は547nmである。ファイバレーザの光励起のための励起光線は970nm〜980nmの波長領域内にある。
【0032】作用光源6としては、ネオジムまたはイッテルビウムでドーピングされたファイバ核を持つ周波数2倍化されたファイバレーザも使用できる。その場合の放出レーザ光線の基本波長は1060nm〜1100nmであり、周波数2倍化された作用光線の波長は530nm〜550nmである。初期出力はこの場合も同様に2.5Wまでの範囲にある。ファイバレーザによって生成されるレーザ光線の周波数2倍化は、それ自体は公知の方法により、つまり共振器内外の非線形光学結晶によって実現可能である。即ち、2倍器結晶はこの場合それぞれレーザ共振器の内外に配置されている。波長領域800nm〜820nmの励起光線を発する当該励起光源7には、励起光線をファイバレーザの能動ファイバ核へ効果的に集結させる連結光学系20が配備されている。
【0033】図2に描かれたレーザスリットランプは、図1に基づくスリットランプと同様、接眼レンズ3.1、鏡胴3.2を持つスリットランプ顕微鏡3、アプリケータ4および操作素子17と操作レバー18の付属するスリットランプベース1を有している。図2でも、他の図に描かれたものと同じ機能を持つ構成部および構成要素群はできる限り同じ符号で表示してある。
【0034】励起光源7、例えば然るべきレーザダイオードはスリットランプベース1に配置されている。励起光線は光導体21を通ってアプリケータ4内の連結光学系20へ誘導され、ファイバレーザとして形成されている作用光源6へ集結される。ファイバレーザから放出された作用光線は、照準光源5から出る照準光線が作用光線へコリニア結合する際に通るダイクロイックミラー19のほかズーム光学系11.1、ミラー19.1、19.2を経由して患者の眼に誘導される。照明光源8から出る照明光線もダイクロイックミラー19.1を通って作用光線へ集結させることができる。
【0035】図3に描かれた本発明に基づくレーザスリットランプも同様に、スリットランプベース1、スリットランプヘッド2、スリットランプ顕微鏡3およびアプリケータ4を有している。作用光源6.1はスリットランプヘッド2内に配置されていて、例えば、マイクロチップレーザまたはダイオード励起型の適当な固体レーザとして構成されている。
【0036】固体レーザは、その作用光線がダイクロイックミラー19.3およびズーム光学系11.2を通って眼の内部またはその周辺の治療箇所へ誘導される、連続またはパルス作動型で共振器内または共振器外に配置された周波数2倍化レーザとすることができる。スリットランプヘッド2には、そこからの光線がミラー19.3を通って作用光線の光路へコリニア結合している照準光源5も配置されている。同様にスリットランプヘッド2内に配置された励起光源7、例えば励起ダイオードから発せられた励起光線は、光導体22中を進み、中間接続された連結光学系23を通過して励起用として作用光源6.1に供給される。
【0037】当実施例では照明光源8がアプリケータ4内に配置されていて、そこから出た光線がミラー19.2(図3)で反射して患者の眼へ誘導されるようになっている。レーザ材料としては、それ自体は公知になっている、Nd、Er、YbまたはCr3+をドーピングした結晶またはガラスが使用される。周波数の2倍化は、この場合でも非線形光学結晶により公知の方法で行なう。例えば周波数2倍化、Ndドーピングおよびダイオード励起のなされた固体レーザは、波長領域530nm〜550nmの光線を放出するが、その場合励起は波長領域790nm〜820nmの励起光線で行なわれる。
【0038】図1〜3には描かれてないが、次の可能性もある :励起光源7は、図3に描かれているようにスリットランプヘッドに配置するのではなくて、スリットランプベース1に配置することも可能である。その場合でも励起光線のレーザ結晶への誘導は然るべき光導体によって行なう。エネルギー供給、制御および調整に必要な電気、電子構成ユニットは、図3に基づく実施態様の場合でもスリットランプベースに納めることができる。
【0039】例えば、励起光源として用いられるレーザダイオードがレーザ材料に直接配置されている場合では、電気エネルギーの伝送は電流を大幅に低減させて高電圧で行なうのが好ましく、有利である。この方法の場合、ダイオードの直前で低電圧、高電流への電気的変換を行なう。作用光線が当機器から出る前に出力冗長性の測定および監視を行なうのが好ましい。
【出願人】 【識別番号】396000455
【氏名又は名称】カール ツァイス イエナ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【出願日】 平成14年1月10日(2002.1.10)
【代理人】 【識別番号】100071098
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 省躬
【公開番号】 特開2002−248123(P2002−248123A)
【公開日】 平成14年9月3日(2002.9.3)
【出願番号】 特願2002−3441(P2002−3441)