トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 医療用アーム支持装置
【発明者】 【氏名】大原 豊

【氏名】橋本 修典

【氏名】奥村 大

【要約】 【課題】無影灯などの機能部や支持アームの移動中に、これらが誤って何かに当たったときには、その移動を自動的に停止させることのできる医療用アーム支持装置を提供する。

【解決手段】機能部(無影灯)1と、この機能部1を先端に設け、且つ、1本または複数本のアーム21、21…が駆動手段25を備えた関節機構22によって連結された支持アーム2と、上記無影灯1を所望の指定位置に移動させて定置させることのできる位置規制手段とを備えた医療用アーム支持装置において、上記支持アーム2の駆動手段25には、この支持アーム2の移動中に一定以上の負荷が当該支持アーム2あるいは前記無影灯1に生じたときに、駆動源23からの駆動力の伝達を解除するクラッチ機構26が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】機能部と、この機能部を先端に設け、且つ、1本または複数本のアームが駆動手段を備えた関節機構によって連結された支持アームと、上記機能部を所望の指定位置に移動させて定置させることのできる位置規制手段とを備えた医療用アーム支持装置において、上記支持アームの駆動手段には、この支持アームの移動中に一定以上の負荷が当該支持アームあるいは前記機能部に生じたときに、駆動源からの駆動力の伝達を解除するクラッチ機構が設けられたことを特徴とする医療用アーム支持装置。
【請求項2】請求項1において、上記クラッチ機構は、その空回り機構が始動すると共に、駆動源への給電が停止されるように連動されている医療用アーム支持装置。
【請求項3】請求項1において、上記駆動手段には、この駆動手段への負荷を検出する負荷検出手段が連結されており、その検出負荷が一定値以上なったときに、駆動源からの駆動力の伝達を電気的制御によって解除するように構成されている医療用アーム支持装置。
【請求項4】請求項1〜3の何れかにおいて、上記駆動手段には、駆動源に供給される電圧または制御パルスを制御する駆動制御部が連結されており、その供給電圧または制御パルスを変化させることによって、上記支持アーム等のスロースタート或いはスローストップを行うように構成されている医療用アーム支持装置。
【請求項5】請求項1〜4の何れかにおいて、上記機能部が手動によっても移動可能となっていることを特徴とする医療用アーム支持装置。
【請求項6】請求項1〜5の何れかにおいて、上記機能部または支持アームが患者に当接する前に、上記駆動手段の駆動が停止される検知部を設けたことを特徴とする医療用アーム支持装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯科治療、医科治療等において使用される医療用アーム支持装置に関し、詳しくは、支持アームの先端に設けられた無影灯などの機能部を所望の指定位置に移動させて定置させることのできる位置規制手段を備えた医療用アーム支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、歯科治療等において使用される医療用アーム支持装置は、機能部、例えば無影灯と、この無影灯を先端に設け、且つ、一本または複数本のアームが駆動手段を備えた関節機構によって連結された支持アームとより成る。
【0003】また、近時では、電気的或いは機械的に規制することで、上記無影灯を所望の指定位置に移動させて定置させることのできる位置規制手段を備えた医療用アーム支持装置も開発されている。
【0004】ここで、指定位置とは、無影灯の場合には、歯科治療を行うときに必要な定位置、治療中の患者がうがいなどを行うときに一時的に待機される待機位置、患者が治療椅子などに出入りするときに十分回避される回避位置などである。
【0005】そのため、医師が、予め指定位置を特定すれば、移動自在な支持アームは、上記位置規制手段によって、その特定された指定位置に無影灯を自動的に定置させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、指定位置に移動中の無影灯或いは支持アームは、歯科治療中には、医師や患者の顔面近くを通過することが多々あり、万一、上記無影灯や支持アームの移動中に、その一部が患者等に当たると怪我をすることがあり、安全性の点から好ましくない。
【0007】また、歯科治療室によっては、十分な空間を確保できない場合もあり、このような狭い治療室内では、医師が十分に注意をしていても上記無影灯や支持アームが天井、壁等に当ってこれらを傷付けることもある。
