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【発明の名称】 歯科用コンポジットレジン充填・形成具
【発明者】 【氏名】花井 美智子

【要約】 【課題】歯牙の周辺の修復を効率よく、かつ、きれいに行うことのできるコンポジットレジン充填・形成具を提供する。

【解決手段】コンポジットレジン充填・形成具10は、ハンドルグリップ部11と、該ハンドルグリップ部11の両端から各々延長する回転対称形状の充填・形成部12,13とから成る。各充填・形成部11,12の先端部はハンドルグリップ部11の軸線11′に対して所定の角度θをもって延出し、かつ、前記軸線11′に略平行な面を有しかつ該軸線11′に直交する断面が弧状の面を有する作業板部12a,13aを有する。作業部材12a,13aは、歯牙1の側面の上下方向の面に沿うように弧状に形成されており、コンポジットレジン2を充填した後に、該作業部材12a又は13aを歯面に沿って移動させることにより、コンポジットレジン2の表面は、歯牙1の表面を整合し、きれいに仕上げることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 直線状のハンドルグリップ部と、該ハンドルグリップ部の両端から各々延長するコンポジットレジン充填・形成部とから成り、該充填・形成部は先端部において前記ハンドルグリップ部の軸線に対して所定の角度をもって延出し、かつ前記ハンドルグリップ部の軸線に平行な面を有する作業板部を有し、一方の作業板部は頬側の歯面に沿うように弧状に形成され、他方の作業板部は舌側の歯面に沿うように弧状に形成されていることを特徴とする歯科用コンポジットレジン充填・形成具。
【請求項2】 直線状のハンドルグリップ部と、該ハンドルグリップ部の両端から各々延長するコンポジットレジン充填・形成部とから成り、一方の充填・形成部は先端部において前記ハンドルグリップ部の軸線に対して所定の角度をもって延長し、かつ前記ハンドルグリップ部の軸線に対して略平行な面を有する作業板部を有し、他方の充填・形成部は先端部において前記ハンドルグリップ部の軸線に対して所定の角度をもって延長し、かつ前記ハンドルグリップ部の軸線に対して略直角な面を有する作業板部を有することを特徴とする歯科用コンポジットレジン充填・形成具。
【請求項3】 直線状のハンドルグリップ部と、該ハンドルグリップ部の両端から各々延長するコンポジットレジン充填・形成部とから成り、一方の充填・形成部は先端部に前記ハンドルグリップ部の軸線の両側に該軸線に対して所定の角度をもって延出する卵状の作業部を有し、他方の充填・形成部は先端部において前記ハンドルグリップから所定の角度をもって延長し、かつ先端面が平面に形成されている作業部を有することを特徴とする歯科用コンポジットレジン充填・形成具。
【請求項4】 前記ハンドルグリップ部及びコンポジットレジン充填・形成部がチタン合金材にて一体的に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の歯科用コンポジットレジン充填・形成具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科用コンポジットレジン充填・形成具、より詳細には、歯科治療において、歯牙の周面、咬合面等の損傷部にレジンを充填し、充填後のコンポジットレジンを形成して歯牙を形成修復するのに用いて好適な歯科用コンポジットレジン充填・形成具に関する。
【0002】
【従来の技術】歯科治療においては、歯牙の破損、例えば、歯牙の周面或いは咬合面等が損傷した場合に、該損傷箇所にコンポジットレジンを充填、形成して損傷前の歯牙の形態に修復することが行われているが、その際、余分に充填したレジンを削除したり、切除したり、或いは、咬合面の窩洞に充填したレジンを打ち固めたり、更には、歯牙周面に充填したレジンの表面を形成して歯面の形状を整形するためにコンポジットレジン充填・形成具を用いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のコンポジットレジン充填・形成具は、周知のように、余剰コンポジットレジンの削除にはスプーン状のもの、切除には彫刻刀状のもの、咬合面の形成には四角形状のもの、歯牙周面の形成にはヘラ状のものを用いているが、特に、歯牙周面のコンポジットレジンの充填・形成において、コンポジットレジンを歯牙の形状に合った形状に形成するのに用いる充填・形成具は、使い勝手が悪く、例えば、歯牙の頬側の面と舌側の面を形成するのに同じ形状の、例えば、ヘラ型の作業片を用いており、曲面形状の歯牙の面に沿って移動させるのは困難であり、そのため、削除された後のコンポジットレジンと歯牙との接合面がきれいに仕上らず、また、コンポジットレジンの表面を歯牙の曲線に合わせることが難しく、きれいに歯牙修復を行うことは難しかった。また、歯牙の前後面と側面とでは、ヘラ(作業片)が歯牙に当る面が90°異なっているのにもかかわらず、歯牙の前後面を形成する時と側面を形成する時で、同一のヘラを使用しており、これもまた、使い勝手が非常に悪かった。更に、咬合面(窩洞)の形成においては、作業部材の表面が四角形状の槌状に形成されているため、歯牙の窩洞の隅の狭い部分まで十分に打ち固めることができず、十分な充填を行うことができなかった。
