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【発明の名称】 吸水性物品
【発明者】 【氏名】須尭 保成

【氏名】伊藤 喜一

【要約】 【課題】液の逆戻り性が改善された衛生材料に有用な吸水性物品を提供する。

【解決手段】液透過性の表面シート、液不透過性の防漏シート及び吸水性樹脂を含む吸水層を有する吸収材を両シートの間に備えた吸収性物品において、該吸収材は、高吸水性樹脂と繊維質基材とからなり、且つ液透過性の表面シートの内面に対面する吸収材の表面上に高吸水性樹脂層が設けられていることを特徴とする吸水性物品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】液透過性の表面シート、液不透過性の防漏シート及び吸水性樹脂を含む吸水層を有する吸収材を両シートの間に備えた吸収性物品において、該吸収材は、高吸水性樹脂と繊維質基材とからなり、且つ液透過性の表面シートの内面に対面する吸収材の表面上に高吸水性樹脂層が設けられていることを特徴とする吸水性物品。
【請求項2】液透過性の表面シート、液不透過性の防漏シート及び吸水性樹脂を含む吸水層を有する吸収材を両シートの間に備えた吸収性物品において、吸収材が、高吸水性樹脂からなる吸水層の両側に繊維質基材層を設けてなり、且つ液透過性の表面シートの内面に対面する繊維質基材層の表面上に高吸水性樹脂層が設けられていることを特徴とする吸水性物品。
【請求項3】吸収材又は繊維質基材層の表面上に設けられた高吸水性樹脂層は、該表面上に高吸水性樹脂粒子を散布して形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の吸水性物品。
【請求項4】該高吸水性樹脂粒子は平均粒子径が50〜1000μmであり、該表面上に5〜120g/m2散布されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の吸水性物品。
【請求項5】吸水材又は吸収層中の高吸水性樹脂と表面上の高吸水性樹脂との重量比が9:1〜7:3であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の吸水性物品。
【請求項6】高吸水性樹脂粒子を散布する吸収材又は繊維質基材層は、少なくとも親水性繊維で構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の吸水性物品。
【請求項7】親水性繊維がセルロース系繊維であることを特徴とする請求項6記載の吸水性物品。
【請求項8】液透過性表面シートの内面に対面する吸収材又は繊維質基材層の表面上に高吸水性樹脂層が設けられている吸収材は、吸収紙の間に挟持されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の吸水性物品。
【請求項9】該吸収紙がセルロース繊維により構成されていることを特徴とする請求項8記載の吸水性物品。
【請求項10】親水性繊維重量と高吸水性樹脂の重量比が3:1〜1:2であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の吸水性物品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性液体を吸収する素材として吸水性樹脂粒子を用いた吸水性物品に関するものである。詳しくは、吸水後の荷重により生ずる液戻り現象を改善した紙おむつ、生理用ナプキン、失禁者用パッド等の用途に有用な吸水性物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の吸収性物品は水性液体を吸収する吸収材として、主にパルプのような繊維質基材の間に吸水性樹脂粒子を分散させたり、2枚のシート状繊維質基材の間に吸水性樹脂粒子の層をサンドイッチしたもの等が用いられている。例えば、特開平8−246395号公報には、繊維ウエブを構成する繊維間に高吸水性樹脂の粒子を分散・接着固定することによって高吸水性樹脂の脱落を防ぎ、再吸収速度に優れ、吸収した水分や体液を確実に高吸水性樹脂で固定し、液戻り量も少ない吸収性シートが提案されている。また、特開平9−156014号公報には、吸収性シートにおいて繊維質基材として繊維性状の異なる繊維を組み合わせ、その繊維間に高吸水性ポリマー粒子を分散させることにより高吸水性ポリマーの吸収性を損なうことなく該ポリマーを固定した吸収性能の良い吸収性シートが提案されている。更に、特許第2955223号公報では、吸収性物品における吸収体において、その吸水性樹脂を挟持する吸収紙に特定の繊維を組み合わせ、かつその存在割合に勾配を持たせることにより、液体の拡散性及び吸収透過性を改善する提案がなされている。しかしながら、これらの方法では、異なった性状の繊維で繊維質基材を構成しなければならず、また、これらの繊維間に吸水性樹脂粒子を均一に分散させ、かつ固定しなければならないので、その製造の為の操作が煩雑で、工業的には必ずしも有利とは言えない。
