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【発明の名称】 コンパクト洗面器
【発明者】 【氏名】亀井 潤介

【氏名】山村 直弘

【要約】 【課題】洗面器を固定部分と可動部分とに分割することにより、使用時には広い洗面領域を確保でき、また不使用時には広い室内空間を確保することのできるコンパクトな洗面器を提供する。

【解決手段】奥側の固定部分2と、手前側の可動部分3とから成り、固定部分2に排水管の結合部(排水口11)を設けている。また可動部分3が使用位置と後退位置との間で移動できるようにしている。これにより、使用時には固定部分2と可動部分3とを一体化し、洗面器に広い洗面領域を確保する。不使用時には可動部分を後退位置まで移動させ、洗面器の全体をコンパクトにする。また固定部分2に排水管が結合されるので、排水管及びその結合部分は固定のままであり、移動することがなく、移動に伴う損傷を受ける等がない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】奥側の固定部分と、手前側の可動部分とから成り、固定部分に排水管の結合部が設けられ、可動部分が使用位置と後退位置との間で移動できるようにしてあるコンパクト洗面器。
【請求項2】可動部分が半跳ね上げ式である請求項1に記載のコンパクト洗面器。
【請求項3】可動部分が固定部分に対して引出自在になっている請求項1に記載のコンパクト洗面器。
【請求項4】可動部分が固定部分に対して凹凸嵌合等により脱着自在になっている請求項1に記載のコンパクト洗面器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定部分と可動部分とから成る洗面器であって、不使用時に可動部分を移動又は取り外して洗面器の奥行き寸法を小さくするようにしたコンパクト洗面器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、スペースの限られた狭い浴室等において設置される洗面器は、入浴に伴う洗場での動作等に支障を来さないように、壁面からの突出寸法が抑制されている。しかし、これであると洗面器自体の大きさが小さくなり、手や顔を十分に洗うことができず、洗面動作がし辛いという問題があった。そのため、従来では、浴室等のように、コンパクトさが要求される場所等で使用される洗面器にあっては、使用時には水平姿勢を確保して十分な洗面領域を確保し、不使用時には洗面器の全体をこの水平姿勢から直立姿勢へ揺動させてコンパクトに収納するようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、洗面器の全体を水平状態から直立姿勢へ揺動させて収納する技術にあっては、洗面器の全体重量が重く、これを揺動自在に支承する機構が大型化し、複雑化するという欠点があった。またこのように洗面器の全体を揺動させる方式では、洗面器に結合した排水管も同時に揺動させることが必要であり、洗面器の揺動空間をも大きく確保しなければならなかった。しかも、洗面器を揺動させる度に、排水管自体及び排水管と洗面器との結合部分に負荷がかかり、これらの部分が損傷又は故障を受けやすくなるという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は従来の前記課題に鑑みてこれを改良除去したものであって、洗面器を固定部分と可動部分とに分割することにより、使用時には広い洗面領域を確保でき、また不使用時には広い室内空間を確保することのできるコンパクトな洗面器を提供せんとするものである。
【0005】而して、前記課題を解決するために本発明が採用した請求項1の手段は、奥側の固定部分と、手前側の可動部分とから成り、固定部分に排水管の結合部が設けられ、可動部分が使用位置と後退位置との間で移動できるようにしてあるコンパクト洗面器である。この発明によれば、使用時には固定部分と可動部分とが一体化した状態となり、洗面器の広い洗面領域を確保することができる。また不使用時には可動部分を後退位置まで移動させることができ、洗面器の全体をコンパクトに収納することができる。更に、固定部分に排水管が結合されるので、排水管及びその結合部分は固定のままであり、移動することがないので、移動に伴う損傷を受けることがない。
【0006】本発明が採用した請求項2〜4の手段は、可動部分を半跳ね上げ式、引出式、凹凸嵌合方式のいずれかにしたものであり、移動方法が異なるのみで、その作用効果については、前記請求項1の発明の場合と同じである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の構成を図面に示す発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。図1乃至図3は本発明の第1の実施の形態に係るものであり、図1は洗面器1の固定部分2と可動部分3とを分解して示す斜視図、図2は洗面器1の側面図、図3は固定部分2と可動部分3との連結構造を示す部分拡大斜視図である。同図に示す如く、この第1の実施の形態にあっては、前面側が開口したキャビネット4の上面側に洗面器1の固定部分2が固定設置されている。可動部分3は、固定部分2に対して所定角度の範囲に渡って回動自在(半跳ね上げ式)に取り付けられている。