【0008】本発明は、かかる問題を解決しようとするもので、無影灯などの機能部や支持アームの移動中に、これらが誤って何かに当たったときには、その移動を自動的に停止させることのできる医療用アーム支持装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1に係る医療用アーム支持装置は、機能部と、この機能部を先端に設け、且つ、1本または複数本のアームが駆動手段を備えた関節機構によって連結された支持アームと、上記機能部を所望の指定位置に移動させて定置させることのできる位置規制手段とを備えた医療用アーム支持装置において、上記支持アームの駆動手段には、この支持アームの移動中に一定以上の負荷が当該支持アームあるいは前記機能部に生じたときに、駆動源からの駆動力の伝達を解除するクラッチ機構が設けられたことを特徴とする。
【0010】ここで、機能部とは、支持アームの先端に設置されて患者や術者の移動に合わせて移動位置決め自由とされ、診療部位の照明や、診療機器の載置などの機能を実現するための部分を言い、歯科の例でいうと、無影灯、テーブルトレイ、X線照射器、X線フィルムビュア、モニタなどがこれに相当する。
【0011】このものでは、関節機構の駆動手段にクラッチ機構が設けられているので、例えば医師が特定した指定位置に機能部を移動させるときに、移動中の支持アーム或いは機能部が、誤って患者や壁面などに当たれば、これらに一定以上の負荷が生じるため、駆動源からの駆動力が伝達されず、移動中の支持アーム或いは機能部を移動不能にできる。
【0012】そのため、移動中の支持アーム或いは機能部に誤って患者等が接触しても、その移動がクラッチ機構によって自動的に停止されるので、患者等が怪我をしたり、壁面等を傷付けたりすることもなく、安全である。
【0013】請求項2に係る医療用アーム支持装置は、請求項1において、上記クラッチ機構は、その空回り機構が始動すると共に、駆動源への給電が停止されるように連動されている。
【0014】このものでは、駆動源からの駆動力の伝達を解除すると同時に、或いは一定時間後に駆動源を停止することによって、移動中の支持アーム或いは機能部をより確実に停止できる。また、駆動源の無駄な空回りを防止して節電できる。
【0015】請求項3に係る医療用アーム支持装置は、請求項1において、上記駆動手段には、この駆動手段への負荷を検出する負荷検出手段が連結されており、その検出負荷が一定値以上になったときに、駆動源からの駆動力の伝達を電気的制御によって解除するように構成されている。
【0016】このものでは、クラッチ機構の任意の回転軸に、トルク検出器などの負荷検出手段が連結されているので、移動中の支持アーム或いは機能部に誤って患者等が接触しても、その移動が負荷検出手段によって自動的に停止されるので、患者等が怪我をしたり、壁面等を傷付けたりすることもなく、安全である。
【0017】請求項4に係る医療用アーム支持装置は、請求項1〜3の何れかにおいて、上記駆動手段には、駆動源に供給される電圧または制御パルスを制御する駆動制御部が連結されており、その供給電圧または制御パルスを変化させることによって、上記支持アーム等のスロースタート或いはスローストップを行うように構成されている。
【0018】このものでは、駆動源に供給される電圧または制御パルスを制御する駆動制御部が連結されているので、その電圧または制御パルスを上記駆動制御部で変化させることによって、上記支持アーム等のスロースタート或いはスローストップを行うことができるため、支持アーム等が急に移動することなく安全である。
【0019】請求項5に係る医療用アーム支持装置は、請求項1〜4において、上記機能部が手動によっても移動可能となっていることを特徴とする。
【0020】このものでは、機能部を手動によっても移動可能としているので、例えば、電動によって指定位置に移動された機能部の位置を、手動によって更に所望の位置に変位させることができる。
【0021】請求項6に係る医療用アーム支持装置は、請求項1〜5の何れかにおいて、上記機能部または支持アームが患者に当接する前に、上記駆動手段の駆動が停止される検知部を設けたことを特徴とする。
【0022】このものでは、近接スイッチ、赤外線スイッチなどの検知部を設けているので、機能部または支持アームが患者に近づいたときには、検知部がこれを検知して、駆動手段の駆動を停止させるので、患者等が怪我をしたり、壁面等を傷付けたりすることもなく、安全である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る医療用アーム支持装置Aを図面に基づき説明する。
【0024】本発明に係る医療用アーム支持装置Aは、歯科治療や医科治療等のときに使用されるものであるが、本実施例では歯科治療に用いるものを例示して説明する。
【0025】また、以下では、機能部1の例として、無影灯を取り上げて説明するが、もちろんこれに限られるものではない。
