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【発明の名称】 計算機式断層写真法による心臓又は器官撮像の方法及び装置
【発明者】 【氏名】デビッド・マイケル・ホフマン

【要約】 【課題】CTイメージング・システムにおいて、画質及び分解能に犠牲を生じずにX線源及び検出器の最小回数の回転で十分なCT心臓撮像を行なう。

【解決手段】本方法は、回転式ガントリ(12)に結合されている放射線源(14)及び検出器(82)を有する計算機式断層写真法(CT)イメージング・システム(10)によって患者の器官を含む患者の身体の空間を走査する工程であって、ガントリの回転軸に平行なz方向及びz方向を横断するx方向を有する検出器アレイで走査する工程と、検出器アレイの複数の交互配置された二分の一検出器セグメント(82)から減弱データを取得する工程と、取得された減弱データを用いて患者の器官を含む画像を再構成する工程とを含んでいる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 患者(22)の器官を撮像する方法であって、回転式ガントリ(12)に結合されている放射線源(14)及び検出器(82)を有する計算機式断層写真法(CT)イメージング・システム(10)により前記患者の器官を含む患者の身体の空間を走査する工程であって、前記検出器アレイは前記ガントリの回転軸に平行なz方向及び該z方向を横断するx方向を有する、走査する工程と、前記検出器アレイの複数の交互配置された二分の一検出器セグメント(84)から減弱データを取得する工程と、該取得された減弱データを用いて前記患者の器官を含む画像を再構成する工程とを備えた方法。
【請求項2】 前記減弱データを取得する工程は、各々の前記二分の一検出器セグメント(84)において前記x方向の位置の関数として異なる分解能を有する減弱データを取得する工程を含んでいる請求項1に記載の方法。
【請求項3】 イメージング・システム(10)用の放射線検出器(82)であって、中心線(80)を有すると共に、該中心線の近辺の領域(98、100)において当接する複数の交互配置された二分の一検出器セグメント(84)を含んでおり、該交互配置された二分の一検出器セグメントは各々複数の検出器モジュール(50)を含んでいる放射線検出器(82)。
【請求項4】 前記交互配置された二分の一検出器セグメント(84)は、少なくとも第一の形式のモジュール(50)と第二の形式のモジュール(92)とを含んでおり、前記第一の形式のモジュールは該モジュールから二つの方向に延在する可撓性ケーブル(56)を有し、前記第二の形式のモジュールは一つの方向に延在する可撓性ケーブルを有する請求項3に記載の放射線検出器(82)。
【請求項5】 前記第二の形式のモジュール(92)は各々の二分の一検出器セグメント(84)において前記中心線(80)に跨がって位置している請求項4に記載の放射線検出器(82)。
【請求項6】 前記第二の形式のモジュール(92)の前記可撓性ケーブル(56)は予備形成された直角の屈曲を含んでいる請求項5に記載の放射線検出器(82)。
【請求項7】 前記放射線検出器はx方向及びz方向を有しており、前記第一の形式の検出器モジュール(50)は、前記x方向の位置の関数としてモジュール当たり異なる数の出力を供給するように構成されている請求項3に記載の放射線検出器(82)。
【請求項8】 前記第一の形式の検出器モジュール(50)は、対形成したセルを含めて、前記x方向及び前記z方向に延在する複数の検出器セル(20)を有する検出器モジュールを含んでいる請求項7に記載の放射線検出器(82)。
【請求項9】 前記交互配置された二分の一検出器セグメント(84)は、少なくとも第一の形式の検出器モジュール(50)と、第二の形式の検出器モジュール(92)と、前記第一の形式の検出器モジュール及び前記第二の形式の検出器モジュールが装着されている一組のレール(76、78)とを含んでおり、前記第一の形式の検出器モジュールは該検出器モジュールから二つの方向に延在する可撓性ケーブルを有し、前記第二の形式の検出器モジュールは一つの方向に延在する可撓性ケーブル(56)を有し、前記レール(88、90)は、前記第一の形式の検出器モジュールの前方に、且つ前記第二の形式の検出器モジュールの後方に延在している請求項3に記載の放射線検出器(82)。
