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【発明の名称】 調理機
【発明者】 【氏名】杉本 多喜生

【要約】 【課題】液槽に収容された調理用液体の跳ね上がりを抑制し、あるいはまた、食材をかご等に収容して調理を行う場合、かご等を液槽の開口縁部に近接配置した場合においても、液体の対流を阻害することなく、良好な加熱調理を行うことができる調理機を提供する。

【解決手段】調理用用液体20を収容する液槽3の上周縁部の少なくとも一部に、内向きに突出する調理用液体の跳ね上がり防止部33が設けられている。また、調理用液体20を収容する液槽3の内周面31の周方向における少なくとも一部が、高さ方向の中間部において外向きに突出する縦断面形状に形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 調理用液体を収容する液槽の上周縁部の少なくとも一部に、内向きに突出する調理用液体の跳ね上がり防止部が設けられていることを特徴とする調理機。
【請求項2】 調理用液体を収容する液槽の内周面の周方向における少なくとも一部が、高さ方向の中間部において外向きに突出する縦断面形状に形成されていることを特徴とする調理機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、揚げ調理機、茹で調理機等に用いられる調理機に関する。
【0002】
【従来の技術】揚げ調理機、茹で調理機等に用いられる調理機では、液槽に収容した揚げ油や茹湯等に調理対象となる食材を投入して調理するが、食材の投入時や調理中に食材を揺動させたときなどに、揚げ油や茹湯等の液面が揺動して内周面に沿って跳ね上がることがあった。
【0003】また、食材をかご等に収容して調理する場合、液槽の開口部の縁に近接してかごをセットすると、かごと液槽の内周面との距離がなくなって液体の良好な対流が阻害され、調理に時間がかかるとか仕上がりがよくないというような欠点があった。
【0004】この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、液槽に収容された調理用液体の跳ね上がりを抑制した調理機の提供を課題とする。
【0005】あるいはまた、この発明は、食材をかご等に収容して調理を行う場合、かご等を液槽の開口縁部に近接配置した場合においても、液体の対流を阻害することなく、良好な加熱調理を行うことができる調理機の提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、調理用液体を収容する液槽の上周縁部の少なくとも一部に、内向きに突出する調理用液体の跳ね上がり防止部が設けられていることを特徴とする調理機によって解決される。
【0007】この調理機では、液槽の上周縁部の少なくとも一部に設けられた内向きに突出する調理用液体の跳ね上がり防止部によって、食材の投入時や調理中の食材を揺動時における液面の跳ね上がりが抑制される。しかも、跳ね上がり防止部の先端に対して、液槽の内面が相対的に外向きに退入した状態になっているから、かご等を跳ね上がり防止部に近接配置した場合において、かご等と液槽内面との距離を確保でき、この部分で液体の良好な対流を行わせることができる。
【0008】また、前記課題は、調理用液体を収容する液槽の内周面の周方向における少なくとも一部が、高さ方向の中間部において外向きに突出する縦断面形状に形成されていることを特徴とする調理機によっても解決される。
【0009】この調理機では、液槽の内周面の周方向における少なくとも一部が、高さ方向の中間部において外向きに突出する形状に形成されているから、この部分の上縁部は相対的に内向きに突出することになり、この部分が跳ね上がり防止部として機能する。しかも、高さ方向の中間部が外向きに突出しているから、液槽の開口縁部に近接してかご等を配置した場合において、かご等と液槽内面との距離を確保でき、この部分で液体の良好な対流を行わせることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を説明する。
【0011】図1は、本発明の一実施形態に係る加熱調理機としての揚げ調理機の斜視図、図2は同じく平面図、図3は図2のIII−III線に沿った断面図、図4は図2のIV−IV線に沿った断面図である。
【0012】これらの図において、Aは揚げ調理機、1は調理機本体、2は本体1を支持する台座体であり、本体1の上面中央部には、揚げ油を収容する上面開放の凹状の油槽3が形成されている。また、油槽3内の下部領域を前後に横断する態様で複数本の加熱管4が設けられている。
【0013】前記加熱管4の一端は、図3に示すようにガスバーナ等の熱源5が装備された燃焼室6に連通される一方、加熱管4の他端は、本体1の後部に上向きに突設された筒状の排気部7に連通されている。そして、図示しないガス供給部から供給されたガスを熱源5で燃焼させ、それによって燃焼室6内に生じた高温ガスを加熱管4に導いたのち、排気部7から排気するが、加熱管4を高温ガスが通過するときの熱によって油槽3内の揚げ湯を加熱するものとなされている。なお、加熱管4を遠赤外線放射材で構成したり、遠赤外線放射材層をコーティングすることにより、揚げ油に遠赤外線を輻射して加熱効率を高める構成としても良い。
【0014】前記油槽3は平面視において前後に長い長方形状をなすとともに、その内周面31が全周にわたって、高さ方向の中間部において外向きに突出する縦断面円弧状に形成されている。かつまた、前記油槽3の上周縁部は、本体1の上面よりも相対的にわずかに低位に設定されて、本体1の上面との間に段部32が形成されると共に、油槽3の上周縁部に連続して、油槽3の内側に水平状に突出する跳ね上がり防止部33が油槽3の全周に形成されている。
