トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 収容ユニット
【発明者】 【氏名】アンドレアス ラードル

【氏名】ガブリエラ ボップ

【氏名】ブルーノ ゼン

【氏名】フランク ミュラー

【要約】 【課題】高粘性の歯科材料を収容するために適しているとともに空気の閉じ込め防止効果を改善し、歯科材料を配量して供給することができ、しかも比較的低コストに製造することができる簡略された構造を有する収容ユニットを提供する。

【解決手段】歯科材料を収容していて内部をピストン(14)が挿通する射出器本体(18)を備える特にペースト状歯科材料等の歯科材料用の収容ユニットである。この射出器本体は射出器接続部材(14)に接続している。射出器接続部材(14)に向いている射出器本体の出口上に付勢部材(12)を設け、これは射出器接続部材(14)によって操作することができる。これによって成分の混合と同時に脱泡を行うことを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 歯科材料を収容していて内部をピストンが挿通する射出器本体を備え、この射出器本体は射出器接続部材に接続している特にペースト状歯科材料等の歯科材料用の収容ユニットであり、射出器接続部材(14)に向いている射出器本体(18)の出口(17)上に付勢部材(12)を設け、これは射出器接続部材(14)によって操作し得ることを特徴とする収容ユニット。
【請求項2】 付勢部材(12)は射出器本体(18)上に取り付けられ特に射出器本体(18)の軸の方向に可動であることを特徴とする請求項1記載の収容ユニット。
【請求項3】 付勢部材(12)は射出器本体(18)の出口(17)を殆ど閉鎖するが完全には閉鎖しないことを特徴とする請求項1または2記載の収容ユニット。
【請求項4】 付勢部材(12)は付勢されていない状態においても射出器本体(18)の出口(17)に少なくともいくらかの開口部分(22,22a)を保持し、その寸法は歯科材料(30,30a)がこれを貫通しない程度に小さいことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の収容ユニット。
【請求項5】 付勢部材(12)は射出器本体(18)の出口(17)の射出口(22,22a)内に突出していて付勢部材(12)を付勢した際に射出口(22,22a)を開放する少なくとも2つの閉鎖部材を備えていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の収容ユニット。
【請求項6】 付勢部材(12)は射出器接続部材(14)を押圧することによって付勢することができ、この付勢に際して射出器本体(18)の射出口(22,22a)を開放することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の収容ユニット。
【請求項7】 射出器本体(18)は二重射出器としてまた射出ピストン(20)は二重射出ピストン(20)として形成され、接続部材(14)は混合装置(16)を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の収容ユニット。
【請求項8】 射出器接続部材(14)は出口(17)内において軸方向に移動可能かつ密封して誘導されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の収容ユニット。
【請求項9】 混合装置(16)によって歯科材料(30,30a)の混合を可能にすることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の収容ユニット。
【請求項10】 射出器接続部材(14)は減圧系に接続されており、付勢部材(12)の閉鎖要素(23,23a)の間ならびに密封要素(24,24a)の間の隙間を介して付勢部材(12)が付勢されていない状態においても射出器本体(18)から空気を吸引し得ることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の収容ユニット。
【請求項11】 付勢部材(12)は射出器接続部材(14)内の減圧によって付勢可能であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の収容ユニット。
【請求項12】 付勢部材(12)のピン(24,24a)、および/または射出器本体(18)の歯科材料(30,30a)の射出口(22,22a)はそれぞれ窪みを備えることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の収容ユニット。
【請求項13】 付勢部材(12)は射出器本体(18)の出口(17)を気密に閉鎖することを特徴とする請求項1または2記載の収容ユニット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、請求項1前段に記載の収容ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】ドイツ特許出願第10064005.2号によって、特に歯根充填材等の粘性の歯科材料を準備し必要に応じて射出するための二重射出装置が提案されている。この射出は射出器の接続部材上の減圧によって実行される。この解決方式は、歯科材料内における空気の閉じ込めを極めて効果的に防止することができるという重要な利点を有しており、これは減圧によって歯科材料の揮発成分も優先的に吸引されその結果気泡の形成が少なくなるためである。
【0003】さらに、歯科材料を簡便に取り扱えるように設計された歯科材料の収容ユニットが久しい以前から知られている。いわゆる一回配量ユニットと複数回使用のための収容ユニットとは区別される。一回配量ユニットは洗浄作業を省略し使用後廃棄することができるため簡便に使用することができるという利点を有する。