【0003】通常、吸水性シートが水や体液を吸収する場合、水分や体液は素早く吸水性シートの繊維質基材であるパルプや不織布にいったん吸収され、高吸水性樹脂は水分や体液を徐々に吸収していく。しかし、吸収速度や局所的吸収性に優れるパルプや不織布等の繊維質基材は、液保持性では劣るので、体液や水分量が多いと吸収速度の違いにより高吸収性樹脂によって吸収されなかった水分や体液がパルプや不織布中に存在することになり、特に、液の再吸収が繰り返される紙おむつや生理用ナプキン等ではこの状態になりやすい。このような状態の吸収シートに荷重がかかると、水分や体液が逆戻りする、所謂液戻り現象が生起するが、紙おむつや生理用ナプキン等の衛生材料でこのような現象が起こるとそれらを装着している人の皮膚の接触面が濡れた状態となり不愉快な思いをさせるだけでなく、肌荒れの原因ともなる。そのため、衛生材料に適した逆戻りしない吸収性シート及びそれを用いた吸収性物品の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはこれらを解決するため液の逆戻り現象について鋭意研究を行った結果、吸収性物品において、吸水性樹脂からなる吸水層を繊維質基材を含む層を介して2層もうけた特定の層構成からなる吸水材を用いた場合、繊維質基材中に吸水性樹脂粒子を均一分散させた吸水材を使用した場合に比べ、液の逆戻りを抑制し得ることを見出し本発明を達成した。本発明は、液の逆戻り性が改善された衛生材料に有用な吸水性物品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、液透過性の表面シート、液不透過性の防漏シート及び吸水性樹脂を含む吸水層を有する吸収材を両シートの間に備えた吸収性物品において、該吸収材は、高吸水性樹脂と繊維質基材とからなり、且つ液透過性の表面シートの内面に対面する吸収材の表面上に高吸水性樹脂層が設けられていることを特徴とする吸水性物品に存する。
【0006】本発明の好ましい態様として、吸収材が、高吸水性樹脂からなる吸水層の両側に繊維質基材層を設けてなり、且つ液透過性の表面シートの内面に対面する繊維質基材層の表面上に高吸水性樹脂層が設けられていること、吸収材又は繊維質基材層の表面上に設けられた高吸水性樹脂層は、該表面上に高吸水性樹脂粒子を散布して形成されたものであること、該高吸水性樹脂粒子は平均粒子径が50〜1000μmであり、該表面上に5〜120g/m2散布されていること、吸水材又は吸水層中のの高吸水性樹脂と表面上の高吸水性樹脂との重量比が9:1〜7:3であること、高吸水性樹脂粒子を散布する吸収材及び繊維質基材層は、少なくとも親水性繊維、特にセルロース系繊維で構成されること、液透過性表面シートの内面に対面する吸収材又は繊維質基材層の表面上に高吸水性樹脂層が設けられている吸収材は、吸収紙、例えばセルロース系吸収紙の間に挟持されていること、及び親水性繊維重量と高吸水性樹脂の重量比が3:1〜1:2であることが挙げられる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の吸水性物品は、基本的に上記の如く液透過性の表面シート、液不透過性の防漏シートを有し、その両シートの間に吸水性樹脂層を2層有する吸収材を備えた構成であり、特に吸水性樹脂からなる吸水層をシート状の繊維質基材を介して2層有する吸収材を具備した構成からなるものである。図1及び図2は、本発明の吸水性物品の一実施態様の層構成を示す概略図であり、以下本発明を図1に沿って説明する。図中、1は液透過性の表面シート、2は液不透過性の防漏シートであり、3及び4は繊維質基材、5は高吸水性樹脂粒子からなる吸水層、6は高吸水性樹脂粒子の分散層であり、7及び8は吸収紙である。そして、本発明の吸収材は3〜6の各層より構成される積層材である。また、図2は、本発明の他の実施態様であり、吸収材(3〜5)は、吸水性樹脂が繊維質基材に均一分散された層から構成されるものである。
【0008】液透過性の表面シートとしては、液体を透過させることができるものであれば、特に制限はなく、この種製品に使用されているものから適宜選定して使用することができる。しかし、吸水性物品が衛生材として使用されることから装着する人に不快感を与えない肌着のような感触を有するものが好ましく、このようなシートの具体例としては、例えば、熱可塑性樹脂の織布、不織布、多孔性フィルム等が挙げられる。中でも低密度ポリエチレンなどのポリオレフィンからなる多孔性フィルムが好ましい。
