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【発明の名称】 カイロ用包材およびカイロ袋
【発明者】 【氏名】中上 博行

【氏名】三塚 裕行

【氏名】倉橋 明彦

【要約】 【課題】風合いと隠蔽性に優れたカイロ用包材およびその包材を用いたカイロ袋を提供すること。

【解決手段】合成樹脂製の繊維からなる不織布層と、熱可塑性樹脂製のフィルム層との積層体からなるカイロ用包材であって、前記合成樹脂製の繊維からなる不織布層は、その目付量が20g/m2以上50g/m2以下であり、前記積層体は、その光線透過率が75%以下であることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 合成樹脂製の繊維からなる不織布層と、熱可塑性樹脂製のフィルム層との積層体からなるカイロ用包材であって、前記合成樹脂製の繊維からなる不織布層は、その目付量が15g/m2以上70g/m2以下であり、前記積層体は、その光線透過率が75%以下であることを特徴とするカイロ用包材。
【請求項2】 請求項1に記載のカイロ用包材において、前記不織布層は、その目付量が20g/m2以上50g/m2以下であり、前記積層体は、その光線透過率が70%以下であることを特徴とするカイロ用包材。
【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のカイロ用包材において、前記合成樹脂は、ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とするカイロ用包材。
【請求項4】 請求項3に記載のカイロ用包材において、前記ポリオレフィン樹脂は、ポリプロピレン系樹脂であることを特徴とするカイロ用包材。
【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のカイロ用包材を有するカイロ袋。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂製の繊維からなる不織布層と、熱可塑性樹脂製のフィルム層の積層体からなるカイロ用包材およびその包材を有するカイロ袋に関する。
【0002】
【背景技術】空気中の酸素および水と反応して発熱する鉄粉を袋体内に収納して製造される、いわゆるカイロは、その簡便さからアウトドア等の様々な場面において利用されている。このようなカイロ用の袋体は、一般に、不織布層と樹脂製フィルム層とを積層した包材を、樹脂製フィルム層側がその袋体の内部側となるように、その包材の外周部分を熱融着することにより製造されている。
【0003】このような不織布層としては、第一に使用者の肌に直接触れることとなるため、肌触りが良いこと、第二に破れないような十分な強度を有すること、第三に耐熱性があること等の性能が求められている。一方、樹脂製フィルム層としては、第一に熱融着性が高いこと(高ヒートシール性)、第二に熱融着部分が剥がれにくいこと(高ホットタック性)、第三に生産速度の向上に寄与するためヒートシール温度を低くできること(低温シール性)、第四に破れないような十分な強度を有すること、第五に耐熱性があること等が求められている。
【0004】このため、一般的には、このような包材の風合いをより高める目的で、不織布層としてナイロンやポリエステルを使用し、樹脂製フィルム層として低密度ポリエチレンフィルム及びエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、もしくは、低密度ポリエチレンフィルム及びEMMA(エチレン−メタアクリル酸共重合樹脂)を使用していた。一方、ヒートシール性やホットタック性を高め、かつコストを抑えることを目的として、ポリプロピレン製スパンボンド不織布層と熱可塑性フィルム層とを積層したカイロ用包材も知られている(特開平11−56894号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このように製造した包材は、手触り感(風合い)を高めるという効果等があるものの、隠蔽性に劣るという欠点があるため、カイロの内部に収納された鉄粉等が見えることを嫌うユーザにとって、満足できないという問題を生じていた。
