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【発明の名称】 体腔内照明装置
【発明者】 【氏名】糸井 啓友

【氏名】田中 俊積

【氏名】河野 慎一

【氏名】坂本 利男

【氏名】吉原 正敏

【要約】 【課題】挿入部の先端に2箇所の照明窓を設けて、一方の照明窓から出射される照明光の位置を軸線方向に変えて、腹腔等の体腔内を照明する際に、必要に応じて、特定の部位を集中的に照明したり、広い範囲にわたって照明できるようにする。

【解決手段】挿入部11において、基端側パイプ14に関節部16を介して連結された先端側パイプ15には、その軸線方向に2箇所の照明窓17,18が形成され、これら両照明窓17,18からは、それぞれ第1,第2のライトガイド19,21から照明光が照射される。先端側に位置するのは第1の照明窓17であり、この第1の照明窓17からの照明光の出射位置は固定されている。第1の照明窓17より基端側に位置する第2の照明窓18は軸線方向に向けて長手となっていおり、第2のライトガイド21からの照明光の出射位置は先端側パイプ15の軸線方向に移動可能となっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 杆状の挿入部の先端に第1のライトガイドの出射端が臨む第1の照明窓を設け、この第1の照明窓を設けた位置より基端側には軸線方向に長手となった第2の照明窓を設けて、第2のライトガイドの出射端をこの第2の照明窓に沿って軸線方向に移動可能に装着する構成としたことを特徴とする体腔内照明装置。
【請求項2】 前記第2の照明窓には、長尺板状の透明ガラスが設けられ、前記第2のライトガイドの出射端部を前記透明ガラス側に向く面が平面形状とした透明部材からなるスライド板に固定して設け、このスライド板を前記透明ガラスに沿って移動可能な構成としたことを特徴とする請求項1記載の体腔内照明装置。
【請求項3】 前記スライド板の前後の位置に操作ワイヤを連結し、これら一対の操作ワイヤの一方を引っ張り、他方を繰り出すことによって、このスライド板を前記第2のライトガイドと共に前記挿入部の軸線方向に変位させる構成としたことを特徴とする請求項2記載の体腔内照明装置。
【請求項4】 前記挿入部は、基端側パイプと、基端側パイプとからなり、これら基端側パイプと先端側パイプを共に硬質部材で形成して、その間を屈曲可能な関節部を介して連結し、この関節部を屈曲させることによって、前記先端側パイプを基端側パイプに対して傾けることができるようになし、この先端側パイプに前記第1,第2の照明窓を軸線方向に位置を隔てて設ける構成としたことを特徴とする請求項1記載の体腔内照明装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腹腔等の体腔内に挿入されて、この体腔内を照明する装置に関するものであり、特に照明範囲及び明るさを変化させることができるようにした体腔内照明装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年においては、体腔内壁や臓器等における腫瘍等といった患部の切除、臓器の切開、縫合や止血等といった手術なり処置なりが行われるようになってきている。その代表的な例として、腹腔鏡下による手術がある。この腹腔鏡下による手術を行っている状態を図10に示す。
【0003】まず、気腹ガスを腹腔C内に充満させる等により、腹腔Cを大きく膨らませるようになし、この状態で腹壁Wを貫通するように、複数のトラカール等からなるガイド管Gを腹腔内に挿入しておく。一つのガイド管Gには腹腔鏡Sを挿通させて、この腹腔鏡Sから腹腔C内の映像を取得して、その内部を観察できるようにする。手術を行うに当っては、鉗子や高周波処置具等、1乃至複数の処置具Tが用いられるが、処置具Tもガイド管Gを介して腹腔C内に導かれる。処置具Tの作動状態は腹腔鏡Sにより確認できるので、処置具Tの種類等を適宜選択して腹腔C内に挿入して所要の手順に従って操作することによって、患部の摘出,止血や組織のサンプリング、さらには切開部分の縫合等の処置を行うことができる。