【0026】図1は、本発明に係る医療用アーム支持装置Aを説明するための歯科治療室内の全体斜視図である。一般に、歯科治療室内には、患者を乗せる治療椅子Bが設置され、その頭部B1の近くには、治療器具を載置する歯科用トレイテーブルCが設けられ、これと逆側に患者がうがいなどを行なうスピットン部Dが設置されている。
【0027】そして、医師は、治療椅子Bの頭部B1周囲に位置し、患者の歯科治療を行なうのであるが、この歯科治療のときに患者の口内を照射するために本発明に係る医療用アーム支持装置Aが用いられる。
【0028】この医療用アーム支持装置Aは、無影灯1と、この無影灯1を先端に設け、且つ、複数本のアーム21、21…が駆動手段(不図示)を備えた関節機構22によって連結された支持アーム2と、無影灯1を所望の指定位置に移動させて定置させることのできる位置規制手段(不図示)を備えている。
【0029】そのため、医師が、無影灯1の指定位置を特定すれば、移動自在な支持アーム2は、この位置規制手段(不図示)によって、その特定された指定位置に無影灯1を定置させることができる。
【0030】ここで、指定位置とは、歯科治療を行うときに必要な定位置、治療中の患者がうがいなどを行うときに一時的に待機される待機位置、患者が治療椅子などに出入りするときに十分回避される回避位置などである。
【0031】なお、支持アーム2が備えるアーム21、21…の数は様々であるが、無影灯1を所望の位置に移動できる構造であればよく、隣接するアーム21、21の間には少なくとも1以上の関節機構22が設けられている。
【0032】図2は、本発明に係る医療用アーム支持装置の要部を分解状態に示した概略斜視図、図3は、図2の断面状態を示した概略断面図である。
【0033】この関節機構22は、ステップモータ等の駆動源23を可動アーム21(I)に固定し、この駆動源23からの駆動力を駆動軸24を介して駆動手段25に伝達している。
【0034】駆動源23の駆動軸24には、これに連動して一方向に回転される主歯車部24aが固定して設けられ、この主歯車部24aの両側には、これに歯合して逆回転される従歯車部24b、24bが設けられている。
【0035】また、これらの従歯車部24b、24bは、可動アーム21(I)の内側に設けた内歯車部24eに歯合し、また、これら従歯車部24b、24bは、これと同方向に回転される回転中心軸24c、24cを下方に向けて各々固設しており、回転中心軸24c、24cの下端は、円盤状の回転板24dに回転自在に支持されている。
【0036】これらの主歯車部24a、従歯車部24b、回転中心軸24c、回転板24d、内歯車部24eは、いわゆる遊星歯車機構と言われるもので、駆動源23の回転数に対して、回転板24dの回転数を減速し、これに反比例して、その駆動力を増加させている。
【0037】また、駆動源23の駆動軸24の回転方向を電気的に規制すれば、回転板24dを時計方向或いは反時計方向の何れにでも自由に回転することができる。
【0038】なお、本実施例では、この遊星歯車機構を上下二段に連設して、適切な回転数の減速と必要な駆動力の確保を行なっている。
【0039】すなわち、回転板24dには更に、駆動軸24に対応する軸24fが、また、それぞれ上記遊星歯車機構を構成する主歯車部24a、従歯車部24b、回転中心軸24c、回転板24d、内歯車部24eと同様に構成された歯車24g、これに歯合された歯車24h、24h、軸24i、24i、内歯車部24j、回転板26fが設けられている。
【0040】そのため、回転板24dが駆動源23により矢印方向に回転されると、歯車24gに歯合した歯車24h、24hが内歯車部24jに歯合しながら、矢印方向に回転する。
【0041】同時に、軸24i、24iは、回転板26fに回転自在に支持されているので、この歯車24i、24iの動きと同期して、軸24fを中心にして回転され、その軸24i、24iの動きにより回転板26fが矢印方向に回転されるのである。
【0042】このように構成された駆動手段25によれば、全体を非常にコンパクトにしつつ、また、駆動源23と最終の従動側である回転板26fとを同軸上としながら、駆動源23の回転トルクを高めることができ、しかも減速を行なうことができる。
【0043】なお、本実施例で示した駆動手段25は例示に過ぎず、駆動源23の駆動力を減速できる手段であれば採用できる。
【0044】そして、このような駆動手段25の最下段に位置された回転板26fは、本発明に係るクラッチ機構26を介して他方のアーム21(II)と連結されている。
【0045】本実施例で示すクラッチ機構26は、軸部26aの下端を他方のアーム21(II)に固着すると共に、この軸部26aの上端には円盤状のクラッチ板26bを固着している。
【0046】また、クラッチ板26bには、上方に向けて弾性付勢されるスプリング等のバネ部材26cが1以上設けられており、このバネ部材26cの上端には球体26dが弾圧されている。