【0006】本発明の目的は、風合いと隠蔽性に優れたカイロ用包材およびその包材を用いたカイロ袋を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るカイロ用包材は、合成樹脂製の繊維からなる不織布層と、熱可塑性樹脂製のフィルム層との積層体からなるカイロ用包材であって、前記合成樹脂製の繊維からなる不織布層は、その目付量が15g/m2以上70g/m2以下であり、前記積層体は、その光線透過率が75%以下であることを特徴とするものである。さらに、より好ましくは、前記不織布の目付量が、20g/m2以上50g/m2以下であり、かつ、前記積層体の光線透過率が70%以下である。
【0008】カイロは、肌に接触させて使用されるので、カイロのユーザは、カイロの包材に対して柔らかい風合いを好む。しかしながら、不織布の目付量が、70g/m2を越える場合には、手触りが固くなって十分な風合いを提供できない。一方、15g/m2未満の場合には、不織布としての強度が不足するので、包材として十分な強度を確保できず、破れやすくなるという欠点があるとともに、ラミネート後の風合いが良くないという欠点もある。
【0009】また、積層体の光線透過率が、75%以上の場合には、このような積層体からなる包材の内部側に収納された鉄粉等が包材の外部側から見えやすくなるので、意匠性に劣ることとなる。このため、内部の鉄粉等が見えることを嫌うユーザを十分に満足させることができないという欠点がある。
【0010】以上のように、本発明によれば、カイロ用包材の風合いと隠蔽性を向上できるので、カイロのユーザを十分に満足させることができる。ひいては、このようなカイロ用包材を用いることにより、風合いと隠蔽性を備えたカイロ袋をも製造できる。
【0011】積層体の全光線透過率は、スガ試験機株式会社製の「直読ヘイズコンピューターHGM−2DP」を使用して測定される。積層体の測定枚数は適宜選択できるが、比較的ムラがあるので、重ねて測定されることが好ましい。例えば、絞り部を最小限の値に設定し、被測定物である積層体が2枚重ねられて測定される。このような測定により得られた結果が、2枚重ねの全光線透過率である。本発明に示す全光線透過率は、この2枚重ねの全光線透過率の平方根の値を示すものである。従って、本発明においては、全光線透過率が75%以下、さらに70%以下であることが好ましいので、この数値を二枚重ねの全光線透過率への換算を試みると、0.75の平方である0.56となり、0.7の平方である0.49という値を示すことになる。つまり、二枚重ねの全光線透過率は、56%以下、さらには49%以下であることが好ましいということになる。
【0012】不織布層として使用される不織布としては、特に制限はなく、各種製造方法によって製造される不織布を使用できる。例えば、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、熱風ガード不織布、熱エンボスガード不織布、メルトブロー不織布などの公知の不織布が挙げられる。これらの中でも、強度、生産性等から長繊維であるスパンボンド不織布が好ましい。なお、例えば、スパンボンド法とメルトブロー法とを複合させるような複合不織布を採用してもよい。
【0013】このようなスパンボンド不織布は、所定の製造方法で製造されればよく、一般に紡糸、延伸、開繊、捕集、ボンディングの各工程を経て製造される。さらに、ボンディング工程においては、一般的に、不織ウェブは部分融着される。部分融着とは、不織ウェブを熱融着等により接合する際に、前面を接合するのではなく、部分的に接合させることである。部分融着には、例えば、ドット(点)や破線、格子状および碁盤目状の凸状部を有するエンボスロールを使用する方法等を採用できる。
【0014】本発明において、より最適なスパンボンド不織布としては、例えば、前述のような方法によって部分融着されたものであり、その融着部分の面積割合が全体の10〜30%、より好ましくは、12〜20%である。融着部分の面積割合が全体の10%未満の場合には、風合いが向上するものの毛羽立ちが生じやすく、繊維が脱落しやすいため、使い勝手が悪いという問題がある。一方、融着部分の面積割合が全体の30%を越える場合には、手触りが固くなり風合いが損なわれることとなる。
【0015】不織布に用いられる合成樹脂としては、ポリエステル系樹脂やポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、安価で風合いに優れること等からポリオレフィン系樹脂が好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、単独重合体としてのポリプロピレンやポリエチレン、また、共重合体としてのエチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体等を採用できる。共重合体としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)や、高圧法LDPE等が挙げられる。