このようにして行われる腹腔鏡下で行われる手術は、腹壁に対しては複数のガイド管Gを挿入する経路を確保するために、極めて小さい切開を行うだけで済むことから、大きく開腹して行う手術と比較して、組織に対するダメージが極めて少なくなり、術後の回復が早くなる等、極めて有利な点が多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、腹腔鏡は直視タイプのもの、つまりその観察視野が挿入部の延長線方向を向いたものから構成されるのが一般的であり、挿入部にアングル機構部を設けて、挿入部の先端部分を湾曲操作することにより観察視野を変えることができる。ただし、臓器等が視野の邪魔になって視野に入らない部位があり、またアングル機構部の湾曲操作による視野の変更範囲にも限度がある。さらに、腹腔鏡の対物光学系は広角のものが用いられ、また固定焦点レンズが用いられる等の理由で、処置を行おうとする箇所の映像を必ずしも鮮明に得られない場合もある。つまり、腹腔鏡下での手術を行うに当っては、腹腔内の観察を腹腔鏡だけに頼るだけでは、手術なり処置なりを必ずしも万全には行えない場合がある。
【0005】ところで、CCDカメラ等の撮像装置は、基本的には対物レンズと固体撮像素子とで構成されるが、近年においては、この種の撮像装置は極めて小型化され、しかも解像度も高いものが実用化されている。従って、対物レンズと固体撮像素子とをユニット化して、固体撮像素子にケーブルを接続した小型のテレビカメラを複数台用いれば、様々な方向からの映像を取得できるようになる。従って、腹腔鏡下による手術を行う際等において、小型のテレビカメラを腹腔内に1乃至複数挿入して、様々な方向から体腔内の映像を取得できれば、さらに正確で迅速な手術や処置を行えることになる。
【0006】ここで、テレビカメラの腹腔等の内部に挿入する経路としては、トラカール等のガイド管を利用するが、テレビカメラに接続されるケーブルは細く、しかも可撓性のあるものであるから、腹腔鏡や処置具を挿通するガイド管内に挿通させて、腹腔内の任意の場所に設置することができる。また、例えば腹腔内における臓器等を触診するために、処置具を用いて行われる手術や処置等を補助する、所謂ハンドアシストを行うために、腹腔内に術者の手を挿入することがある。このように腹腔内に手を挿入する際に、テレビカメラを指に着用する等により持ち込むことができる。しかしながら、腹腔の内部を含めて、体腔内は外部からの光が得られない暗所となっている。従って、テレビカメラで体腔内の映像を取得するに当っては、何らかの形で照明を行わなければならない。
【0007】腹腔内等のように、広い体腔の全体を照明するには大型の照明手段が必要となる。照明される領域が体腔内である点から、照明手段としてライトガイドを用いるのが好適である。ライトガイドは極細の光学繊維を束ねたものから構成され、ライトガイドの出射端には発散レンズからなる照明用レンズが装着される。広い範囲にわたって均一に、しかもテレビカメラで十分鮮明な映像を取得できる程度の明るさで照明しようとすると、その分だけ太径のライトガイドを用いなければならず、また照明用レンズの口径も大きくなってしまう。従って、腹腔鏡と共に、また腹腔鏡に代えて、1乃至複数のテレビカメラを体腔内に挿入して、処置具による手術や処置等を行う際に、テレビカメラから得られる映像で処置具の操作状況等を確認できるシステムを構築するに当っては、体腔内の照明装置を小型化し、しかも必要な部位に対して十分な明るさで照明できるようにすることが課題となる。
【0008】本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、腹腔等の体腔内を照明する際に、必要に応じて、特定の部位を集中的に照明したり、広い範囲にわたって照明できるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成するために、本発明は、杆状の挿入部の先端に第1のライトガイドの出射端が臨む第1の照明窓を設け、この第1の照明窓を設けた位置より基端側には軸線方向に長手となった第2の照明窓を設けて、第2のライトガイドの出射端をこの第2の照明窓に沿って軸線方向に移動可能に装着する構成としたことをその特徴とするものである。