【0008】固定部分2は、背面板5と前面板6と左右の両側板7及び8と底板9とで囲まれたシンク10を有し、底板9に排水口11が設けられている。そして、排水口11は、排水器具を介して排水管(いずれも図示せず)へ接続固定されている。左右の両側板7及び8の前面寄りの上端面は、下り勾配の湾曲部12a及び12bに形成されており、前面板6の上端面へ連続している。この湾曲部12a及び12bには、可動部分3を回動自在に枢支するための突部13a及び13bが形成されている。突部13a及び13bは、直線状の端面22a及び22bを有し、また枢軸孔14a及び14bが穿設されている。
【0009】一方、可動部分3は、左右の両側板15及び16と前板17と底板18とから成り、背面板は設けられていない。また左右の両側板15及び16の後端側は、底板18よりも後方側へ突出して形成されており、その端面部分は前記固定部分2の湾曲部12a及び12bの曲率に合致するR面部に形成されている。そして、該R面部には、所定の角度範囲にわたって溝19a及び19bが形成されている。図3において、符号23a及び23bは、各溝19a及び19bに形成された溝端面である。更に、両側板15及び16には、溝19a及び19bと直交する方向の枢軸孔20a及び20bが穿設されている。可動部分3の固定部分2への取り付けは、可動部分3の溝19a及び19bを固定部分2の突部13a及び13bに外嵌装着し、それぞれの枢軸孔14a及び14bと20a及び20bを貫通して枢軸ピン21a,21bを装着すればよい。これにより、可動部分3は固定部分2に対して回動自在である。
【0010】次に、上述の如く構成されたコンパクト洗面器1の使用態様を説明する。洗面器1を使用する場合は、図2の実線で示すように、可動部分3の溝19a及び19bの溝端面23bを、固定部分2の突部13a及び13bの直線状端面22bに接合させて支持させ、可動部分3を略水平状態にする。これにより、固定部分2と可動部分3とが二つの洗い鉢を備えた一つの洗面器として機能し、また洗面動作に支障をきたすことのない十分な洗面領域を確保することができる。更に、可動部分3の底板18は、固定部分2のシンク10へ向かってやや下り勾配となり、排水勾配が付与される。そして、底板18のシンク10側の端縁は、シンク10の空間内へオーバーハングした状態となり、可動部分3で使用された手洗い水等は底板18からシンク10内へ自然流下方式により流れ落ち、排水口11から排水管を通じて下水等へ排出される。
【0011】一方、洗面器の非使用時にあっては、図2の鎖線で示すように、可動部分3の手前側を持ち上げて枢軸ピン21a及び21bを中心に同図の時計方向へ回動させ(跳ね上げ)、溝19a及び19bの溝端面23aを突部13a及び13bの直線状端面22aに当接接合させて、これに支持させる。これにより、可動部分3は固定部分2の上方側へ跳ね上げられ、可動部分3の奥行き寸法分だけ洗面器全体の大きさが短くなる。従って、洗面器1を浴室等へ設置した場合には、跳ね上げた可動部分3の分だけ洗場の空間を余分に確保することができ、ゆったりとした入浴動作が可能である。
【0012】次に、本発明の第2の実施の形態に係るコンパクト洗面器27について、図4の縦断面図を参照して説明する。この実施の形態は、固定部分24の前面板を取り除いた形状とし、可動部分25をこの固定部分24に対して引出式にして、固定部分24と可動部分25とで一つのシンクを形成するようにしたものである。可動部分24の成形は、鋳込み成形等により、固定部分24の両側板及び底板に嵌合し得る溝若しくは溝孔26を形成すればよい。洗面器として使用する場合は、可動部分25を手前側へ引き出し、不使用時にあっては、図4に示すように、可動部分25を固定部分24に対して押し込んだ状態にし、洗面器全体の奥行き寸法を短くすればよい。その他の作用効果は、前記第1の実施の形態の場合と同じである。
【0013】図5は、本発明の第3の実施の形態に係るコンパクト洗面器31を示す縦断面図である。この実施の形態では、固定部分27と、可動部分28とを完全分離方式とし、固定部分27と可動部分28とで一つのシンクを形成するようにしている。そして、固定部分27と可動部分28との連結部分に、鉤状の凹部29又は鉤状の凸部30を形成し、洗面器として使用する場合は前記凹凸部29及び30を嵌合させて両者を一体化させ、また非使用時にあっては、凹凸部29及び30の係合を解き、可動部分28を適当な場所へ格納すればよい。その他の作用効果は、前記第1の実施の形態の場合と同じである。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように本発明にあっては、奥側の固定部分と、手前側の可動部分とから成り、固定部分に排水管の結合部が設けられ、可動部分が使用位置と後退位置との間で移動できるようにしたから、使用時には固定部分と可動部分とを一体化し、洗面器に広い洗面領域を確保することができる。また不使用時には可動部分を後退位置まで移動させることができるので、洗面器の全体をコンパクトに収納することができる。更に、固定部分に排水管が結合されるので、排水管及びその結合部分は固定のままであり、移動することがないので、移動に伴う損傷を受けることがない。
【出願人】 【識別番号】000000479
【氏名又は名称】株式会社イナックス
【出願日】 平成12年10月31日(2000.10.31)
【代理人】 【識別番号】100082016
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敏彦
【公開番号】 特開2002−136438(P2002−136438A)
【公開日】 平成14年5月14日(2002.5.14)
【出願番号】 特願2000−332207(P2000−332207)