【0004】射出装置を予備貯蔵容器として使用する場合、歯科技工士あるいは通常は歯科医師が射出ピストンを操作して所要の量の歯科材料を正確に供給することによって良好な配量が達成される。この種の射出装置において汚染を防止するために射出口が完全に閉鎖されている必要がある。
【0005】さらに、2つの分離された歯科材料成分をそれぞれ別々の射出管内に貯蔵する、いわゆる二重射出装置を使用することが久しい以前から知られている。この種の歯科材料を使用するためには良好な混合が実施されることが重要である。このため、成分を良好に混合するように特殊に組み合わされた配量および混合装置が知られている。さらに、本発明出願人によるドイツ特許出願第10064005.2号によって低コストに製造できるにもかかわらず比較的有効な解決方式が提案されており、この解決方式においては螺旋ミキサが射出器接続部材内に装着され、この際射出器接続部材は射出器本体に対して回転しないように固定されるとともに螺旋ミキサは射出器接続部材の中で回転しないかあるいは略回転しないように設計されている。螺旋ミキサを通過する時のせん断力によって少なくとも2つの成分の良好な混合が実施される。螺旋ミキサは好適な一例として使用されるだけであり、その他の混合装置を使用することも可能である。
【0006】未だ解決されてない問題は、歯科材料の貯蔵容器の中でも空気の閉じ込めが生じることである。これによって補綴不良が生じることもある。
【0007】歯科材料を減圧によって射出器本体から抽出することが既に提案されており、これによって空気の閉じ込めが生じる傾向がいくらか低減される。しかしながら、特に歯根充填材料においては空気の閉じ込めを高い確実性をもって防止することが好適である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的は、高粘性の歯科材料を収容するために適しているとともに空気の閉じ込め防止効果を改善し、歯科材料を配量して供給することができ、しかも比較的低コストに製造することができる簡略された構造を有する、請求項1前段に記載の収容ユニットを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、本発明に従って請求項1によって解決される。下位請求項には好適な追加構成が示されている。
【0010】本発明に係る収容ユニットによれば、驚くほど簡便な方式によって空気閉じ込めが生じる傾向が極めて低い歯科材料の予備貯蔵物を準備することができる。本発明に係る付勢部材の操作性によって、例えば射出器接続部材を押圧すること等により使用者によって決定された時点で歯科材料が放出されて減圧下において射出器接続部材内に到達する。本発明によれば、付勢または操作を行う前に減圧下で付勢部材を作動可能状態に保持することによって歯科材料を予め脱泡することができる。この特殊な予めの脱泡によって材料内の空気の閉じ込めを最初から防止することができる。ここで、高粘性の歯科材料に長時間減圧をかけると閉じ込められていた気泡を分離する明らかな傾向があるという事実を極めて有効に利用することができる。
【0011】本発明においては、付勢部材のための出口開口部領域に裂孔を設けることが特に好適であり、これは長時間減圧がかかっていても高粘性の歯科材料が貫通することはないがこれに対して空気は裂孔を介して簡単に排出されるような寸法を有するものである。この裂孔は2ないし100μm、特に約20μmの幅を有する。
【0012】この裂孔寸法は使用される歯科材料の粘度に従ったものとなる。これは粘度が低下するに従って裂孔幅が小さくなるように設定される。
【0013】この裂孔に代えてその他の任意の細孔を設け得ることが理解される。例えば、ふるいの形式の多数の開口を設けることもでき、ここでも開口の直径は前述の範囲内とすることが好適である。
【0014】本発明に係る解決方式によれば、汚染を少なくして歯科材料の貯蔵容器を複数回使うことが確立される。しかしながら、収容ユニットは使用後に廃棄することもできる。付勢部材はバネ荷重をかけられ圧力が足りない場合は閉鎖位置に到達するように構成され、従って歯科材料は既に付勢要素を作動させないことによっても予め封閉される。加えて、射出器接続部材上あるいは射出器本体上の末端部に閉鎖蓋部材を設けることができ、これは使用前に取り外すことができる。収容ユニットを使用する際の減圧の形成によって歯科材料ならびに射出ピストンは出口方向に吸引され、歯科材料は付勢の前に既に射出口の底床部に着合する。
【0015】本発明によれば、収容ユニットが減圧装置に接続されている場合予めの脱泡が自動的に実行されることが特に好適ある。このため歯科医師は接続を実施しその後一定時間の経過後に予め除去可能な囲い込まれた空気が除去されたことを確認することができる。付勢部材を押圧することによって歯科材料の放出が自動的に実施される。
【0016】特にこの収容ユニットは2つの異なった成分からなる歯根充填材料に適しており、これは付勢部材を操作することによって混合され歯根管内に供給される。
【0017】使用される減圧は必要に応じて広範に調節することができる。500ミリバール未満、特に約100ミリバールの減圧が好適なものであり、これは窩洞内にも導入されることが好適であり、従って、ここで全体的に参照に組み入れているドイツ特許出願第10064005.2号に記載されているように、射出された歯科材料が直ちに窩洞内に到達することができる。収容ユニットを使い捨て部品として構成することが特に好適である。
【0018】使用される歯科材料はペースト状のものであることが好適であり、5ないし35Pas、好適には8ないし22Pas、さらに好適には8ないし12Pasの粘度を有している。歯根充填材料が使用される場合、その凝固時間は5ないし300分、好適には15ないし150分、特に好適には30ないし100分となる。