【0015】この跳ね上がり防止部33は、油槽3に収容した揚げ湯に食材を投入して揚げる際の食材投入時や調理中に食材を揺動させたときなどに、揚げ油の液面が揺動して内周面に沿って跳ね上がるのを防止するためのものである。
【0016】なお、8は揚げ油の交換時等に揚げ油を油槽3から排出させる排出口、9は排出管であり、排出管9の所定位置には排出管9の開閉を制御するバルブ10が設けられている。
【0017】図示実施形態に係る揚げ調理機Aでは、油槽3に所定深さまで揚げ湯を注入したのち、燃焼ガスを加熱管4に通して前記揚げ油を加熱する。この際に、図5に矢印で示すように、加熱管4から輻射された熱や遠赤外線の一部が、揚げ湯20の油面から縦断面円弧状の油槽内周面31や跳ね上がり防止部33に向かって放出されても、再度揚げ油20に向かって反射されるため、熱エネルギを有効利用できる。
【0018】揚げ油20が温度上昇した後は、食材を揚げ油内に投入して揚げるが、食材の投入時や投入した食材の揺動時に、油面が波打って油槽内周面31に沿って跳ね上がろうとしても、跳ね上がり防止部33がこれを阻止するため、揚げ油20が油面から高く跳ね上がるのが防止され、調理者に向かって飛び散ったり、油槽3の周囲に飛び散るのが防止される。このため清掃も楽になる。
【0019】また、図6に示すように、揚げかご21を用いて食材を揚げる場合には、揚げかご21の端部21aを跳ね上がり防止部33の上面に載置する。この際に、揚げかご21を跳ね上がり防止部33に近接してセットした場合であっても、油槽3の内周面31が縦断面外向き円弧状に形成されているから、図6に示すように、揚げかご21の外面と油槽3の内周面31との間に隙間Pが生じ、この隙間Pによって揚げ湯20の対流作用を確保できるから、良好な温度循環が行われ、食材は揚げむらなく良好に揚げられる。
【0020】また、油面の高さ制御調整のためにフロートを設置する場合や、揚げ油の交換時や濾過時において揚げ湯20を油槽3内に供給するための供給部を設置する場合も、前記隙間Pを利用してフロートや供給部を設置できるから、これらフロートや供給部が油槽中央部にはみ出して調理が妨げられることもなく、また上方から見えにくい位置に設置されることになり、見栄えを悪化させることなくフロート等を配置することができる。
【0021】なお、図示実施形態では、油槽3の内周面31の周方向全範囲にわたって、縦断面外向き円弧状に形成したが、全周にわたって形成する必要はない。また、跳ね上がり防止部33も油槽3の全周にわたって形成したが、全周に形成する必要はない。例えば、前後左右4辺部のうちの前側(調理者側)と左右辺部のみにおいて、油槽内周面31を縦断面外向き円弧状に形成するとともに、跳ね上がり防止部33を形成するものとしても良い。また、左右辺部や前後辺部においてのみ形成しても良いし、一辺のみに形成しても良い。
【0022】また、図7に示すように、油槽3の内周面31を縦断面外向き突出状に形成することなく、垂直状に形成し、その上縁部に内向き水平状に突出する跳ね上がり防止部33を形成するものとしても良い。また、油槽3の開口部の形状も任意に設定可能である。
【0023】また、油槽3の内周面31を縦断面外向き突出状に形成した場合、油槽の上縁部は、高さ方向の中間部に較べて相対的に内側に突出しているから、敢えて水平方向内向き突出状の跳ね上がり防止部33を意図的に設けなくても、跳ね上がり防止部33と同様の機能を油槽の上縁部に発揮させることができる。
【0024】また、揚げ調理機について説明したが、茹麺機、スチーマー、味付け機その他の調理機に適用可能であることはいうまでもない。
【0025】
【発明の効果】この発明は、上述の次第で、調理用液体を収容する液槽の上周縁部の少なくとも一部に、内向きに突出する調理用液体の跳ね上がり防止部が設けられているから、前記跳ね上がり防止部によって、食材の投入時や調理中の食材を揺動時における液面の跳ね上がりを抑制できる。しかも、跳ね上がり防止部の先端に対して、液槽の内面が相対的に外向きに退入した状態になっているから、かご等を跳ね上がり防止部に近接配置した場合において、かご等と液槽内面との距離を確保でき、この部分で液体の良好な対流を行わせることができる。かつまた、液槽に収容された調理液から跳ね上がり防止部に向かって放散された熱は、この跳ね上がり防止部で反射されて再び液体に向かうから、熱エネルギーの有効利用を図ることができる。
【0026】また、調理用液体を収容する液槽の内周面の周方向における少なくとも一部が、高さ方向の中間部において外向きに突出する縦断面形状に形成されている場合には、外向きに突出する液層内周面の上縁部は相対的に内向きに突出することになり、この部分が跳ね上がり防止部として機能するから、食材の投入時や調理中の食材を揺動時における液面の跳ね上がりを抑制できる。しかも、高さ方向の中間部が外向きに突出しているから、液槽の開口縁部に近接してかご等を配置した場合において、かご等と液槽内面との距離を確保でき、この部分で液体の良好な対流を行わせることができる。かつまた、液槽に収容された調理液から液層内周面及び跳ね上がり防止部に向かって放散された熱は、この液層内周面及び跳ね上がり防止部で反射されて再び液体に向かうから、熱エネルギーの有効利用を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】391049666
【氏名又は名称】株式会社サミー
【出願日】 平成13年4月26日(2001.4.26)
【代理人】 【識別番号】100071168
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 久義 (外2名)
【公開番号】 特開2002−320555(P2002−320555A)
【公開日】 平成14年11月5日(2002.11.5)
【出願番号】 特願2001−129814(P2001−129814)