【0009】液不透過性の防漏シートは、液体を透過させないものであれば、特に制限はなく、通常、この種製品に使用されているものから適宜選定して使用することができる。防漏シートとしては、特に透湿性があり、且つ肌着のような感触を有するものが好ましい。透湿性があり液不透過性の防漏シートは、例えば、熱可塑性樹脂に無機化合物又は有機化合物のフィラーを添加したものを溶融押出成形によりフィルムを形成し、次いでフィルムを一軸又は二軸延伸して製造することができる。
【0010】本発明の吸収材、例えば3及び4の繊維質基材層を構成する繊維質基材としては、「成形した」繊維質基材が好ましい。成形した繊維質基材とは、具体的には繊維をゆるく成形したパッド、カーディングまたはエア・レイイングしたウエブ、ティッシュペーパー、木綿ガーゼのような織布、メリアス地または不織布であって、特定の形状を有するものである。ここで「成形した」繊維質基材とは、その繊維質基材を用品の中に組み込むために、切断、接合、造形等が必要になることはあるが、ウエブ形成作業は更に施す必要がないものを意味する。繊維質基材の繊維としては、特に制限されず、親水性繊維、熱溶融性接着繊維等が挙げられるが、液体を素早く吸収するためには主成分が親水性繊維であるのが好ましい。
【0011】親水性繊維としては、特にいわゆる紙おむつや生理用ナプキンなどには、使用時に身体への適応性を高めるため、フラップパルプなど嵩高性を与えるセルロース系素材が用いられる。本発明に係わる吸水性樹脂物品においても、フラップパルプのような嵩高性を与える層を含んでいることが好ましい。親水性繊維の目付量は、80〜300g/m2、特に100〜260g/m2であることが好ましい。
【0012】熱溶融性接着繊維の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリビニルアルコール等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン−ポリプロピレン複合繊維、ポリエチレン−ポリエステル複合繊維、低融点ポリエステル−ポリエステル複合繊維、繊維表面が親水性であるポリビニルアルコール−ポリプロピレン複合繊維、並びにポリビニルアルコール−ポリエステル複合繊維等を挙げることが出来る。
【0013】本発明の成形した繊維質基材は、上記繊維が機械的絡み合いや物理的絡み合い等によって得られるものであり、例えば紙や不織布などが挙げられるが、紙としては湿式抄造により得られる紙やそれをクレープ加工したものが挙げられる。又、不織布としては、レーヨンやキュプラ等の合成セルロース繊維や綿等の天然セルロース繊維を主体としてカード法不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布のような各種不織布を用いることが出来る。
【0014】本発明に使用される高吸水性樹脂は、自重の20倍以上の液体を吸収・保持することができる、ゲル化するものが好ましい。高吸水性樹脂としては、通常、水溶性重合性モノマーを含む単量体を重合して得られる吸水性重合体粒子であり、特に該水溶性重合性モノマーを含む単量体水溶液を逆相懸濁重合して得られる吸水性重合体粒子が有用である。その重合体の代表例は、脂肪族不飽和カルボン酸またはその塩の重合体又は共重合体であり、重合性モノマーとして具体的には、アクリル酸またはその塩、メタクリル酸またはその塩等の不飽和モノカルボン酸またはその塩、或いはマレイン酸またはその塩、イタコン酸またはその塩等の不飽和ジカルボン酸またはその塩を例示することができ、これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。この中で好ましいものはアクリル酸またはその塩、およびメタクリル酸またはその塩であり、特に好ましいのはアクリル酸またはその塩である。
【0015】上記重合性モノマーは、生成重合体の吸水性能を低下させない範囲で他の重合性モノマーと共重合することができ、これらと共重合可能な重合性モノマーとして、例えば(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、または低水溶性モノマーではあるが、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸アルキルエステル類等が挙げられる。更に、アクリル酸またはその塩などのモノマーに架橋剤を併用し、架橋構造を形成させて吸水性能を向上させた架橋共重合体も使用することが出来る。架橋剤としては、前記重合性モノマーと共重合可能なジビニル化合物、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート類等、ならびにカルボン酸と反応し得る2個以上の官能基を有する水溶性の化合物、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル等が好適に使用される。この中で特に好ましいのは、、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドである。