【0016】特に、ポリオレフィン系樹脂の中では、さらに機械適性や耐熱性等に優れるポリプロピレン系樹脂が好ましい。
【0017】なお、ポリオレフィン樹脂以外の合成樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート等のホモポリエステル、およびこれらを主成分単位として他の成分を共重合したコポリエステル、さらには、これらの混合ポリエステルを挙げることができる。
【0018】ポリアミド系樹脂としては、ナイロン6(ポリカプロラクタミド)、ナイロン6,6(ポリヘキサメチレンアジポアミド)、ナイロン6,10(ポリヘキサメチレンセバカミド)、ナイロン11(ポリウンデカンアミド)、ナイロン7(ポリ−ω−アミノヘプタン酸)、ナイロン9(ポリ−ω−アミノノナン酸)、ナイロン12(ポリラウリンアミド)などが挙げられる。中でも、ナイロン6、ナイロン6,6が好ましく用いられる。
【0019】不織布に用いられる合成樹脂の繊維径としては、特に限定されるものではないが、隠蔽性においては、繊維径がより小さい方が優れたものとなる。しかしながら、繊維径をあまりに小さくしすぎると不織布としての強度が低下するので、それらの兼ね合いから適宜選択される。例えば、1〜50μmが好ましく、5〜40μmがより好ましい。また、不織布として、繊維径が10μm以上の繊維からなる不織布層と、繊維径が10μm以下の繊維からなる不織布層とを積層した積層体を用いてもよい。
【0020】また、繊維の断面形状については、特に制限されないが、繊維の断面形状を異型とした異型断面繊維を使用すれば、より一層隠蔽性を向上できる。さらに、繊維の表面が、いわゆる肌荒れや鮫肌状に形成されたものであってもよく、その場合にも隠蔽性を向上できる。
【0021】また、不織布に用いられる合成樹脂には、例えば、顔料等の添加物が含まれていてもよく、特にポリオレフィン系樹脂、中でもポリプロピレン系樹脂には顔料が含まれることが好ましい。
【0022】このような顔料は、特に制限はなく、無機系および有機系のものを使用できる。具体的には、無機系顔料として、酸化チタン等の酸化物、硫化物、フェロシアン化物、クロム酸塩、硫酸塩、炭酸塩、珪酸塩、カーボンブラック等の炭素、金属粉、真珠顔料等を使用できる。
【0023】一方、有機系顔料として、アゾ系(不溶性、溶性)化合物、縮合アゾ系化合物、フタロシアニン系化合物、アンソラキノン系化合物、インジゴ系化合物、ペリレン系化合物、ジオキサジン系化合物、キナクリドン系化合物、イソインドリノン系化合物、キノフタロン系化合物、ピロール系化合物、金属錯塩、蛍光顔料等を使用できる。また、このような顔料の種類および添加量は、隠蔽率や不織布としての生産安定性、色より等を考えて適宜選択される。なお、このような顔料の添加量は、一般的には10重量%以下で使用される。
【0024】一方、熱可塑性樹脂製のフィルム層を構成する熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、一般的に使用されているエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂やエチレン−メタアクリル酸共重合体樹脂等が使用できる。しかしながら、熱融着性やホットタック性、低温シール性、強度等に優れるものが好ましく、例えば、安価で、ヒートシール性に優れるポリオレフィン系樹脂を採用できる。
【0025】さらに、ポリオレフィン系樹脂としては、種々のポリエチレン、ポリプロピレンを採用できるが、その中でも低温シール性等を考慮すると、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が好ましい。このような熱可塑性樹脂製のフィルム層同士を突き合わせ、その突き合わせ部分に対して外部から加熱等を施すことにより熱融着して、袋体等に形成可能となっている。なお、熱可塑性樹脂製のフィルム層は、そのフィルム層の単層またはそのフィルム層を含む複層であってもよい。この際には、熱可塑性樹脂製のフィルム層同士が熱融着されるように構成されればよい。