【請求項10】 単一の前記第一の形式の前記検出器モジュール(50)にわたって延在するコリメータ板と、複数の前記第二の形式の前記検出器モジュール(92)にわたって延在するコリメータ板とを含むz方向に延在する一組のコリメータ板(102)をさらに含んでいる請求項9に記載の検出器アレイ(82)。
【請求項11】 前記検出器モジュール(50、92)は着脱自在である請求項3に記載の検出器アレイ(82)。
【請求項12】 患者(22)の器官を撮像する計算機式断層写真法(CT)イメージング・システム(10)であって、回転軸(z軸)を有する回転式ガントリ(12)と、該回転式ガントリと共に回転するように構成されている放射線源(14)と、前記回転式ガントリと共に回転するように構成されており、前記放射線源と当該検出器との間で患者から減弱データを取得するように構成されているマルチスライス検出器アレイ(82)であって、複数の交互配置された二分の一検出器セグメント(84)を含んでおり、当該検出器アレイの中心線(80)の近くで相対的に高い空間分解能を有する減弱データを供給すると共に前記中心線から離隔した位置では相対的に低い空間分解能を有する減弱データを供給するように構成されているマルチスライス検出器アレイ(82)と、該検出器から、前記相対的に低い空間の減弱データ及び前記相対的に高い空間分解能の減弱データを含む減弱データを受け取るように構成されているデータ取得システム(32)と、前記相対的に低い空間分解能のデータを利用することを含めて前記減弱データを利用して前記器官の画像を再構成し、これにより、前記画像内のアーティファクトを減少させるように構成されている画像再構成器(34)とを備えた計算機式断層写真法イメージング・システム(10)。
【請求項13】 前記交互配置された二分の一検出器セグメント(84)は、少なくとも第一の形式のモジュール(50)と第二の形式のモジュール(92)とを含んでおり、前記第一の形式のモジュールは該モジュールから二つの方向に延在する可撓性ケーブル(56)を有し、前記第二の形式のモジュールは一つの方向に延在する可撓性ケーブルを有する請求項12に記載の計算機式断層写真法イメージング・システム(10)。
【請求項14】 前記第二の形式のモジュール(92)は各々の二分の一検出器セグメント(84)において前記中心線(80)に跨がって位置している請求項13に記載の計算機式断層写真法イメージング・システム(10)。
【請求項15】 前記第二の形式のモジュール(92)の前記可撓性ケーブル(56)は予備形成された直角の屈曲を含んでいる請求項14に記載の計算機式断層写真法イメージング・システム(10)。
【請求項16】 前記放射線検出器(82)はx方向及びz方向を有しており、前記第一の形式の検出器モジュール(50)は、前記x方向の位置の関数としてモジュール当たり異なる数の出力を供給するように構成されている請求項12に記載の計算機式断層写真法イメージング・システム(10)。
【請求項17】 前記第一の形式の検出器モジュール(50)は、対形成したセルを含めて、前記x方向及び前記z方向に延在する複数の検出器セル(20)を有する検出器モジュールを含んでいる請求項16に記載の計算機式断層写真法イメージング・システム(10)。
【請求項18】 前記交互配置された二分の一検出器セグメント(84)は、少なくとも第一の形式の検出器モジュール(50)と、第二の形式の検出器モジュール(92)と、前記第一の形式の検出器モジュール及び前記第二の形式の検出器モジュールが装着されている一組のレール(76、78、88、90)とを含んでおり、前記第一の形式の検出器モジュールは該検出器モジュールから二つの方向に延在する可撓性ケーブル(56)を有し、前記第二の形式の検出器モジュールは一つの方向に延在する可撓性ケーブルを有し、前記レールは、前記第一の形式の検出器モジュールの前方に、且つ前記第二の形式の検出器モジュールの後方に延在している請求項12に記載の計算機式断層写真法イメージング・システム(10)。
【請求項19】 単一の前記第一の形式の前記検出器モジュール(50)にわたって延在するコリメータ板と、複数の前記第二の形式の前記検出器モジュール(92)にわたって延在するコリメータ板とを含むz方向に延在する一組のコリメータ板(102)をさらに含んでいる請求項18に記載の計算機式断層写真法イメージング・システム(10)。