【0016】重合方法は特に制限されることはなく、従来公知の方法、例えば水溶液重合法、逆相懸濁重合法を適宜採用することが出来る。具体的には、逆相懸濁重合法は、上記水溶性重合性モノマー及び重合触媒を含む水溶液を、分散剤の存在下、疎水性有機溶媒に撹拌等により懸濁させ重合する方法である。また、重合性モノマー水溶液を型枠の中で水溶液重合する方法も挙げられるが、水溶液重合では生成する重合体が塊状であるので、重合後、細粒子化して本発明に適用し得る粒子とする必要がある。それ故、逆相懸濁重合法で生成するのが有利である。重合方法は回分式、連続式のいずれの方式を採用することも出来る。又、繊維質基材のシートをベルトコンベアで移送しつつ、上方から重合性モノマー水溶液の重合が進行中の反応混合物液柱を落下させ、生成した液滴同士が繊維質基材シート上で結着して一体となった凝集粒状体を、所定時間を経過させて重合を完了させ、次いで乾燥する方法により吸水性複合体として製造することもできる。このようにして得た吸水性複合体は、吸水性重合体が凝集粒状体となり、凝集粒状体の一部が基材繊維の回りを包囲するか基材繊維に接して繊維質基材に固定化され基材上に担持されている(具体的には、特開平2000-198805号参照)。吸水性重合体の形状としては、例えば粒状、塊状、ブドウ状、粉末状等が挙げられるが、粒状のものが好ましく、その大きさは50〜1000μm、好ましくは100〜800μmである。
【0017】本発明の吸収材において、高吸水性樹脂からなる吸水層5は繊維質基材3,4に挟持されたサンドイッチ構造を形成しているが、この様な構成は、不織布等の繊維質基材の上に高吸水性樹脂粒子を散布し、その上に繊維質基材を重ね合わせ、必要に応じそれらを乾燥し、次いで一体化することにより形成することができる。又、繊維質基材上に吸水性重合体が固定化された吸水性複合体を用いる場合には、吸水性重合体の担持された面を内側にして折り重ね、一体化することにより製造することもできる。又、繊維質基材中に高吸水性樹脂が均一分散した吸収材は、解砕したパルプ等と高吸水性樹脂を混合しシートに成形すれば良い。
【0018】高吸水性樹脂の分散層6は、上記のようにして製造した吸水層の両側の繊維質基材のうち液透過性の表面シートの内面に面する繊維質基材の表面、或いは吸収材の表面に吸水性樹脂粒子を分散させることにより形成される。分散層の高吸収性樹脂は、主に逆戻りする体液等を吸収する機能を果たす為に設けられるもので、吸収層5或いは吸収材中の高吸水性樹脂よりも少量である。分散量は、通常、吸水層或いは吸収材中の高吸水性樹脂と表面上の高吸水性樹脂との重量比が9:1〜7:3の範囲となるようにされ、5〜120g/m2である。
【0019】本発明の積層材はその上下を吸収紙7,8で挟み、吸収紙7の外側上に液透過性表面シート、吸収紙8の外側上に液不透過性防漏シートを積層する。吸収紙は、親水性繊維、特にセルロース系繊維の湿式抄造により得られる紙や不織布が用いられるが、簡便にはティッシュペーパーが使用される。吸収紙7は、体液吸収の際、液透過性シートを通過した液を素早く内部の繊維質基材層へ導くことが必要とされるので、薄層のものが好ましい。しかし、あまり薄すぎると分散層6の高吸水性樹脂粒子が突き出る恐れがある。
【0020】本発明の上記図1の構成からなる吸水性物品が体液を吸収する機作は以下のように推測される。即ち、体液が液透過性の表面シートを通過し、通過した液はそのまま吸収紙、吸水性樹脂分散層を通って繊維質基材層に達する。繊維質基材層を形成するパルプや不織布は、その繊維の空隙に体液を吸収してスポンジのように保持し、繊維質基材に接する高吸水性樹脂は、その液を吸水し保持する。体液の吸収される速度は、通常、繊維質基材の速度が高吸水性樹脂の速度より速く、又、吸収される体液の量が多い場合には、一部の体液が高吸水性樹脂の接触面から離れた繊維質基材中に取り残されることになる。このような状態の吸水性物品に体重などが掛かり加圧されると、取り残された体液が後戻りする、所謂液戻りが生ずる。本発明の吸水性物品では、この繊維質基材に取り残された後戻りする体液を繊維質基材表面に設けた高吸水性樹脂の分散層により吸収させることにより、液戻り量を著しく低減させることが可能となるのである。
【0021】