【0010】要するに、挿入部において、第1のライトガイドは固定的に配置した照明手段となし、また第2のライトガイドは挿入部の軸線方向に移動可能な可動の照明手段とする。従って、第2のライトガイドを第1のライトガイドに近づけると、照明範囲の大半がオーバーラップすることになり、特定の部位に向けて強い光で照明することができる。一方、第2のライトガイドを第1のライトガイドから離すと、2つの照明手段からの光が及ぶ範囲が大きくなり、明るさは低下するが、照明範囲を広くすることができる。
【0011】可動の照明手段を構成する第2の照明窓には、例えば長尺板状の透明ガラスを設けるようにすることができ、第2のライトガイドの出射端は、この透明ガラスに沿って摺動可能なスライド板に装着することができる。ここで、スライド板は第2のライトガイドからの光を透過させなければならないので、透明部材で形成する必要がある。スライド板を遠隔操作により移動させるために、例えばスライド板の前後の位置に操作ワイヤを連結して設ける。従って、これら一対の操作ワイヤの一方を引っ張り、他方を繰り出すように操作することによって、スライド板を第2のライトガイドと共に挿入部の軸線方向に変位させることができる。また、挿入部に設けられる2つの照明窓から照明される方向を変えることができるように構成するのが望ましい。このためには、挿入部を、共に硬質部材からなる基端側パイプと先端側パイプとで構成し、これら基端側パイプと先端側パイプとの間を屈曲可能な関節部を介して連結して、この関節部を屈曲させることによって、先端側パイプを基端側パイプに対して傾けることができるようになし、この先端側パイプに第1,第2の照明窓を軸線方向に位置を隔てて設ける構成とすれば良い。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。図面において、図1には体腔内照明装置の全体構成が示されている。しかも、この体腔内照明装置を腹腔等の体腔内に挿入されている状態としている。図中において、1は体腔内照明装置、2は光源装置、3は体腔内照明装置1を腹腔内に導くための、トラカール等からなるガイド管である。
【0013】体腔内照明装置1は操作ユニット10に挿入部11を連設してなるものであって、この操作ユニット10には、先端に光源装置2に着脱可能に連結されるライトガイドコネクタ12を設けたコード13が接続されている。挿入部11は、操作ユニット10への連設側の基端側パイプ14と、後述するように、2箇所の照明窓17,18を設けた先端側パイプ15とを有し、これら基端側パイプ14と先端側パイプ15とは蛇腹等で構成した関節部16が設けられている。基端側パイプ14及び先端側パイプ15は硬質パイプからなり、先端側パイプ15の先端部は閉塞されている。基端側パイプ14の長さ寸法は、少なくともその全長をガイド管3内に挿通するのに十分な長さを有するものであり、かつガイド管3に対して挿脱する方向にある程度移動させることができる長さ寸法となっている。
【0014】先端側パイプ15は、図2及び図3から明らかなように、先端が閉塞した硬質パイプからなり、その軸線方向に2箇所の照明窓17,18が形成されている。これら両照明窓17,18は、それぞれパイプに形成した透孔に透明ガラスを装着することにより形成される。先端側に位置するのは第1の照明窓17である。この第1の照明窓17は円形に形成されている。これに対して、第1の照明窓17より基端側に位置する第2の照明窓18は軸線方向に向けて長手としたものであり、透孔に長尺板体からなる透明ガラスが装着されている。第1の照明窓17は、その全体から先端側パイプ15の軸線と直交する方向に向けて照明光を照射するようになっている。これに対して、第2の照明窓18からは第1の照明窓17からの照明方向と同じ方向に照明光が照射されるが、この第2の照明窓18の全体から照明光が照射されるのではなく、その一部分から照明光が照射されるようになっており、しかも軸線方向に向けて照明光の出射位置が図1に実線で示した位置と仮想線で示した位置との間に変化するようになっている。