【請求項20】 前記検出器モジュール(50、92)は着脱自在である請求項12に記載の計算機式断層写真法イメージング・システム(10)。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の背景】本発明は一般的には、計算機式断層写真法心臓イメージング・システムの方法及び装置に関し、さらに具体的には、実質的な構成要素の再利用による心臓撮像に特化された方法及び装置に関する。
【0002】少なくとも1つの公知の計算機式断層写真法(CT)イメージング・システム構成においては、X線源がファン(扇形)形状のビームを投射し、このビームは、デカルト座標系のX−Y平面であって、一般に「イメージング(撮像)平面」と呼ばれる平面内に位置するようにコリメートされる。X線ビームは患者等の被撮像物体を通過する。ビームは物体によって減弱された後に放射線検出器のアレイに入射する。検出器アレイで受光される減弱したビーム放射線の強度は、物体によるX線ビームの減弱量に依存している。アレイ内の各々の検出器素子が、検出器の位置でのビーム減弱の測定値である別個の電気信号を発生する。すべての検出器からの減弱測定値を別個に取得して透過プロファイル(断面)を形成する。
【0003】公知の第3世代CTシステムでは、X線源及び検出器アレイは、X線ビームが物体と交差する角度が定常的に変化するように撮像平面内で被撮像物体の周りをガントリと共に回転する。一つのガントリ角度での検出器アレイからの一群のX線減弱測定値すなわち投影データを「ビュー」と呼ぶ。物体の「走査(スキャン)」は、X線源及び検出器が一回転する間に様々なガントリ角度すなわちビュー角度において形成される一組のビューで構成される。アキシャル・スキャン(軸方向走査)の場合には、投影データを処理して、物体を通して得られる2次元スライスに対応する画像を構成する。一組の投影データから画像を再構成する一つの方法は、当業界でフィルタ補正逆投影法と呼ばれている。この手法は、走査からの減弱測定値を「CT数」又は「ハンスフィールド(Hounsfield)単位」と呼ばれる整数へ変換し、これらの整数を用いて陰極線管表示器上の対応するピクセルの輝度を制御するものである。
【0004】さらに具体的に図5及び図6を参照して述べると、計算機式断層写真法(CT)イメージング・システム10が、「第3世代」CTスキャナに典型的なガントリ12を含むものとして示されている。ガントリ12はX線源14を有しており、X線源14は、X線ビーム16をガントリ12の対向する側に設けられている検出器アレイ18に向かって投射する。検出器アレイ18は検出器素子20によって形成されており、検出器素子20は一括で、物体22、例えば患者を通過する投射X線を感知する。各々の検出器素子20は、入射X線ビームの強度を表わし、従って患者22を通過する際のビームの減弱を表わす電気信号を発生する。X線投影データを取得するための一回の走査の間に、ガントリ12及びガントリ12に装着されている構成部品は回転中心24の周りを回転する。検出器アレイ18はシングルスライス構成で作製されていてもよいし、又はマルチスライス構成で作製されていてもよい。マルチスライス構成の場合には、検出器アレイ18は複数の行を成す検出器素子20を有する。尚、図2にはその一行のみを示す。
【0005】ガントリ12の回転及びX線源14の動作は、CTシステム10の制御機構26によって制御されている。制御機構26は、X線制御器28とガントリ・モータ制御器30とを含んでおり、X線制御器28はX線源14に電力信号及びタイミング信号を供給し、ガントリ・モータ制御器30はガントリ12の回転速度及び位置を制御する。制御機構26内に設けられているデータ取得システム(DAS)32が検出器素子20からのアナログ・データをサンプリングして、後続の処理のためにこのデータをディジタル信号へ変換する。画像再構成器34が、サンプリングされてディジタル化されたX線データをDAS32から受け取って高速画像再構成を実行する。再構成された画像はコンピュータ36への入力として印加され、コンピュータ36は大容量記憶装置38に画像を記憶させる。
【0006】コンピュータ36はまた、キーボードを有するコンソール40を介して操作者から指令及び走査用パラメータを受け取る。付設されている陰極線管表示器42によって、操作者は再構成された画像及びコンピュータ36からのその他のデータを観測することができる。操作者が供給した指令及びパラメータはコンピュータ36によって用いられて、DAS32、X線制御器28及びガントリ・モータ制御器30に制御信号及び情報を供給する。加えて、コンピュータ36は、モータ式テーブル46を制御するテーブル・モータ制御器44を動作させて、患者22をガントリ12内で配置する。具体的には、テーブル46は患者22の各部をガントリ開口48を通して移動させる。