【0047】クラッチ板26bの表面には、球体26dの径より僅かに小さい穴を開けた板(不図示)を固定することで球体26dが外に飛び出さないようにしている。あるいは、これらのバネ部材26cと球体26dの変わりに、球体に付勢力を与えるように球体とスプリングを内蔵したネジ体(不図示)を、球体部分が突出するように、このクラッチ板26bの表面にネジ埋め込みしてもよい。
【0048】一方、上記回転板26fの下面には、この球体26dを嵌入する1以上の窪み部26eが形成されており、この窪み部26eに球体26dが嵌入することによって、回転板26fとクラッチ板26bとが連結されている。
【0049】そのため、回転板26fとクラッチ板26bとが連結されている場合に限って、上記可動アーム21(I)は、回転移動することができる。つまり、このようなクラッチ機構26を更に介して、駆動源23の回転駆動力が、軸部26aに、つまり他方のアーム21(II)に伝わり、この場合、この他方のアーム21(II)側は固定側となるので、この固定されたアーム21(II)に対して、可動アーム21(I)が回転駆動されることとなる。
【0050】一方、可動アーム21(I)の移動中に一定以上の負荷が当該可動アーム21(I)或いは、この前方に設けられた無影灯1に生じたときには、その負荷によってクラッチ板26bの球体26dが、回転板26fの窪み部26eから離脱する。
【0051】そのため、回転板26fとクラッチ板26bとの連結が解除されて回転板26fが空回りし、可動アーム21(I)は、駆動源23からの駆動力の伝達を解除して、その回動を停止できる。
【0052】このように、本実施例のクラッチ機構26は、機械的な空回り機構によって構成されているため、確実に駆動源23からの駆動力の伝達を解除して、その移動を停止できる。
【0053】また、クラッチ機構26は、検知手段を設ければ、その機械的な空回り機構が始動すると同時、或いは一定時間後に、駆動源23への給電が停止されるように連動させることも可能であり、このものでは、駆動源23からの駆動力の伝達を解除すると同時に駆動源23を停止することで、その移動をより確実に停止できる。また、回転板24dの無駄な空回りを防止して節電できる。
【0054】なお、本実施例で示したクラッチ機構26は例示に過ぎず、可動アーム21(I)の移動中に一定以上の負荷が当該可動アーム21(I)等に生じたときに、駆動源23からの駆動力の伝達を解除できる機構であればどのようなものでも採用できる。
【0055】また、このクラッチ機構26は、複数の関節機構22のうち、少なくとも1以上の関節機構22の駆動手段25に設けられている。
【0056】このような本発明に係る医療用アーム支持装置Aによれば、例えば医師が特定した指定位置に無影灯1を移動させるときに、移動中の支持アーム2或いは無影灯1が、誤って患者や壁面などに当たっても、これらに一定以上の負荷が生じるため、関節機構22の駆動手段25に設けたクラッチ機構26によって、駆動源23からの駆動力が伝達されず、移動中の支持アーム2或いは無影灯1を移動不能にできる。
【0057】そのため、移動中の支持アーム2或いは無影灯1に誤って患者等が接触しても、その移動が自動的に停止されるので、患者等が怪我をしたり、壁面等を傷付けたりすることもなく、安全である。
【0058】図4〜図6は、本発明に係る医療用アーム支持装置の他の実施例を示す説明図である。
【0059】図4で示す医療用アーム支持装置Aは、そのクラッチ機構26が電気的に行なわれることを示している。
【0060】すなわち、図4で示した駆動手段25には、任意の回転軸にトルク検出器などの負荷検出手段3を連結している。
【0061】ここで、負荷検出手段3には、機械的検出、電気的検出、光学的検出、磁気的検出など様々な検出手段がある。
【0062】そして、上記同様、移動中の支持アーム2或いは無影灯1が、誤って患者や壁面などに当たって、これらに一定以上の負荷が生じたときには、例えばトルク検出器では、その検出負荷が一定値以上になるため、この負荷を検出した負荷検出手段3は、上記支持アーム2を移動させている駆動源23の駆動手段25を電気的に遮断し、その移動を停止することができる。
【0063】なお、上記負荷検出手段3は、図2においては、例えば下段の回転版24dとクラッチ板26bとに連結させて両者の負荷を検出すればよい。
【0064】また、図5で示す医療用アーム支持装置Aは、駆動源23に供給される電圧または制御パルスを変えることによって駆動手段25の回転速度を変化させることを示している。
【0065】すなわち、この駆動手段25には、支持アーム2を移動させている駆動源23の電圧または制御パルスを変化させることのできる駆動制御部4が連結されている。