【0015】第1の照明窓17には、第1の照明手段としての第1のライトガイド19の出射端が対向配設されており、この第1のライトガイド19の出射端と第1の透明窓17との間には発散レンズ等からなる照明用レンズ20が配置されている。一方、第2の照明窓18には、第2の照明手段として、第2のライトガイド21が臨んでおり、この第2のライトガイド21の出射端には照明用レンズ22が固定して設けられている。これら照明用レンズ20,22は円形のものであり、また第1,第2のライトガイド19,21の出射端も円形としている。第1の照明窓17の口径は第1のライトガイド19の出射端と同じか、またはそれより大きくなっている。これに対して、第2のライトガイド21の出射端の直径は第2の照明窓18の幅寸法より僅かに小さいものである。そして、第2のライトガイド21及びその照明用レンズ22は、第2の照明窓18の長手方向に向けて、つまり先端側パイプ15の軸線方向に向けて一体的に移動できるようになっている。
【0016】而して、図2は第2のライトガイド21が先端側パイプ15における最先端位置に配置されている状態が示され、また図4には第2のライトガイド21が先端側パイプ15における最基端側位置に配置されている状態が示されている。第1のライトガイド19,第2のライトガイド21から出射される照明光は、それぞれ照明用レンズ20,22により発散されるが、これら照明用レンズ20,22の発散角は同じであっても良く、また異なるようにすることもできる。そこで、以下の説明では、第1,第2のライトガイド19,21を同じ直径とし、かつ照明用レンズ20,21も同じ発散角θとなったものとする。
【0017】今、図2に示したように、第2のライトガイド21の出射端とそれに装着される照明用レンズ22とを第1のライトガイド19の出射端位置に最も近接した位置に配置したとする。この状態では、同図に斜線で示したように、第1,第2の照明窓17,18から出射される照明光はほぼ重なり合うことになる。従って、この場合の照明範囲LAは狭いが、照明光が照射される部位における単位面積当りの照明光量が多くなる。一方、図4に示したように、第2のライトガイド21の出射端と共に照明用レンズ22を第1のライトガイド19からの照明光の出射端位置から最も遠い位置に配置すると、第1,第2の照明窓17,18からの照明領域は殆ど重なり合わなくなる。従って、照明範囲LAを広くすることができる。ただし、2つの照明が重なり合わないことから、単位面積当りの照明光量は少なくなる。
【0018】以上のことから、第2のライトガイド21の出射端及びその照明用レンズ22の位置を変化させることにより、つまり、第2の照明窓18における照明光の照射位置を先端側パイプ15の軸線方向に変化させることによって、照明しようとする部位の明るさと、照明範囲を任意に制御することができる。そこで、図5乃至図10に基づいて、この第2の照明窓18からの照明光の照射位置を変える機構について説明する。
【0019】而して、図5に示したように、第2の照明窓18を構成する透明ガラス30の左右両側部にはガイド枠31,31が設けられており、図6及び図7に示したように、これらガイド枠31は第2の照明窓18のほぼ全長に及んでいる。ガイド枠31は第2のライトガイド21の出射端及びその照明用レンズ22の移動をガイドするためのものであり、左右のガイド枠31,31間には、透明ガラス等からなり、薄い正方形の透明板からなるスライド板32の両端部が係合している。第2のライトガイド21の先端部分は概略90°曲げた鞘管33内に挿通されており、その出射端21aは鞘管33の開口端に固定して設けた照明用レンズ22に対面している。そして、鞘管33には可撓性チューブ34が接続されており、第2のライトガイド21は、鞘管33から可撓性チューブ34内に挿通されて、挿入部11から操作ユニット10を経てコード13内に延在されている。また、第1のライトガイド19は、照明用レンズ20への接続部では、鞘管33と同様、90°曲げた鞘管23内に挿通されており、この鞘管23の端部からは2つに分岐した可撓性チューブ24,24内に分けて挿通されている。従って、先端側パイプ15の途中位置からは、第2のライトガイド21がその中央を通り、また第1のライトガイド19は、この第2のライトガイド21の左右両側を通過するようになっている。