【0007】マルチスライス型のイメージング・システム10では、検出器アレイ18は複数の平行な検出器行を含んでおり、各々の行が複数の個別の検出器素子20を含んでいる。マルチスライス検出器18を有するイメージング・システム10は、物体22の空間を表わす複数の画像を形成することが可能である。複数の画像の各々の画像が空間の別個の「スライス」に対応している。スライスの「厚み」又は開口は検出器行の厚みに依存している。
【0008】例えば、図7及び図8を参照して述べると、マルチスライス検出器アレイ18は複数の検出器モジュール50を含んでいる。各々の検出器モジュール50が複数の検出器素子20を有している。具体的には、各々のX線検出器モジュール50は、複数のフォトダイオード52と、半導体デバイス54と、少なくとも一つの可撓性電気ケーブル56とを含んでいる。当技術分野で公知のシンチレータ58がフォトダイオード52の上方にフォトダイオード52に隣接して配設されている。フォトダイオード52は個別のフォトダイオードであってもよいし、又は多次元フォトダイオード・アレイであってもよい。フォトダイオード52はシンチレータ58に光学的に結合されており、シンチレータ58によって発生された光を表わす電気的出力を線60上に発生する。各々のフォトダイオード52が別個の電気的出力60を発生し、この電気的出力60が特定の検出器素子20についてのビーム減弱の測定値となる。一つの公知の実施形態では、各々の検出器モジュール50からのフォトダイオード出力線60は、フォトダイオード・アレイの頂部及び底部に配置されている。
【0009】半導体デバイス54は、一実施形態では、二つの半導体スイッチ62及び64を含んでいる。スイッチ62及び64は各々、多次元アレイとして配列されている複数の電界効果トランジスタ(FET)(図示されていない)を含んでいる。各々のFETは、フォトダイオードの出力60に電気的に接続されている入力線、出力線及び制御線(図示されていない)を含んでいる。FETの出力線及び制御線は可撓性ケーブル56によって電気的に接続されている。具体的には、フォトダイオード出力線60のうち二分の一のものがスイッチ62の各々のFET入力線に電気的に接続されており、フォトダイオード出力線60のうち残りの二分の一のものがスイッチ64のFET入力線に電気的に接続されている。
【0010】可撓性電気ケーブル56は、第一の端部(図示されていない)と、第二の端部(図示されていない)と、両端部の間を走行する複数の電線66とを含んでいる。ケーブル56は例えば、多数の第一の端部68及び70を有する単一のケーブルであってもよいし、又はもう一つの公知の実施形態では、各々第一の端部(図示されていない)を有する多数のケーブル(図示されていない)を含んでいてもよい。FETの出力線及び制御線は、結線によってケーブル56に電気的に接続されている。ケーブルの第一の端部68及び70は、取付用ブラケット72及び74を用いて検出器モジュール50に固定されている。検出器モジュール50は、レール76及び78を用いて検出器アレイ18に固定されている。
【0011】一つの公知の検出器アレイ18は円弧状である。但し、図9を参照すると、検出器アレイは、放射線ビーム16に照射される区域を平坦な2次元表現で単純化した図として表現されている。かかる表現においては、ガントリ12の回転軸が検出器アレイ18のz方向を画定する。横方向すなわち検出器素子20の各々の行が延在している方向がx方向を画定する。図9では、検出器素子20の各行(別個には図示されていない)は紙面に沿って線状に延在しているが、各々の行は実際には、検出器アレイ18の円弧に沿っている。図9の中心線80は、ガントリ12の回転軸を通る放射線ビーム16の仮想的な線を表わしている。検出器アレイ18は中心線80に関して少なくとも近似的に対称であり、すなわち中心線80の各々の側での検出器セル20の数が僅かに非対称であっても動作上は問題ない。
【0012】図9は一定縮尺の図ではない。加えて、図9には幾つかの検出器モジュール50しか示していない。一つの公知のイメージング・システムでは、16素子の16行分を各々有する57個の検出器モジュール50が検出器アレイ18として組み立てられている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】公知のイメージング・システム10の一つの問題点は、患者22の心臓又は他の器官を放射線源14及び検出器アレイ18の単一回の回転で撮像するのに十分な行数の検出器素子20を設けた検出器アレイ18を有していないことである。このように、公知の心臓CT撮像方法には、多数回の回転及びかなりの時間量(心搏サイクルに対して)が必要である。