【0004】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、(1)歯牙の周辺の修復を効率よく、かつ、きれいに行うことのできるコンポジットレジン充填・形成具を提供すること、(2)歯牙の前後面及び側面の修復を効率よく、かつ、きれいに行うことのできるコンポジットレジン充填・形成具を提供すること、(3)歯牙の咬合面(窩洞)へのコンポジットレジンの充填を隅の狭い部分まで、効率よく、かつ、確実に行うことのできるコンポジットレジン充填・形成具を提供すること、を目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、直線状のハンドルグリップ部と、該ハンドルグリップ部の両端から各々延長するコンポジットレジン充填・形成部とから成り、該充填・形成部は先端部において前記ハンドルグリップ部の軸線に対して所定の角度をもって延出し、かつ前記ハンドルグリップ部の軸線に平行な面を有する作業板部を有し、一方の作業板部は頬側の歯面に沿うように弧状に形成され、他方の作業板部は舌側の歯面に沿うように弧状に形成されていることを特徴としたものである。
【0006】請求項2の発明は、直線状のハンドルグリップ部と、該ハンドルグリップ部の両端から各々延長するコンポジットレジン充填・形成部とから成り、一方の充填・形成部は先端部において前記ハンドルグリップ部の軸線に対して所定の角度をもって延長し、かつ前記ハンドルグリップ部の軸線に対して略平行な面を有する作業板部を有し、他方の充填・形成部は先端部において前記ハンドルグリップ部の軸線に対して所定の角度をもって延長し、かつ前記ハンドルグリップ部の軸線に対して略直角な面を有する作業板部を有することを特徴としたものである。
【0007】請求項3の発明は、直線状のハンドルグリップ部と、該ハンドルグリップ部の両端から各々延長するコンポジットレジン充填・形成部とから成り、一方の充填・形成部は先端部に前記ハンドルグリップ部の軸線の両側に該軸線に対して所定の角度をもって延出する卵状の作業部を有し、他方の充填・形成部は先端部において前記ハンドルグリップから所定の角度をもって延長し、かつ先端面が平面に形成されている作業部を有することを特徴としたものである。
【0008】請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記ハンドルグリップ部及びコンポジットレジン充填・形成部がチタン合金材にて一体的に形成されていることを特徴としたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による歯科用コンポジットレジン充填・形成具の一実施例を説明するための図で、図1(A)は全体斜視図、図1(B)はその使用状態を説明するための図で、図中、10は本実施例によるコンポジットレジン充填・形成具の一例を示し、該コンポジットレジン充填・形成具10は、直線状のハンドルグリップ部11と、該ハンドルグリップ部11の両端において、該ハンドルグリップ部11から各々延長する略回転対称形状の充填・形成部12,13とから成り、各充填・形成部12,13は先端部において、前記ハンドルグリップ部11の軸線11′に対して所定の角度をもって延出し、かつ、前記ハンドルグリップ部11の軸線11′に略平行な面を有しかつ該軸線11′に直交する断面が弧状の面を有する作業板部12a,13aを有する。
【0010】更に詳細に説明すると、充填・形成部12,13は、直線部121,131と、直線部121,131からそれぞれ軸線11′に対して反対方向に所定の角度θ1をもって折り曲げられて延長する直線部122,132と、これら直線部122,132から所定の角度θをもって折り返されている弧状の作業板部12a,13a(これら作業板部12a,13aは反対方向の向きに弧状に形成されており、図1(A)において、12aは弧状面の外周側、13aは内周側を表わしている)とから成る。換言すれば、121と122、131と132を直線状に形成し、直線部122,132の先端に角度θ2をもって弧状の板部12a,13aを反対方向の向きに形成し、その後122,132をそれぞれ121,132に対して角度θ1だけ折り曲げることによって、充填・形成部12,13を形成することができる。
【0011】図1(B)において、1は歯牙、2は歯牙1の一部を切除して充填した修復用のコンポジットレジンを示し、歯牙1を左顎側の歯牙とした場合、充填・形成部12は歯牙1の頬側を修復するのに用いられ、充填・形成部13は歯牙1の舌側を修復するために用いられる(ただし、右顎側の歯牙を修復する時は、充填・形成部12は舌側、充填・形成部13は頬側となる)。而して、本発明においては、作業板部12a,13aは、歯牙1の側面に沿うように弧状に形成されており、従って、コンポジットレジン2を充填した後に、該作業板部12a又は13aを歯面に沿って移動させることにより、コンポジットレジン2の表面は、歯牙1の表面と整合し、その後、光を照射して該コンポジットレジンを硬化させて仕上げる。