【0066】そのため、この医療用アーム支持装置Aでは、上記支持アーム2を移動させている駆動源23への電圧を上記駆動制御部で変化させることによって、上記支持アーム2等のスロースタート或いはスローストップを行うことができるので、支持アーム2等が急に移動することなく安全である。
【0067】なお、本実施例で説明した医療用アーム支持装置Aは、無影灯1が電動で移動されるものを例示したが、この電動による駆動手段25を有しながら、更に無影灯1を手動によって移動させることもできる。
【0068】この手動可能な医療用アーム支持装置Aによれば、例えば、電動によって指定位置に移動された無影灯の位置を、手動によって更に所望の位置に変位させることができる。
【0069】また、停電などによって無影灯1を電動で移動できない場合であっても、医師等が患者等の位置を見ながら支持アーム2を移動させることができる。
【0070】なお、図示していないが、支持アーム2の回転角度は、関節部に内蔵したポテンションメータで検知し、適切な角度で回転するように設定できる。
【0071】また、図6で示す医療用アーム支持装置Aは、無影灯1または支持アーム2が患者と近づいたときには、駆動手段25の駆動を停止させる検知部5を設けたものを示している。
【0072】ここで、検知部5としては、近接スイッチ、赤外線スイッチなど様々なものを使用できるが、要するに、無影灯1または支持アーム2と患者との位置、或いは距離が近づいたことを認識できるものであれば良い。
【0073】このような検知部5を適所に設けておけば、無影灯1または支持アーム2の移動中或いは静止しているときに、患者と近づいたときには、検知部5がこれを検知して駆動手段25の駆動を停止させるので、無影灯1または支持アーム2が患者等に当たって怪我をさせたり、壁面等を傷付けたりすることもなく、安全である。
【0074】なお、本実施例では、本発明の医療用アーム支持装置Aを、無影灯1に使用される場合について説明したが、この医療用アーム支持装置Aは、歯科用トレイテーブルCやX線装置などの支持装置として使用することも可能である。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果がある。
【0076】請求項1に係る医療用アーム支持装置によれば、関節機構の駆動手段にクラッチ機構が設けられているので、例えば医師が特定した指定位置に無影灯などの機能部を移動させるときに、移動中の支持アーム或いは機能部が、誤って患者や壁面などに当たれば、これらに一定以上の負荷が生じるため、駆動源からの駆動力が伝達されず、移動中の支持アーム或いは機能部を移動不能にできる。
【0077】そのため、移動中の支持アーム或いは機能部に誤って患者等が接触しても、その移動がクラッチ機構によって自動的に停止されるので、患者等が怪我をしたり、壁面等を傷付けたりすることもなく、安全である。
【0078】請求項2に係る医療用アーム支持装置によれば、駆動源からの駆動力の伝達を解除すると同時に、或いは一定時間後に駆動源を停止することによって、移動中の支持アーム或いは機能部をより確実に停止できる。また、回転板の無駄な空回りを防止して節電できる。
【0079】請求項3に係る医療用アーム支持装置によれば、クラッチ機構の任意の回転軸に、トルク検出器などの負荷検出手段が連結されているので、移動中の支持アーム或いは機能部に誤って患者等が接触しても、その移動が負荷検出手段によって自動的に停止されるので、患者等が怪我をしたり、壁面等を傷付けたりすることもなく、安全である。
【0080】請求項4に係る医療用アーム支持装置によれば、駆動源に供給される電圧を制御する駆動制御部が連結されているので、その電圧を上記駆動制御部で変化することによって、上記支持アーム等のスロースタート或いはスローストップを行うことができるので、支持アーム等が急に移動することなく安全である。
【0081】請求項5に係る医療用アーム支持装置によれば、機能部を手動によって移動可能にしているので、例えば、電動によって指定位置に移動された機能部の位置を、手動によって更に所望の位置に変位させることができる。
【0082】請求項6に係る医療用アーム支持装置によれば、近接スイッチ、赤外線スイッチなどの検知部を設けているので、機能部または支持アームが患者と近づいたときには、検知部がこれを検知し、駆動手段の駆動を停止させるので、患者等が怪我をしたり、壁面等を傷付けたりすることもなく、安全である。
【出願人】 【識別番号】000138185
【氏名又は名称】株式会社モリタ製作所
【出願日】 平成13年5月31日(2001.5.31)
【代理人】 【識別番号】100087664
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 宏行
【公開番号】 特開2002−355261(P2002−355261A)
【公開日】 平成14年12月10日(2002.12.10)
【出願番号】 特願2001−163715(P2001−163715)