【0026】また、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、メタロセン系触媒を用いて製造されたものであってもよい。メタロセン系触媒としては、例えば、シングルサイト触媒(SSC)や幾何拘束型触媒(CGC)などがある。これらのメタロセン系触媒の具体例としては、特開平6−192506号公報,同7−145298号公報,同7−18151号公報,同7−145272号公報,国際公開WO94/06859号公報に記載されている触媒があり、さらには特開平5−43618号公報,同5−51414号公報,国際公開WO96/04317号公報,同93/13140号公報,同91/04255号公報,同91/04257号公報に記載されている触媒を挙げることができる。
【0027】より具体的には、シクロペンタジエニル基,モノ(ジ,トリ,テトラ,ペンタ)メチルシクロペンタジエニル基やインデニル基を有する遷移金属錯体からなる触媒などがある。これらのメタロセン系触媒は、通常アルキルアルミノキサン、あるいは硼素化合物のようなイオン性化合物などが併用される。エチレン−炭素数4〜18のα−オレフィン共重合体が好ましい。
【0028】直鎖状低密度ポリエチレンにおいて、共重合体のコモノマーとして通常用いられる炭素数4〜18のα−オレフィンとしては、例えばブテン−1;ペンテン−1;ヘキセン−1;オクテン−1;ノネン−1;デセン−1;ドデセン−1などの直鎖状α−オレフィン、3−メチルブテン−1;4−メチルペンテン−1などの分岐状α−オレフィンが挙げられるが、これらの中で、特に炭素数4〜10の直鎖状α−オレフィンが好ましい。
【0029】これらのα−オレフィンは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、少量のジエン成分、例えばジシクロペンタジエン;エチリデンノルボルネン;1,4−ヘキサジエン;1,9−デカジエン;ビニルノルボルネンなどを併用してもよい。このエチレン−α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィン単位の含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択してよい。
【0030】また、このようなメタロセン系触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレンを含む樹脂は、その融点が70〜120℃のものが好適である。更に好ましくは85〜110℃である。このような構成のカイロ用包材を使用したカイロ袋においては、直鎖状低密度ポリエチレンを含む樹脂からなるフィルム層が、製袋時における熱融着層として積層されていることが必要である。この場合、ヒートシール性が良好になることから、該直鎖状低密度ポリエチレンを含む樹脂の融点は低いほど好ましいが、70℃未満ではカイロの中に充填される発熱性組成物の発熱によりシール界面が溶融剥離して、破袋するおそれがある。また、120℃より高い場合、不織布層に用いられるポリプロピレン樹脂の融点との差が小さくなり、不織布層が変形したり、高速製袋シール時の安定性が低下するなど、ヒートシール性が悪化するおそれがある。
【0031】また、該フィルム層は、製袋時における熱融着層となるものであり、融点が上記範囲を満たすものであれば、メタロセン系触媒を用いて得られる直鎖状低密度ポリエチレンのみからなるものでなくてもよく、他の製造方法によって得られた直鎖状低密度ポリエチレンや低密度ポリエチレン等を含むものであってもよい。即ち、メタロセン系触媒を用いて得られる直鎖状低密度ポリエチレンにこれらの他の樹脂をブレンドしたものを該フィルム層の材料として用いてもよい。好ましくは、メタロセン系触媒を用いて得られる直鎖状低密度ポリエチレンのみが用いられる。
【0032】さらに、熱可塑性樹脂製のフィルム層は、メタロセン系触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレンを含む樹脂からなる上記フィルム層の単層でもよいし、該層に他の熱可塑性樹脂を積層した複層でもよい。ただし、複層の場合には、メタロセン系触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレンを含む樹脂からなる上記フィルム層が、製袋する場合に熱融着されるべきシール層となる構造になっていることが必要である。さらに、複層の場合には、メタロセン系触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂フィルム層と低密度ポリエチレン樹脂フィルム層からなる2層のものが好ましく用いられる。
【0033】また、熱可塑性樹脂製のフィルム層は、その厚みが、30〜80μmが好ましく、40〜60μmがより好ましい。30μm未満では、十分な突き刺し強度が得られず、80μmを超えると熱融着性が低下して高速生産が困難になる。