【0012】図2は、本発明によるコンポジットレジン充填・形成具の他の実施例を説明するための図で、図2(A)は全体斜視図、図2(B)は歯牙1の上部から修復を行っている時の様子を示す図、図2(C)は歯牙1の側部から修復を行っている時の様子を示す図で、図中、20は本実施例によるコンポジットレジン充填・形成具を示し、21は直線状のハンドルグリップ部、22,23は該ハンドルグリップ部21の両端部から延長した充填・形成部で、各充填・形成部の先端部には、平板状の作業板部22a,23aが設けられており、これらの作業板部22a,23aは、一方の作業板部の面がハンドルグリップ21の軸線21′に略平行の面に形成され、他方の作業板部の面がハンドルグリップ21の軸線21′に略直角の面に形成されており、この略直角に形成されている面を有する作業板部22aにおいては、図2(B)に示すように、歯牙1の上方より修復部のコンポジットレジン2を形成し、略平行に形成されている面を有する作業板部23aにおいては、図2(C)に示すように、歯牙1の側部より修復部のコンポジットレジン2を形成する。なお、この場合にも、形成部22,23はハンドルグリップ21の軸線21′に対して反対の方向に曲げられており、これにより一方の作業部を使用している時に、他方の作業部が術者の手首に当たって施術の邪魔になることのないようにしている。
【0013】図3は、本発明による歯科用コンポジットレジン充填・形成具の他の実施例を説明するための図で、図3(A)は全体斜視図、図3(B)は本実施例による充填・形成部の使用例を示す図、図3(C)は従来のコンポジットレジン充填・形成部の使用例を示す図で、図中、30は本実施例によるコンポジットレジン充填・形成具、31は直線状のハンドルグリップ部で、本実施例においては、一方の充填・形成部32の先端部には略卵型の形状の作業部材32a、換言すれば、一方の先端32a′の丸みが他方の先端32a″の丸みより小さい形をした形状の作業部材32aを具備し、図3(B)に示すように、歯牙1の窩洞内に充填されたコンポジットレジン2を打ち固める際に、これら先端部32a′,32a″を使い分けることにより窩洞の隅部等の狭い部分をも、より確実に打ち固めることができるようになっている。そのため、作業部材32aの先端部32a′と32a″をハンドルグリップ部の軸線に対して反対側に突出させ、32a′と32a″とを使い分け可能にしている。この場合、作業部材32aに角度を持たせ、例えば、ハンドルグリップ部31の軸線31′に対して、例えば、110°位にしておくと、より効果的に作業を行うことができる。なお、他方の充填・形成部33aの先端部に設けられた作業部材33aは従来より周知の四角形状のもので、より広い面積を打ち固めるために使用される。
【0014】而して、本発明によるコンポジットレジン充填・形成具は、患者の口腔内に挿入して使用するものであり、高度に衛生的であることが要求される一方、術者の手に持って使用するものであるため、軽量であることが要求される。これらの要求を満すためには、チタン合金素材が適しており、チタン合金素材は、耐熱性を有するためオートクレーブ可能であるが、その他に、耐摩耗性,耐薬性等に優れ、更には、握りやすい,軽い,滑らない,錆びない等、歯科用充填・形成具の素材として使用するのに優れた特性を有し、特に、コンポジットレジンが粘着せず、作業が非常にしやすい等の利点を有している。
【0015】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によると、(1)歯牙の周辺の修復を効率よく、かつ、きれいに行うことのできるコンポジットレジン充填・形成具を提供すること、(2)歯牙の前後面及び側面の修復を効率よく、かつ、きれいに行うことのできるコンポジットレジン充填・形成具を提供すること、(3)歯牙の咬合面へのコンポジットレジンの充填を隅の狭い部分まで、効率よく、かつ、確実に行うことのできるコンポジットレジン充填・形成具を提供すること、ができる。(4)チタン合金素材は、耐熱性を有するためオートクレーブ可能であるが、その他に、耐摩耗性,耐薬性等に優れ、更には、握りやすい,軽い,滑らない,錆びない等、歯科用充填・形成具の素材として使用するのに優れた特性を有し、特に、コンポジットレジンが粘着せず、作業が非常にしやすい等の利点を有している。
【出願人】 【識別番号】501016803
【氏名又は名称】花井 美智子
【出願日】 平成13年1月12日(2001.1.12)
【代理人】 【識別番号】100079843
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 明近 (外2名)
【公開番号】 特開2002−209913(P2002−209913A)
【公開日】 平成14年7月30日(2002.7.30)
【出願番号】 特願2001−5597(P2001−5597)