【0014】原理的には、心臓の全部分からの減弱データを獲得するのに十分な行数の検出器行を有する大型の検出器アレイ18を用いて単一回の回転で心臓全体を撮像することは可能である。かかる検出器アレイ18を有するCTイメージング・システム10であれば、心臓走査時の患者への全放射線量を減少させる利点を提供することができる。しかしながら、診断目的のために許容可能な分解能を得るためには、検出器アレイ18は膨大な総数の検出器素子から大量のデータを生成しなければならない。かかる大量のデータを処理することが可能なデータ取得システム32を設けるには経費が掛かる。
【0015】複数の隣接した検出器行(すなわち「マクロ行」)からのデータを選択的に結合して、異なる選択された厚みを有するスライスに相当する画像を得る方法が公知であり、この方法でも走査時にデータ取得システム32が処理しなければならないデータの量は減少する。単一回の回転で心臓全体を撮像するのに十分な大きさを有する検出器アレイ18が提供されれば、行を結合して、生成されるデータの量を減少させることができる。代替的には、大量のデータを生成せずに撮像範囲を拡大できるように、検出器素子20を単純に大きくすることもできる。しかしながら、これらの代替的方法のいずれも、分解能を許容できない水準にまで低下させるという重大な問題点を引き起こす。
【0016】従って、X線源及び検出器の最小回数の回転で十分なCT心臓撮像を行なう方法及び装置を提供できると望ましい。さらに、かかる撮像が単一回の回転で行なえると望ましい。また、画質及び分解能に許容できない犠牲を生じずに上述のような心臓CT走査時に収集されるデータの量を減少できると望ましい。
【0017】
【課題を解決するための手段】従って、本発明の一実施形態では、患者の器官を撮像する方法が提供される。本方法は、回転式ガントリに結合されている放射線源及び検出器を有する計算機式断層写真法(CT)イメージング・システムによって患者の器官を含む患者の身体の空間を走査する工程であって、検出器アレイはガントリの回転軸に平行なz方向及びz方向を横断するx方向を有する、走査する工程と、検出器アレイの複数の交互配置された二分の一検出器セグメントから減弱データを取得する工程と、取得された減弱データを用いて患者の器官を含む画像を再構成する工程とを含んでいる。
【0018】上述の実施形態は、画質及び分解能に許容できない犠牲を生じずにCTイメージング・システムのX線源及び検出器の最小回数の回転で十分なCT心臓撮像を行なうことが可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】図1の単純化された表現を参照して述べると、本発明の検出器アレイの一実施形態82をイメージング・システム10のようなCTイメージング・システムにおいて用いて、患者22の心臓又は他の器官を撮像する。(図1は図9と同様に単純化されている。)検出器アレイ82は置き換えられており、すなわち図5のイメージング・システム10の本来の設備として検出器アレイ18の代わりに設けられている。検出器アレイの実施形態82は、患者22の周囲を回転する検出器の円弧の二分の一からのデータのみが必要とされるという事実を活用したものであり、ハーフスキャン式のサンプリング及び画像再構成と同等である。(ハーフスキャン式のサンプリングにおける各々の検出器セル20は、患者22を中心とする少なくとも180°の円弧からの放射線を受光して測定する。)検出器アレイ82は、中心線80の左側及び右側(さらに正確に述べると、中心線80から正のx方向の側及び負のx方向の側)に交互配置されている複数の二分の一検出器セグメント84を含んでいる。CTイメージング・システム10の一実施形態では、中心線80は、ガントリ12の回転軸を通る放射線ビーム16の仮想的な線として定義される。イメージング・システム10を参照しない場合であれば、交互配置された検出器アレイ82の中心線80は、x方向に検出器アレイ82を二分するz方向に平行な仮想的な線として定義することもできる。二分の一検出器セグメント84は、中心線80の近辺の領域において互いに対して当接している。