【0034】さらに、フィルム層を形成する材料には、本発明の目的を損なわない範囲で、各種添加剤等の第三成分が添加されたものであってもよい。例えば、カイロ用等のフィルムに通気性を要する場合には、フィルム層として、ポリオレフィン系樹脂に炭酸カルシウムを添加し、延伸して得られる微多孔フィルム等を用いてもよい。
【0035】また、フィルム層の材料に対して、前述の不織布層の場合と同様に、前述した各種顔料を添加してもよく、添加する顔料の種類および添加量は、隠蔽率や不織布としての生産安定性、色より等を考えて適宜選択される。なお、これらの顔料の添加量は、一般的には10重量%以下で使用される。
【0036】また、フィルム層に対して表面エンボス加工を施したり、フィルム層の材料への造核剤の添加やフィルム層の延伸配向等によって結晶化度を調節したりしてもよく、この場合も光線透過率を低下させることができる。
【0037】前記不織布層と前記フィルム層との積層方法については、特に限定されず、公知の方法を用いればよい。例えば、不織布上にメタロセン系触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレンを溶融押出する押出ラミネートや、低密度ポリエチレン等の樹脂層を介して、不織布とメタロセン系触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレンを積層するポリサンドラミネートや、融着剤を用いるドライラミネートなどを用いることができる。さらには、高速生産においては、Tダイ型押出成形機を2台使用したタンデム成形が好ましく用いられる。
【0038】使い捨てカイロにおいては、発熱性組成物を発熱させるためには酸素が必要であることから、上記積層体からなるカイロ用包材に通気性を付与する。このため、微細な針等を用いて機械的に穿孔するなどの公知の方法を採用できる。その際には、孔の径や数については目的に応じて適宜選択してよい。
【0039】本発明のカイロ用袋は、前記のカイロ用包材を用いてなるものであるが、該カイロ用包材における直鎖状低密度ポリエチレンを含む樹脂からなるフィルム層が、製袋時において熱融着されることにより得られるものである。製袋方法については、特に制限はなく、公知の方法を用いればよいが、具体的には、直鎖状低密度ポリエチレンを含む樹脂からなるフィルム層が直接重なるように、前記カイロ用包材を2枚重ね、四方を熱シール機でヒートシールすることにより袋状に加工する方法が好ましく用いられる。なお、四方に限らず、例えば、三方等の他のものであってもよい。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例を挙げて、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す内容に限定されるものではない。
(不織布層を構成する不織布)
ポリプロピレン製のスパンボンド(PPSB)不織布(A)ストラテック RNシリーズ,出光ユニテック株式会社製(A1)品番RN2030 目付量30g/m2,色合い;ナチュラル(A2)品番RN2040 目付量40g/m2,色合い;ナチュラル(A3)品番RN2050 目付量50g/m2,色合い;ナチュラル(A4)品番RN2070 目付量70g/m2,色合い;ナチュラル(B)ストラテック RWシリーズ,出光ユニテック株式会社製(B1)品番RW2030 目付量30g/m2,色合い;ホワイト(B2)品番RW2040 目付量40g/m2,色合い;ホワイト(B3)品番RW2050 目付量50g/m2,色合い;ホワイト(B4)品番RW2070 目付量70g/m2,色合い;ホワイト(C)ストラテック RCシリーズ,出光ユニテック株式会社製(C1)品番RC2040 目付量40g/m2,色合い;ベージュ(C2)品番RC2040 目付量40g/m2,色合い;ブルー(フィルム層を構成する熱可塑性樹脂)
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)
(D)アフィニティーFW1650,融点98℃、ダウ・ケミカル社製(E)前述の直鎖状低密度ポリエチレン(アフィニティーFW1650,融点98℃、ダウ・ケミカル社製)に対して、白顔料マスターバッチ(PEX68T、東京インキ株式会社製)を10%添加したもの【0041】[実施例1]不織布層として(B2)品番RW2040を使用し、フィルム層の樹脂として(D)アフィニティーFW1650を使用して、この不織布層とこのフィルム層とを2層に積層した積層体からなるカイロ用包材を得た。さらに、このカイロ用包材を使用して、カイロサンプルを作製した。