【0020】鞘管33の開口端はスライド板32の表面に固着されて、内部に照明用レンズ22及び第2のライトガイド21を装着した鞘管33はスライド板32と一体化されて、ガイド枠31によるガイド方向に移動できるようになっている。スライド板32を移動させるために、図6に示したように、このスライド板32の前後の端部には、それぞれ操作ワイヤ35a,35bが連結されている。スライド板32の前側に連結した操作ワイヤ35aを矢印F方向に引っ張り、スライド板32の後側に連結した操作ワイヤ35bを送り出すようにすれば、スライド板32が前進、つまり第1の照明窓17に近接する方向に移動する。一方、操作ワイヤ35bを矢印R方向に引っ張ると共に、操作ワイヤ35aを送り出すと、スライド板32は後進、つまり第1の照明窓17から離間する方向に移動する。
【0021】操作ワイヤ35a,35bは、第2の照明窓18の前後の両端部に装着した支持板36a,36bに固定して設けたガイド管37a,37b内に挿通されている。スライド板32の先端側に連結した操作ワイヤ35aを挿通させるガイド管37aは、支持板36aへの連結部から一度先端側に向けた後、180°反転するように湾曲させると共に、第1,第2のライトガイド19,21の挿通部を避けたスペース側に回り込ませて、先端側パイプ15の関節部16への連結部近傍にまで延在させている。また、スライド板32の基端側に連結した操作ワイヤ35bも第1,第2のライトガイド19,21を避ける位置となるように曲げられている。
【0022】図8に示したように、ガイド管37a,37bは先端側パイプ15内で、関節部16に近い位置にまで延在されており、それらの端部には密着コイル等からなる可撓スリーブ38a,38bが連結されており、操作ワイヤ35a,35bはこれら可撓スリーブ38a,38b内に挿通されて、操作ユニット10内に延在されている。操作ユニット10には、図9に示したように、そのケーシング内に支持プレート39が設けられ、この支持プレート39には挿通管40a,40bが固定して設けられている。そして、可撓スリーブ38a,38bの基端部はこれら挿通管40a,40bに連結されている。さらに、これら挿通管40a,40bの端部は、支持プレート39に回転可能に装着されたプーリ41と対面しており、可撓スリーブ38a,38bから挿通管40a,40bに挿通された操作ワイヤ35a,35bはこのプーリ41に巻回されている。
【0023】プーリ41を回転させると、操作ワイヤ35a,35bのうちの一方がプーリ41に巻取られ、他方がプーリ41から繰り出される。従って、プーリ41を回転駆動することにより操作ワイヤ35a,35bが押し引きされて、第2のライトガイド21の先端部が固定されているスライド板32が前後方向に移動することになる。このプーリ41には回転軸42が連結して設けられており、この回転軸42は操作ユニット10のケーシングから外部に導出されて、その先端には手動操作により回動させることができるレバー43が連結されている。従って、レバー43を操作することによって、スライド板32を遠隔操作で移動させることができることになる。その結果、先端側パイプ15において、その軸線方向に長手となった第2の透明窓18において、第2のライトガイド21により照明がなされる位置を軸線方向に変化させることができる。
【0024】以上のように構成することによって、腹腔等の体腔内において、強い照明が必要である場合には、レバー43を操作して、操作ワイヤ35a,35bを押し引きすることによって、スライド板32を第1の照明窓17に近接する方向に変位させて、図2に示した位置とする。この状態で第1,第2のライトガイド19,21に照明光を伝送させると、第1の照明窓17の全体から照明光が照射され、また第2の照明窓18側では、その先端側から照明がなされる。従って、照明範囲LAは狭いものの、強い照明を行うことができ、例えば体腔内照明装置1より遠い位置における体腔内壁や臓器等を照明するのに適切なものとなる。
【0025】また、体腔内壁や臓器等が体腔内照明装置1に近い位置にある時には、あまり強い照明を行うと、例えばテレビカメラで体腔内の映像を取得する際に固体撮像素子が飽和する等により鮮明な映像が得られない。従って、むしろ照明光量を抑制する方が良い。また、テレビカメラの視野を変えた場合に、その部位を撮影できるようにするために、広い範囲に照明を行う方が望ましい。このために、レバー43を操作することによって、操作ワイヤ35bを引っ張って、スライド板32を先端側パイプ15の基端側に変位させて、第1の照明窓17から離間させる。これによって、第2の照明窓18での照明部は第1の照明窓17から離れるので、照明範囲LAが広くなり、かつ明るさが低下する。