【0020】検出器アレイ82のもう一つの実施形態は、中心線80の同じ側に複数の二分の一検出器セグメント84を含んでいる。(換言すると、二分の一検出器セグメント84が交互配置されていない。)しかしながら、図1の交互配置型の実施形態は、二分の一検出器セグメント同士の間に間隙86を形成する。間隙86は、アレイ82内にモジュール50を保持するレール88及び90を設ける余地を形成することにより、用いられるべき従来技術の検出器モジュール50のために空間を提供する。加えて、間隙86によって、可撓性電気ケーブル56を検出器アレイ82から引き出すことが可能になる。二分の一検出器セグメント84においては、モジュール50は四つの辺を有し、各モジュールは最大で二つの他のモジュールと当接する。
【0021】図2について説明する。検出器アレイ82の中央検出器モジュール92が、従来技術のモジュール20とは異なる方式で構成されている。可撓性ケーブル56に利用可能な空間は限られており、またz方向には隣接したモジュールが存在しているので、中央検出器モジュール92は、装着された状態で、該モジュール92の可撓性電気ケーブル56がz方向ではなくx方向に引き出されるように構成される。この構成に対応するために、電気的出力線60(図2には示されていない)及び半導体スイッチ62は、これらがモジュールの頂部及び底部に配置されていた従来技術の検出器モジュール50とは対照的に、検出器モジュール92の片側に配置されている。図2の実施形態では、すべての信号は、一つの方向に延在する一つの可撓性電気ケーブル56と一つの半導体スイッチ62とによって処理される。これにより、各々の検出器モジュール92が三つの他の辺で突き合わせ連接部(butt joint)を有するので、単純に検出器モジュール92を適当な方向に配向させることにより検出器モジュール92を各々の二分の一検出器セグメント内で利用することが可能になる。一実施形態では、検出器モジュール92は検出器モジュール50よりも幅広の電気ケーブル56を有し、ケーブル56は他のモジュール50の可撓性電気ケーブル56と干渉しないようにモジュール92の空いた辺を密に包囲する。一実施形態では、ケーブル56は、予備形成された直角の屈曲を備えた形状を有する。また一実施形態では、検出器アレイ82のx方向の両端部に位置する中央検出器モジュール92は、第三の突き合わせ連接部の代わりにコリメータ・レールに装着するための別個の取付用フランジ(図示されていない)を有する。
【0022】中央検出器モジュール92は、検出器モジュール50と同数の検出器素子を有している必要はなく、画像中央のアーティファクトを減少させるように設けられる。従って、一実施形態では、検出器モジュール92は各々の二分の一検出器セグメント84において中心線80に跨がって設けられて、z方向に16個及びx方向に14個の検出器セル20を有する。また一実施形態では、検出器セル20はx方向に対を形成している(すなわち二つの検出器セルが単一の出力を発生するように結線によって結合されている。)。x方向の2個のセル分の「空間」(すなわち16個ではなく14個の検出器セル20であることから)は、フォトダイオード52の信号経路形成及び可撓性ケーブル56の終端形成のための空間を提供する。他の実施形態では、x方向にさらに多数又はさらに少数の検出器セル20を有する検出器モジュール92が用いられる。セル20の数は、イメージング・システム20の視野の中央が適当にサンプリングされることを保証するように選択される。
【0023】図1に示すように、検出器アレイ82の構築には二つの形式のレール88及び90が用いられ、またこれらのレール88及び90はポスト・ペイシェント・コリメータの一部を成している。検出器アレイ82の検出器モジュール50は、例えば螺子を検出器モジュール50を貫通してレールの螺子孔に螺合させることにより、従来技術の検出器モジュール18と同様の態様でレール88及び90に装着される。レール88は通常のものであって、二分の一検出器セグメント84の全長にわたってx方向に延在している。レール90は、二分の一検出器セグメントの殆ど全長にわたって延在しているが、但し、隣接する二分の一検出器セグメント84の検出器モジュール92に当接する部分を除いて延在している。この点で、透視画法的な線で示すように、一実施形態では、レール90は中央検出器モジュール92の下方で斜めに延在していて、他方の二分の一セグメント86の取付用レールとして続いている。中央モジュール92は、レール90が中央モジュール92の下方を走行しているので、モジュール92をレール90に接着することにより装着される。検出器アレイ82のもう一つの実施形態では、レール90は空いた辺(すなわち可撓性ケーブル56が取り付けられている辺)に装着される。このように、レール88及び90は検出器モジュール50の前方に装着され、レール90は中央モジュール92の後方に延在している。