【0042】[実施例2]不織布層として(B3)品番RW2050を使用し、フィルム層の樹脂として(D)アフィニティーFW1650を使用して、この不織布層とこのフィルム層とを2層に積層したカイロ用包材を得た。さらに、このカイロ用包材を使用して、カイロサンプルを作製した。
【0043】[実施例3]不織布層として(C1)品番RC2040,色合い;ベージュを使用し、フィルム層の樹脂として(D)アフィニティーFW1650を使用して、この不織布層とこのフィルム層とを2層に積層した積層体からなるカイロ用包材を得た。さらに、このカイロ用包材を使用して、カイロサンプルを作製した。
【0044】[実施例4]不織布層として(C2)品番RC2040,色合い;ブルーを使用し、フィルム層の樹脂として(D)アフィニティーFW1650を使用して、この不織布層とこのフィルム層とを2層に積層した積層体からなるカイロ用包材を得た。さらに、このカイロ用包材を使用して、カイロサンプルを作製した。
【0045】[実施例5]不織布層として(B2)品番RW2040を使用し、フィルム層の樹脂として(E)アフィニティーFW1650に対して、白顔料マスターバッチ(PEX68T、東京インキ株式会社製)を10%添加したものを使用して、この不織布層とこのフィルム層とを2層に積層した積層体からなるカイロ用包材を得た。さらに、このカイロ用包材を使用して、カイロサンプルを作製した。
【0046】[比較例1]不織布層として(A1)品番RN2030を使用し、フィルム層の樹脂として(D)アフィニティーFW1650を使用して、この不織布層とこのフィルム層とを2層に積層した積層体からなるカイロ用包材を得た。さらに、このカイロ用包材を使用して、カイロサンプルを作製した。
【0047】[比較例2]不織布層として(A2)品番RN2040を使用し、フィルム層の樹脂として(D)アフィニティーFW1650を使用して、この不織布層とこのフィルム層とを2層に積層した積層体からなるカイロ用包材を得た。さらに、このカイロ用包材を使用して、カイロサンプルを作製した。
【0048】[比較例3]不織布層として(A3)品番RN2050を使用し、フィルム層の樹脂として(D)アフィニティーFW1650を使用して、この不織布層とこのフィルム層とを2層に積層した積層体からなるカイロ用包材を得た。さらに、このカイロ用包材を使用して、カイロサンプルを作製した。
【0049】[比較例4]不織布層として(A4)品番RN2070を使用し、フィルム層の樹脂として(D)アフィニティーFW1650を使用して、この不織布層とこのフィルム層とを2層に積層した積層体からなるカイロ用包材を得た。さらに、このカイロ用包材を使用して、カイロサンプルを作製した。
【0050】[比較例5]不織布層として(B1)品番RW2030を使用し、フィルム層の樹脂として(D)アフィニティーFW1650を使用して、この不織布層とこのフィルム層とを2層に積層した積層体からなるカイロ用包材を得た。さらに、このカイロ用包材を使用して、カイロサンプルを作製した。
【0051】[比較例6]不織布層として(B4)品番RW2070を使用し、フィルム層の樹脂として(D)アフィニティーFW1650を使用して、この不織布層とこのフィルム層とを2層に積層した積層体からなるカイロ用包材を得た。さらに、このカイロ用包材を使用して、カイロサンプルを作製した。
【0052】(カイロ用包材の作製方法)各実施例および各比較例のカイロ用包材は、各不織布((A1)〜(A4),(B1)〜(B4),(C1),(C2))上に、フィルム層の樹脂((D),(E))を、Tダイ型押出機(押出温度270℃)を用いて、厚み50μmで押出ラミネートすることにより作製される。以上のようにして、非通気性の2層の積層体からなるカイロ用包材を作製した。
【0053】(カイロサンプル作製方法)前述のようにして作製されたカイロ用包材を用いて、以下の方法によりカイロサンプルを作製した。まず、内部に充填する発熱組成物の発熱(酸化反応)を引き起こすために、非通気性のカイロ用包材の一部に、熱針を用いて通気加工を行い、通気性ある2層の積層体であるカイロ用包材を作製した。これらの非通気性のカイロ用包材および通気性のあるカイロ用包材を、直鎖状低密度ポリエチレン製のフィルム層同士が接するように重ねて原反として供給し、熱ロール方式の充填シール機で発熱組成物(鉄粉、水、酸化促進剤、保水剤等)を充填しながら、四方をシールして、カイロサンプルを作製した。