【0026】従って、照明すべき部位等に応じて、第2のライトガイド21の出射端及び照明用レンズ22を取り付けたスライド板32を前後方向に移動させることによって、所望の明るさで、所望の範囲に照明を行うことができる。しかも、このための操作は挿入部11が連結されている操作ユニット10に設けたレバー43を手動操作するだけで良いことから、その操作性も良好となる。
【0027】ところで、挿入部11はガイド管2内に挿通されるものであり、しかもその一側側面にのみ第1,第2の照明窓17,18が形成されている。しかしながら、ガイド管2内で挿入部11を軸回りに回転させれば、全方向に照明光を照射することができる。
【0028】腹腔内において、例えば臓器の全体にわたって照明しようとする場合に、できれば挿入部11、特に先端側パイプ15を臓器とほぼ平行な方向に向ける方が望ましい。図1に示したように、ガイド管2は腹壁からほぼ真直ぐに腹腔内に挿入される。従って、そのままでは第1,第2の照明窓17,18が装着されている先端側パイプ15を臓器等と平行な方向に向けることはできない。そこで、一般的な内視鏡の挿入部に設けられるアングル部に相当する機構を先端側パイプ15と基端側パイプ14との間に設けることが考えられる。しかしながら、少なくとも先端側パイプ15は、そのほぼ全長にわたって硬質部材で形成する必要があり、しかもこの先端側パイプ15は、第2の照明窓18の軸線方向の長さをできるだけ長くする必要がある。従って、アングル部のように、挿入部の軸線方向に向けてかなりの長さが必要な機構部を設けるのは望ましくはない。蛇腹等から構成される関節部16を先端側パイプ15と基端側パイプ14との間に設けたのは、先端側パイプ15を曲げる機構の軸線方向の長さを短縮するためである。なお、関節部16は蛇腹だけでなく、例えば基端側パイプ14の先端部とセンタ側パイプ15の基端部とを枢動可能に連結したり、球面継ぎ手を介して連結する等の手段を採用することができる。
【0029】このように構成することにより、関節部16をガイド管3の先端から腹腔内に臨ませた状態にして、まず挿入部11を軸回りに回転させて、第1,第2の照明窓17,18の向きを調整する。そして、関節部16を図1に仮想線で示した方向に曲げることによって、先端側パイプ15は基端側パイプ14に対して任意の方向に傾けられる。その結果、先端側パイプ15を臓器や体腔内壁とほぼ平行な状態となる姿勢を取らせることができ、かつ第1,第2の照明窓17,18を照明が必要な臓器や体腔内壁に向けることができるようになる。しかも、第2のライトガイド21による照明位置の調整は、このように先端側パイプ15を曲げた状態でも行える。
【0030】ここで、関節部16を曲げる操作機構は、スライド板32を移動させる機構と実質的に同じとなる。即ち、図2に示した一対の操作ワイヤ44a,44bの先端を先端側パイプ15の基端部に取り付けた支持ピン45a,45bに連結し、これら両操作ワイヤ44a,44bを操作ユニット10内に設けたプーリに巻回しておくようにする。そして、このプーリの回転軸を操作ユニット10のケーシング外に延在させて、この操作ユニット10に設けたレバー46により操作できるようにする。勿論、4方向に曲げる場合には、操作ワイヤを各一対設けると共に、プーリ及びレバーは2個設けるようにする。
【0031】
【発明の効果】本発明は、挿入部の先端に2箇所の照明窓を設けて、一方の照明窓から出射される照明光の位置を軸線方向に変えることができる構成としたので、腹腔等の体腔内を照明する際に、必要に応じて、特定の部位を集中的に照明したり、広い範囲にわたって照明できる等の効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000005430
【氏名又は名称】富士写真光機株式会社
【出願日】 平成13年3月27日(2001.3.27)
【代理人】 【識別番号】100089749
【弁理士】
【氏名又は名称】影井 俊次
【公開番号】 特開2002−282202(P2002−282202A)
【公開日】 平成14年10月2日(2002.10.2)
【出願番号】 特願2001−89790(P2001−89790)