【0024】一実施形態では、検出器アレイ82の検出器モジュール50及び92は着脱自在であり交換可能である。
【0025】一実施形態では、ポスト・ペイシェント・コリメータ板102が用いられる。板102は、中央検出器モジュール92の上方以外では従来のものであって、中央検出器モジュール92の上方では、各々のコリメータ板は検出器82のz方向の全厚にわたって延在しており、すなわち両方のレール88の間で、複数の検出器モジュール92にわたって延在している。(従来の板102は、単一の検出器モジュール50のみにわたってz方向に延在している。)ポスト・ペイシェント・コリメータのワイヤ104がポスト・ペイシェント・コリメータ板を横断して延在しており、構築上の格別の問題点を呈することはない。図1には、幾つかのポスト・ペイシェント・コリメータ板102及びワイヤ104のみを示している。
【0026】一実施形態では、中央モジュール92はレール90と同一平面上に位置する。
【0027】図1に示す装着構成は例示のためのみのものである。さらに、本発明の検出器アレイの実施形態は、例えば任意数の交互配置された二分の一検出器セグメント84を用いることができる点で拡縮可能(スケーラブル)である。図3は、図1の検出器アレイの実施形態82とは僅かに異なる形態を有するもう一つの検出器アレイの実施形態94を示している。この実施形態は、二分の一検出器セグメント84を二つしか有さない。加えて、レール96は二つの中央検出器モジュール92を支持するのに十分な幅を有する。
【0028】心臓用CTイメージング・システム10の一実施形態は、マルチスライス検出器アレイ18の代わりに検出器アレイ82を用いる。この実施形態は、従来技術のマルチスライス検出器アレイ18を用いた標準的な8スライス型イメージング・システム10と同程度のデータ出力量を生成する。
【0029】例えば、一実施形態について図2及び図4を参照して述べると、検出器モジュール92はZ方向に16個のセルを有し、X方向に7個の対形成したセルを有し、合計でモジュール当たり112の出力を生ずる。中央検出器モジュール92に隣接する領域98の検出器素子50は、x方向に最小で112個の検出器セル20を有し、13.04cmの視野(FOV)を有する。回転中心58まで541mmの所での二分の一視野(FOV)は6.52°であって、すなわちセル当たり0.0618°である。従って、患者22の心臓の全FOVは13cmとなる。
【0030】一実施形態では、16×16の検出器セル20のアレイを各々有する7個の検出器モジュール50をガントリの回転中心に隣接した領域98内で用いて、13.04cmのFOVを形成する。本実施形態の検出器セル20はz方向に1.25mmの分解能を与える。x方向のセルは対を形成しており(すなわち各対の電気的出力が共に接続されている)、検出器モジュール50一つ当たり128の別個の出力しか存在しないようにしている。x方向に対形成したセル20によって、僅かな変更を施すのみで検出器アレイ82の全体にわたって標準的な検出器モジュール50を利用することが可能になる。例えば、一実施形態の検出器モジュール50は対形成するように結線される。もう一つの実施形態では、結線の代わりにFETアレイ62及び64を用いて、すべてのピクセルのゲインが較正され得るようにする。他の点では、検出器モジュール50の構成は公知のマルチスライス・イメージング・システムのかかるモジュールの構成と同様である。
【0031】結線により対形成すると(又は他の場合には検出器モジュール50の出力を結合すると)、心臓画像を処理するのに必要なDAS32のデータ入力の数が減少する。加えて、x方向に加算を行なうと、本書に記載したような寸法の検出器セル20を用いる場合には画像空間内でさらに等方的なボクセルが得られる。このようにして、領域98における検出器セル20の総数は、アレイ当たり7×128=896セルとなる。