【0054】この際、下限シール温度は、112℃であったが、内容物充填時の製袋評価としては、110℃および120℃ではシール強度不足による不良品を発生していたが、130℃以上においては、シール不良品は発生せず、良好な製品を得ることができた。
【0055】前記各実施例および各比較例で得られたカイロ用包材について、その二枚重ねの全光線透過量を測定した。さらに、これらの各カイロ用包材を使用して作製された各カイロサンプルについて、その隠蔽性および風合いの各特性を評価した。これらの測定結果および評価結果を、表1にまとめた。
【0056】
【表1】

【0057】なお、これらの各項目についての測定および評価は、以下の手法を用いて行った。
(1)カイロ用包材の全光線透過率の算出前述の各カイロ用包材を、下記の測定方法に従って、その二枚重ねの全光線透過率について測定した。
(測定方法)
測定機:スガ試験機株式会社製 直読ヘイズコンピューターHGM−2DP測定条件:絞り部を最小限の値に設定する。
被測定物:各カイロ用包材を2枚重ねたものを使用する。
このようにして得られた二枚重ねの全光線透過率の平方根を求め、全光線透過率を算出した。
【0058】(2)カイロサンプルの隠蔽性および風合いの評価前述の各カイロサンプルの風合いおよび隠蔽性について、20人のパネルによってモニターテストを行うことにより評価した。風合いについては、一般市販品と比較して、その揉み心地等について評価した(◎:一般市販品に対して同等以上である、○:同等、×:劣る)。また、隠蔽性については、一般市販品と比較して、見た目のイメージで評価した(◎:一般市販品に対して同等以上である、○:同等、×:劣る)。
【0059】表1に示すように、実施例1〜実施例5で得られるカイロ用包材およびカイロサンプルは、隠蔽性および風合いに優れていることがわかる。実施例1においては、隠蔽性の効果を達成できるものの、風合いの点で市販品に比べて同等ではあるがやや劣る傾向にあるので、その際の全光線透過率の値である75%が、このような隠蔽性の効果を達成できる限界値であることがわかる。
【0060】また、実施例2においては、風合いの点において効果を達成できるものの、隠蔽性の点で市販品に対して同等ではあるがやや劣る傾向にあるので、その際の不織布の目付量の値である50g/m2が、このような風合いの効果を達成できる限界値であることがわかる。特に、実施例3〜実施例5においては、各不織布層の目付量が40g/m2であり、全光線透過率の値が70%以下であり、隠蔽性および風合いの点で十分に優れていることがわかる。
【0061】一方、比較例1〜比較例3および比較例5においては、各不織布層の目付量が、50g/m2以下であり、風合いの点で優れている。しかしながら、全光線透過率が75%を越えるものであって、隠蔽性に劣っていることがわかる。
【0062】また、比較例6においては、全光線透過率が67%であり、隠蔽性に優れている。しかしながら、不織布層の目付量が70g/m2であって、風合いの点で劣っていることがわかる。さらに、比較例4においては、全光線透過率が67%であり、隠蔽性に優れている。しかしながら、不織布層の目付量が70g/m2であって、風合いの点で劣っていることがわかる。なお、各実施例および各比較例において、その構成要素である不織布は、その目付量が20g/m2未満となる場合には、不織布としての強度が不足するので、この値(20g/m2)を目付量の下限としている。
【0063】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明のカイロ用包材によれば、不織布層の目付量が20g/m2以上50g/m2以下であるものを採用し、不織布層とフィルム層との積層体の光線透過率を75%以下となるように構成したので、カイロ用包材の風合いと隠蔽性を向上できる。このため、カイロのユーザを十分に満足させることができる。また、このようなカイロ用包材を用いる本発明に係るカイロ袋も、十分な風合いと隠蔽性を確保できる。
【出願人】 【識別番号】500163366
【氏名又は名称】出光ユニテック株式会社
【出願日】 平成13年1月17日(2001.1.17)
【代理人】 【識別番号】100079083
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 實三 (外2名)
【公開番号】 特開2002−209926(P2002−209926A)
【公開日】 平成14年7月30日(2002.7.30)
【出願番号】 特願2001−9355(P2001−9355)