【0019】歯科材料は混合する必要のない1成分の材料とすることもできる。しかしながら、材料が最適に脱泡されることから混合装置の通過は1成分の材料においても効果的なものである。好適には2つの成分を1つの歯根充填材料に混合して脱泡を行う。ここで混合比は例えば1:1、1:2、1:4ないし1:10とすることができる。また、2つより多い成分を使用することもできる。
【0020】収容ユニットは複数回使用するユニットとして形成することができる。出口は蓋部材によって閉鎖されており、射出器接続部材は使い捨て可能に構成することが好適である。
【0021】
【実施例】本発明のその他の詳細、特徴ならびに利点は、添付図面を参照しながら以下に記述する実施例の説明によって明らかにされる。
【0022】図1には収容ユニット10が透視的に示されている。本発明に従って射出器本体18内に歯科材料が収容されている。図示された実施例において、射出器本体18は二重射出器部材として形成されており、従って別々の射出管内にそれぞれ歯科材料成分を収容することが可能である。これに応じて射出ピストンも図1の実施例において二重射出ピストン20として形成されている。
【0023】射出器本体18は出口17を備えている。この出口17内には付勢部材12が収容されており、これは本発明に従って特殊な構造を有している。この付勢部材12は射出器接続部材14によって操作されるように設定されている。このため、図示された実施例において射出器接続部材14に接合している。
【0024】射出器接続部材14はさらに混合装置、特に螺旋ミキサ16を収容しており、これは射出器接続部材14の内径に相当する外径を有している。螺旋ミキサ16は螺旋形状に形成されるとともに耐腐食性のバネ金属線またはプラスチックからなる。金属線の一端は図示されていない回転ストッパの近傍に位置しており、従って螺旋ミキサ16は稼動中において回転することはない。これは洗浄のために射出器接続部材14から簡単に取り外すことができる。
【0025】この付勢部材12は本発明に従って特殊に構成されている。射出口を閉鎖するよう作用するピン24および24aを備えており、その形状は図2および図3により詳細に示されている。さらに、付勢部材12は歯科材料を通過させるための開口部34および34aを備えている。
【0026】図2は本発明に係る収容ユニットの付勢要素がどのような方式で動作するかを示している。図2に示された収容ユニット10の初期位置において射出器本体18の出口17上の射出口22および22aはピン24および24aの閉鎖要素23および23aによって閉鎖されている。閉鎖要素23および23aの直径は射出口22および22aの直径に相当しているが、数μmの小さな隙間が形成される。この隙間によって空気または蒸気が貫通することができるが、射出器本体18の内部に収容されている歯科材料成分30ならびに30aはその粘性のためこの隙間を通過することはできない。
【0027】射出器接続部材14の外径は出口17の直径に相当しそこで密封されている。この射出器接続部材14は密封リング21を備えており、これは射出成形されたものであることが好適である。より良好に封止するために出口の内壁にさらに密封リングを備えており、これも同様に射出成形されたものであることが好適である(図示されていない)。また射出器接続部材14および付勢部材12の端面27および29も互いに整合するように形成されており、押圧することによって互いに気密化される。
【0028】図示された状態において、射出器接続部材14の内部管31を介して減圧が付勢部材12の内部空間に到達する。そこには均等な減圧が存在し、これは閉鎖要素23および23aの間ならびに射出口22および22aの間にそれぞれ存在する環状隙間を介して広がっている。この隙間を通じて減圧が射出器本体18の内部空間に到達し、そこで歯科材料30および30aの脱泡または射出器本体18内の空気の吸引を行うよう作用する。
【0029】二重射出ピストンはその端部に既知の方式の密封リング26および28または26aおよび28aを備えている。真空化によって出口17と射出ピストン20との間の内部空間の空気が吸引されて射出ピストン20が右方向に移動し、従って歯科材料は気泡を伴わずに射出口22,22aの高さまで到達する。
【0030】付勢部材12を作動させるために、図3に示されているように、射出器接続部材14と射出器本体18との間の相対圧力がかけられる。この相対圧力によって付勢部材12は出口17内に圧入される。閉鎖要素23および23aは射出口22および22aへの嵌合状態から解除されすなわち開放される。歯科材料30および30aの成分が流出して錐形内部空間25内に到達する。さらに、存在する内圧によって射出器接続部材14の内部管31に到達し、そこで螺旋ミキサによって混合され同時に脱泡される。従って2つの成分から硬化可能な1成分材料が生成される。
【0031】ピン24および24aはいくらか先細となっていることが好適であり、これによって射出口22および22aからの充填材料の流出を容易化する。
【0032】付勢要素12と射出器本体18との間における所要の動作ならびに密封化を達成するためにその他の好適な構成形態とし得ることが理解される。
【0033】また、本発明は二重射出器に限定されるものではないことが理解される。それどころか必要に応じて単式射出器ならびに三重または四重射出器を効果的に使用することができる。
【出願人】 【識別番号】596032878
【氏名又は名称】イボクラール ビバデント アクチェンゲゼルシャフト
【出願日】 平成14年4月5日(2002.4.5)
【代理人】 【識別番号】100064012
【弁理士】
【氏名又は名称】浜田 治雄
【公開番号】 特開2002−320625(P2002−320625A)
【公開日】 平成14年11月5日(2002.11.5)
【出願番号】 特願2002−104585(P2002−104585)