【0032】二分の一検出器セグメント84の第二の領域100は、FOV全体の再構成を支援する。但し、領域100は心臓撮像の細部を提供する必要はなく、従って、領域98よりも遥かに低い検出器セル・サンプリングを与えればよい。例えば、一実施形態では、イソセンタ24まで541mmの所での48cmのFOVは26.34°であり、すなわち検出器セル20一つ当たり0.0618°である。しかしながら、領域100において各々のモジュール50におけるセル20からのデータは結合されて、各々のモジュールが各々の行毎に単一の出力を与えるようにする。換言すると、各々のモジュールのすべてのセルがx方向に結合されるが、z方向の分解能は依然として1.25mmとなる。このようにして、各々のモジュール50が16の出力を供給する。一実施形態では、モジュール60の内部でx方向のセルの加算が実行される。もう一つの実施形態では、加算はDAS32のバックプレーンで実行される。これら二つの実施形態のいずれにおいても、合計で426個の検出器セルがガントリの回転中心の左側に位置し、すなわち、モジュール当たり426セル/16セル=26.63すなわち27の全モジュール50となる。従って、領域98に7個のモジュール50が用いられているので、領域100には20個のモジュール50が存在する。モジュール50が20個でありモジュール50一つ当たり16の出力しかないので、領域100には実効的に320のセル出力が存在する。
【0033】上述のような態様で検出器セル20を結合することにより、検出器アレイ82は中心線80の近くでは相対的に高い空間分解能を与え、中心線80から離隔した位置では相対的に低い空間分解能を与える。
【0034】8スライス型のCTイメージング・システムからの公知のDAS32は、ボード当たり128のチャネルを有する48個のボードを含んでおり、48×128=6144個の検出器セル20を処理する十分な能力を提供している。従って、公知のDAS32は、4.63個の二分の一検出器セグメント84に十分な処理能力を提供する(検出器アレイ当たり6144セル/1328セル=4.63検出器アレイ)。しかしながら、一実施形態では、13cm(X)×10cm(Z)の心臓撮像範囲を与える撮像のために、5個の二分の一検出器セグメント84を有する検出器アレイ82が設けられる。従って、必要とされる追加のチャネルのために僅かな追加のDAS32ボードのみが必要である。もう一つの実施形態では、領域98のうち領域100に隣接する部分のさらなるセル20を加算して、画質を大幅に犠牲にすることなく検出器アレイからのデータ出力の量をさらに減少させる。この実施形態はまた、公知の8スライス型のCTイメージング・システムによって提供されるものより僅かに多い追加のDAS32チャネルしか必要としない。領域100のセル・サンプリングがさらに少ない及び/又は領域98の重複したセル20がさらに少ないもう一つの実施形態では、追加のDAS32ボード又はチャネルは必要とならない。
【0035】ボウタイを改変すると、患者の外側の低分解能部分でのX線量を減少させることができる。
【0036】本発明の一実施形態では、患者22の器官を撮像するために、関心のある器官を含む患者22の身体の空間を、検出器アレイ18の代わりに本発明の検出器アレイ82を採用した計算機式断層写真法イメージング・システム10で走査する。検出器アレイ82の複数の交互配置された二分の一検出器セグメント84から減弱データが取得され、取得された減弱データを用いて患者22の器官の画像が再構成される。
【0037】このように、本書に記載した実施形態は、X線源及び検出器の最小回数の回転で、又は幾つかの実施形態では単一回のみの回転で、十分なCT心臓撮像を可能にすることは明らかである。さらに、かかる心臓CT走査時に収集されるデータの量は、強化を殆ど又は全く施さずまた画質及び分解能に許容できない犠牲を生じずに、公知のデータ取得システムによって処理され得る水準にまで減少する。
【0038】様々な特定的な実施形態によって本発明を説明したが、当業者であれば、特許請求の要旨及び範囲に属する改変を施して本発明を実施し得ることを理解されよう。
【出願人】 【識別番号】300019238
【氏名又は名称】ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー
【出願日】 平成13年12月27日(2001.12.27)
【代理人】 【識別番号】100093908
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 研一
【公開番号】 特開2002−306465(P2002−306465A)
【公開日】 平成14年10月22日(2002.10.22)
【出願番号】 特願2001−395790(P2001−395790)