【実施例】次に本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0022】実施例図1に示す構成からなる本発明の吸水性シートを作成した。液透過性の表面シート(1)にはポリプロピレン繊維の不織布(目付量50g/m2)を用い、液不透過性の防漏シート(2)は、ポリエチレンシート(目付量20g/m2)を用いた。繊維質基材(3)及び(4)には、フラッフパルプ(目付量128g/m2)を用い、吸収紙(7)及び(8)には市販のティッシュペーパー(目付量18g/m2)を用いた。高吸水性樹脂は、アクリル酸ナトリウムを逆相懸濁重合して製造した重合体粒子であり、その平均粒径は450μmである(特願平11-184908の実施例1記載の方法により製造した粒子を使用した。)。フラッフパルプ(目付量128g/m2)を用い、吸水性樹脂を160g/m2になるように吸水層(5)を形成し、40g/m2になるように分散層(6)を形成させた。吸水層は、所定量の樹脂粒子を、予め水を散布して湿潤状態にしたフラッフパルプシート上に散布し、その上に他のフラッフパルプシートを重ね合わせ、圧着一体化する。次いで、フラッフパルプシートの一表面上に所定量の樹脂粒子を均一に散布したのち、ドライヤーで乾燥した。この様にして作成した積層材をティッシュペーパーで挟み、フラッフパルプシート上に樹脂粒子層を有する側に液透過性の表面シート、反対側に液不透過性の防漏シートを置いて全体を圧着一体化し、両シートをヒートシールして吸水性シートとした。
【0023】比較例1実施例1において、樹脂粒子の全量を用いて吸水層を形成し、分散層を設けなかった以外は同様にして吸収性シートを作成した。このシートの構造を模式的に図3に示す。
【0024】比較例2実施例1で使用したフラッフパルプシートをディスクタービン翼で解砕させ、樹脂粒子が200g/m2になる量及びフラッフパルプが256g/m2にまる量を均一混合分散した後、一体化したパルプミックスシートとなした。このシートをティッシュペーパーで挟み、更に液透過性の表面シート及び液不透過性の防漏シートを置いて全体を圧着一体化し、両シートをヒートシールして吸水性シートとした。このシートの構造を模式的に図4に示す。
【0025】実施例2実施例1で使用したフラッフパルプシートをディスクタービン翼で解砕させ、これに樹脂粒子が160g/m2になる量を均一混合分散した後、一体化したパルプミックスシートとなし、その上に樹脂粒子が40g/m2になるように均一分散して分散層を形成した。全体を圧着一体化した後、実施例1と同様にして吸水性シートを作成した。このシートの構造を模式的に図2に示す。
【0026】上記実施例及び比較例で作成した吸水性シート評価を以下の方法により行った。
<吸収速度(拡散性)>中央に内径40mmの上方が開放された円筒が取り付けられており、かつ円筒で囲まれた部分に、直径5mmの7個の貫通孔がほぼ等間隔となるようにもうけられているアクリル板(100×100×10mm、全重量150g)を、吸水性シート(180×180mm)の中央に載せ、更にこれに直径100mmで中央部に直径45mmの穴のある円板(500g)を円筒に捜通して載せる。円筒に着色した人工尿50ml入れる。着色は、ブリリアントファーストブルーGC(日本化薬社製)の1%水溶液2mlを人工尿1Lに添加して行った。人工尿を入れた瞬間から、7個の孔のうち1つでも吸収し終えた瞬間までの時間をストップウオッチで測定し、吸水速度とした。その結果を表1に示す。尚、吸収速度の単位は秒である。
【0027】<液戻り測定>吸水速度を測定した後、荷重を掛けないで吸水シートを10分間放置する。その後、吸水シートの中心部上に10cm角の濾紙(ADVANTEC No.424;東洋濾紙社製)を20枚重ねて置き、その上に4.5kgの荷重を5分間かける。5分後、荷重を取り除き濾紙の重量を測定し、予め測定しておいた濾紙の重量との差である吸水量を液戻り量(g)とした。各シートにつき3回行った測定の結果を図5に示す。
【0028】<拡散性>液戻り測定をした吸水性シートを用いて、再び吸収速度測定、液戻り測定の工程を2回、即ち合計3回実施する。3回目の工程終了後、吸水性シートのヒートシール部を切り開き、吸水性シートを構成する上ティッシュ部、パルプ部、下ティッシュ部の人工尿の広がり(長尺方向)を6ヶ所測定し、その平均値を拡散性(mm)とした。その結果を表1に示す。
【0029】尚、上記評価測定において、人工尿として下記の重量組成のものを用いた。
尿素 1.94%塩化ナトリウム 0.80%塩化カルシウム 0.06%硫酸マグネシウム 0.11%純水 97.09%【0030】
【表1】

【0031】
【発明の効果】本発明の構成からなる吸水性物品を用いた、紙おむつや生理用ナプキンなどでは、体重を掛けた場合のような荷重下においても水分や体液の逆戻りが著しく軽減されるので、これらを装着した人に不快感を与えず爽快な装着感が得られる。
【出願人】 【識別番号】000005968
【氏名又は名称】三菱化学株式会社
【出願日】 平成13年1月31日(2001.1.31)
【代理人】 【識別番号】100068065
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 一 (外3名)
【公開番号】 特開2002−224161(P2002−224161A)
【公開日】 平成14年8月13日(2002.8.13)
【出願番号】 特願2001−23310(P2001−23310)